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June 12, 2007

イギリスのプライベートスクール見学記

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「子供の教育は公立校(でもGood schoolね)で十分」と思っている私達も、私立校を見学した事がある。

息子が現在通っている幼稚園の付属小学校に行けないと分かった時、他の公立校にLate applicationを出すと共に、家から通えそうな私立校のリサーチも始めた。

授業料は安いところで年間6千ポンド程度(約120万円)、高いところで1万5千ポンド程度(約300万円)。まあ平均して1万ポンド(200万円)というところか。ちなみにウィリアム王子やハリー王子が通った名門イートン校などは、年間2万ポンド(約400万)以上だが、このようなパブリック・スクールは大抵全寮制なので部屋、食事込みの値段なのだろうか。とすると何気に割安感も漂う。いや、やっぱり高いか。どちらにしても、こんな細かい事を気にしている時点で父兄の資格なしだろう。

しかしこれはあくまでも公称(?)価格であり、この他に制服代、遠足代、特別講師代などその他もろもろの諸経費が上乗せされる。

とりあえず手始めに、家から徒歩5分の場所にある私立小学校の見学に行った。

約束の時間に行くと、校長先生(学校のオーナーでもある)が出てきた。
背が低くてぽっちゃり気味だが、なんだか野心が服を着て歩いているような女性だった。

この校長先生が誰かに似ている。喉まで出掛かっているのになかなか分からなくて気持ちが悪い。
彼女が学校の説明をしてくれている間、誰だろう誰だろうと必死に考えて、やっとそれがアンパンマンに出てくる「ドリアン王女」だと分かった。(ドリアン王女をご存知ない方はこちらから)

胸のつかえはとれたが、お陰で先生の話を殆ど聞き逃してしまった。
遅れを取り戻すために、あわてて話に集中する。

ここはモンテッソーリの提唱した教育論を実践している幼稚園・小学校で、子供達はそれぞれの進度に合わせて個別に学習しているとのこと。そういえば以前、モンテッソーリの幼稚園に子供を通わせているお母さんが、「モンテッソーリでは子供がそれぞれ別の事をするんです」と話してくれたことがあったが、「公立幼稚園でもみんなめいめい勝手なことしてるけどなあ・・・」と思った覚えがある。やっぱり違うんだろうか。

先生の案内に従って学校内を見学したが、校庭をみせてもらった途端、「こりゃダメだ」と早くも心の中でダメ出しした。
狭い、狭すぎる。並外れてアクティブな息子、しかも「おバカでもいい、たくましく育って欲しい」と願っている親としては学校を選ぶうえの最優先事項は教育方針云々よりも、校庭の広さである。

だからと言って「これで帰ります」という訳にもいかないので、一応教室の中も見せてもらうことにした。
見ると息子と同じ位の男の子が算数の計算問題に取り組んでいる。
ノートをのぞくと、

90 – 27 =
35 + 13 =
48 – 20 =

なんと2桁の計算問題だ。驚いて彼の年齢を聞くと、ドリアン王女、いや校長先生は
「彼はたったの4才です」
と胸を張って答えた。

こりゃ凄い、やっぱり私立は高いお金を取るだけあって違うな・・・と感心し、彼が解答を書き込むのを見守った。

90 – 27 = 30
35 + 13 = 2
48 – 20 = 9

全部違ってるやん・・・・

Prospective customer(未来の父兄)に見せるためにできもしない問題をやらせていたのか(実際の中身とは異なる場合がございますってやつだな)、本当にこの子が学習中だったのかは知らないが、どちらにしても全くそのレベルに達していない問題を子供に解かせる意味があるのか。

なんだかなあ。
まあどっちにしても、私たち親子の最大チェック事項は「校庭の広さ」なので小さな事ではあるが。

しかし「ドリアン王女」にも会えたし、なかなか面白い体験だった。(息子も連れてくればよかったなあ・・・喜んだだろうに)
結局この後、他の公立校からオファーをもらえたので他の私立校は見学に行かなかったが、また機会があったら他の学校も冷やかしに行き、「プライベートスクール荒し」をしてみたいものだ。結局校庭の広さしか見ないような気もするが。

投稿者 lib : June 12, 2007 10:41 PM

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