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February 28, 2007

ノイズチーム

darling.gif
土曜日の夜9時、突然何処からかベースの効いた音楽が聞こえる。
うーん。結構な音の大きさだ。
心当たりはある。隣だ。
部屋を移動して確かめてみたが、どうも音は隣からではなかった。
音がする裏庭に出て見ると、なんと3、4軒先の向こうの庭には大きなテントが張られている。
ダーリンがぽつり「パーティのようだね。」
パーティ?、この時間から?・・・と考えればいったいこの騒ぎが何時迄 続くのだろうと心配になる。
この時間はいい。まだ、起きている。しかし、寝るときになるとちょっとたまらないだろうなー。
と想像していたら、やはり12時を過ぎても一向に静かにならない。
ベッドにはいったが、気になる。眠れない。
うーん。許せない。いったい近所迷惑という考えはないのだろうか??
それにしても一番うるさいだろう隣の家人は、文句を言わないのだろうか???
うーん。やはり許せない。睡眠にうるさい私。
カウンシェルに電話だー。とダーリンを無理矢理ベッドから起しサイトで番号を調べ、電話をしてもらった。
面白い事にその電話番号は夜用があり、21:00から朝の5:00まで対応する。
(地域によっては朝7:00迄のところもあり)
そうか、このようなパーティの騒音対応は、朝の5時迄には終わるという事か。
まあ、みんな酔いつぶれて静かになると踏んでいるのだろうなー。

さて、電話をしたら、30分以内にノイズチームの調査員?を我が家に送りますという。
我が家にくる必要ないから、現場に急行して静かにさせてくれーと言いたいが、そうはいかないらしい。
待つこと20分ぐらいだろうか、電話がかかって来た。
「雨が降っているので、お宅にあがると汚れるので、直接調べにいきます。追って電話します。」
なかなか、紳士で感心な心がけだ。
再度電話があり、
「ただいま、訪問したところ、誕生日パーティをしているとのことです。静かにしてもらうように伝えましたが、
かなり酔っている男性たちがいるので、歯止めが効かないかもしれません。
もし、静かにならない場合は再度ご連絡ください。その場合は、物理的な証拠が必要ですので、
お宅に伺って騒音の測定させていただきます。」とのこと。
誕生日パーティだか、何だか知らないが、だからと言って人の睡眠を奪ってもいいのか!!
自分達させ楽しければいいのか!!と誰に言えばいいのかこの怒りの矛先はない。(興奮!!)
その上、これで音量が下がらなかったら、また電話して、測定につきあって、いったい何時に我々は眠れるのだろうか。
睡眠妨害をしている点では、あなた達も同じ?と絡みたくなる。

その後、少し静かになったが、今度はカラオケが始まった。
うるさいより下手な歌を聴くのはもっと苦痛だー。ああ、悲しい。
やはり自己防衛しかないか。と耳栓をしたら30秒後には夢の世界にいた私だった。

しかし、騒音がひどい場合は、その音源となるものを取り上げるほどの権力をもつこのノイズチームは、
いざとなれば頼りになるに違いない。

※ノイズチームの探し方は、自分の住んでいるカウンシェルのウェブサイトから、「環境( Environment))という項目をクリックします。サイトによっては、そこに騒音(Noise)というセクションがありますが、存在しない場合は「公害 (Pollution)」を探します。そこに必ずNoiseという項目があります。
イギリスでは、騒音は公害なんですね。ちなみにDIYも騒音になりますので、朝早くと夜遅くには作業をできませんのでご注意を。

投稿者 lib : 09:31 AM | コメント (0)

February 27, 2007

イギリスのサービス業 バンク編

mama.gif

先週のある昼下がり、家に一人でいると電話が鳴った。

電話をとると、「ハロー・・・」とテープで録音された声が聞こえた。
瞬時に「セールスだな」と思い、すぐにガッチャンと受話器を置いた。

15分後、再び電話が鳴ったのでとると、先ほどと同じテープの声だった。
もう少し聞いてみると
「ハロー、こちらは××銀行です。ミスター○○(夫の名前)に重要なメッセージがあります。あなたがミスター○○の場合は1、違う場合は2を押してください。」

××銀行は夫が口座を持っている銀行だ。
でも銀行からの連絡でテープが使われる事は今まで無かったし、「これは新手の詐欺?こんな風に私が呑気にテープを聞いている間にも、一分10ポンドとか法外な料金を取られているかも!」と心配になった。(キャリアウーマンのヨウコさんのちょい詐欺ブログを呼んだ直後だった)
騙されてなるものか!と再びガチャンと切った。

切った後で、「でも重要なメッセージと言ってたな・・・。もし本物だったら気になる・・・」とどうも薄気味悪い思いをしていると、再び電話が鳴った。

同じテープだった。今回はもう少し突っ込んでみようと、同じメッセージを聞いた後、「本人でない」との2を押してみる。
「ミスター○○は今電話に出られますか?その場合は1、15分後に掛けなおす場合は2、さもなければミスター○○に繋がる他の電話番号を入力してください」

ときた。
おお、個人情報を聞いてきたな!ますます怪しいぞと疑惑は高まり、再び電話を切った。

折しも新聞で、銀行口座がマイナスになった場合にオーバーチャージされた手数料(違法)を取り戻すためのノウハウを教えてくれる記事が掲載されたばかりだった。ここには銀行に返金を求めるレター、それを銀行が拒否した場合のレターの書き方まで詳しくのっており、それを読んだ読者が怒涛のように銀行にレターを送っていたらしい。

常々、銀行の一方的な手数料の取立て(&バンカーの法外な収入)に不満(&嫉妬)を感じていた私には胸のすくような思いだったが、次の日の新聞には「銀行がリベンジを開始!」という大見出しが踊っていた。
オーバーチャージされた事を証明するための過去の明細を請求すると、それにまたオーバーチャージ(これも違法)したり、ひどい場合には口座を閉じてしまったり、というケースもあるという。

このような、ヤク○と紙一重のイギリスの銀行なので、仮にこのテープが本当に銀行からのものであっても油断はできない。
返金を請求された分、ウチのように大人しい(ザル勘定で細かい事に気がつかない)預金者から損失分を取り返そうという戦略かも。騙されてなるものか・・・と鼻息を荒くしていると、再び電話が鳴った。

今度は無視して受話器をとらずにいると
「××銀行からミスター○○への重要なメッセージです。このメッセージをお聞きになったら○○―×××まで折り返しお電話ください」
とテープ音が留守電に録音されていた。

ほどなく夫が帰ってきた。
メッセージを聞き、やはり
「この番号へかけたらすごい料金がチャージされたりして・・・」
と半信半疑ながらも指定された番号に掛けなおすと、やはりテープで
「あなたがミスター○○の場合は1、そうでない場合は2・・・」と同様の指示。
その後誕生日などを入力し、本人であることを確認した後、
「あなたは今日、ドイツで138ポンド相当を引き出そうとしましたか。イエスの場合は1、ノーの場合は2を押してください」
と言うではないか。
夫はドイツなどには行っていない。
2を押すと、
「オペレーターにお繋ぎします」
とテープの声の後、ようやく人間の肉声と話す事ができた。

オペレーターによると、何者かがドイツで夫のカードを使ってキャッシュポイントから現金を引き出そうとしたらしいが、怪しいと察知してブロックしたとの事。

夫は2年程前にスリに財布をすられたことはあるが、何故今頃・・・と腑に落ちない点はあるが、まあ銀行のお手柄だった。

夫が喜んで
「お手柄、お手柄。でもどうして僕じゃないって分かったの」
と聞いたが、それは答えられないという。

銀行もたまにはいい事をするなー、と見直したが、こういう重要な連絡の場合は、やはりテープでなく、肉声で電話をかけて欲しいものである。
いくら銀行業務が詐欺と紙一重(私の独り言です)だとは言っても、預金者への連絡まで詐欺と区別がつかないような方法でされては、紛らわしくて仕方ない。

「効率化という名目で人員削減して、その分、残った人間ががっぽがっぽ儲けてるのよねー」と、結局はバンカーへの批判(嫉妬)で盛り上がる私たちであった。

投稿者 lib : 11:32 AM | コメント (0)

February 26, 2007

blog

shacho.gif

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Y取締役はオフィスで僕の右隣に座っている。その刹那はお互いな
かなか忙しく、各々自分のPCの画面を見つめキーボードを叩きな
がら話をしていた。会話を中断し(たつもり)H課長に電話をかけ、
同じような話題で会話していたところ、妙にシンクロしたようにY
取締役から相槌が発生する。暫くするとオフィス内が笑いで動き始
めた。そう、電話で他人と話している僕に、懸命に相槌をうってい
るのは、僕のBlogにしばしば登場する関西人のYさんであった。

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10数年ぶりだろうか、英国の結婚式に出席した。いや、僕のでは
なくて友人の結婚式である。シンプルでとても楽しいものだった。
食事は大変よく、酒は美味く、気持ちよく踊ってきた。でかけるま
では腰が重いが、場に入ると楽しい。お幸せに。

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愛車が直ったと思ったら、駐車違反を2回。どちらも不可抗力に近
いのだが是非も無し。これで我がWandsworth地域の発展に貢献でき
るかと思えば、40%の所得税を取られるよりはなんとなく気がらく
だ。日本に比べればまだ楽だが、TAXというのは重い。会社が1
00円のモノを仕入れて200円で売ると粗利は100円となる。
ここからこれを売るために必死に頑張ってくれた社員に給料を50
円はらう。この50円のうち、40%がTAXとして国に入る。2
0円。更に、残りの粗利益50円から、オフィス家賃やらなにやら
をさっぴいて、10円の純利益がでる。これに対して25%のTA
Xがかかる。2.5円。結局100円もうけて、会社としては22.5円は国
に持っていかれる。経営者としての感覚では1/4は税金。サラリー
マンとしての感覚では40%。経営者かつサラリーマンとしての感覚
では、半分、すなわち1月から6月までは、国のために一生懸命仕
事して、残りの半分が実入りとなる。のような発想でTAXを捉え
てはいけないのだろうけど、つくづく厳しいものですねえ。

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Touch type をきわめると、キーボードというものに大変うるさく
なる。僕が現在オフィスでも家でも使っているIBM製は、どうだろ
う、1990年前半の製品だろうか。クリック感のある重いキーボー
ドで、これなしには毎日効率よい仕事ができない。あと1台だけス
ペアがあるが、これがご臨終するまでには10年かからないはずだ。
その後どうしようかと気にはしている。

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女性は反芻するという。男性は変化を快く思う人もいるという。こ
のあたりは最近は変わってきているのかもしれない。

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ネタください。。。

投稿者 lib : 11:24 PM | コメント (2)

見慣れないもの

tophum.gif
先日、1週間の出張を終えて帰宅してみたら
家に見慣れないものが2つ。

まず一つ目はキッチンにあった。

黒いプラスチックの 四角い筒状の箱のようなものが隅に置いてある。
手に取り振ってみると なにやらカラカラと音がする。

引き出しを開けてみたら、そこには紙製のテント状の物が。
よく見るとネズミのイラスト入りだ。なになに、
≪強力な糊がネズミをキャッチ!≫
これはもしや噂の・・・ネズミ捕りであった。
前者の黒い箱には餌としてチョコレートが入っていた。
チーズでは罠に掛からないらしい。
ジェリーの好物はチーズのようなので、ネズミにもお国柄で嗜好の違いがあるということか。
何となく国民の嗜好と似通っているようで可笑しい。
こちらはネズミが入ると蓋が閉まって捕獲するタイプ、
そして後者のテントはゴキブリホイホイタイプのものであった。
以前このブログでもネズミ捕りが話題に上っていたが
とうとう我が家にも・・・

夜、妻がリビングで本を読んでいると、部屋の隅で小さな黒っぽい物体がうごめいていたらしい。
一瞬「なぜロンドンにゴキブリが?!」と凍りつくも、そーっと見てみると
そこには小さなこげ茶色のネズミが。
妻が驚くとネズミはもっと驚いたようで、ものすごいスピードで逃げて行ったそうな。
「昆虫と哺乳類のパワーの違いを見せ付けられたスピードだった!」と
興奮冷めやらぬ妻。
翌日家のオーナーに連絡したところ、それは庭などに住んでいる野ネズミで
(庭にネズミが住んでいるのか。)
キッチンなどで食べ物を荒らすネズミは、いわゆる鼠色をしてる、
野ネズミはフレンドリーだが、もし気になるなら一応キッチンにネズミ捕りを置いておこう、
ということになったらしい。
オーナーは、バチンと挟むタイプの罠が手っ取り早くていいのだが・・・
と言ったらしいのだが、妻がびびり、結局無傷で捕獲する罠に落ち着いた。

幸い(?)まだ罠は空っぽのままである。

そして見慣れぬもの2つ目はガスの請求書。

届いた請求額は3か月分で£470。3ヶ月で10万円?!
真冬とはいえこの額はいかがなものか。
何しろ初めての冬なので相場が分からない。
早速同僚に聞き込みをすると「そんなもんだよ。」
うむ。ロンドンでは金銭的に余裕がないと越冬できないのだな。

暖冬とはいえ、ヒーターなしでは身がもたない。
そう考えると先日の野ねずみにもかすかな同情が湧いてくる。
食べ物を荒らすわけじゃなし、「ぐりとぐら」だと思えば 1匹くらいはいいかもな、とつぶやくと
それは実際にあの恐怖を体験していないからだ!と
妻から激しく責められた。
この勢いで野ねずみに大騒ぎしていたなら、野ねずみの方もさぞかし怖かったであろう・・・。

投稿者 lib : 03:45 PM | コメント (5)

February 22, 2007

ちょい詐欺事件 その2

career2.gif 
ピカディリー・サーカスやコベントガーデンあたりで、小さな花のブーケを押しつけられることがある。 一度、電車の中で座席や床にゴミを撒き散らしながら、せっせとこのブーケを作っていた親子を見た。会話からはとてもチャリティには思えなかった。

日本から来た親戚の子と歩いていたときに、さっと差し出されたことがある。 
「ロンドンの歩き方 - 詐欺編」は教えこんでいたので、ふたりで知らん顔をしたが、
「これはね、チャリティなのよ」と追いかけられた。
「あーら、そうなの? じゃ、どうしてIDカードをつけてないの? チャリティの登録番号を見せて証明しなさいよ」と問いつめてやろうと思ったが、
親戚の子に 「ロンドンの広場でチャリティの人に喧嘩を売ってたよ。こわかった」などと私の親に 「通報」されるとまずい。しかたなく、「英語がわかりません」と逃げた。

「ロンドン貸し部屋フェア」という広告が新聞に載った。
ビクトリア駅に近いビルの一室に 「たった今、運び込まれたばかり」といった感じでデスクが置かれ、5-6人のスタッフによって 「一時的に」開かれている。
部屋探しに来ているのはイギリス、あるいはロンドンに 「来たばかりで様子がわからない」旅行者か留学生という雰囲気の連中。
バイトで雇われたが、不動産のことは何も知らない。雇い主の顔も見たことがないのではないかと思われる若いスタッフが対応する。

探している部屋の場所や予算を聞くと、その場でどこかに電話を入れる。
「はい、わかりました」と言い、電話が切られる。
「あなたの希望にあう物件がいくつかありますが、紹介料として100ポンドを内金で払ってください。部屋が決まった時点でその内金は部屋代の一部となります。トラベラーズ・チェックはダメです。現金でお願いします」ということだったそうだ。

友人は怪しいと思ってやめたというが、数日後には 「フェア」の会場はもぬけのカラで 「内金」にもさようなら。部屋なんて元々ないしー、の世界だったのではないか?

先日はシティの道端で呼び止められた。
「きれいな髪ね。どこでヘアカットしてるの?」
「よく言われるの、きれいな髪だって。特に男の人にね。パーティなんかで・・・ペラペラ」
(ご推察通り、ワインバーから出てきたところで、私は酔っ払っていた)
話しかけたおねえさんは私の話をさえぎる (誰でもそうするだろう)
「有名なヘアドレッサーがカット、プロがメイク、それをカメラマンが写真をとるイベントだけど、興味あるかしら? キャンペーン価格でたったの45ポンドなんだけど」
―――この場で現金を払う人だけ予約できるとか。 
「わー、素敵! お金とって来るから、ここで待っててねー。きっとよー」
と言ったきり、帰ってこなかったのは私だ。

何せ、酔っ払っていたからねえ。

「ナイジェリアからの手紙」は有名だ。
「ジョーンズ氏が死去されましたが、遺産を受け取る家族はおられません。当弁護士事務所が調査したところによると、貴殿が遠い親戚関係にあるようです。遺産の200万ポンドを受け取る気があればご連絡ください」
おお、ジョーンズ氏という親戚があったのか、知らなかった。なになに、200万ポンドの遺産だと? 欲しい、欲しい、と返事をする。
この後の展開はたぶん、
「ご親戚の方が見つかって、当弁護士事務所も責務を果たし安心しました。つきましては送付先として貴殿の銀行口座をお知らせください。また、この案件に関しまして、弁護士費用と銀行送料の1500ポンドがかかりますので、お支払いくだされば幸いです。それを受け取り次第、遺産をお送りいたします」といった感じではないだろうか?

200万ポンドのためならと1500ポンドの手数料を払う・・・人がいるのか?
手数料を払った後で、すんなり200万ポンドを受け取った・・・人がいるのか?

しかし、日本の「何百万円、何千万円」とかの詐欺に比べて、イギリスの詐欺はせこいねー。

M資金とか徳川の埋蔵金とか日本陸軍の隠し金塊みたいに派手な詐欺を聞いてみたいものだ。

おもしろい詐欺話があれば、教えてください。(いえいえ、まねをして、ひと稼ぎするつもりはありませんよ・・・)

投稿者 lib : 09:31 AM | コメント (0)

February 21, 2007

オーガニック狂

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ダーリンのパパは、再婚して早10年になる。
新しい奥さんは、自然を愛し、健康に気をつける田舎をこよなく愛す女性だ。
化粧はしないし、まったくの贅肉もない。いやちょっと痩せ過ぎだ。
そして、口にするすべて食品はオーガニック製品と徹底している。
だから、食費だけでも相当のお金をつぎ込んでいる。

彼らの朝食は、自分で配合するシリアル(はっきり言ってまずい)にオーガニックのセミスキンミルク、
半分に切られたグレープフルーツ(もちろん、オーガニック)、トーストは、オーガニックのブラウンブレッド。
バターやジャムももちろん、オーガニック。
そして、オーガニックのジュースは、何種類も用意されていてまるでホテルのようだ。
テーブルに載った山盛りになっている果物もすべてオーガニックだ。
肉や魚はすべてオーガニックを供給する所から、購入している。
彼らの朝食紹介には、オーガニックという言葉を7回も使用した。そのぐらいオーガニック教の信者になっている。
あの油いっぱいで塩分の高い不健康な、イングリッシュブレックファーストが大好きなパパも妻の熱心なこの宗教には勝てず、
最近は、我々に自分たちの食生活を自慢するぐらいの信者になっている。

バスルームには、オーガニックの製品を生産している皇太子ブランドのシャンプーがあった。
ああ、ここにもオーガニックの波が来ているのかぁ。

食事時になると自分たちの食生活がいかによく考えられているかの話になる。
だから、こうして健康を維持できるのだという。確かにお腹がでていたパパも最近はすっかりスマートだ。
そして、ダーリンと私にも見習うように、ゆるいプレッシャーをかけてくる。
だから、パパの家に行く時は覚悟がいる。

実は、以前から我が家でも、健康の理由よりも美味しいという点で、オーガニック製品を時々購入することがある。
キュウリ、人参、セロリにいたっては、絶対に味が違う。
味がしっかりとあり、生で食べるのがおいしいのだ。
思い出せば昔の野菜は、こんな味だったなー。いつから変わってしまったんだろう。
経済という物のせいかもしれないが、悲しい事だ。

味が違うのは野菜だけではない。
ダーリンは、英国人なので小魚の朝食よりもベーコン付きの朝食が好きだ。
このベーコン、私も好きだが、焼いている時がなんとも動物臭く嫌いだ。
焼く時は、台所につながるドアを全て閉め、台所の窓をすべて開放してから焼く作業を開始する。
これを試しにオーガニック製品に変えてみたら、臭さが少ない。これは凄い!!

よーし、卵も試してみよう。ミルクもね、、、と気がつけば、我々もオーガニック教の信者になっている。
まずい、家計費に影響する。程々にしないとね。

しかし、教祖さまはもっと凄い。
私が夕食の手伝いをしているとき、サラダのためにとトマトを洗っていたら、
『それは、オーガニックだから、洗わなくていわよ。』と言った。
えっ!!
いくらオーガニックだって、ここに運ばれる迄には、いろんな人が触り、いろんな物が着いて来ているのに??
いくら教祖さまのご意見ですが、それだけはどうーも納得出来ません。
と言いたいが、まあ、よく言われるように、食事時に宗教の話はタブーと言われているので黙っていた。
しかし、トマトを食べずに反抗したけど、きっと彼女には伝わらなかっただろうなー。

投稿者 lib : 09:33 AM | コメント (0)

February 20, 2007

kinn benn

shacho.gif

Blog commentにて、ちょいと考える機会を頂戴した。

勤勉さということと、長時間働くこと、というのは相関があるよう
で実は無いはずだ。ドイツ人は勤勉だ、という(ちょっと古い)日
本での通説があるが、ドイツ人が長時間働いているかというと、全
くそんなことはないことは、僕の欧州での長い生活で知っている。
では、なにを持って勤勉と捉えるか。それは例えば作品だと思う。

ドイツが誇るメルシーデス。デザイナーやエンジニア達、そして販
売する人々や経営者の芸の細かい勤勉な仕事なしには、あのような
素敵な車は作れないだろう。そしてレクサス。我らがトヨタの自信
作、助手席にしか乗ったことしかないが、これも素晴らしい車だ。
なかなか他国では難しいかもしれないし、作ったとしてもコスト的
に合わず商売にはならないのではないか。両社共、勤勉な経営陣や
社員がこれらの作品を作っているのだと思う。

勤勉で、かつ長時間働くことを受け入れる日本人の美質・努力や、
それをささえる文化・教育無しには、あの奇跡のような日本の高度
成長はありえなかったであろう。しかし、日本の現在は、もはや高
度成長期ではない。ドイツもしかり、である。

Gパン屋の例を挙げたのは、勤勉のことではなく、過度の狭い競争
意識と、時間に関する(経営者の)無意識さに疑問を持つからであ
る。どう考えても夜中のGパン屋が高い利益率を維持しているとは
思えない。しかしながら、あるGパン屋が24H営業を始めると、
競合他店も当然これを検討するだろうし、実施するかもしれない。
こうしてGパン屋の24H営業という利益率の希薄な店があちこち
に現れる。これが長時間勤務に直接つながることはないのかもしれ
ないが、狭い過当競争に24H営業という精力を費やすよりは、昼
間の利益率向上や、品質・メニューの改善に知恵と時間をかけるこ
とにより、時間のゆとりが得られるのではないだろうか。何処かに
線を引いて、売上げは上がるがこれ以上GPR(荒利益率)を得られな
いなら、経営判断で止めちまうというオプションをなぜ取れないの
だろうか。僕の知っている限りでは、ドイツには24H営業のGパン
屋は存在しておらず、その違いは、経営者が競争力というものを、
ドメスティックな国内に限定して考えているのか、国際的な視野で
考慮しているのか、のあたりにあるのではないだろうか。

毎晩終電まで仕事せざるを得ない日本人が何%いるのか数字は持ち
合わせていないが、相当数になるだろう。知り合いの英国駐在員で
も大変な生活をされている方が多数に上る。Gパン屋の話はドメス
ティックな競争という課題で、僕の問題意識をさほどくすぐるもの
ではないが、問題は国際競争力である。

毎日終電や夜中まで仕事して、タクシーに乗って帰宅するまでの長
時間労働を前提にしないと、日本企業は国際競争の中で通用しない
のだろうか。よくよく考えて、本当にそうなのだろうか。その答え
がYESならば、遺憾ながら日本の経営者達が持つDNAの何処かに、欠
陥といえば言い過ぎであろうが、なにかそのようなものが存在して
いるのではないだろうか。日露戦争でいえば203高地とか、戦国
時代だと長篠の戦での無駄な屍の山を連想してしまう。太平洋戦争
に至っては触れたくもない。

後世から冷静に観察すると、当事の作戦司令部や殿様が、いかに馬
鹿だったと簡単に言えちゃうかもしれないが、当時の当人達は最も
よかれ、という判断だったはずである。現在も前途のように、現場
では長時間労働が行われている。これらの企業の経営者は、良かれ
と思っているか、やむを得ないと思っているか、いずれにしても生
産効率を改善をしようとしてはいないか、又は意思はあるが行動に
時間がかかっているのかどちらかであろう。

あまりのんびり野放しにして良い問題ではないと思う。

日本は少子化が進み、確実に急速に労働リソースが減ることが分かっ
ている。GDPは、0.1%でも良いからとにかく上向きであることが最重
要である。既に国際平均に比して極端に多い労働時間を更に増やし
てGDPを維持するのか、または生産効率を上げることに時間を割くの
か、これは政府云々というよりは、中小企業も含めた日本の経営者
達が多少でもマクロ的・国際的に考えるべきことなのでは無いだろ
うか。


投稿者 lib : 11:37 PM | コメント (0)

チャイニーズ・ニューイヤー

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2月18日はチャイニーズ・ニューイヤーの元旦だった。

日本にいた頃は「旧正月」は知らない間に過ぎる事も多かったが、ロンドンの「チャイニーズ・ニューイヤー」は、あちらこちらでフェスティバルが開かれ、存在感が大きい。

今年も朝一番に、香港の義理の両親に新年の挨拶の電話をかける。
義理の母に「新年快楽、恭喜發財」と、これだけは言える広東語で挨拶すると、あちらからも広東語でいろいろと返される。
意味が分からないので、いつもの様に「ハイヤー、ハイヤー」と適当に相槌を打ったが、後から夫が訳してくれたところによると
「いつも孫(私の息子)の世話をしてくれてありがとう。元気に育っていて、皆喜んでいますよ」
という意味の事を言ってくれていたという。じーん。

義母の優しい言葉に感動し、「(チャイニーズ)新年の抱負は、広東語マスターだ!」と一念発起するも、3時間後には何事も無かったかのように忘れるのも、ここ数年の恒例となっている。埃をかぶった「ビギナー向け・カントニーズテキストブック(CD付き)」がもの悲しい。

朝食後、チャイナタウンに出かける。
例年、もの凄い人出になるので、混雑のピークを迎える前に「早く行って、さくっと帰る」戦略だ。
10時過ぎに家を出て、家の近くからチャイナタウンまで直通で行けるバスに乗ったが、なぜか手前のトッテナム・コートロードまでしか行かないと言う。
仕方ないので途中で降りて、地下鉄のノーザンラインに乗ってチャイナタウンのあるレスター・スクエアまで移動する事にした。
しかし駅に入った時点で、電車がレスター・スクエア方面には走っていない事が判明。

「これだけチャイニーズ・ニューイヤーをPRしておきながら、ロンドン交通局は乗客がチャイナ・タウンに行く事を阻止するつもりか」
とブーブー言いながら2回ほど地下鉄を乗り換え、ようやくレスター・スクエアにたどり着いた。

駅を出ると、沿道はすでに人だかり。
11時からパレードが始まるらしい。
それで道路が通行止めになっていてバスが来なかったんだ・・・と何の下調べも無しに動く私達は初めて気付く。

運の良いことにパレードがすぐに始まり、龍の山車(?)をいくつか見たが、息子が
「ドラゴンこわい~、ドラゴンこわい~」
と泣きそうになるので、そそくさと離れる。
(前の週に、幼稚園でも中国人のお母さんが、ドラゴンダンスを披露してくれたらしいが、クラスで一番怖がっていたと先生に笑われた)

チャイナタウンのスーパーで、夕食の買い物をして、予定通りさっさと引き上げることにする。
湯葉、大根、蓮根、ライスヌードル、そして冷凍の牡蠣を買った。

ちなみに「机以外の4本足のものは何でも食べる」と言われる肉食中国人も、普段殺生している生き物に感謝の気持ちを示し、元旦だけは肉も魚も食べない。
普段は原始人並みに肉の塊に喰らいつく夫も、この日ばかりは修行僧のような神聖な気持ちになるらしい。
元旦の夜には、「今日一日、肉を食べずに過ごしたぞ・・・」とまるで24時間テレビのエンディングの様な達成感と共に、満足そうにつぶやくのも毎年恒例である。毎日がベジタリアンの人もいるんですけど。
(でも牡蠣は生き物と認められていないらしく、元旦も食べられてしまう。「私は貝になりたい・・・」という牡蠣の叫びが聞こえるようである。あ、元々貝なんだった。という訳で牡蠣にとっては身も蓋もない日ではある。)

とりあえず牡蠣の成仏を祈りながら(牡蠣入りの)精進料理を食べ、今年一年の健康を祈った。
今年も良い年でありますように。

投稿者 lib : 08:32 AM | コメント (0)

February 15, 2007

ちょい詐欺事件 その1

career2.gif 
日本では「オレオレ詐欺」が天文学的被害額になっているらしい。

イギリスでもときどき 「ちょい詐欺」を見かける。

毎週、金曜日になると会社に送られてくるファックスがあった。
「ショッピング・モニターになりませんか?」
「格安の旅行に興味はありませんか?」
「ミュージカルや映画を半額で観ませんか?」
とチラシ風のものである。

添付されたアンケート用紙をファックスで送り返すか、電話で質問に答えると、服やバッグ、旅行、観劇といったものが、半額とか割引されるという内容だ。
デザイナー・ブランド、ハイストリートのブティック、カリブ海のホテル、最新の映画やロングランのミュージカルの名前が列記されている。

ちょっと見ると、「マーケッティングの会社」が 「消費者動向」を調べているような感じ。
興味があれば、この番号に電話するか、ファックスを送り返してください、という。

で、一番に下に超小さな文字で「通話料は一分間で2ポンド50ペンス」と書いてあるのだ。

この番号につながると、あっという間に通話料が10ポンドなんてことになるのだろう。
ファックスに書いてある特典が本当にあるのかどうかは知らない。

無視していると、「このキャンペーンのファックスを受け取りたくない場合には、当方までお知らせください」というファックスが送られてきた。もちろん、その番号も一分間で2ポンド50ペンスだったが。

先日は「元気にしてる? オランダから帰ってきたよ」というメッセージが私の携帯に入っていた。なじみのない番号からだ。 「ドリンクしようよ」とか 「週末、暇?」なんてのも来た。イギリスとオランダを行き来している友人がいたのを思い出す。
最近、会っていないけど、彼かな?

「電話があったよ。名前はえーと・・・」
なんて状況でも、相手が女友達なら、
「電話した? してない? じゃ、xxさんかもね。そっちにかけてみるわ」
ということができるが、

男友達だと、
「ケビン、電話した? してない? じゃ、マイクかしら?」
「マイクって誰だよ?」
「え? 誰でもないわよ・・・」
みたいな状況を招きかねない。

ボスの携帯には「あなたにひそかに憧れている人がいます」というのが来て、彼はてっきり 「私」がいたずらをしかけているのだと思ったそうだ。
(10年間も働いている自分のアシスタントに対する信頼はいったいどこに?)

どうもこれは詐欺らしい。「誰だろう?」と思ってメッセージを送ったり、電話をかけてしまったりすると、数10ポンドの通話料がかかるという噂だ。

「文句があるなら言ってみろ」と脅すタイプとか 「どうして来ないの? ずっと待ってるのに」と心配させるタイプとか、いろいろなパターンがあるらしい。

道で配られていたスクラッチカードで 1000ポンドの「当たり」が出て、大喜び。
(たぶん、これは全部のカードが「当たり」になっているのだと思う)
数年前、オーペアがモジモジしながら、「ちょっと・・・」と聞く。
公衆電話から、「当たりが出たらかけてください」という番号に電話をしたらしい。 
(オーペアがいたときは、うちの電話はプレミアレートの番号にはつながらないようにしてあった)

「次はああして下さい、それから、こうして下さい」と電話のボタン操作を指示する録音が延々と続き、何ポンドもの通話料を取られたが、「当たったので賞金をください」というところまでたどり着かないというのだ。
「これね、実は詐欺で・・・」と説明すると、がっかりしていた。

当時、チェコ、スロバキア、クロアチアあたりでは中級公務員の月給が200ポンド程度だったらしい。1000ポンドあったら、帰国しちゃおう、という気持ちもあっただろう。
オーペアの週給が50ポンドくらいだったから、たかが数ポンドの損失でもかわいそう。
このスクラッチカードを受け取ったうちのオーペア3人の中でひっかかったのは1人だった。 三分の一か、けっこう確率高いな。

投稿者 lib : 02:01 PM | コメント (0)

February 14, 2007

英国不思議な現象(その1)

darling.gif
この国では、犬を手に入れるのは大変だ。
ブリーダーから買うか、飼い主のいない犬を施設から貰い受けてくる方法が一般的だ。
いっぱい産まれたのであげるわよ!!なんて言われたらどんなにいいだろうか。
我が家でも犬が買いたくて、ダーリンと私はドックホームを訪れた。
このドックホームは捨てられたり、虐待などを受けた犬をレスキューする施設だ。
クリスマスの後には、プレゼントされた犬を飼いきれず捨てる人が多いそうだ。そんな犬がこのような施設にくる。

記入事項を書き込むと、犬を見に行ける。
けっこう沢山いる。小さいビル全部に犬が展示されているようだ。
比較的広いゲージに入れられた犬には、名前や性格がしっかりとボードに書かれている。
「この犬は、甘えん坊だけど、気が強い。」、「この犬は、わがまま。老人には無理。」、「この犬は、凶暴。小さな子供がいる家には不向き。」なんて通信簿のように書かれてしまっている。
人間と同じなのか、可愛いくレアな種類の犬ほど、貰い先がどんどん決まっていくようだ。
問題犬なんて書かれたら、なかなか貰い手が見つからなくなるから、ちょっと甘く書いてもいいと思うが、
これは商売的思考のようだ。
問題を解って引き受けてもらわないと、また、ここへ戻ってきてしまうらしい。
また、飼い主がコロコロ変わると犬のメンタルにもよくないらしい。

なるほど、ここは、犬のとっていい方法が優先されるようだ。
我々は、特に好きな犬は見つからなかったが、次回のために面接を受けた。
里親探しだな。これは。

我々は、家もある。庭もある。オーガニックの餌は出せないが、犬には毎回適当なご飯をあげられる。
(そう、ドッグフードにもオーガニック製品が出回ってきている。すごい時代だ!!)
受け入れられる資格は,十分にあるとふんでいた。
しかし、2人とも日中働いているので不適格になるそうだ。ええっ!!。
もし、ここのホームから貰うなら、週に2.3回のドックシッター(犬の面倒をみる人)をつけないと対象にならないと言われた。
その理由は、ここにいる犬は心に傷を負っているため、普通以上に愛情に飢えているそうだ。
だから、基本は長く犬と一緒にいることができることだそうだ。なるほど。
ということで我々は、なんと対象外だ。ショック。

次なる手段は、ブリーダーから購入することか。これが数百ポンドもするので、なかなか踏み切れない。
柴犬なんてレアだから、700ポンドもする。
うーんどうしよう、、、と思っていると、街には多くのホームレスが、犬を、時々は子犬を抱いて、
お金を恵んでもらっているではないか。
犬がいるとみんなの献金も多いらしく、犬はどうもかれらの商売道具のような気がする。
うーん。確かに彼らは、いつでも犬といられる。これは犬にとってもいいことだろう。一緒に寝れるしね。
でも、自分の食事もままならないので犬にあげる食事の保証はない。しかし、彼らは犬を持っている。なぜだろう?
いったい何処から手に入れているのだろうか??
ドックホームからは、家がなければ貰えないし、また、お金がなくてホームレスしているのだから購入は無理よね?
私は、どうも闇のルートがあると思っている。
淋しいホームレスの心に目を付け、売りつけるか、レンタルをしているのではないかと密かに思っている。
どなたか知っていたらそのルートを教えてください。

投稿者 lib : 09:05 AM | コメント (4)

February 13, 2007

ロンドンの雪

mama.gif
ロンドンに雪が降った。

大雪だ。朝起きてカーテンを開けると、一面の銀世界。
息子とキャーキャー言って喜んでいたが、幼稚園に送る時間になっても、大粒の雪がまだ降り続いていた。

幼稚園までは徒歩10分の距離だが、この雪の中じゃ歩いて行くのは大変だな・・・。息子はいつもはスクーターに乗って行くのだが、今日はスクーターも使えないし、歩くの嫌がるだろうな・・・。
車で送ろうかな、と思ったが、雪の中の運転は怖いし、どうせ停める場所もないだろうから、息子に長靴と手袋の完全装備をさせて、エイヤと家を出た。

寒いだの歩きたくないだの文句を言うかと思ったが、息子は雪の中をぴょんぴょん跳ねながら、とても嬉しそうだった。
新しい雪の上を歩くとキュッキュッと鳴る音や、溶けかかっている部分を踏むとべチャサクッとする感覚、私も久しぶりに思い出した。
そういえば子供の頃、大人にとっては大雪や台風は大変だっただろうけど、子供にとってはエキサイティングなイベントだった。そんな感覚すっかり忘れてた。
(たまに土いじりをする時にも、体の中の普段使っていない感覚が呼び起こされる様な気がするけど、この時も同じ感じ)

降り続く雪を気にする事も無く、息子は雪のボールを作ったり、フェンスに積もった雪を片手で落としてみたりして、なかなか前に進まない。
こんな天気だもの、幼稚園も少しくらいの遅刻は大目に見てくれるだろう。
急かさずに、息子の気が済むまで遊ばせながら向かう事にした。
結局普段の2倍の時間かかって幼稚園に到着した。

ずっと暖かい冬が続いていたが、やっぱり季節が「あるべき姿」なのはいいなあ、と思った。
お正月(イギリスではクリスマス)にもスーパーマーケットが開くようになって、便利になった分、その時期特有の空気を感じにくくなって久しいが、地球温暖化で気温まで暖かくなって、季節感がますます感じられなくなっている。

TVでは北極の様子もカリブの海の中も見ることができるようになったが、自分の肌で自然を感じる機会は減ってきているように思う。
私自身が「今の子供は自然に触れる機会が少なくて可哀相」と言われて育った世代なのに、今、自分の子供に同じ事を感じている。
息子が大人になった頃、やはり「今の子供は可哀相」と思うのだろうか。だとしたらちょっと怖い。

外が寒ければ暖かい家の中に入れて、雨が触れば濡れない様に車で移動して、と私もいつの間にか過保護ママになっていたのかな、とちょっぴり反省。
「自然」ていうのは、天気の良い日の公園や、ホリデー先のビーチばかりじゃないものな。

車を出さなくて良かった。

(息子を迎えに行く頃には雪はやんでいたが、幼稚園から配られたプリントに『今朝、スタッフに雪を投げつけた保護者がいました。子供の悪い見本なのでやめましょう。』と書いてあった。大人は、はしゃぎすぎに注意しましょう。)

投稿者 lib : 11:01 AM | コメント (0)

February 11, 2007

ExJob

shacho.gif

僕はコンピューターのプログラミング作業は全く苦にならない。と
いうよりは、むしろ嬉々とした楽しさを覚える。徹夜なんぞ平気の
平左だ。

開発言語には色々と手を出した。学生時代のFortranから始まり、
仕事でBasicやZ80や8086のアセンブラ、C言語と呼ばれるプログラ
ミング言語を若い頃にマスターし、英国に渡ってからも、Visual
BasicやC++という言語を、商用レベルになるまで覚えた。これらに
比べると、Web開発で使われるhtmlやcssと呼ばれるも新しいものは
(開発言語では無いが)実に簡単で、赤子の手を捻るようなもので
ある。生の外国語は下手くそでなかなか覚えられないが、発音や聴
く必要の無いプログラミング言語は、そこそこいけるクチである。

今週は、ある社内開発システムのアップグレードで、久しぶりに徹
夜に近いプログラム人生をおくった。社内開発といっても、実は僕
が一人で、Access Basic という言語を使って、しこしことコーディ
ングしてきたものである。外注するカネも無いし、自分の考えをダ
イレクトにシステム開発社(自分)に伝えられるのだから、出来上
がりは思い通りのモノとなる。自社の主ワークフロー・システムを
社長自らが開発する会社も珍しいかもしれないが、そこは我ら、技
術オリエンテッドなのである。

このシステムは、見積・購買・請求という、会計3種の神器を巧み
にオペレートしつつ、かつ当社標準のISO9001に準拠した品質管理
やオーソライズ・ポリシーを実現するという社の重鎮ともいえるシ
ステムなのであり、当社に自慢があるとすれば、そのひとつに確実
に数えられるものである。このシステムに則って見積りや請求書を
出している限り、新入社員でも明日からExlayerの品質管理に即し
ていると言える、なかなかたいした奴なのである。

会社を作った頃、SAGEという市販の会計ソフトを使用していた。一
番安いパッケージを買ったところ、請求書が作れない。開発元に電
話したところ、更にカネを払ってアップグレードが必要だという。
なので払った。次に、見積りが作れないことに気付いた。電話した
ら、更に金を払ってアップグレードが必要だという。結局結構なカ
ネを払ったが、システムとして見積・購買・請求書に、なんの関連
も得られず、ただの発行・印刷機だったということが分かった。仕
方が無いので、Excelでこれらの関係を纏めていたが、1年、2年
と経過し、トランザクションが多くなると、もう管理不能。思い立
ったのが ExJobと命名した上記システムであり、リリースから4年
が経過した。いまだSAGEには、請求書以降の処理に抜群に活躍して
もらっているが、それ以前のプロポーザル段階や、プロジェクトの
インプリ期間はこのExJobが活躍している。

とはいえ、プログラマーとしてはとうにさかりを過ぎた年齢でもあ
り、プログラマー的指差し確認等のあたりは呆けに呆けており、今
回もリリースしたら、いきなり過去の見積データが261件消滅し
ていたという障害が出てしまった。皆、頭にきているんだろうなあ
と思いながら、大して文句も言ってこないのは、開発元が社長だか
らなのだろうなあ、と気の毒になってしまった。ごめんごめん。ま
あこれは毎度のことだから、メジャー・アップデート後のシステム
は、誰も最初から信用していないのかもしれない。なので何とか復
旧できてしまうのだ。半日かけて問題を解決せしめたが、これでま
た僕のプログラマ・SEとしての評価が一段と落ちたことだろう。

今週末も小さな手直しを続けている。テニスも例のコーチに入って
もらって2時間。こういう週末は至福である。

投稿者 lib : 03:32 PM | コメント (0)

February 08, 2007

社内研修

career2.gif 
社内の研修でエクセル(中級)の1日コースに参加した。

ワードとか、パワーポイントなんかのコンピューターのコースの他に、時間管理術とか法令順守とかの一般的なビジネスコース、それから仕事に直接関係する専門的なものと豊富。
けっこう勉強になる。

日本人のクライアントの中にものすごくコンピューターができる人がいて、その人がときどき高度な仕掛けのついたエクセルの表を送ってきて、
(・・・・・?)という状況になることがある。

私はエクセルの入力はめったにしないのだが、日本語のものだと仕事上、関わりがある。
エクセルは一通りできるが、もう少し複雑なテクニックを習うことにする。

「おはよー」と講師がやってきた。
あ、この人、知ってる。
何年も前に別のコンピューターのコースで講師をしたおじさんだ。
人の顔を覚えられない私が、なぜ彼を覚えていたかというと、
「ものすごく強烈なくせのある労働者階級英語」を話すからだ。

東ロンドン、下町のブリックレーンあたりの「公用語」(最近はアジア系の人が多いから、ヒンズー語とかのほうが多数派かも・・・)

最近、これを聞いたのは「ペストコントロール」こと、「ネズミ捕りの専門家」のおじさんだ。(12月7日のブログ参照のこと)

正直、前回も苦労した。10年前の私なら、この手の英語は1%ぐらいしか聞き取れなかったと思う。地方なまりとも違う 「階級」あるいは 「特殊なグループ」なまりである。
これは外国人には厳しい英語だ。

「まろは京都の公家じゃ。はんなりと香をきくのが好き・・・」とか
「あちきは吉原のおいらん、桜太夫でありんす」とか、
「おいらは江戸っ子だい。宵越しの銭は持たねえよ、べらぼうめ!」
で始まる自己紹介を 「外国人向け」の 「日本語検定」の 「聴き取りテスト」に出されるようなものだ。

全身を耳にしてトレーニングに臨んだ。

「じゃ、ここで 『オーム・キー』を押して」
・・・オーム? 鳥の鸚鵡?
そんなキーはどこにあるのか、とモタモタしていると、
「お姉ちゃん、これだよ。 OME キー」

おじさん、それは 「ホーム」HOME キーです。

労働者階級英語は H が落ちるのだった。

「それから、Fフリーを押す」
・・・Fフリー? F free?
「ここ、ここ、お嬢ちゃん」
おじさんの指はF3を指し示す。

そのキーは Fスリー threeだってば。

労働者階級英語を話す人は TH が発音できないのだった。

あー、疲れた。講師のおじさんは 「コンピューターのキーの位置もろくにわからない外国人労働者」の私に親切だったけどね。

翌日、会社の同僚に
「おほほほ、これでエクセルもバッチリよ。これからは 『エクセルの魔女』とあたくしをお呼びなさい」と宣言したのだが、トレーニング中にとったメモは
「ここで同時にコントロールキーを押す」
・・・「何」と同時に?
「この後でF4から選ぶ」
・・・「何」の後で 「何」を選ぶんだっけ?
と、わけがわからない。
講師の英語の聞き取るのに必死で、メモがすっかりおろそかになっていたらしい。

トレーニングの内容は別冊子でもらったので、それで復習したが、
「パワーポイントのコースも行けば? 同じ講師だと思うよ」と同僚から意地悪を言われている。

投稿者 lib : 09:56 AM | コメント (0)

February 07, 2007

英国の結婚式(その3)

darling.gif
さあ、レセプション会場に着くとそこには、既にアルコールを持った人々で賑わっている。
ウェルカムシャンペンは、1杯で充分なのでさっさとバーカウンターへ行く。
大好きなウォッカトニックを頼むと『ダブル?シングル?』と聞かれた。
こんなこと聞かれたのは始めてだ。さすが酒付きの田舎街だ。
本日は、花嫁のパパのご馳走なのでお祝いも込めて、
『ダブルでね!!』とちょっぴりオジさんのお金を使ってあげた。

私は結婚式には、着物で出席と決めている。(トップハム・ハット卿の奥様と同じです)
だって、ドレスを着ても日本人体型では負けてしまうし、(勝ち負けではないが)
これまた大好きな着物を着る絶好な機会だ。
以前、ダーリンの友人の結婚式にやはり着物で出席したら、花嫁のママに『ゴージャス!!』と感謝された。
でも、雨が降りそうだったので、シルクでなく洗える化学繊維の着物だったの。ごめんね!
まあ、誰も着物のこと分からないから、格だの季節などと気にしなくていいのも気楽な点だな。

この日も着物を着ていると、帯をさして、obi??と聞いてくるのは上級者。
鞄を背負っているの?と聞かれたり、 写真を一緒に撮らせて!とちょっとした人気者ならいいのだが、
どうも見せ物のパンダになった気分だ。
今回は、なぜか、着物=日本人=神戸ビーフという連想がいくようで
『先日食べたよ。神戸ビーフ、,,,,』という話を数回された。
英国人もグルメになったのだろうか??

男性は、まだいい。
困るのは、女性だ。いきなり触ってくるのだ。
あなた、さっき其の指で、何かつまんでいなかった!?と指についた油で着物が汚れるのにハラハラドキドキする。
だって、着物の汚れ落とし、英国では無理なんだからねー。

さてさて、ここで披露宴会場に移動するようにアナウンスされた。
平凡で大きなポーションの3コースを食べ終え、ベストマンのスピーチ、花嫁の父のスピーチが続いた。
『我が家の女性達(妻と娘2人)は、キャロット(人参)でなく、キャラット(ダイヤの大きさ)が大好きなんだよ。よろしくね。』というくだらない冗談を言っていたが、
だんだん言葉につまり、ちょっと涙ぐんでいた。
さすが、オジさんなんとか崩れずに最後まで乗りきった。

最後は花婿のスピーチだ。
『彼女に言われたのは、お母さんを許すお父さんのような旦那になってほしい』と言われたそうだ。
ふーん。オジさんは、オバさんをいろいろ許していたのか。
真っ赤なマニュキュアや口紅をいつでも塗りたくっている事とか、派手好きな性格とか、ダイヤをほしがるとか、
おばあちゃんのお見舞いに行かないとか、 そんなことを許しているのかな?
でも、オバさんが可愛がっていたポメラニアンかチワワがうるさく騒ぐので、結構イライラしていたらしいよね?
間違って(いや、間違ったふりをして?)車で引き殺したという話も聞いているが、
許せないこともあったのでしょうね? まぁ、いいか。


結婚式が終わり、またバーに移動だ。まだまだタダで飲めるというので、みんなバンバン飲んでいる。
節約型披露宴では、自分たちのバジェットをバーに伝え、その金額に達したらクローズし、その後は、
ゲストの自分たちで欲しいアルコールを購入することになる。
さすが、オジさん。最後迄ゲストにはフリードリンクを提供するつもりだ。
えーいい。飲んじゃえー。 飲んじゃえー。という気持ちの人が多かったせいだろう、
喧嘩が始まったらしい。これだけ飲ませれば、喧嘩もおこるだろうな。
会場では、テーブルを片づけ、ディスコ(クラブではない!!)会場に変身した。
始めは、もちろん花嫁、花婿のダンスだが、
待ちきれない人々は2曲目から、みんな物怖じせず、大きな身体を揺らしてフロアーに出て踊る。踊る。
生バンドがいたが、花嫁より年上の私でも知らない曲ばかりが演奏される。
どうもオジさんやオバさんの世代の音楽を頼んで演奏してもらっているようだ。
誰の結婚式だろう??

12時になっても終わる気配はない。
さすがに着物を着ているのも疲れた。
我々、若者組はもういいかなーとホテルに帰った。
イベントがない田舎街では、結婚式はみんなの楽しい 楽しい娯楽のようだ。

投稿者 lib : 09:15 AM | コメント (0)

February 06, 2007

その後のシルパ

mama.gif
すでに過去の話題になっていると感じつつも、今週も懲りずにビッグ・ブラザーの話題で引っ張ります。

と言っても、番組が終わってから、メディアからは「人種差別」の「じ」も聞かなくなってしまった。
つい2週間前に「メディアが騒ぎすぎ」と言った舌の根も乾かぬうちに、ビッグ・ブラザー騒動が全く忘れ去られてしまった事に、一抹の寂しさを覚える私である。

と思ったら、土曜日のタイムズ紙で懐かしいシルパの顔写真を見つけた。
番組が終わったのは1週間前のことなのに、すでに「あの人は今」の風情である。
シルパが登場したのは、My Week というコラムで、毎週、有名人の一週間を日記風に綴ったものだ。(ライターが書いたもので、もちろん架空)
要約してご紹介すると、

月曜日 自由になった初日。召使が持って来た新聞を読むと、一面に私の名前が。私は高貴で文化的なイギリス人に愛されているのね。なんて素晴らしい事かしら!インドから飛んできたエージェントが言う。「シルパ・シェティの時代が来たぞ!」

火曜日 エージェントが言う。「本物のブリティッシュ・セレブリティの様に振舞えるようにしなくては。」「プリンス・チャールズへのお辞儀の仕方とか?」「いや、バカルディ・ブリーザーを酔いつぶれるまで飲んで、カメラマンの前で失態を演じられるようにするんだ。」

水曜日 「グッド・ニュース!いい仕事が来たよ。」エージェントの声で起こされた。「エリザベス一世?高慢と偏見?」「いや、パントっていうんだけど、ボーンマスで演るんだ。馬の足の役だよ」

木曜日 ジョーダンという女性とナイトクラブで喧嘩したり、ラッセル・ブランドと寝たと言い触らすと良いと、エージェントにアドバイスされる。私のキャリアのためになると言うけど本当かしら?

金曜日 「雑誌で脱いだり、フットボーラーとデートしたり、車から降りるときに下着を見せなければ、本当にイギリス人に愛されることができないの?」エージェントの答えはイエス。「でもここは、世界一教養高いとされている国じゃないの?シェークスピアやジェーン・オースティンの生まれた土地よ!だけど国民はアホだらけだわ!退化した俗物の単なる大酒飲みじゃないの!犬の方がまだましだわ!」
エージェント曰く、私の言った事は人種差別にあたるとか。知った事じゃないわ。

最後のオチで笑った。
支配した側と支配された側、という歴史が勿論あるけれど、有色人種が白色人種の悪口を言っても、人種差別にはならないんだよなあ。

人種差別かそうでないかの線引きって難しいけれど、同じ事を言っても、その対象や自分の置かれている立場によって、微妙にニュアンスが違ってくると思う。
イギリスにいる日本人は差別される側、する側どちらにも成り得る可能性があるだろう。

例えば「イギリス人て仕事遅いよねー」と言っても、皆笑って同意するだけだけど、「インド人て仕事遅いよねー」と言ったら差別発言ととられるだろう。(実際に数年前、問題発言の多い某王室メンバーがこの発言をして騒がれたことがあった)

イギリスに長く住んでいる日本人からも、割と不用意な発言を聞いて驚く事がある。
以前、初対面の日本女性と話していた時に、夫はチャイニーズだと言うと、
「え?本土から?」と聞く。香港だと言うと、
「ああ、それなら香港チャイニーズと言った方がいいわよ。でないと、本土からの人と勘違いされちゃうわよ」
と、非常にビミョーなご助言を頂いた事が合った。

また、他の、イギリス人と結婚している女性からは
「中国人は日本人を上だと思っているから楽でいいわね。イギリス人は日本人を下に思っているから大変よ」と言われたことがある。彼女の経験から出た本音だったのだろうが、かなりびっくりした。

中国人同士でも差別はあるようで、香港で現地の友人と話していると、何気に本土からの人たちを見下しているような雰囲気を感じた。(本土からの人が道に唾を吐きすてるなどのマナーの問題も確かにあるのだが。)

そういう私も、日本にいた頃、フィリピンパブで働くお姉さんの口真似をして、(実際にそう言うのかも知らないのに)「シャチョさん、シャチョさん」などとふざけた事があった。自分がマジョリティだった頃、マイノリティの人たちの気持ちを考えようともしなかった。無知のなせる業である。今になって反省する。

そういえば、英国でのイジメの犠牲者シルパのお国インドは、カーストで明確な階級分けをしていた国だ。

人を差別したいと思う気持ちが人間の本能ならば、差別されたと感じた時に無視して受け流せる強さと、自分の気持ちの中にも潜む、他者を差別したくなる気持ちに打ち勝つ強さが必要なのかな。

投稿者 lib : 09:58 AM | コメント (0)

February 05, 2007

No more spin

shacho.gif

"Did you miss the baby?"
"Well she's a little too old as a baby. How naughty was she ?
"675 pounds and 77 pence, Yosh"
"Oh, well not too bad, thought it could be double."
"I could charge double!" "No!"

本当に直ったのかどうかは今週末のテニス場へのドライブで検証す
るが、10日以上の入院にしては3桁で収まった。我が真っ赤なア
ウディーもそろそろ老衰が近い。ここ暫く入用が続くので、あと1
年半程は耐えて欲しいところだが。

テニスといえば日本の東レ・パン・パシフィックはヒンギスが優勝
したそうだ。シャラポバさんは途中で棄権。ジャスティンは、まだ離
婚騒動で出ていなかったので、あまり気合の入るツアーではなかった
が、決勝はイバノビッチに勝たせてあげたかった。この人巧いことは
巧いんだけど、勝てない。運もまだ強くないかもしれない、というと
あれだけど、運というのは、うんと大事なことだと思う。

・・・

さて今日は、ほんの軽くだが、腰が妙だ。週末2時間のテニスの結
果だとは分かっているし、これ以上重くならないことは体の声で分
かっている。しかし、日曜も今日も冷え込んだので油断は禁物。ス
トレッチ、ヨガ、風呂、その他で柔軟な腰筋(造語)を保って強化
を続けねば、また昨年のような、ソックスをはくのに3分かかる状
態になってしまう。気をつけよう。

そして今日は月曜日である。僕のBlogは不定期投稿ということで編
集部殿には大目に見てもらっているのだが、週末にはduty callsと
自らを励まし、多少のプレッシャーがかかる。先週末もあれこれ考
えてはいたが、ネタがなかなかあがってこない。そうして今日月曜
になってしまった。ネタというのは思いつくときは1分間に3つも
4つも思いつくのにね。

なので、今日はいつものテニスネタにて、うだうだしようと思う。
これだとBlogの5、6回分位はいつでも書けるかもしれない。

近年というか、もう10数年以上前からテニス界では強烈なトップス
ピン打ちが全盛となっている。素人は、テレビやライブで見る贔屓の
トッププロのスイングを真似したくなるのが人情だ。僕も例にもれず、
かっこだけのトップスピンを目指してウェスタン・グリップなど試し
ていた。しかしだ。昨年夏、ありがたいことに素敵なコーチを友人に
紹介してもらった。いかに馬鹿なスイングをしていたか、真っ先に指
摘されその日のうちに矯正された。いや、されたという過去形を使う
のは僭越、現在も猛練習中である。フラット・ドライブ、即ちラケッ
トに玉を乗せるようにして、ナチュラルに、かつ力強く運ぶ術を覚え
ずして、トップスピンなどはお話しにならないと。

僕は、特に仕事では、基本形習得派(これも造語)である。ベーシッ
クの習得無しに目先の仕事ばかりしたって、いくらたってもモノを習
得できないし新たな展開ができないという考えに100%同意するも
のである。ジャスティンのようなウェスタン・グリップでのフォアや
シングルバックを打ちたい気持ちはあっさりと捨て、「わかった、が
んばります先生」。

こうして4,5ヶ月経過した。僕のフォアは確実にフラット・ドラ
イブに近くなってきた。まだまだベースラインをオーバーすること
が多いが(玉が落ちないので難しいのです)、ネットに引っかかる
よりは良いと先生も云ふておられるので、この際、先生や仲間に甘え
てホームラン打とう。フラットドライブは、向こうのコートに深く落
ちて、バウンドしてからの玉が低い弾道をえがく。10本に1本でも
巧く打てればこれは快感である。この快感のためにテニスをやってい
る。更に、肘や手首に無理がかからないので、あまり若く無い体に故
障が出やすい年齢の人(一言でいうとオッサン)には、最適な打ち方
なのである。現在僕の課題は、インパクトで体が伸び切ってしまうこ
と、玉を見ていないときがあること、もっと縦スイングせねばならぬ
こと等々。なかなか体が覚えるまで時間がかかるものだ。多分、テー
クバックで左手をどこまで長くラケットに沿わせられるかが解になる
のではないかと先週発想して練習している。

ちょっと先生の話をする。今のところ、その先はフォア以外なにも教
えてくれない。強いて言えばサーブをちょろっと教えてくれるが、ま
ずは僕のフォアハンドをなんとかしようと真剣にしつこく継続してく
れているのだ。ちゃらちゃらボレーとか練習するまえに、基本である
フォアハンドを、僕の年齢と運動神経で可能な、最上のところまで持っ
て行きたいと思われているのではないか。こういう教え方は、また実
に僕の好みであり嬉しい。先生は、過去にワールドランキングの20
0位まで極めたプロプレーヤーであった。そして若い。そして長身の
美人、そう女性なのである。そして日本人でもある。倫敦で受けられ
るコーチとしては奇跡のような先生なのだ。まだまだ生徒はとれるよ
うなので、テニスが本当に巧くなりたい方、お子様に本格的なコーチ
をと考えている方、僕が保障します、良い先生です、こちらまで一報
下さい。

投稿者 lib : 07:38 PM | コメント (0)

February 04, 2007

危機管理

tophum.gif
近所の日本人宅に空き巣が入った。
一時帰国して戻ってみたらパソコンやDVD、それに車まで取られていたそうだ。
楽しい思い出いっぱいで帰ってきたところにその仕打ち。何とも酷い話だ。
先だっての我が家の車上荒らしの件もあって、私も一時帰国から戻る時には、何事も起こっていませんようにと少しばかり祈った。
幸い、何事も起こってはいなかった。防犯対策として、月並みだが向かいに住む知人に留守中気をつけて見てもらっていたことと、室内の電気を自動で点灯・消灯させるタイマーを付けていった。

海外にいると、日本では滅多に遭遇しないようなことに時々出くわす。

例えば小切手帳。
日本では個人レベルで小切手を使うことはまず無いが、こちらでは、ナーサリーの授業料なども小切手で支払うなど、活用頻度が高い。
そして小切手の残り枚数が少なくなってくると、自動的に銀行から新しい小切手帳が送られてくるのだが、それはある日、手紙なんかと一緒に普通郵便で届くのだ。
銀行の封筒で、横長の手帳状のもの。中身は小切手であるとバレバレである。何と無防備な、と思っていたら知人の小切手帳が手元に届かず盗まれて、どこぞの誰かの出たら目なサインでごっそり使われてしまった。
今回は不正に使用されたと証明できた為、全額返金されたらしいのだが、聞けばこれはそう珍しいことでもないようだ。小切手の不正使用分を弁償するくらいなら、最初から小切手帳を書留か何かで郵送すればいいのにと思わずに入られない。

出たら目なサインで使い込まれてしまったかと思えば、友人はパブでの支払い時にクレジットカードを使ったのだが、後日「このサインはどうも怪しい。不正使用の疑いあり!」と、クレジットを止められてしまった。
確かに多少酔ってはいたが、それは間違いなく彼自身のサインだ。なかなか事情を理解してくれない電話口の係員に、彼はかなり苦労していた。酔っ払ってもサインはきちんと!という教訓を得た。

最近使用方法が厳しくなったオイスターカードも要注意だ。
電車に乗る際、オイスターカードをタッチし、「ピッ」と音がしてゲートもちゃんと開いたにも拘らず降りた駅で不正時の罰金£4が取られていることがある。
特にうちの近所のセントラルライン某駅で多発しているとの情報あり。どうもカードの読み取りが甘いらしい。日本のように機械だから間違いないだろうという概念は通用しない。
こちらも状況を説明すればあっさり返金してくれるらしいのだが、£4取られていることに気づいていない人もきっといるだろう。
「あなたは先日不正使用し、£4徴収されましたね。次回から気をつけてください」という内容の手紙が届いた人もいて、そこで気づく場合もある。
が、これも届いたり届かなかったりで当てにならない。こちらも手紙なんか出す暇あったら大元の改札をどうにかしろと思うのだが、「原因究明」という概念がやや不足気味らしい。

思えば、日本では、電車の乗り降りや道を歩く時や、あるいは職場での言葉遣い(渡英間もない頃、日本人スタッフと話した直後に、英国人スタッフにうっかり日本語で話しかけてしまい、「差別だ!」と大事になった経験があるのだ…)にこんなに気をつけたことはない。
日本ではすっかり退化してしまっていた危機回避本能がここロンドンではあちこちでフル活動である。

そんなことを妻と話していたら、「全くそのとおり!」同感のようだ。

「スーパーで割れてる卵を平気で売ってるから、いちいち卵パックを開けて確かめなきゃいけないし、この間牛乳買って帰ったらなんと内蓋が開いてたのよ!交換してもらったけどね。それから4個入りの電球買って帰って付け替えようと中を見たら、誰かに1つ取られてて、代わりに古い、切れた電球が入ってたのよ!何でも確かめなきゃダメね~」

主婦は主婦なりのトラブル回避能力を磨いているようである。

投稿者 lib : 04:27 PM | コメント (0)

February 01, 2007

ポッシュな人々 成金編

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先週の続きです。

「成金 = 最近になって金持ちになった人」は 「古い家柄の特権階級 = 何代か前に金持ちになった人」から嫌われることになっている。

で、最近の 「成金」の象徴は 「ヘッジファンド・マネージャー」らしい。 

新聞によると、某金融機関のシニアパートナーの 「基本給」は年俸で10ミリオンポンド (22-24億円、ポンドと円の為替レートが2円違うと2億円の差!)だそうだ。 
これに、バーーーーンとボーナスが上乗せされる。
(40ミリオンポンドものボーナスを貰った人の記事を見た。もし、今までに 「殺意」というものを感じたことがない人は、この記事を読んでみてください。)

毎年、毎年、巨額の宝くじが当たっているようなものだ。こんなに貰っていてはきっと財産管理に困るだろうな。
(ヘッジファンド・マネージャーの皆さんへ、もし、使い道に悩んでいる場合にはご相談に応じるつもりです。いつでも声をかけてくださいね。)

ロンドンのウエスト・エンドにあるバークリー・スクエアは 「新 スクエア・マイル」と呼ばれている。 「スクエア・マイル」は本来、金融街 「シティ」の別称。
ウォーターフロント地区のカナリーウォーフに銀行がつぎつぎと本社を構え、 「新興 金融街」を形成していたのだが、いつの間にか、こんなところにも・・・。

伝統ある金融街、シティのビジネスマンが 「カナリーウォーフの成金」連中をねたんでいたが、ここで、 「バークリー・スクエアの 『新』成金」の登場でもって、さらなるバトルが展開されているのである。 
これからの進展が見逃せない。
ロンドンで開かれるオリンピック関連用地の不動産ビジネスで、下町のおやじが由緒正しき 「土地成金」などになれば、 「成金」のバラエティがさらに豊富になり、楽しいと思う。

さて、成金に群がる女性たちのウォッチングも欠かせない。
金持ちの男を捜すプロジェクトは 「バークリー・スクエア」で働く男が行きつけのクラブやスポーツジムを中心に行われるらしい。 

「ゴールド・ディガー」 は離婚話の持ち上がっているポール・マッカートニーの 「将来の前妻」ヘザーを罵倒するのに最近よく使用されている 「玉の輿を狙う女」である。

「結婚とは 男の社会的地位と財布の重さに対する、女の顔と若さの等価交換である」
そうだから、64歳の元ビートルズのポールと39歳で元モデルのヘザーとの 「商取引」に不正はなかったと思うけど・・・。

WAGS(ワグス)といえば、もともとはサッカー選手のワイフ・アンド・ガールフレンド(複)で、夫やボーイフレンドの巨額の収入でデザイナーブランドを買いあさる女たちのこと。

で、このごろはヘッジファンド・マネージャーのWAGSが幅をきかせ、ダブルバレルのポッシュな人々を悩ませているそうだ。

ここでの「悩ませる」というのは
「成金のくせに、私たちよりも金回りがいいのを見せつけて、頭にくる行動と買い物をするので腹が立つ」という意味のことを「上品な言い回し」で表現したものである。

「いくらお金持ちといっても、それは商売で築いた財産。代々の名家ではない(お下品な)家族」というのはジェーン・オースティンの小説で出てきたフレーズ。
作品は200年も前のものだが。
でも、200年前の「成金」なら、もう「成金」じゃないだろうね。

ヘッジファンド・マネージャーの皆様も2-3世代、50年もたてば 「成金」とさげずまれなくてすむので、しばしのお待ちを・・・。

あー、庶民でよかった。

申し込み用紙の書き込みも楽だし、新興勢力の財力に追い立てられる余計なプライドもないしね。 もちろん、成金なんて呼ばれることもなし。

プライベートヨットで開かれるサントロペのパーティなんかに興味はないよーだ。

(本当です。強がりではありません。決して、悔しまぎれの強がりではありません)

(・・・もう一度、念のため申し上げますが、羨ましがっているのではありません・・・)

投稿者 lib : 09:38 AM | コメント (0)