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October 31, 2006

アフタースクール 2

mama.gif 次の日、ナーサリーから戻った息子と家で遊んでいると、5時頃玄関のチャイムが鳴った。

エイミーに連れられたハリーだった。
またうちで遊びたいと言うので、どうぞどうぞと招き入れた。
母親はまだ帰っていないという。
息子も大喜びで二人でしばらく遊んだ後、ハリーの家で遊ぶというので、隣に連れて行った。

隣家で遊んでくれれば私は楽だが、ふと心配になった。

以前、フィオナが「いつでもベビーシッターしてあげるわよ」と言ってくれたことはあるが、「お茶飲んでいきなはれ」と言われてお茶を飲みに上がったら「あの人アホや」と言われる京都人気質も入っていそうなイギリス人ミドルクラス。
言葉をそのまま受け取っていいものか。
イギリスでは子供にもきちんきちんとスケジュールを立てて生活させている家庭が多いし、息子と遊ぶことで生活スケジュールが狂う事もあるだろう。
前日、エイミーが迎えに来たのが6時前だったので、ハリーの食事の時間が6時頃なのかもしれない。
6時がリミットかな、と思い、6時5分前に隣に行き、まだ遊びたい二人を無理やり引き離し、家に連れて帰った。

翌日もハリーはチャイムを鳴らした。
隣家で遊ぶ場合は、私は「6時リミット」を死守し、迷惑をかけないように迎えに行った。

金曜日。
7時頃になっても、ハリーはまだウチで遊んでいた。
あれ、ご飯の時間6時じゃなかったのかな・・・と思っていると、仕事から戻った夫が、二人をプールに連れて行ってあげると言い出した。
狂喜乱舞する二人。
隣に許可を取りにいくと、フィオナも戻っていて、よろしくお願いしますとの事。
プールで二人は思い切り遊んできて大満足だったが、戻ったのが9時頃になってしまったので、遅くなりすぎでは・・・とまたもや少し心配になった。

翌土曜日。
また5時頃、ドアのチャイムが鳴った。
こんな時間に誰だろう・・・と窓から外を見ると、ハリーがドアの前に立っている。
ウィークエンドはちょっと都合が悪いなあ・・・と思い、夫にそう言ってもらうように頼むと、子供好きの夫は
「僕には言えない。君から言って。」
と懇願するので、仕方なく私がドアを開けた。

すると、ピンクのバラの花束を抱えたハリーが
“For you”
と言って、それを私に差し出すではないか。

予想外の展開に驚き、「私に?」と聞くと、
「色々とありがとう。プールにまで連れて行ってくれて感謝してるわ。」
と門の外に立ったフィオナが言った。
遊びの誘いを断る口実を探していた自分が恥ずかしくなった。

日曜日は秋晴れのいい天気だった。
息子がまたハリーの家に遊びに行きたがるので、夫が
「いい天気だし、隣に預けて僕達はテニスしに行こう」
と言う。隣に聞きに行くと、
フィオナは
「No Problem! 都合の悪い時はそう言うから、心配しないでね。お互いにそうしましょう。」
と言ってくれた。

彼女は思っていたよりも、ずっとシンプルな性格なのかもしれない。
どうも難しく考えすぎていたのかも。

それにしても、私が小学生の頃は、学校が終わった後ランドセルを置いて、近所の子と遊びに出かけたものだったが、ロンドンで子供達が誘い合わせて遊んでいるのなど見たことがない。
ロンドン子は学校が終われば家にいるしかないのかなあ、可哀相だなあ、と思っていたが、まさか外国人である自分の息子に、放課後の遊び友達ができるとは思っていなかった。
それも隣なので、何につけてもとても便利で安心。
(いざという時にはベビーシッターも頼める。有り難や~。)

でも徒歩30秒の隣にも、必ず大人同伴で連れて行くところがロンドンらしいといえばロンドンらしいが。

投稿者 lib : 11:50 AM | コメント (0)

October 29, 2006

Heathrow

shacho.gif

好きなロンドンの風景の一つに夜間飛行がある。大陸あたりに出張
し、帰りのフライトで快い疲労感をワインで癒し、日のとっぷり暮
れたロンドン上空に差し掛かると、あの落ち着いたアンバー色の街
灯が次第に眼下に広がりはじめる。皆仕事で疲れているのだろうか、
夜更けのフライトはいたって静謐で落ち着いている。

あの優しいアンバー色は、十数年前、初めてロンドンに到着したと
きも迎えてくれた。

その日は、はでな嵐だった。風が強すぎてなかなか着陸できず、ヒー
スロー上空で1時間半程旋回していたが、飛行機は揺れに揺れ、女
性の悲鳴さえ聞こえてきた。僕もさすがに気持ち良いわけがなく、
英語も全くできなかったので、手に汗かいてどうなるかと不安だっ
た。なにかアナウンスが入って、ようやく降下が始まった。それま
で真っ暗だった眼下に一瞬アンバー色が広がった。

このとき アンバー色 = 落着き という図が僕のなかで出来上がっ
たのかもしれない。アンバーが広がってくると、自然とリラックス
した気持ちになって、家に戻る安堵感に包まれる。

そしてブラックキャブを拾って家路に着くのもまた良い。彼らは接
客のプロも多く(酷いのも中にはいるが)、口数はこちらに絶妙に
合わせてくれるドライバーが多い。

色々不便もあるけど、なんだかんだ言って英国というのは実に良い
国だと思うし、すでに故郷である。

投稿者 lib : 11:02 PM | コメント (3)

October 26, 2006

クイズナイト

career2.gif
会社のクイズナイトに参加した。

うちの会社には「スポーツ・レジャー担当秘書」が数人いる(本当です)。宴会の幹事みたいな人たちだ。様々な行事の計画、参加者募集、進行を牛耳っている。

たとえば、
ウエストエンドのミュージカルを鑑賞
エセックスでドッグレース観戦
テムズのクルーズボートでダンスパーティ
バーベキューナイト
などである。

クイズナイトは超ダサイ催し物だが、「社員同士の親睦を図る」ために時々参加する。

今回は4人ずつでひとつのチームとなり、「チーム名」までつけての徹底ぶり。なんだか恥ずかしいなあ。

「チームメンバー」と会場のパブに向かおうとすると、別のパブに寄って「プリ・ドリンク」(10月12日のブログを参照のこと)をしようと言う。
5時半に会社を出て、徒歩10分のところにあるパブで6時開始の予定だ。何でわざわざ「プリ・ドリンク」をするんだ、この状況で??? やめてー。

なんとか諦めさせて会場までひきずっていった。すでに会場は混み始めている。
会社の近くのパブを貸しきり、120人が集まっている。参加費はひとり4ポンドで、「ドリンク券」が各4枚渡された。手描きのチケットはかすれたコピーでいい味を出している。

さて、何を飲もう。
大人数で自社の集まりだ。どうせハウスワインの安物しか出されないはず。そんなものをがぶ飲みしたら二日酔いが怖いので、ピムズにする。

安っぽいカクテルソーセージ、油ギトギトのチップス、油ギトギトのサモサ、油ギトギトのオニオンリング、油ギトギトのフライドチキンが各テーブルに運ばれてくる。
いつもなら「こんなものが食えるか!」とちゃぶ台をひっくり返してしまうところだが、今日は会社の親睦会、抑えて、抑えて・・・。

テーブルにメンバーが揃った。
「得意の分野は?」と聞きあう。
「えーと、クラシック音楽と文学」と私。
・・・クイズナイトでこれほど役に立たない分野もない。ここは「ソープオペラ」と「ポップミュージック」と「フットボール」の世界。
「イースト・エンダースのドラマの中で交通事故に遭って役をやめ、その後ポップスターになった女優の最初のヒット曲は何でしょう?」とか
「19XX年のワールドカップで優勝した国はどこでしょう?」
とかの答えを知っている人が偉いのだ。

見ればフランス人チームも参加している。が、外国人の彼らは英語もいまいちだし、質問の内容もピンとこないらしく、すぐにクイズに興味を失い、飲み食いに専念している。

スポーツ関連の問題が続き、私も飽きてきた。ここは男の同僚にまかせ、同じテーブルの女の子と共謀、「フラート・ゲーム」をしかけて、誰かをからかうことにする。
この日は系列会社の人も来ていて、馴染みのない顔も多い。で、少し離れたテーブルのシャイそうな男の人をターゲットにチラチラと視線を向け、にっこりと笑いかける。
しばらくすると、彼もこちらに気づき、うれしいような困ったような表情になった。

他の同僚に「また、やってる。やめなさい」とたしなめられても知らん顔。
彼が(僕に気があるのかな? どうしよう、声をかけようかな・・・)という落ち着きのない態度になったあたりで「ゲーム終了」。その後はシカトする。
(あれ? 勘違いだったかな?)と怪訝そうな顔をしていた。
悪気のないいたずらである(ちょっと悪気あるか・・・)。

「チケット分、全部、飲んじゃったの。チケット余ってたらくれない?」と各テーブルを回る女がいる。うちのテーブルにはもう余ってないよー。

煙草の煙が立ち込める中、油っぽいパブフードを食べて、安酒を飲みながらのクイズナイト。福利厚生の一環ながら、どう考えても健康に悪い一夜を過ごした。

暇つぶしにからかった男の人、この場を借りて、ごめんなさい。(日本語が読めないか・・・)

-----ホリディを取るので、来週はお休みします。

投稿者 lib : 09:26 AM | コメント (0)

October 25, 2006

欧行帰りはダサイ??

irootoko.gif
いきなりだが、現在欧州在住の紳士の貴殿は「レオン」とか、
「メトロセクシャル」という言葉をご存知だろうか。

「レオンはちょい不良(わる)オヤジだろ、
メトロセクシャルって若造が外見ばかり気にしてせっせとお洒落することだろ? 
少し日本を離れてるからって馬鹿にすんなよお。」
とおっしゃる紳士の方がいればそれは失礼。。
ロンドンでは確かに貴殿はギリでイケているかもしれない。。

でも、悲しいかな、、現在の東京のイケてるオヤジは、
白金のバーでこう意味不明気味に独り言ちらなければならないのだ。
「いつまでもモテおやじの実用教科書じゃなあ、レオンも岸さんの心意気と魂があるうちだったなあ、、え、メトロセクシャル? ま、僕はいいとおもうよ。
でもどう自分なりの価値観をスマートに体現するかってことの意味を若い子たちはちょっと誤解してるかなあ。。」。。と。

東京の「流行」、「廃れ」の周期は驚くべきほど早い。
そのようななかでもこの2つの言葉は廃れることなく着実に地歩を固めたがその意味合いは変遷する。

ここではっきり言い切ってしまおう。華麗なる欧州赴任だったはずだが、
一旦本帰国してしまった東京の貴殿は実に「ダサイ」のだ。
貴殿が本帰国するとき、おそらく欧州帰りのかっこいいオヤジとして
「えー、4年住んでたんですかあー?すごーーい。」などとちやほやされるのは、
初日歓迎会の夜の銀座でだけなのだ。

現在シティーで働く貴殿のスーツ姿をチェックしてみてほしい。
ポイントは3つだけ。まずは、
(1)腕をピンと下にのばしてスーツの上着の裾が手のひらで終わらず指まで達している。
(2)スーツのパンツにタックが入っている。
(3)胸回りのYシャツの生地を5cm以上摘めてしまう。
3つとも当てはまってしまった貴殿、今の東京のアデージョ(艶女)からは全く相手にされませんぞ。
しかるに残念ながら、貴殿がロンドン三越30%オフで購入したBurberryは、
実は帰国と同時にお蔵入りの運命なのだ。

小生10年余のシティ勤務の最後の数年(といっても最近ではあるが)、
若いバンカーの間でスリムなブラックスーツとパープル系のネクタイの組み合わせが流行っていた。
それはその後着実に日本にも輸入され、
彼の地のブラックスーツは喪服から立派なモテスーツに昇格した。
しかも、レオン的フレーバーとメトロセクシャルの感性で味付けをされ今やムチピタスーツとしてモテオヤジの定番になった。
つまり、シティー発の流行も今や東京で大きく昇華しており、
ナイツブリッジのハービーで気合いを入れて購入した有名ブランドのスーツも、
貴殿が想像する程には東京で武器にはならない。

ここではなにも単にファッションについて論じている訳ではなく、時計や車、飯や酒など、
すべての粋な男らしさを演出するアイテムは今や東京が相当イケているということだ。
だからこそ、「欧州帰りの素敵なオヤジ」で新しい日本での希望の日々のスタートを切りたい貴殿は、
帰国前後の数ヶ月の感性を鋭敏にしその変遷を大切にせねばならない。
もともと欧州帰りの貴殿は確実に付加価値をつけているのだからカッコイイはずなのだ。
だから、赴任前の自分を封印してイメチェンを図る大チャンス。
仕事もプライベートもスマートにこなし毎日の自分の生活に価値を持たせモテモテになろうではないか。まずここでファッションを話題にしたのは、
豊かなライフスタイルを表装する外見はやはり重要な要素だからである。

21時、麻布の街角で欧州から帰ったばかりの貴殿がアデージョを従えている。
ただ、貴殿は適当な飯屋のチョイスに困っている。つまり店を知らないのだ。
そんなときに、
「東京ほど街並が変わってしまう街も珍しいな。
この辺りでX年前に僕が行きつけだった店も殆どなくなってしまったよ。
あの角の店、雰囲気よさそうじゃないか。
今晩はあそこにしようか。
味の評判を聞かずに一見でレストランに入るってのはロンドンではあり得ないんだけど、
東京では限りなくリスクの小さい楽しい賭けだね。」
などとつぶやく貴殿が、

傍らのアデージョに、
「なーんだ、麻布で店ひとつも知らないんだ。ダサーいオヤジ。」
とばっさりやられるのか、
「やっぱり欧州帰りって感じ。なにか楽しい冒険だわ。この人のこと、、もっと知りたあーい。」
と甘あーい上目線を浴びるのか、
それは貴殿次第なのだ。

PS
イケてる貴殿はまさかとはおもうでしょうが、本文の言葉のいくつかを
よく知らないという紳士がいるやも知れません。
そんな方のためにリンクをどうぞ。。

レオン  http://www.shufu.co.jp/magazine/leon/
メトロセクシャル http://blog.livedoor.jp/metrosexual/
アデージョ  http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&index=2005000077
ニキータ   http://www.shufu.co.jp/magazine/nikita/

投稿者 lib : 07:35 PM | コメント (2)

みなさん、はじめまして

tophum.gif
みなさん、はじめまして。
このたび、日本企業の駐在員という立場からブログを書かせていただくことになりました。
文章には全く自信が無く、このようなサイトに載せるのは大変恐縮なのですが、
これから駐在予定の方やそのご家族の不安や心配が、このブログで少しでも解消されれば幸いです。

私はこの4月に東京からロンドンに転勤になり、駐在生活がスタートしました。
6月には家族も渡英してきて、仕事・生活・学校とひとまず落ち着いてきた今日この頃です。
生活習慣も言葉も違う異国の地で仕事をするというのはもちろん大変なことではあるものの、
東京にいた頃のように、日夜仕事に忙殺されることなく、
家族と過ごす時間が増えたことは非常に喜ばしい。

そんな私たち家族が渡英後初の遠出に選んだのは、
Mid-Hants Railwayの
「Day Out with Thomas(トーマスとその仲間の格好をした本物の機関車に乗ろう!というイベント)」
でした。

当初妻からこのイベントへの参加を聞かされた私は「所詮子供用のイベントだろう」とたかをくくっており、
実のところ全く乗り気ではありませんでした。
しかし・・・行ってみると、それはまぎれもなく本物の「機関車トーマス」!
本物の機関車の迫力に、気付けば3歳の息子より大人のほうが喜んでいる有様でした。
4つの駅の間を片道小1時間ほどかけてのんびり走るこの列車、
たまに「ポーーーッッ」と汽笛の音を聞きながら、車窓からののどかな田園風景を眺めていると、
そこだけタイムスリップしたような、不思議な時間が過ぎてゆくのでした。

Ropleyという駅では「トーマスVSディーゼル」のレースが行われたり、
本物そっくり(らしい)の「トップハムハット卿」と記念撮影をしたり、
予想以上の楽しい1日となりました。
「あ!トーマスだー!」「こっちはディーゼル!」「ジェームスもいるよ~!」と、
機関車たちの名を連呼する息子の傍らで「トップハムハット卿」の名すら覚えられない私でしたが、
そんなお父さんでも大丈夫!きっと楽しい1日となるでしょう。

毎年、英国各地の保存鉄道で開催されているこのイベント、皆さんもぜひ一度お試しあれ!

投稿者 lib : 07:09 PM | コメント (4)

郵便事情

darling.gif 日本の郵便システムは、ロイヤルメールを手本にしたと聞いたことがあるが、
最近のロイヤルメールの内部事情やサービスしか知らない人には驚きかもしれない。
本当に最近は、悪くなる一方だ。

その1、
私の誕生日に義理ママがプレゼントを送った。
しかし、私は何も受け取っていない。
つまり何処かへ行ってしまったのだ。
ママが、ダーリンに『プレゼントを 送ったからね。』と言ってくれたから、
届かなかったことを伝えられたけど、
あやうく“ありがとうが言えないダメな嫁”のレッテルを貼られる所だった。
ふー。危ない。危ない。

中味は、香水だった。
思うに、誰かが彼女のプレゼントに失敬したのではないかと想像する。


その2、
ダーリンの誕生日に、バースディプレゼントを送れなかった弟が現金をカードの間に挿んでポストした。
小切手が入った封書や誕生日カード類は全部届いたのに、その手紙だけがついに到着しなかった。
なんで??

想像するに誕生日の周辺には、沢山のカードが送られてくる。
そして、中味を想像することは簡単なことだ。
たまには、現金を送るアホもよくいるのだろう。
弟からの郵便も開封したら現金だったので、いただいてしまったのだろう。


その3
缶コレクターの私へと、フランス在中の友人が送ってくれたのは薬の入った缶(なんと下痢止め!)。
フランス語で書かれているので何だかわからないが、中味とは関係なくすごーくカッコいい缶だ。

うれしくて中を開けてみたら、
中には、変なものが入っていた。
それは、使い古した紅茶のティーバックが3個入っていた。
?????
友人に問い合わせたところ、彼女は開封せずに郵送したそうだ。
?????

その薬はまるでキャビアのような小さな黒い粒で、缶一杯に入っていたそうだ。
送られてきた封筒を見ると、どうも税関?で開封された形跡がある。

勝手な想像では、開封してみたらフランス語で書いてあるが、どうも形状がキャビアのようだ。
えーい。キャビアは食べて、中味を別の物に入れ替えてしまえ!!
しかし、なぜ使ったティーバックが中身に選ばれたのだろう??
身近にあるものだったのだろうか。
想像が正しければ、行われた国は英国だろう。

しかし、その薬は食べてしまったのだろうか。
もし、食べたのなら2.3日は苦しい思いをしただろうなー。


その4、
日本宛に送った小包が1週間ほどして、差し出し人の私に届いた時は開いた口がふさがらなかった。
届けた郵便マンも自らの過ちを認めていた。

会社やミーティングに遅れる理由のダントツは、『電車が止まった。』『動いてなかった。』だ。
絶好のいい訳にされているとの話も聞く。
これと同じように『請求書?いやー、届いていないよ。』とロイヤルメールのサービスの悪さにされるのもすぐだなー。

投稿者 lib : 10:07 AM | コメント (0)

October 24, 2006

アフター・スクール

mama.gif   先週、息子はナーサリーが終わった後、隣家の6歳の息子、ハリー(仮名)と殆ど毎日遊んだ。

ちなみに、ハリー(仮名)とする訳は、隣の子供の名前を本名で書いて個人情報漏洩で訴えられるのが怖いから・・・とは思っていませんが自分の子の名前も公表していないので、何となく申し訳ない気がするので。

始まりは火曜日だった。
息子と部屋にいると、窓から隣の庭で遊ぶハリー(仮名)と友達らしい女の子が見えた。

息子が窓を開け、
「ハリー!(仮名)」と呼ぶと、ハリー(仮名、以後鬱陶しいので略)は
「うちに遊びにおいでよ!」
と誘ってくれた。

「お母さんはいるの?」
と聞くと、いないけどお姉さんがいると言う。
息子はすっかりその気になっているし、他にも子供が遊びに来ているようだからいいかな、と思い玄関を出たところで、ちょうどタクシーから降りる仕事帰りのフィオナと鉢合わせした。

これこれしかじかと事情を話すと、
「ノープロブレム!後で連れて帰ってあげるわ!」
と言ってくれたので、有難く隣家に置いて来た。
これが5時頃のこと。

20分程過ぎた頃、庭から「マミ~!」と呼ぶ声がするので窓から顔を出すと、フィオナとハリーと息子がこっちを見ている。
息子がおもちゃを見せたいから、ウチで遊びたいと言っているという。
勿論問題ないので、ハリーと息子を招きいれた。
さっきの女の子はもう帰ったという。

うちで30分程遊ばせていると、ドアのチャイムが鳴った。
ハリーの姉の14歳のエイミー(仮名、以後略)だった。おそらくフィオナに言われて、迎えに来たのだろう。
時間は6時10分前。いい時間だと思い、ハリーに「お姉さんが迎えに来たわよ~」と言うと、
「まだ帰りたくない~!」と大抵抗の嵐。
てこでも動かない様子だったので、
「後で私が送っていくから」
と、とりあえずエイミーを家に返した。

息子も夕食がまだだったし、隣家も食事の都合があるだろうと、それから15分後にハリーをなだめて隣に連れ戻した。

時間は6時5分。
まあ常識的な時間にお開きになったかな、と思った。

つづく


投稿者 lib : 09:44 AM | コメント (0)

October 21, 2006

Productivity

shacho.gif

パソコンのキーボードを人差し指だけで打っている方へ、以下余計
なお世話。

ブラインド・タイプというのは和製英語だそうで、タッチ・タイプ、
タッチ・タイピストというのが正しいらしいですが、要はキーボー
ドに視線を落とすこと無しに、画面をじっと見ながら高速でタイプ
する技でございます。

タッチタイプがどうして優れているか:
- タイピングが一気に速くなり、楽しさすら感じる。
- 手書きするより速く、思考スピードを邪魔される度合いが低くな
る。特に英語の文章を構成している時に顕著。
- Cool。特にIT関連で飯を食っている人にはプロらしさが一段と加
わる。

ちょいと試算。いったい一生に何回キーを叩くでしょうか。例えば
このblog をざっと測ると日本語で2,000文字。日本語なので一文字
に2回キーを叩くとして4,000回。これを毎日続けると、4,000 x
360 =約1,500,000。これを30年続けると45,000,000。一秒に2文字打
つと仮定すると、22,500,000秒で、約徹夜260日分となります。秘書
やジャーナリスト等の場合、商売柄この5倍10倍、いやもっと沢山の
文字を打つでしょう。実にタイピングに数年分以上の長い時間を費
やすことになります、彼女・彼らは一秒に4から6文字を簡単に打ち
ます。相当な時間の節約ができることがわかります。自分が今、ど
れ程のスピードでタイピングできるか、早速測ってみましょう。例
えば:
http://www.typeonline.co.uk/typingspeed.php
wpmとは word per minute で、1 word は5文字で計算します。 2回
やってみました。47wpmと59wpmとでました。一秒に4, 5文字という
結果です。

タッチタイプを練習し始めると、一時的にタイピングが遅くなりま
すので、一ヶ月だけイライラが続きます。ここを我慢できるかそう
でないかが、天下の分かれ目。いまどきですと、様々な練習ソフト
ウェアが発売されています。楽しみながら練習できるようになって
いますので、これで一ヶ月間続け、さらに昼間仕事でキー打つとき
も、きちん教えに沿って辛抱します。

最初は手を定位置に置くことから始まります。これが実に苦痛に感
じますが、我慢我慢。左手の人差し指がF、右手のがJに位置しま
す。FとJのキーだけに突起が付いているのはこのためです。この
位置から手は動くのはせいぜい2センチ程度。あとは指の運動のみで
す。

次に徐々に各キーの位置を手が覚えるようになります。車でいうと、
クラッチとギアの関係みたいなもんで、教習所時代は頭で考えるで
しょうが、路上に出るころにはいちいち頭で考えていませんね。

もう少し上達すると、こんどは手が単語を覚えます。こうなればタ
イピングが楽しく感じてきます。例えば、 confirmation,
suggestion, investigation なんて長めのものでも手が覚えてくれ
ます。タッチタイピストは、confirmationを、一文字づつc, o, n,
f, というように文字のキーの位置を意識しているわけでは全く無く、
単語単位でその運指を体で覚えます。

このレベルまで来ると、思考を書きとめるというどうしても必要な
作業が、思考のスピードをあまり邪魔しなくなります。こうなれば
しめたもので、僕がなぜtouch typeを強くお勧めするのか実感し感
謝することになるでしょう。早速、ビール一杯奢ってください。

---

20数年前の日本、個人のパソコンが電話回線・モデムでネットワー
ク接続され始めました。パソコン通信の創成期です。勿論インター
ネットというものは存在しておらず、先進のIT企業がホスト・コン
ピューターを提供し、パソコン通信の実験を始めました。一番人気
のあった(株)アスキーの場合、当時モデムが50台程度設備され
ていました。全国のパソコンオタクから電話がかかってきますが、
50人しか同時にネットにアクセスできないという、今では信じられ
ない時代でした。

僕も300bpsのモデムを入手して参加しました。皆さんのADSLが仮に
2Mbpsだとすると、実に1/7,000の超スロースピードですが、これが
最高スピードだったのです。当時こんな遊びをしていたのはコンピ
ューターのプロか、オタク。パソコンの画面上で知り合って仲良く
なったものの、お互い会った事が無いという、今では普通のことが、
当時実に不思議な体験でした。オフ会呼ばれる飲み会がたまに開催
され、普段画面上でコミュニケートしている仲間が実際に会ってワ
アワア。僕もちょっと怖いながらしばしば参加していました。いき
なりマント着てくる奴とかも居たなあ。

ある日どこかのオフィスでオフ会があり参加しました。そこにほぼ
歳が近いと思われるお兄さん(当時)がパソコンに向かっていまし
た。ネットで面白い書き込みをする人で旧知(画面上で)でしたが、
画面を見つめたまま物凄いスピードでタイプしていました。Cool!
近寄って彼の運指をみて更に腰を抜かしました。なんとローマ字入
力ではなく、50音で打っているではないか。ひゃあ~

帰路、同行した友人と共に誓いました。そしてひと月後にはお互い
にそこそこのタッチ・タイピストになっていました。なんの難しさ
もなく、一ヶ月だけ一時的に遅くなるイライラを我慢するだけだっ
たのです。キッカケが必要だっただけ。なので、機会があれば社員
や人にお勧めしていますが、今のところ僕に勧められてタッチタイ
ピストになったひとはゼロ。あのお兄さんのような説得性が無いん
だなあ。

投稿者 lib : 12:13 PM | コメント (2)

October 18, 2006

僧院で黙想

career2.gif 
Retreat(リトリート)というのは 「宗教的修行や黙想のために閉じこもること」 で、キリスト教の僧院(?)に行き、半日ばかり「黙想」した。
参加費 (寄付、喜捨、お布施かな?)が10ポンド。

「日帰り 禅寺体験 イギリス版」といったところか。
私は日本人のくせに正座ができない。20秒で下半身が麻痺して、歩行不能になる。座禅もダメ。 「宗教的沈黙」はクールだが、禅寺で「体育座り」した瞑想じゃ、まるで運動会の練習中に居眠りしている人みたいでマヌケ。お坊さんもいやがること間違いなし。

友人は洗礼を受けている「正式な」キリスト教徒だ。私のような罪深い人間を誘ってくれたのは、やはり良きクリスチャンの模範を見せたかったらしい。彼女が神の教えに従うように、私も好奇心に従い嬉々としてお供した。

郊外の小さな町に向かう。
9時までに集合ということだったが、道を間違って20分の遅刻。
出だしから文字通り「迷える子羊」というダメな二人だ。

着いた所は宗教施設には見えない。お金持ちの豪邸だったのを、遺言で教会に寄付したという感じ。駐車場も庭も広々として天気が良かったこともあり、いい雰囲気である。

遅れたので慌てて中に入ると、20人足らずのイギリス人が牧師さんだか、神父さん(違いがよくわからない)の説教を聴いている。
「・・・というわけで、神は常にあなたの傍にいらっしゃいます。今日は心静かに自分の内なる声に耳を傾けなさい」と説教は終わった。

しまった、遅刻したせいで重要な部分を聞き逃したかもしれない。

スケジュールは、
9時半から1時まで黙想する。
1時からランチ。
1時半から3時まで黙想。
3時に集合して、もう一度説教を聴き、解散。
というものだった。

で、この間、ランチも含めて誰とも口をきいてはいけないことになっている。

「じゃ、話しかけないでね」と敬虔なるクリスチャンの友人はどこかに行ってしまい、異教徒の私は一人残されたのだった。

この20人のメンバー。
「シビアな問題を抱えている」わけありタイプ。
「いまは辛いことに直面しているが、僕は負けないぞ」という感じのビジネスマン。
「少し悩みがあるのでゆっくりと考えてみたい」人。
「のんびりと半日過ごそう」という老夫婦。
「物見遊山」の日本人がひとり。

(ジョン、どうして私を捨てたの? どうして? どうして?)とすすり泣く若い女。
(あのスペインの事業さえ、うまく行っていれば、倒産することはなかったのに・・・)と図書館のテーブルの上で手を組み、むずかしい顔をするビジネスマン。
(孫の顔を見せてくれない性悪の嫁、ジェーン。どうしてくれよう)という女性。
(おや、きれいな花だ。うちの庭にも欲しいね)と顔を見合わせる老夫婦。
———注: (・・・)内は想像です。
(うーん、いい天気だねえ。ベンチで昼寝しようかな。しかし、広い庭だね。不動産価値はどのくらいあるんだろう。70万ポンド、いや、もっとかな?)と私。

ランチはダイニングルームでロールパン、ハム、サラダ、ビスケットにコーヒーや紅茶という典型的なイギリス風のコールドミール。(精進料理ではない。当たり前だ)バターやジャムを取ってもらっても、ニッコリとするだけで「ありがとう」という声も発しない。

私ものんびりと過ごし、意外にも退屈することもなく3時になった。
「すべてを神様におまかせしなさい。ひとりで悩むことはないんですよ」というお説教で終わった。

いやー、癒されたぞ、リトリート。

半日ばかり、口をきかずに庭を歩いただけで、こんなに心が落ち着くものだとは思わなかった。10ポンドで格安だし、異教徒もOKという懐の深さがうれしいじゃないの。

わざわざ「私はクリスチャンではありません」とは言わなかったが・・・、いいよね?

投稿者 lib : 11:44 AM | コメント (0)

得した事

darling.gif 英国にいると、時間に正確でない電車、サービスの悪さ、態度の悪い奴ら、、と
イライラする事こともあるが、意外に得する事もある。

この頃は、大根もかなりポピュラーになっていて、
先日、某大手スーパーで見つけ、珍しさとうれしさでカートに入れた。
しかし、案の定レジ打ちの人は、その名前を知らない。
こんなことはよくある。
重さを計り、単価をいれるので、商品の名前を見つけないと値段をだせない。
そこで、ダーリンが「ムリーだよ。」(mooli。どうもオランダ語らしい)と伝えたが、その名前が見つからないようだ。
こんな時は、フロアーマネジャーが呼ばれる。大概ここで解決するのだが、この人も見つけられない。
そして、『いいわよ。』といってタダにしてくれた。
『えー!!スーパーでもタダにしてくれるの??』
『わーい。わーい。得した。』と思ったとともに、ああ、もっと大きいのを選べばよかった。と後悔した。


ダーリンの田舎で電車に乗った時のこと。
無人駅も多く、そこから乗車した場合は、電車の中で切符を買うか、降りた駅で精算する。
私は、社内で買う機会がなかったので、終点駅で支払うために窓口でその旨を伝えた。
そしたら、『今日はいい天気だから、いいよー。』
『えっ?!』『今度乗っときに支払ってよー。』と優しくお兄さんが言った。
めったに見ないアジア人へのサービスなのだろうか。
いいのかな??と思いつつ、道を歩きながら,なんだか笑ってしまった。
このほのぼのとした感じが、田舎だなーって。

しかし、都会でもまだまだいい事はある。
知り合いが、よく道路で見かけるカーウォッシュの看板を目にして立ち寄ったそうだ。
車内の清掃と外観の洗浄で値段は12ポンドだったらしい。
綺麗にしてもらい、支払う際に気がついた。財布には、現金が11ポンドしかない。
『銀行は何処にあるのかな?お金が足りないから、おろしに行くよ。』といったら、
『いくら足りないの?』と聞かれ、1ポンドと伝えると
『いいよ。11ポンドで』と言ってくれたそうだ。

私も近所の小さい店で買い物をしたら、お金が足りなかった。そしたら、『今度寄った時まで貸しておくよ。』という。
次の日に返却したが、その後はちょくちょくその店に寄るようになってしまった。

どうもこういう“いい話“はよくあるようだ。
これは、自分の持っている会社ではないから、自分が損する訳でもないので“タダにしたりする”との話も聞くが、
多分、自分の会社であっても同じだろう。
ただのいい加減だけだ。

このいい加減という言葉は、
“いい(良い)加減。”つまり、いい感じなのだ。
と解釈できると友人から教わった。

そう、このいい加減さが英国の居心地のいいところなんだろうなー。とも思う今日この頃。

投稿者 lib : 10:17 AM | コメント (2)

October 17, 2006

The naughtiest boy 2

mama.gif  自己主張が強くやんちゃな息子に日々振り回される日々だったが、とりあえずは有難い事に、身体の発育だけは何の心配もなかった。
近所のプレイグループで知り合った、年の近い子供を持つ日本人ママ達といつも遊んでもらっていたのだが、彼の運動神経を皆から褒められるのを、正直誇らしい気持ちでいたのも確かだ。

形勢が逆転してきたのは、息子が1歳になった頃だった。

息子より4ヶ月お姉さんのSちゃんが、言葉を話し始めた。
それも”I’m fine, thank you” とか、いきなり高度な文章だ。
「女の子は言葉が早いと言うし、すごいなあ。」
と、素直に感心した。

それから数ヶ月して、Kくんが簡単な単語を発し始めた。
Kくんは息子より2ヶ月お兄さんなので、
「この子もあと2ヶ月位したら話し出すのかな」
と楽しみに思った。

それから2ヶ月たっても、3ヶ月たっても、4ヶ月たっても、息子は相変わらず「ぶばぶば」と赤ちゃん言葉しか発しなかった。
とうとう2歳の誕生日を迎えたが、「マミー」とも言ってくれなかった。
そんな間にも、周りのお友達はどんどん語彙を増やしていった。
比べても仕方ないとは分かっていても、どこかで焦る気持ちがあった。

私がもっと意識的に言葉を教えるべきなのだろうかと、たまには家で落着いて絵本を読み聞かせようとしても、息子はあまり興味を持たず、相変わらず外に出て遊びたがった。
確かに彼が一番びのびする場所が公園だったし、私もそんな彼を見ているのが好きだった。
お気に入りの公園は家から少し離れていて、車も駐車できない場所だったが、片道30分の道のりをバギーを押し押し頑張って歩いた。

ある時、公園で走り回る彼を見ながら、ふと思った。

ああ、こうやって息子が外で体を動かすのが面白くて仕方無くて飛び回っている頃、SちゃんやKくんはお家でお母さんに絵本を読んでもらったり、お話をしてもらったりしていたのだろう。
重ねた時間の分だけ彼らは言葉を覚えたし、息子は皆より早く走れるようになった。
これが「個人差」ってものなんだ。

息子が始めて言葉を発したのも、やはり公園だった。

いつもの様に最後の一人になるまで遊び続け、抵抗する彼を無理やりバギーに押し込め、家路へ向かうべく歩き出した。
と、私たちの前を、一匹のリスが横切った。

それを指差して、息子が「りす」と言った。
突然のことに、耳を疑った。
「え?何て言ったの?あれの事?あれなあに?」

「りす」

夕暮れの公園で、私は不覚にも涙を流してしまった。
息子は2歳と2ヶ月になっていた。

先日4歳の誕生日を迎えた彼は、他の子に比べればまだ下手くそだが、言葉も随分話せるようになった。
少しは落着いて、家の中でも遊べるようにもなった。
ナーサリーもフルタイムになり、週末くらいしか公園に連れて行けなくなってしまったが、二人で過ごした公園通いの日々が宝物のように思い出される。

投稿者 lib : 12:08 PM | コメント (5)

October 13, 2006

You can't.

shacho.gif

マダムの英語ネタblogに触発され、自分の英語力を棚に上げつつ以
下つれづれと。

英語、特にイギリス語の発音というのは子音がきつくて、母音のき
つい日本語ネイティブにはむつかしい。日本の西側で育った方たち
は更に母音がきつい。 例えば、Softbank という偉大な日本企業が
あるが、英国人に発音してもらうと、その美しきこと。当社にもこ
てこての関西人がいるが、この人が発音すると、ソフウトオバンク
ウー。 AS400、というIBMの名機ともいえるコンピューターがあった。
エイエス・ホー・ハンドレッドオ。この、ホーが英国人には伝わら
ない。多分 AS まできたところで、相手はfourを期待しているんだ
ろうけど、その刹那に ho が来るので、言語処理回路がかき乱され
るのであろう。

ちなみにこの彼も、カプチーノを頼んでティーが出てきた経験を持
つ、実に愛すべき明るい性格の持ち主であり、きっと自分で笑いな
がら美味しくティーを啜っていたことと思う。ちなみに、西側には
自己を笑いのネタにして大笑いする明るい人が多く、北海道で育っ
た僕には実に素敵だなあと思うし、いつも真似てみたいと思ってい
る。

渡英して3年程経過したころだろうか、仕事仲間のBob氏に、textの
発音を指摘された。当時僕は テキスツ 程度の発音をしていたよう
に思う。即ち最後の t は、何とかきちんと子音で終えていた。し
かし問題は キ であった。x の発音は i という母音とは無関係で
ある。あくまで x の子音で次の t つながらなければならない。たっ
た4文字の単語だが、この単語で、発生してもよい母音は e だけで
ある。テキスト vs テクスツ。

なるほど日本語でカタカナになっている単語ほど、発音は要注意だ
と気付かされた。他にも、テレフォン vs テリフォン、テープ vs
テイプ等きりがないが、文部省に提案したくなる。エー、ビー、シー、
デー、イー、エフ、ジー♪という歌で小学だか中学でアルファベッ
トを覚えるのがあった、今考えるとこの辺から既に間違いは始まっ
ていた。最近はどうなってんだろう。

さらに、子音のきつい英語発音を相手に伝わるように発音するには、
肺活量というか、より吐く気流をきつく出さないとならないのも、
日本人というか母音のきついネイティブには厳しいところである。
f, p あたり。僕は渡英後16年経っても w がどうにも改良できない
でいる。Where do you live? とか聞くと、今でも必ず pardon? が
返ってくる。誰か教えてください。

脈略なく話を続けるが、今でも恥ずかしくて、忘れたいけど忘れる
ことができないことが渡英6年目にして発生してしまった。can't
の発音である。もうお分かりの方もおられると思うが、まあ聞いて
つかあさい。米語だとキェーントみたいな音になるらしいが、イギ
リス英語だと、”エ”という音にはならない。文字通り”カ”であ
る。もともとこの発音には自信がなかったので、cannot という単
語を使っていたが、さすがに6年も経ったので、カッコつけてそろ
そろ挑戦と思っていた。場所は某日系銀行のお客様のディーリング
フロア構築中のサイトオフィス、相手はEBSという金融ブローカー
相手に商売する企業の英国人女性プロジェクト・マネージャーであっ
た。必要なデータ回線をこの日に導入したいがどうだ、と聞かれ、
そんな悠長な日程ではとても間に合わないと言いたく、"You can't"
と言った(つもりだった)。と、同時に僕の英国人部下2名が腹を
抱えて床を転げ回った。僕は何が起きたのか分からなかった。can't
はカーーントと、カ を伸ばさないと大変なことになります。この
小話はパブリックな場では説明できないので、分からない人にはメー
ルでお答えします;

結構難易度が高いのが、s と sh の違い。人差し指を口に当てて、
静かにしてね、のシーがsh 。吐く気流がしゅるしゅるしている。
これに対して s はスィー、口は横に開いており、shと違って尖っ
てはいない。I see のつもりが I she と発音している日本人は多
い。最近当社に Cissie さんというSweden出身の女性が入社した。
これでまた、大変なことになっている。。。日本人社員集めて、発
音練習会を開こうと思う。

投稿者 lib : 07:59 PM | コメント (4)

みなさん、はじめまして

expads.gif
[ピカピカ駐在員編]

みなさん、はじめまして。
このたび、日本企業の駐在員という立場からブログを書かせていただくことになりました。
文章には全く自信が無く、このようなサイトに載せるのは大変恐縮なのですが、
これから駐在予定の方やそのご家族の不安や心配が、このブログで少しでも解消されれば幸いです。

私はこの4月に東京からロンドンに転勤になり、駐在生活がスタートしました。
6月には家族も渡英してきて、仕事・生活・学校とひとまず落ち着いてきた今日この頃です。
生活習慣も言葉も違う異国の地で仕事をするというのはもちろん大変なことではあるものの、
東京にいた頃のように、日夜仕事に忙殺されることなく、
家族と過ごす時間が増えたことは非常に喜ばしい。

そんな私たち家族が渡英後初の遠出に選んだのは、
Mid-Hants Railwayの
「Day Out with Thomas(トーマスとその仲間の格好をした本物の機関車に乗ろう!というイベント)」
でした。

当初妻からこのイベントへの参加を聞かされた私は「所詮子供用のイベントだろう」とたかをくくっており、
実のところ全く乗り気ではありませんでした。
しかし・・・行ってみると、それはまぎれもなく本物の「機関車トーマス」!
本物の機関車の迫力に、気付けば3歳の息子より大人のほうが喜んでいる有様でした。
4つの駅の間を片道小1時間ほどかけてのんびり走るこの列車、
たまに「ポーーーッッ」と汽笛の音を聞きながら、車窓からののどかな田園風景を眺めていると、
そこだけタイムスリップしたような、不思議な時間が過ぎてゆくのでした。

Ropleyという駅では「トーマスVSディーゼル」のレースが行われたり、
本物そっくり(らしい)の「トップハムハット卿」と記念撮影をしたり、
予想以上の楽しい1日となりました。
「あ!トーマスだー!」「こっちはディーゼル!」「ジェームスもいるよ~!」と、
機関車たちの名を連呼する息子の傍らで「トップハムハット卿」の名すら覚えられない私でしたが、
そんなお父さんでも大丈夫!きっと楽しい1日となるでしょう。

毎年、英国各地の保存鉄道で開催されているこのイベント、皆さんもぜひ一度お試しあれ!

投稿者 lib : 10:45 AM | コメント (1)

October 12, 2006

ビジネスパーティ

career2.gif 
取引先のビジネスパーティに招待された。

レストランをプライベート・ファンクションにしての立食パーティである。100人くらいの「飲み会」だ。友達とワインバーに出かけて、「プライベート・ファンクション (貸切)」の張り紙がしてあって中に入れないと頭に血がのぼるが、この日はゲストである。

イギリス人はパーティの前にプリ・ドリンクをする。パーティ会場へ行く前にパブやワインバーで同僚と飲んでから出かけるのだ。酒の席に呼ばれているのに、なぜ、その前に飲まなければいけないのか不思議。

とりあえず手順としては、

1. 仕事が終わる前にプリ・ドリンクの場所を確認する。
2. 仕事が一段落した男性が数名まずパブに繰り出す。
3. 仕事が一段落した、あるいは一段落してなくても女性がメイク道具を持って、トイレに入る。
4. パウダーを塗る。
5. マスカラを塗る。
6. リップスティックを塗る。(・・・以後省略)
7. 女性もパブに行き、合流する。
8. この時点でパーティーの開始時刻は過ぎている。
9. 早く着いた人が2杯目、遅かった人が1杯目を飲み終えると、誰かが「そろそろ」と言う。
10. パーティ会場へ向かう。

これでパーティに「ファショナブルに遅れた」時間に着く。

慣れない頃はプリ・ドリンクが終わる前にヒールのつま先は痛み、酔っ払った状態でパーティ会場に着いたものだが・・・。

会場に着いたら一回りして知り合いに声をかけ、
「来たよー」と印象づけておく。
日本の宴会のように強制参加ではないが、顔を出す回数が少ないと「非社交的」と陰口を叩かれるからだ。「参加は個人の自由」と言いながらも、態度に裏表があるよなー。

この日のパーティ、
「やあ、ヨーコ、久しぶり!」と大柄なおじさん。
「まあ、お久しぶり!」
(この人、誰だっけ?)と思いながら、両ほほに軽くキスをして挨拶する。これが自然にできるようになるには数年かかった。相手の右ほほから始めないと相手の唇にキスしそうになるので注意が必要だ。
「元気だった?」
「おかげさまで」
(シティにある取引先? 海外のクライアントだったかな? それともボスの知り合いか?)

1. 白人の中年男で、
2. スーツを着ていて、
3. 名前がジョンとか、デビッドとか、マークみたいに一般的な、

人なんか、記憶に残らない。

私の名前を知っているから、知り合いには違いないが、自分では会った覚えがない男にキスができるというのも我ながらすごいと思う。(自慢にならないか・・・)

ま、めちゃくちゃハンサムな人だったりすると、話は別であるが。

こうやって相手がどこの誰だかわからないまま、話しこんだ。その間に「他の誰か」が彼に話しかけ、その人の名前がわかった。が、今度は私を知っているらしい「他の誰か」の名前が思い出せない・・・。

私はボスから「女優」と呼ばれている。
「見知らぬ人に対して、旧知のようにふるまう演技ができる」からだ。
ここ数年間でこの技術は著しい向上を見せている。

そろそろクリスマス・パーティの招待状が舞い込む季節だ。

お気楽な飲み会でもEメールでの招待状はちょっと情緒に欠けるな。
やっぱりきっちり厚地のカードを郵送して欲しい。

投稿者 lib : 08:39 AM | コメント (0)

October 11, 2006

英語力

darling.gif ロンドンの郊外の小さなドライブインに寄ったとき、メニューも見ずにカプチーノを注文した。
90ペンスと安いので、さすが郊外だな。得したぞ、と飲んだら、なんと紅茶だった。
なんで??カプチーノが紅茶?カプチーノがティーに聞こえるの??とグチグチ言っていたら、
ダーリンが、cappuccino(カプチーノ)がcup of tea(カップ・オブ・ティー) ねぇー。どうしてかなー??
あれ?!、カップオブティーを早く言うとなんだかカプチーノに聞こえるぞ。
どうも原因は私だった??
その後注意してみると、都会以外ではまだカプチーノが頼める所が少なく、その存在すらも知られていないようだ。
ようは、頼まれたお姉さんは、カプチーノってなんだか知らなかった。
多分、このアジア人(私)はティーと言ったのだろう。って思った。
たぶん日本人訛りで、そう解釈されたのだろう。
ロンドン以外では、頼む際にはメニューを見て存在を確かめてオーダーしないと紅茶になる場合もあります。
くれぐれもご注意を。

日本人は、「W」「R 」「L 」「F」の発音が苦手だといわれている。
私なんて正真正銘の日本人のようだ。どれも苦手!!

英国に来た時のバスの初乗りは、40ペンスだった。Forty(フォーティ)。これがなかなか通じない。
最後には指で4を出す始末。情けなかったなー。
「F」は、下唇を軽く噛むと思い出し、毎日乗る度に練習したおかげでいまではクリアーした。(と思う)

バーガーキングにWhopper(ウォーパー)という商品がある。これも通じずに困った。
しかし、食べたい一心で「W」の発音のストレスをいろいろ変えてこれも通じるようになった。(と思う)

いまだにたまに聞き返されるのは、Receipt(レシート/領収書)。Rの発音難しいよねー。
その上、この言葉、日本語化されているので、つい日本語のイントネーションになってしまう。
「R 」は、舌を丸めるというけど、なんだかすごーくわざとらしくて変だけど、そのぐらいにする方が通じるみたい。
それと最後の「ト」が「ツ」に近いようだ。

実は、 いつまでたっても言えないので、いいたくない単語がある。
Squirrel (リス)という単語。ここには、「R 」「L 」が並んでいるのよー。これは大変。
たまに「我が家に来るリスがねぇ……….」といいたい話があるが
ダーリンの助けがいるのでこの単語の使用を避けている。


みなさん Squirrel という英語を使用して英国人に通じるかぜひ、試してみてください。
そして、いい発音方法がありましたら、ご指導ください。

これも日本語が話せるダーリンのせいだと、恨めしそうにみていたら発音のレッスンが始まった。
そして、今日もまだ、「リス」がきれいに言えない私であった。原因は、やはりわたし??

投稿者 lib : 09:51 AM | コメント (6)

October 10, 2006

The naughtiest boy 1

mama.gif  息子は運動神経だけは良いらしい。生まれた時からその兆候は見えていた。

生後2週間目から、掛けていた毛布はいつも足で蹴り飛ばし、オムツ替えのときも私の顔面にキックが飛んだ。(たまに水鉄砲も飛んできた)
他の赤ちゃんがバギーにアーチ状にとりつけられたおもちゃを触って遊んでいる姿を愛らしいと思い我が子にも・・・と購入したが、取り付けた途端、彼の足蹴りの格好の標的となり、5秒後に破壊された。

はいはいもつかまり歩きも異常な速度で動き回り、階段の多い我が家ではまさに一秒も目の離せない状況だった。
離乳食を食べ始めるようになると、わざと口の中のものを私の顔面に逆噴射した。
ケラケラと笑う息子とご飯粒だらけの顔で呆然とする私は、はたから見れば漫画の様だっただろう。

平均的には1歳の誕生日の後に歩き始めるところを、息子は10ヶ月で歩き出した。
喜ばしいことだったが、大変さに拍車がかかった。
こちらの言う事が理解できないのに、体だけは一人前に動くのは、○○老人と同じ状態。
寝ている時以外は一秒たりとも静止することのない息子を追いかけて、私も家の中にいても座ることさえもできなかった。

12人の孫の成長を見守ってきた義母からは、”The naughtiest grand child” という称号をいただき、彼女は「こういう子は香港でもベビーシッターに断られるのよね・・・」と遠い目をしてつぶやいた。
しかも、「私の息子はこんなに腕白じゃなかった。いったい誰に似たのかしら・・・」
と不本意そうに私の顔をじっと見つめた。
お義母さん、それは濡れ衣です。

家の中でじっとしていられない息子に付き合い、一日に4回は外に連れ出した。
滑り台なども、一緒に付いて遊んでやらなくてはならない。
40近くの中年女が、大きなお尻をむりやり滑り台に押し込め、両手を挙げて「わ~い」などと滑り落ちる姿は、もし息子が透明人間だったらただの変質者である。
息子は自分の実力以上の遊具にも果敢に挑戦したがり、ちょっと目を離すと2メートル位の高さの場所から、両手だけでぶらぶらとぶら下がり絶体絶命の危機に陥っていた。
公園でもプレイグループでも他の子の持っているおもちゃを片っ端から奪い取った。
1歳くらいだと、「誰の所有物」とか「貸し借り」の概念がまだ理解できないと何かで読んだ事があったが、他の親の手前、たしなめなければならない。
いつもは日本語で話しかける私も ”You have to share it” とか “It’s not yours”とか、その度にわざとらしく英語でアピールした。
そんな事の繰り返しにも疲れ、時には息子がトラブルを起こしても他人のフリをしたい気持ちになる事もあったが、公園内でオリエンタルの親子は私たちだけなのですぐに面が割れてしまう。
(その点、日本人親子のグループ『なかよし会』に参加した時は、つかの間のオアシスだった。ごめんね。)

プレイグループでは、外用の三輪車で屋内に入ろうとして怒られたり、一角に設けられているベビースペースの囲いによじ登り、中にダイビングし新生児の真横に着地して、新米ママたちを恐怖のどん底に陥れた。

彼の度重なるオキテ破りの行動の度に人々に謝り、息子を叱るのにも疲れ切り、プレイグループから足が遠のいた事もあった。公園に行っても、誰もいないとほっとしたりした。

そんな息子を小さい頃から見ている日本人のママ友は、ある時
「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている・・・・」
と「坊っちゃん」の冒頭をいきなり暗唱し始めた。

確かに私も「立ち入り禁止」と書いてあると立ち入りたくなる性格ですが・・・。

つづく

投稿者 lib : 01:30 PM | コメント (0)

October 08, 2006

Memory

shacho.gif


去る月曜日、飽きもせずにまた歳をひとつ増やしてしまいました。
この前後になると、いたって平凡な人生なれど少年時代から今にい
たった出来事がつらつらと思い返されます。

僕が紅顔の若き日に最初に入手したパソコンは、Z80というCPU(中
央演算処理装置)を持ったもので、メモリーが128Kbyte、ハードディ
スクは付いていませんでした。今自宅で使っているパソコンは、皆
さんのパソコンとほぼ似たような仕様と思いますが、Pentiumとい
うCPUで、メモリーは1Gbyte, ハードディスクは80Gbyte内蔵されて
います。メモリーの量は、この25年間で実に8,000倍となりました
が、僕の頭脳の記憶装置は1/8,000位に減っているかもしれません。19
歳あたりを境に、頭脳の細胞はどんどん減るらしいですね。いやな
ものです。

昼時、オフィスから徒歩1分のレストランで社員と着席して昼食を
していました。女性客二人が入ってきて、”あら吉田さん、こんに
ちは”。見上げて、”おー、どうもどうも”(ありゃ、またかっ、
どちらの方だっけ・・・)。

結論から言うと、レストランを出るまでに思い出すことができまし
た。そして、はたと気が付きました。仕事関係の方々は、上からお
顔を見た方が思い出しやすい。仕事柄、お客様はオフィスで着席さ
れていて、コレが動かない、アレが昨日までは動いていたのにとい
う状況で、これらを傍に立ってお聞きしながら問題を解決せしめる
のが、僕の重要な仕事の一つでありました。自然、上からお顔を拝
するわけです。実際、レストランを出る時に、着席されていたその
方に”お先に”と歩きながら声を掛けた瞬間に、会社名とお名前が
ばっと出てきたのがおかしみ。

非対称性(asymmetric)という言葉はちと意味が違いますが、犬とか
猫の顔もそうかもしれません。僕は腰が丈夫でなく、年に一度は壊
しますが、必ず左側が問題となります。医者曰く、左の足が右より
大分長いそうです(どちらも短いが、相対的に右がより短いという
言い方もある)。英語で電話で話すとき、必ず左に受話器を持ちま
す。右だと何言っているのか分かりません。日本人相手でも、相手
の声が小さかったり、うるさいパブで会話するときは、顔を右に振っ
て左の耳を向こうに向けています。キーボード打つときは3度ほど
左の肩を引いているかな。

歳を重ねると非対称性がより顕著になるのかもしれません。バラン
ス感覚保っていきたいとは思いますが。

投稿者 lib : 10:30 PM | コメント (4)

October 05, 2006

歯医者

career2.gif 
歯のホワイトニングをした。

イギリスでは以前にも2度ほど歯科医の世話になっている。
1度目はシティにあるプライベートクリニック。イケメンの歯医者がいると聞いていたが、残念ながら私の担当にはならなかった。ホストクラブみたいに「ご指名料」が必要だったのかもしれない。10年以上も前のことだ。
数週間の治療で400ポンドくらい払ったのに、しっくりとこない。

その後、帰国して日本の歯医者に見てもらう。
「なるほど、これがイギリスで治療した歯ですね」
「ふあ、はふれす (はい、そうです)・・・」と口を開けたまま答える私。
「やり直しておきましょう」ときっぱり。
ああ、400ポンドの詰め物が排水溝に消えていく・・・。

プライベートでもこのレベルか、と次はNHS(国民健康保険)の歯医者に行った。
当時35ポンド。
診療所の廊下の隅の椅子に座らされる。
で、そこの歯医者は自分の手をうんと伸ばして顔をそらし、X線の撮影をすませたのだった。
ねえ、これって危なくない? 

現在は帰国の度に日本でチェックを受けて虫歯はない。が、なんとなく歯の白さに自信がなく、ホワイトニングに興味を引かれた。ローカルペーパーで宣伝をしている近所の歯科医に出かけることにする。

場所がすぐわかったのは「スマイルクリニック、白い歯をあなたに」と垂れ幕がかかっていたからだ。「祝 甲子園出場!」なみの大きさである。ちょっと、引いた。

受付に行くとおばちゃんが二人、電話の応対にバタバタしている。
電話の半分は予約の受付で、もう半分が国民健康保険の歯医者を探している「歓迎されない患者」を断る電話である。
私の場合は美容歯科だからプライベートでの診察は当然だが、歯が痛い人に向かって、
「金がないなら、診療はできません」って、時代劇の悪徳医者みたいで、なんだか感じ悪いよなー。

「お待たせしました、私があなたの担当医です」と現れたのは人工的に揃った歯並びと、まぶしいばかりの白い歯をした女医さん。うわっ、不自然・・・。

説明を受けた後、599ポンドでホワイトニングをすることにする。

「イー」の形で口を開いたままにする器具を口に入れ、歯に特殊な液が塗られると、光線を1時間当てる。その間、ゴーグルのような眼鏡とヘッドホーンをつける。これはVDV鑑賞用のゴーグルで「フォルティ・タワーズ」という昔のTVコメディの30分物をふたつ見た。
ちょっとしみるが我慢できないほどではない。

厚みが10cmもあるゴーグルをかけ、器具のはめられた口を大びらきにし、青い光線を歯に当てられているのはハタから見たら、相当マヌケな図だ。
599ポンドも払って、こんなことをしている私の人生って・・・。

さて、1時間後、鏡を渡された。
歯はすっきりと明るくなったが・・・白くないじゃん?
歯科医も(あれ?)という表情である。
ホームキットのホワイトニングセットを貰い、朝晩、これから2週間も使用するように指示される。
「レッドワインを飲まないこと。コーヒーもできれば避けてね」
ひえー、そのふたつがないと、私は生きていけないんですけど。

とりあえず、その教えを「なるべく」守った。2週間はホワイトワインを飲み、コーヒーを飲むと、即、歯磨き。しかし、あまり白くならない。・・・どうして?
「何度もやると歯のエナメル質が傷むんだけど・・・」と言いながら、もう一度、光線を当てて、さらに1時間。それでも今ひとつの結果で、女医さんも納得していないようだった。

うーむ、もう一度、日本の歯科医でホワイトニングをするべきか。

アフリカの某、独裁者。世界からの援助金を個人的に利用して、プライベートジェットでロンドンまで歯の治療に来たことがあるという。

彼の行動は二重に間違っていると思う。

投稿者 lib : 09:25 AM | コメント (2)

October 04, 2006

レンタカー

darling.gif スペインのホリデーの続き話。
車が必要だったので、安さを優先してスペインのレンタカー会社を予約した。
安さの秘密は、マニュアル車だったが、車自身は新しく問題はなかった。

さっそく到着の次の日、近郊にドライブに行った。
帰りには、巨大なショッピングセンターで買い物をして帰ることにした。
たっぷりと買い物をして、さて、家路に。ところがエンジンがかからない。
2.3回やってもかからない。義理ママは、「ちょっと時間をおいてからかけ直してみては?」といい、
私は、以前聞いた話で「アクセルを暴走族のように吹かしながら、踏むといいんだって。」と言い、
言われるままにダーリンは試してみた。
幸いこんな試行錯誤のあと、エンジンがかかり帰宅した。

次の日も出かけるプランがある。
ダーリンは、心配顔だ。
レンタカーの契約書を見ても車の緊急サービスに加入しているか書かれていない。
しかたがない。この契約書を持って何かあったらレンタカー会社に電話しようと、
みんな軽い気持ちで次の日も出かける決心をした。
朝は、エンジンもすぐにかかり、途中何度も駐車したがまったく問題はなかった。

暑くて外での観光にも限界がある。
どうもスペイン名物の菓子をつくる工場を見学できるというのでそこを目指した。
田舎にあるその工場は、最近建ったばかりで綺麗。
しかし夏の間は、暑いためチョコレートなどの加工ができないので、工場は閉鎖しているが、
見学はできるという。他にすることもないので入ることにした。
機械化される前の道具の展示や会社案内のような映画を見せられただけだ。なんだかがっかりー。
ただ、冷房が効いていたので、一服したと思えばいいかな。と思い、
売店で土産を購入し帰路へ。
ところがエンジンがかからなくなった。
昨日と同じ現象だ。
しかし、この日はまったくかからない。

仕方がないと、借りたレンタカー会社に電話をした。
折り返し電話をするという。
15分たっても電話がかかってこない。
ここはスペインだ。スペイン=のんびり、いい加減。と勝手な想像が浮ぶ。
ダーリンは、話したオペレーターの名前を聞いていない。
再度、電話をしてみると担当者が電話中だいという。

我々は、担当者から電話を待っている間に
いろいろなことを想定してみた。
その日は、土曜日、それも5時過ぎている。
このままレンタカーの事務所は閉まり、我々は見捨てられるのでは??

ありそうだ。
しかし、よかった。ここは、工場の駐車場でトイレも水もある。
この工場までにくるような山の中だったら、さぞ不安だよね。ちょっとよかったね。と慰めあった。
義理ママが「ちょっと行ってくるわね。」と菓子工場へ行った。
ママのことだから、車に強いエンジニアはいるかと探しに行ったんだろう。
と頼もしく思っているとただ水を買ってきただけだ。
ああ、ママったら。

よし、と今度は私が再度工場に入り、ことの事情を説明した。
しかし、英語が通じない。
やっと聞き出せたのは、 9時まで開いていると言う。
シエスタのおかげで遅くまで開いているのだ。よかった!!
最悪、宿を探してもらえば今日はなんとかなるだろう、不安感を消していた。

その間に電話があり、30分以内にレスキー車が来ると言う。
ダーリンは、その人は英語話せるね!?と確認すると大丈夫という。
本当に30分しないうちにトラックがやって来た。一同ホッ。安堵感。

英語を話せるその人は、スペイン語で話している。
しかし、言葉よりも実際に見せれば、話は早い。
彼は、ボンネットを開けて、ある箇所を触ったらエンジンがかかった。
また、同じことがあったら、こうするとよいと言われた(多分、、)。
彼の英語では、オーバーヒートだという。
そうかな??まあ、いい。
ともかくこれで動くので、近くの同じレンタカー会社の支店まで行き、車を交換したいことを再度電話で依頼した。

我々は、 車を交換する際を想像した。
まず、ことの成り行きを説明し、理解が得られない時は、さっきの彼女に電話をしてもらって、、、、、
ああ、大変だろうなー。
と思いきや、話はすっかり伝わっていて、スムーズに交換が出来た。
それもワンクラス上の車種に。

英国でこのようなトラブルになると、
知らない、聞いていない、すぐやるよ、と言われ、長く待たされ根気のいる経験を何度もしているので、
この素早い対応に感心した。
長い一日だったけど、英国はこのサービスのよいスペインにいつか抜かれてしまうなーと感じた日でもあった。

<ひとこと>最近スペインで多発しているのは、観光客が借りるレンタカーのタイヤをパンクしやすくさせ、
タイヤ交換している際や手助けしている際に 金品を奪う犯罪があるそうです。
借りられる前には、タイヤをしっかりと確認してから借りてください。

投稿者 lib : 09:51 AM | コメント (2)

October 03, 2006

公営のプール

mama.gif  公営のスポーツ施設をよく利用している。

以前、プライベートのジムのメンバーになっていたこともあったが、初めこそ熱心に通ったものの、お約束通り、だんだんと行く回数が減り、気がつくと一回当たりの単価がえらい高くついていた。
その点、公営のジムは利用する時に一回分だけ払えばいいので単価は劇的に減少した。

主にプールで泳いでいる。
建物は古くてくたびれているが、プール自体はプライベートのものよりも大きいし、金曜の夜やレディス・ナイト(女性専用日)などはガラガラに空いているので快適だ。
(そういえば、レディス・ナイトは初め、『レズビアンの方たちの社交場では』とためらったが、行ってみれば色目を使われる事もなかった。皆純粋に水泳を楽しんでいるのか、私に魅力が足りなかったのかは不明)

私の公営プールデビューはイギリスに来て間もない頃だった。
その頃、付き合っていた夫に「プールに泳ぎに行こう」と誘われた。
日本のプールは私営であれ公営であれ、スイミング・キャップの着用厳守だったので、それに慣れていた私は
「困ったな・・・・水着は持っているけどキャップを持っていないの。」
と言うと、夫は、
「あはははは、君は面白い人だなあ。じゃあ僕は、ラケットもシューズも持っているけど白いシャツを持っていないからテニスができないんだ。」
と大笑いされた。

ジョークだと思われたらしい・・・その頃ジョークを飛ばせるような英語力はなかったのだが。

半信半疑で行ってみると、スイミング・キャップなど被っている人の方が少なく、セクシー系のビキニだの、水着の上になぜかTシャツを着たり、皆思い思いの格好で泳いでいた。

利用者も老若男女、多種多様。
子供用のプールで歩きもせず、肩まで温水に浸かり、じっと目を閉じている老婦人(推定年齢70歳)がいた。
妙に懐かしい風景だなあ・・・と思っていると、彼女はスイミング・キャップの変わりに水玉模様のシャワー・キャップを被っていた。
子供プールは水温も高いので、その姿はまさに温泉で「極楽極楽」と幸せに浸るお婆さん。
非常に郷愁をそそられた。
また先日、一人で泳いでいると、前から平泳ぎで悠々と向かってくる人がいた。
顔を水に付けないでこちらに向かってくる。非常に普通の光景なのだが、何かが違う。
「間違いをさがせ」とばかりに必死でその顔を観察すると、間違いは、「ゴーグルのあるべき場所に、普通の眼鏡がかかっている。」だった。
水に顔を付けないので不便はないのだろうが。度付きゴーグルってものもあるんですけど。

日本だと、プールサイドから飛び込んだりしてもすぐに「ピーッ」と笛を吹かれるが、こちらではよっぽど危なくない限り監視員も放し飼い状態である。

しかし、「規律の国日本」のオキテが染み付いている私でも、一度だけ笛を吹かれたことがあった。
息子を初めてプールに連れて行ったとき、はしゃぐ姿があまりに可愛かったので、思わずデジカメを取り出した。
プールにカメラを向けた途端、「ピーッ!」とやられた。

写真撮影に関しては、非常に神経を使う国という事を忘れていた。
各国、いろいろなオキテがあるようで。

投稿者 lib : 10:59 AM | コメント (2)