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November 16, 2006

雑誌の世界

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小説を読むのが一番好きだが、雑誌もおもしろい。雑誌は読者層がはっきり分かれているので、内容がしっかり偏っているのが楽しい。

「プレジXXト」という、おじさん雑誌はひと昔前、やたらと企業経営者を戦国武将にたとえるのが流行っていて、「XX電機の会長は武田信玄タイプ」だの、「XX不動産の社長は意外にも徳川家康型の戦略に強い」とか書いてあった。
社長が織田信長タイプだと、怖いなあ。
「売り上げが上がらない? ならば、切り捨てる」と、さらっと日本刀で袈裟がけに切られちゃったりして、パワーハラストメントの極致を見せてくれそうである。

マージャン雑誌とかヤーさん向けの週刊誌(杯の受け方とか仁義の切り方が載っているという噂だ)もあるらしいが、さすがにそこまで専門化が進むとついていけない。(でも、ちょっと興味がある)

帰国すると本のほかに雑誌を読みまくるが、
キャリアを模索し、サービス残業最前線で過労死寸前、生真面目で働き者のバイブル、「日XキャXXウーマン」と
ペットボトルとつっぱり棒の利用法(100種類)や500円でできる「豪華な」夕食5人分、ならまかせてよ、と専業主婦の味方、「すてXX奥さん」と
お嬢様学校を出てスッチーになり、玉の輿をゲットした有閑マダムの「ジュエリーボックス・ワードローブ・リビングルーム拝見」特集がある「VxxY」などを入手すれば、
日本女性のほぼ70%のトレンドがわかる。

海外にいるがゆえの「浦島太郎化」を防ぐためにはなかなか役に立つ。

ま、ランチタイムに同僚と酒を飲み、風呂の残り湯の再利用もせず、ケリーバッグも持っていない私としては、ハナからカテゴリー外ではあるが。

イギリスでは電車の中で読み捨てにする1ポンド前後の女性誌を駅で買うことが多い。

若い女性向け―― マドンナやジュリア・ロバーツみたいなショービズの話題。
イギリス人しか知らない「Cリスト」のセレブ、風船胸女ジョーダンやビッグ・ブラダースの拒食症ヒステリー女ニッキーのゴシップ。
最近よく見るのが、ハリウッド・セレブやスーパーモデルの着ているデザイナーブランドのコピーをする「なんちゃってモノ(死語か?)」特集。

「パリス・ヒルトンのベルサーチのドレスとシャネルのバッグ。ほら、ネクストの70ポンドのドレスとトップ・ショップの35ポンドのバッグでコピーできます! ね、同じでしょ? 違いがわかります?」
・・・って、わかるよ、違い。悪いけど。
チープシックの賢い女を目指せと言っているのか、セレブを気取る見栄っぱりになるように薦めているのか?

おばさん向け―― 子供の難病、非行に関する読者の投稿はお涙頂戴物語が基本だ。
読者の共感を呼ぶ、結婚生活のトラブルもお約束。
「妻より『やせた』愛人に走った夫」 写真を見ると、妻が百貫デブ(死語)で愛人が九十貫デブ(新語)だった。 この男、妻のいったい何が不満だったのか? 愛人のどこが良かったのか?

でも見出しのエグさだと日本の嫁姑モノの方が勝っていると思う。
「恐怖、親指姑」とか「鬼嫁の溶岩流ごはん」とか見た記憶がある。
・・・SF? 四次元モノ? 妖怪七変化? 

おばさんに人気のダイエット特集と若く見えるメイク法。
「ヘアカットとリップの色を変えるだけで10歳も若返る!」みたいな記事。
カレンさん(35歳)とかの写真が載っているが、
(えーっ! 35歳? 53歳の誤植じゃないの?)と思わせるくらいに、ここに出てくる人は痛々しい。で、メイクを終え、新しい髪形でもやっと40歳くらいの外見にたどりつく。読者参加のコーナーなのだが、もう少しレベルの高いのはいないのか・・・?

老婦人向け―― 巻末の広告に「多機能 車椅子」とか「入浴用 補助椅子」とか「電動式 椅子型 階段昇降機」が載っているのが特徴だ。
この年代では「椅子」がキーワードと思われる。

2ページに渡る記号と数字の羅列があって、まるで暗号特集。そこだけ「月刊 プログラマーの友」というコンピュータープログラマー向けの専門誌かと思った。
よく見てみると編み物の段別の色分けと編み方。 うーん、編み物って複雑怪奇なのね。
これを老眼鏡で確認しながらの作業か・・・。

老後といえば、「ひなたぼっこをしながら、安楽椅子にウールのひざ掛け、その傍らには猫(足元に犬でもいい)。で、のんびりと編み物をする」のが理想だと思っていたが、即、編み物の部分のイメージを削除し、修正したのであった。

このように雑誌は将来設計の一環としても、たいへん役立つものである。

投稿者 lib : November 16, 2006 09:13 AM

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