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May 15, 2007

段取り

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住めば都という。当社オフィスが現在のCity東のはずれに移転した当
初は、都落ちという単語がちらついたが、やはり住めば都なのである。
レントは安いし、かといってお客様のオフィスに、バスや走りで30
分以内で駆けつけられる。レストランは妙に多く、昼飯の選択には迷
うほどだ。他テナント社員の雪駄・短パン姿も、慣れてしまえばなん
てこたあない。空調もとりあえず冬の間は快適であった。とはいえこ
のオフィスは2009年の秋に契約が切れる。来年の後半に、またまたプ
ロパティー探しを始めなきゃいけないかと思うと気が滅入る。

さて、当社オフィスが面している道路は、先週から通行止めが続いて
いる。昨年越して来たときにも2ヶ月程だろうか、同じく通行止めが
続いていた。例のThames Water社の大々的な水道管の交換工事の一環
であろう。昨年の通行止めは、主水道管の入れ替えであり、今回の工
事は、新しい主水道管から各ビルへの引き込み管の交換のためである。
この段取りは興味深い。工事を2回に分けることにより、総コストを
抑えられるのか、またはサービス停止期間を少なくできるのか。また
は何も考えていなかったのだろうか。

現場には2枚の看板が張られている。これも興味深いので紹介したい。
一枚は、僕のつたない訳によると、「この現場工事は、シティー・オ
ブ・ロンドンの通達による、”静寂な時間”を厳しく考慮している」。
当オフィスは3階にあるが(日本で言う4階)、先週の真昼の騒音は、
相当賑やかなものであった。いったいどいういう通達なのか、もしく
はどういう考慮なんだか。大声で歌いながら作業しているおっさんも
いる。2枚目、「私たちの工事は直ぐに終わりますが、この工事によ
る利便は永い寿命を保つでしょう」。直ぐに終わる、の部分は a
short while と表現されている。既に週末を挟んで一週間経過してい
る。少なくとも今週一杯はかかりそうな現場の進捗状況である。

先週、お客様のシステムが不都合となり、Tolworthまで我が真っ赤な
アウディーで駆けつけた。自宅はPutneyなので、普通に走って20分
かからない程度の距離である。仕事を終えての帰路、A3のRobin Hood
前が大渋滞であった。事故かなあと思つつ、漸くのろのろと信号を通
過すると、2台のでかいトラックが2車線の片側を完全に塞いでいた。
そして無人。誰もいない。A3というのは南西部とロンドンを結ぶ幹線
道路であり、いったい誰がどういう段取りでこういう渋滞を発生させ
るのか、ロンドンではよく見かける光景だが、どうにも腹が立つ。

この国での段取りは一般的に言ってしまえば上記のようなものだが、
火事場には滅法強い。IRAテロの事後や、ダイアナさんの葬式での素
早い段取りや行動力は感動的とさえ言えた。ちょいとずれるが、過去
の戦争でもここ一番という天王山は全て制してきた国である。しかし
普段はシャープさに欠けた、ただの人に戻ってしまうのである。これ
も興味深いと言えばそうでもあろうか。

投稿者 lib : May 15, 2007 09:09 AM

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