« 女子トイレ イギリス編 | メイン | ダイエット »

June 05, 2007

Good School, Bad School

mama.gif

息子が通っている幼稚園は、エリアの人々に「Good School」と呼ばれる公立小学校に付属している。

毎年公表される「League Tables」と呼ばれる全国共通テストの結果と、Ofsted(教育機関の査察団体)のレポートにより学校の良し悪しの判断が下されるのだが、お陰でうちの近所の公立小学校はそれぞれが「Good School」「Useless School」と地元の人からはっきりと色分けされてしまっている。

人口密度の高いロンドン、Good Schoolの席取り争奪戦はすさまじく、子供のために学校の近くに引越ししたりする親も珍しくない。(学校に入れる優先順位は①すでに通っている兄弟の有無、②スペシャルニーズ、③学校からの距離)当然学校の近所のプロパティ相場は上がる。

当然の結果としてGood Schoolには定員以上の願書が集まり、Useless Schoolは定員割れとなる。(これも公表されている)

息子は今年の9月からレセプションクラス(1年生の下のクラス)に入る。レセプションは、小学校に属するので、幼稚園に通っていても、願書を出し直す。で、出した。

その結果、学校から徒歩10分の我が家は「遠すぎる」ために息子はレセプションクラスの席を得る事ができなかった。

今年は60人の定員に対し180程の願書があったそうだ。一方この学校から1Km位しか離れていない「不人気校」は60人の定員に対し、願書が40だったそうな。

息子は幸運にも、別の「Good School」に入ることができたが、「Useless」と烙印をおされてしまっている学校が人事ながら気になる。
成績もダメ、Ofsted reportもイマイチ、毎年定員割れでは教員や生徒のモチベーションはどうなってしまうんだろう。
結果的に「子供の教育に関心のない親」の子供が集まることになり、Good Schoolとの格差はますます広がるばかりだろう。
夫によると労働党が政権をとってからLeague Tablesの公表が始まったそうだが、今のところ弊害の方が大きいような気がする。

しかし「Good School」に何の苦も無く入れる人たちもいる。
それは学校を取り巻く「カウンシルフラット」の住民たち。
私の住んでいるエリアは人種も階級も、貧乏人も金持ちも、ごっちゃになって住んでいる地域だが、この学校の周りにはもともとカウンシルフラットが多い。

昨年、学校の隣が再開発されて、高級フラットが建てられた。
以前、冷やかしで見に行くと、「80万ポンド(1億6千万円)の部屋しか残っていません」と言われた。そういう高級フラットだ。

しかしこの高級フラットにソマリアからの移民の人たちが住んでいる一角がある。

数年前、政府が「民間業者が新たにフラットを建設する場合は、その30%を政府に引き渡さなくてはならない」という法律を作った。その結果、普通に働いている我々には手の出ない、いわゆる「億ション」(でもカウンシルフラット)に難民の方々が優雅に暮らしているのだ。

難民や、生活保護を受けているイギリス人に厳しい目を向ける人もいるが、私はまあシステムが許すのならばそれを利用するのは構わないのではないかと思っている。悪いのは、穴が開きまりで簡単に不正のできるシステムを作っている人たちであって、責められるべきは政府なのではないか。

と、普段はカウンシルフラットの住人に割と寛大な私であるが、息子が学校に入れないことが分かって以来、彼らを見るたびに少し複雑な気分になるようになった。

彼らは私たちの税金で高級マンションに住み、子供は徒歩2分のGood Schoolに通わせている。ミドルクラスの親が必死になって近所に家を買い求める学校だ。少子化の傾向はイギリス人にもあるが、なぜか難民の人達は子沢山が多い。5人、6人当たり前。(=他の人にとって学校がますます狭き門となる)
税金を払っている私の子供はその学校に入れなかった。今でも難民の人々を責める気はないが、まあCrazyな事態である。

投稿者 lib : June 5, 2007 12:56 PM

コメント

コメントしてください




保存しますか?