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August 30, 2007

LIB サマー・エキシビション

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「イギリスの夏の文化行事」のひとつ、ロイヤル・アカデミー・オブ・アートでのサマー・エキシビション。去年は行かなかったので、今年は押さえておこうと出かけた。押さえておこうといっても、ただ、鑑賞するだけだけど。

ロイヤル・アカデミーの中庭には金属でできた巨大な怪獣の像、しかも、おもちゃみたいなやつ、がデーンと立っている。こんこんと水なんかも湧いちゃって、なかなか楽しい。こんな非日常を経験させてくれるので美術展は好きだ。

チケットは7ポンド。売り場に並んでいると、イギリス系白人中年婦人がにこやかにアプローチしてきた。
(来た、来た、来た!)と思っていると、やっぱり、
「ねえ、あなた、会員になりませんこと? 年会費さえ払えば何度も美術展に来るのに、とってもお得ですのよ」の口上である。
ナショナルトラストのマナーハウスや庭園で、必ず声をかけてくるのが、これ。

この人たち、 「世界で一番、お品のいいセールスレディ」ではないだろうか?

「年にほんの数10ポンドで、文化遺産の保護者、文化施設のパトロンになれますのよ。会員はあたくしのように上品な有閑マダムが中心ですわ。いかが?」
(後半は私だけに聞こえる声なき声だ)

粗野な外国人の私はいつも、 
「ちょっと考えさせてくださいね」と断るのだが、
「帰りにでもよろしいのよ。今日のチケットから有効になりますしね」
と、これまた、あっさり離れていく。
思わず後姿に、
「奥様、ごきげんよろしゅう」という声をかけたくなるくらいだ。

やれやれ、最初の難関は突破したわい。

さーて、会場だ。
どう移動すれば効率よく、かつ、展示物を見逃さずにすむのか、といつも頭を悩ませる。
博物館や美術館は 「順路」というものをあまり重要視していないらしいな。
大きな部屋の横に小部屋がある。まず、大きな部屋の中を見て、それから小部屋に行き、そこを見てから大部屋に戻り、そのまま素通りして次の大部屋に行くのか。
それとも、まず小部屋を制覇してから、大部屋をゆっくり見て、それから次の大部屋に行くのか?
部屋が混んでいたりして、後にしようと思って進んでいき、そのまま、その部屋のことを忘れて会場を出てしまい、後悔したり・・・。

みなさん、どうしてます?
(それとも、こんなことで悩んでいるのは私だけかい?)

チケットと共に渡された文庫本大のカタログには作品の番号、作者名と値段が書いてある。ちょっと気に入った作品があると、つい、プライスチェックしたくなるのは人情というものだろう。
(ふーん、小さいのにけっこう高いな)とか (これだけ大きな絵なら、このくらいの値段はするだろうな)とか、考える。
金じゃないのだから、大きさで価格が決まるわけではないのだが。

壁面にぎっしりと小さ目の絵が並んでいて、異常に混雑している部屋がある。どうやら、「買えそうな価格の絵」がたくさんあるらしい。
「美術愛好家」なのか、 「投機熱に浮かされた人たち」なのか?

私が気に入ったのは2メートル x 5メートルくらいの大きな絵だ。
2万ポンドという値がついている。絵画として高いのか安いのか見当もつかないが、
(3年くらい所有していると、アーティストがブレークして、10倍も価値が上がったりして・・・)という想像をしてみる。20万ポンドか、・・・いいねえ。

が、値段もともかく、この大きさの絵を家の中に運び込めるか? 置くだけの空間が家にあるのか? という問題がある。もちろん、答えは 「否」だ。
と、金持ち風のカップル (まだ若い)が来て、 「これ、いいね」みたいなことを言っている。かるーく、クレジットカードでも取り出しそうな雰囲気だ。
(私が先に目をつけたのよー)とは思ったものの、貧乏人の私はすごすごと引き下がるしかない。

絵画のかわりに向かいのフォートナムメイソンでケーキを買って帰った。あのアーティストがブレークしないことを祈るばかりだ。

投稿者 lib : 12:40 AM | コメント (0)

August 29, 2007

英国の地下鉄で。

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通勤の地下鉄で何気なく車内を見ていたら、「座る?」と言って立っている私に席をオッファーしてくれた 若者の男性がいた。
反射的に断ったが、なんで?私に?まだ、席を譲られる年齢でもないし、怪我をしている訳でもない。
あっ!!と思った。
友人も同じことをされたと言っていたことを思いだした。
彼女いわく「私、多分、妊婦と勘違いされたのよ。失礼しちゃう。」なるほど。
え、じゃあ、私も?妊婦に間違えられた??
友人と私の共通点は、かなり健康的に豊かな肉体を持っている点だ。

日本では、席を譲りたい人がいても、自分の譲る行為が目立つのでやりたがらない、と言う話を聞くが
英国では、えっ?!こんな兄ちゃんでも席を譲る気持ちがあるのか、と感心する反面、
いいジェントルマン格好をした人がまったく状況を気にしていない場合もある。
また、空いている席があり、その席をめがけて座ろうとしている男女がいたら、大概は男性がその席を女性に譲る。
この限りでない男性に会うと、「まあ、失礼な人!!」となるから気をつけてね。
しかし、最近は男性が女性に席を譲ると、男女平等なのになんで私に譲るの??と怒る女性もいるそうだから、男性もダイヘンだ。

地下鉄にはいろいろな想い出はあるが、以前、地下鉄の中でスリ未遂を見た。
リックサックを背負っている女性の後ろに立ち、小さなポケットのファスナーを開けようとしている。
中には、どうやら財布が入っているようだ。
私は、どうやってその女性に伝えようかと思い悩んでいたら、彼女が止まった駅で降りようとしているではないか。
それに続いてそのスリも降りようとしている。やば〜い!!
2人がドア付近に立っている私の方向へやって来た。
思わず、彼女の耳元に「リックの後ろのファスナーに気をつけて!!」と耳打ちした。
彼女は、後ろを振り返った。
その瞬間にすべてを悟ったスリは、仕事を諦めた。が、その獲物を捕られた怒りを私にぶつけてきた。
一旦はホームに降りたが、再度車両に乗り込んで、私に向かって飲みかけのジュースをかけようとした。
反射的に私は逃げたが、座っていた人々がジュースの雨の被害を受けた。
私にかからないとわかると今度は、ジュースの缶を私に向かって投げて、逃げていった。
しかし、あたらなかった。
この行為が、駅に止まって、そして、ドアが閉まる迄の時間の出来ごとだったからすごい。
まるでスローモーションを見ているようだった。

しかし、自分の行為を恥ずかしく思わず、向かってくるなんて、スリのくせにマナーがないなー。と腹立たしかった。
日本でだが、口が大きく開いている私のバックに後ろから人の手がバックに入っているのを目撃した。
これもスリだ。しかし、ラッキーなことに私は財布を手に持っていたので、被害はなかった。
取る物がないと分かったのだろう、手がさっとバックからなくなった。
すぐに後ろをみたが影も形もない。誰がやったかまったく分からない。さすがプロのスリだと感心した。
スリになるなら、このぐらいスマートな立ち振る舞いにしてほしいなー。とつくづく思った。

投稿者 lib : 12:47 AM | コメント (2)

August 26, 2007

A sad man

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僕のふりをした男は夜中の12時ちょっと前に実家に電話をかけて
きたそうである。函館の母親が眠い目で電話に出ると、風邪を引い
てオレは最近調子悪いんだという。あんた、ロンドンは寒いのと聞
くと、今年はロンドン寒いんだよと言ふ。あれこれ心配して話を進
めると、最近男性機能が動作せず、医者にも見てもらったがどうに
も駄目で困っているという。話を聞いているうちに、話題がおかし
くなり、更に男の性的興奮が高まり鼻息が荒くなり、あまりのこと
に僕の母親は頭痛が始まって電話を切ったそうだ。その後、眠れな
い一夜を過ごしたことは間違いないだろう。

結果から言うと、いたずら電話である。最初はオレオレ詐欺かと思っ
たが、そうでもないらしい。翌日、母親に電話をもらった僕と同居
人は、最初何のことだかさっぱりわからず目が点になった。

というのは、僕の両親が二人ともすっかり騙され、翌日まで僕から
の電話だと信じて疑わず、息子は頭がどうかしてしまったア、困っ
たアと、一晩心を痛めていたらしい。

わりと信用されてねえよなア、と同居人と苦笑いしつつ、婆さんを
相手にしてまでも自己の性的欲求を達成したいと欲し、かつ行動に
結びつけてしまう、この幼稚な男のバットを、本物のバットで潰れ
るまでへし折ってやりたい気分である。

その後暫く、僕はこの男のことをつらつらと考えてしまった。東京
に住んでいるのであろうか。一人暮らしなのであろうことは濃厚で
あるが、低い可能性ではあるが結婚しているのかもしれない。昼間
は紳士な会社員で女性にも多少もてるかもしれないし、まったく女
性に相手にされない男性としての魅力が皆無に近い男なのかもしれ
ない。今回のいたずら電話には、相当”慣れ”が見える。過去にも
最低、数回の履歴があるのだろう。この先、この男はいったい何度
このような行為を繰り返すのであろうか。この、他人を不幸な、い
や~な気持ちにさせる趣味を、自らターミネートすることができる
イヴェントはどのようなものになるだろうか、最終的には警察やソ
シアルワーカーの助けが必要になるのだろうか。

先週、タマタマ健康診断を受けた。生命保険に入る際の条件であり、
気の毒にも僕のGP(かかりつけ医)は、僕のパンツを下ろしてその
あたりをつぶさに観察するという義務を生命保険会社から機械的に
指示されていたようだ。これは観察される方も、ものすごくこっぱ
ずかしいが、まったく先生の方が気の毒である。何度かおもわず
sorry と小声で呟いたが、やさしい医者で、向こうも sorry と何
度か言ってくれた。

健康な男同士の会話は、通常このようなやりとりになるはずであろ
う。

投稿者 lib : 08:03 PM | コメント (1)

August 24, 2007

お知らせ

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コンピュータ故障のため
ブログの更新をしばらくの間、休まさせていただきます。

                         子育てママ

投稿者 lib : 08:46 PM | コメント (0)

August 22, 2007

LIB Thorpe Park

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ソープパークという遊園地に行ってきた。・・・というか、連れて行かれた。

「日程は来週の土曜日。雨天決行」と友人からのお達しだ。
(晴れるといいな。でも天気がいいと混むし・・・)と思いながら、待望の (でもないけど)土曜日。朝の雨が上がり、やや暗めの曇り空が広がっている。

「さー、乗るぞー」と盛り上がる友人。
「ローラーコースター、好きだって言ってたよね?」と確認される。
「ローラーコースターの上で生活してもいいくらいに好き!」と豪語していたからだ。

しかし、どこかのアメリカ人が、ローラーコースターに乗ったまま17日間寝泊りして、ギネス世界記録を達成したというニュースを聞いて、そのくだらなさぶりに腰が抜けた。・・・今後は口を慎むことにする。

ちなみにギネスで記録を立てるためには、トイレ、食事、睡眠の時間やその取り方に細かい規定があり、それを順守しなければ正式認定されないそうだ。
ギネス社よ、そんなルールを作っている暇があったら・・・。

「この遊園地ね、絶叫マシーンで有名なんだよ」
絶叫マシーン? 懐かしい響きがする。・・・って最後にローラーコースターに乗ったのはいつだっけ? もしかして、20世紀末だったかも。

私はやっと、自分の無鉄砲さに気づいた。それで他の友達から 「年寄りの冷や水」とか言われていたのか・・・。

駐車場からは、まっすぐ真上に上がり、そのまま真下に降下する釣り針のような形のマシーン、Stealth が見えてきた。
「うわー、ワクワクするねー」と友人。
「うーん、そうねえ・・・。あまり、ワクワクしないなあ。なんだか・・・」と煮え切らない態度に変わった私。

入場料は大人が32ポンド。さらに7ポンドとか9ポンド払えば、待ち時間は短縮。
高い金を払って、長い列に並び、わざわざ恐怖を経験する。人間ってバカだ。

いや、バカなのは何も考えずにここまで来た私かも。

入場券売り場では家族づれもいたが、 「カバお嬢さんのサファリ」だの、 「ミスターモンキーのバナナ乗り」 といったお子様向けのエリアと絶叫マシーンのエリアは別々だ。

「ここまで来て、いまさら怖いなんて言う 『素人さん』はいないよね」と不敵な表情の人々が並んでいる Colossus。
「振りまわされて、めちゃくちゃにされたいの、私」みたいなティーンエイジャーで一杯の Nemesis Inferno。
それぞれの絶叫マシーンには不気味な 「テーマソング」があり、恐怖と興奮をかき立てる。

「まだ引き返せる」という気持ちと 「ここで引き下がったら、 『負け犬』の烙印を押される」との思いに引き裂かれる。

「オーホホホホ。私にはね、怖いものなんて、なーんにもないざますよ!」と、いつもハッタリをかましている私には、
「いやーん、アタシ、こわーい」などと小娘のようなことは口が裂けても言えないし。

(あの直線が3秒、上に登るのが4秒。落下するのが2秒。で、怖い思いは終わる)
と、なんとか気を静めようと分析モードに入るが、
(命綱である安全ベルトが壊れてしまったら、どうしよう? イギリス人に比べて、お尻の小さい私だ。ベルトがあっても座席からすべり落ちてしまうかもしれない)
妄想が妄想を呼ぶ。そして、ふと気がつくと一番前の座席に座らされている・・・。

絶叫マシーンといっても、絶叫の仕方はいろいろだ。
Stealth は出発の瞬間にキャーという叫び声が上がっていたが、2秒以内に時速125kmに達する速さのせいだ。 は、速いのなんのって・・・。で、62.5mの高さまで登るとひねりが入っての急降下。さすがに心臓がバクバクした。
変わっているのが、 Detonatorで、30mの高さから椅子に座ったままで真下にストンと落ちるもの。行列から眺めていても、誰ひとり叫ばないので不思議だったが、5Gで落ちるせいか声が出ない。みんなポカーンとした顔で地上に降りてくる。私もアホ面になっていたはずだ。

その日は5種類ばかりの絶叫マシーンを堪能。でも、もう当分、遊園地はいいや。(結構こわかった、ってことだ) アドレナリンが枯渇したわい。ふう・・・。

投稿者 lib : 11:43 PM | コメント (0)

海辺でのホリデー

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お互いに1つ1つ確認していないけど、ダーリンと私は、好き、嫌いがよく似ている。
まあ、だから夫婦なんだろうけどね。
興味がないことの1つは「海辺で過ごすホリデー」がある。
そう、我々は、へそ曲がりであまのじゃくのようだ。

ダーリンの同僚、イタリア人の彼女が我が家に遊びに来た。
我が家の自慢は、家よりも広々とした自然いっぱいの庭。
「このラフな感じがいいですね。」と社長5年生の奥さんにも褒められた素晴らしい庭がある。
そう、手入れがまったく行き届いていない庭だけど、夏にはすごーく便利。
テーブルと椅子さえ用意すれば、りっぱなガーデンパーティができますもの。

イタリア人の彼女もそんな庭を褒めてくれて、ワインを飲みながら雑談していた。
そこへ料理を持って私が加わると、「ねえ、ココ。あなたこんないい天気でどうして帽子をかぶるの?。」
「そうだ、まだ、日傘をさしているの?」と続けて聞く。
「天気がいいから、帽子や日傘をさしているのよ。」と私。
「えー、わかんないなー。どうしてよー。」と彼女。
小麦色の肌だけが美ではないわよ。日本では白い肌が美しいのよ。と言うつもりはないが、
私は日焼けをするとすぐ赤くなり、そして、しっかりとシミとして残る。
この国は特に紫外線が強いので、油断はできないのだ。と言うと
「信じられない。太陽はいいよ。なんでわかんないのかな?」と自分の太陽信仰を押し付けてくる彼女。
こんなことで、討論はしたくないので、「これは、政治や宗教みたいなもんで、人それぞれの考え方の違いよ。」と軽く答えたら、
「なんでー。夏に海辺にいくでしょう。それをここでも満喫すれば?」と彼女。
「私たちは、海辺のホリデーはいかないのよ。」と答えると
「えーーーーーーー、信じられない!!!!!!!!!!」と絶句の彼女。

前にも書いたが、ダーリンは子供頃、判で押したように毎年行ったスペインの夏の休暇にいい想い出がなく、
我々は”海辺で過ごす夏”にまったく興味がない。

これで引き下がる彼女ではない。
さらに話は、義理の弟の話になった。
弟は最近仕事の関係でカラビアン に転勤した。住宅の目の前には海が広がる最高のロケ−ション、みんなが憧れる環境だ。
そのため、まだ引っ越して半年なのに義理ママやその他多くの太陽信仰の英国人が彼の家を訪問している。
ダーリンが日本にいた4年間には、たった2人しか訪れなかったのに。
義理ママなんて、香港にきていながら、日本に寄る話もなかった。
人気のない日本。

そして、この彼女でさえ、
「弟がそんな天国みたいな所にいるのに、もったいないなー。この機会をどうーして、無駄にするの?」という始末。
「本当に、もったいないなー。もったいないなー。」とブツブツいっている。

まあ、可愛そうなことに弟は、今は台風で批難しているけどねー。

価値観が違うとこんなに大変だと言う事を思い知らされた一日だった。
彼女とは、結婚出来なかっただろう。ふー。

その後、ダーリンが彼女と会うと、最近はデイプレッションだという。
この寒い英国の夏の天気で鬱になりそうだ。と弱くなっていた。
ダーリン曰く、人はその土地の水が合わないように、太陽も合わないってことあるのかな?

投稿者 lib : 12:11 AM | コメント (0)

August 19, 2007

Roulette

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古い表現だろうが、飲む、打つ、買う、というのがある。今日は、
打つ、の分野に属するカジノに関して。

僕は浅田次郎さんの小説のファンであるが、氏は競馬のプロである。
長年続けて勝っておられる。こういう方はプロのプロでも珍しく、
ほんの一握りのプロだけである。その希少な方が、競馬とは必ず負
けるものだ、と断言されている。まちがいはないだろう。

僕はロンドンや大陸のあちこちのカジノで結構な期間遊び、賭け方
のメソドロジーもそれなりに研究してみた。その後、勝てるはずが
ないことを悟って卒業した、という訳ではなく、時間と金を使って
その行為を楽しみ苦しみ、もうええわ、というところで卒業した。

勝つこともあった。数時間勝負で、ちょっとした車を買える位の馬
鹿勝ちをしたこともある。しかし、結局負けるのである。その時間
軸が長いほど、必ず結果的には負ける。勝とうと思って行くべきと
ころでは無いのだ。負けるのだけど楽しい、のが健康的なカジノ屋
さんの楽しみ方である。

ルーレットを例に取ってみよう。英国の場合、盤に0から36の数
字が並んでいる。ルーレットを回して白玉を投げ、玉が落ちた数字
が当たりとなる。当たりの確立はシンプルに 1/37 である。仮に1
ポンドのチップを全ての数字に置いてみよう。37枚(ポンド)の
うち、必ず1枚が当たりとなる。当たればなんでも嬉しい。しかし、
配当されるのは35枚(ポンド)なのである。2ポンドの負け。カ
ジノという大元は 2/37、会計的に言うと 5.4% を荒利として商売
しているのである。普通の商売では成り立たない程の低い荒利率で
ある。

カジノが良心的な博打屋であることが分かるだろう。賭ける方から
見れば、94.6%という高勝率なのである。これは競馬やロンドン市
内に多数存在する賭け屋に比べて異常に高い還元率である。ルーレッ
トというと、なにかディーラーが技を使ってかけた数字を外すと信
じている方もいらっしゃるようだが、近代のカジノでそういう商法
を取れば、一週間で客は寄り付かなくなるし、大体そのディーラー
は初日で首になる。ディーラーには、とにかく数字をばら撒くこと、
ランダム性を指導する。

これほど高い勝率なのに、なぜこんなに負けるのか。それはヒトの
心理とか色々あるが、確実なことは、大元が5.4%という微妙な数字
を、荒利として設定して、確実に儲けるからである。確立とは、サ
ンプル数が多いほど計算どおりになる。カジノの場合、サンプル数
は一日の売上げ(客が幾ら使ったか)と、何日間営業したかの掛け
算となる。新装開店のカジノの初日は、もしかして赤字になるかも
しれない。しかし、何日も営業を続ければ、ルーレット台からの荒利
率は5.4%に限りなく近づくのである。

前述したように、5.4%という荒利率は、可哀想な位、商売としては低
い。ここからディーラーに出す給料や設備投資を捻出しなければな
らない。カジノ経営者達の最大のミッションは売上げを伸ばすこと
だ。他の商売と違って、売上げが伸びれば確実にその5.4%の荒利が
出ることがわかっているから、イベントを企画したり、頻繁に内装
工事を行ったりと、客の引き込みに必死なのだ。ディーラーによる
操作の教育なんぞやっている暇は無いのだ。

さて、ここ数年の僕の博打道は、年収の1%を年に1度か2度どば
っとカジノで賭けてみる、というものである。素敵な女性に同行し
て頂くと、大半は初めてという方が多いので、ビギナーズラックが
期待できて更に楽しい。そしてカジノというあの独特の雰囲気とカ
クテルなんぞをお楽しみ頂き、儲けたら利益折半、負けたらそれま
でである。今年は既に2度通い、一度目はちょいと負けた。2度目
は結構勝った。折半利益は僕の同居人の懐に収まった。ラッキーな
奴だ。

投稿者 lib : 09:45 AM | コメント (4)

August 16, 2007

LIB 私をフットボールに連れていって その1

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フットボールの試合に行ってみようと考えている。スポーツ観戦にはさほど興味はないが、せっかくイギリスにいるのだから、 「国技」のひとつを一度くらい見ておきたい。

そこで、予習だ。 「オペラファン」ならともかく、 「フットボールファン」と自分の間に 「共通項」は見つからないので、それなりの準備をしてから臨みたい。
この 「準備本能」は日本人の血のなせる業か?

イギリス人の友人に 「フットボール観戦の正式作法」を聞いてみた。
彼は週末に男4人でバーミンガムまで出かけたという。ロンドンでの試合ではなく、わざわざバーミンガムまで出かけるのは、 「近所の寺でお参りするよりも、遠くの寺まで巡礼に出かけるほうが信心深い」 みたいなノリと思われる。

以下は当日のスケジュールだ。

土曜日の朝10時、ユーストン駅に集合。
ロンドンからバーミンガムまでは鉄道会社が2社あるのだが、1社はトラブルのために運休。そこで乗客は全員バージントレインに詰め込まれる。
「不確実な鉄道の旅」と、いかにもイギリスらしいスタートだ。

ギュウギュウ詰めの電車の通路に立つこと3時間。いつもなら2時間のところ、運休した電車の代わりにあちこちで停車して、余計に時間がかかったらしい。
この間、ビールを飲みながら仲間と談笑。・・・ってことは、いつも混んだパブで立ちっぱなしで飲んでおしゃべりしているイギリス男には、パブが電車になっただけ。

1時過ぎにバーミンガムに到着。
試合は5時からだ。当然、その前にパブで一杯。
この 「XXをする前に、まず、一杯」というのはシティでもよく聞く。

「長距離ドライブの前に、まず、ガソリン」

みたいな感じなのだろうか? 酒が弱い人だとそのまま寝てしまうと思うのだが。

さて、スタジアムで他のパブ経由で来たと思われる観客と合流する。

何かの本に 「フットボールファンとは、妻やガールフレンドを捨ておいて、赤の他人の男たちがボールを追いかけるのを必死の形相で応援して、一緒に怒鳴ったり、泣いたり、笑ったりする男たち」という定義が書いてあった。
喜ぶのはいいとして、泣くのはなぜだ? 
ファン心理というよりは酒のせいなのかもしれないな。泣き上戸ってやつ?

友人は狂乱の試合観戦を終え、ロンドン行きの電車に乗りこんだ。
さすがに疲れていたので、10ポンドを上乗せして、ファーストクラスのチケットを買ったらしい。 ところが、イギリス人は金も払わずにファーストクラスにちゃっかり入ることがある。検札が来れば移動。そうでなければそのまま座ってしまう。 (私も時々やるが、必ず検札が来てお金を取られる。検札運の悪い私) 途中で検札の人が中を覗き込んだのだが、車内の状況に恐れをなして、そのまま行ってしまったとか。
ま、フットボール帰りの酔っ払いに検札を要求するのは、猛獣の檻に指をつっこんでみるのと同じ。びびるのも無理ない。

勝利に盛り上がっているファンはビールをケースごと持ち込み、さらに酒盛り。そして、チームソングを歌って大騒ぎ。
イギリス人とカラオケをしたことがある人は知っているだろうが、彼らはものすごーく音痴である。日頃はシャイなので人前で歌うことはないが、酒と興奮でそんな羞恥心はすっかり山の向こうに行ってしまっている。
ああ、その場にいなくてよかった。耳が腐る。

敵チームのファンと一緒になると乱闘になりかねないが、同じチームのサポーターだと、即、擬似友情が発生する。見知らぬ男たちが肩を組み合い、 「歌うフットボール列車」と化したバージントレインはロンドンへと走った。

「で、ビールをどれくらい飲んだの?」と聞いたら、
「6パイントまでは数えたが、その後はもうわからない」
「その6パイントを数えたのは何時?」
「たぶん、3時ごろ。そうだな、全部で10パイントは飲んだかな?」

フットボールを楽しく観るには6リットルものビールを消費する必要があるのか・・・。

フットボール観戦への道は遠い。

投稿者 lib : 12:33 AM | コメント (0)

August 15, 2007

日本からのお土産

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奥さんが日本人で、ご主人が英国人。
日本から両親や友人が英国に遊びに来るときに聞かれるのは、「あなたのご主人には、また、その家族にはどんなお土産がいいかしら?」
お土産。うーん、これは日本の風習だ。
この国の人々は、あまりお土産という概念がないので、あまり心配の必要がないのです。
やはり家族が日本から来る私の知り合いが、ご主人にお土産は何かいい?と聞いた所、
彼の返事は、「侘びと寂びがほしい。」といったそうだ。
え?、「詫びと寂び」、茶の道具???うーん。それとも???と悩んだ彼女。
ダーリンに聞いて見ると、まあ、古くて味わいのある物のことじゃないのかな??
結果、鉄で出来ている急須と判明したらしい。
なるほど。しかし、これは結構いい路線です。
これをお土産としてリクエストする英国人は多いです。

さて本当に、お土産は悩みの種。
私も始めのうちは、日本に帰った後にダーリンの実家へ行くことが多かったので、
お土産は、嫁として、礼儀、絶対購入すべし。なんて思い、ない頭をしぼっていろいろ買って来たがどれも不発だった。

その1、せんべい。
揚げてあるものから、堅焼きせんべいまでいろいろな種類を購入してみたが、みんな一口食べて、それでお終い。
あ、あなた達、お煎餅が嫌いなら、私もって帰るわよ!!。と心で騒ぎながら、そんなこと口にできない嫁としては、
黙って見過ごしていた。

その2、日本酒。
これも、開封されずに1年間も家に放置されていた。これじゃあ、美味しくなくなります。

その3、扇子。
これもあまり喜ばれなかった。義理ママと義理妹に購入したが、1度たりとも使ったことがないようだ。ショック。

意外なことに自分に買った大好物の「かりんとう」が人気だった。
ただし、ダーリンのちょっと変わった友人だから、万能ではないかも。
食べ物のなかで、羊羹なんて、ぜったいダメですよ。
あの黒くて、ちょっと柔らかくて甘いのは、英国人は嫌いのようです。

最終的に落ち着いたのは、 義理ママのアンティーク好きということで、その手の物。
蚤の市で買った物や昔の復刻版をさも曰く付きで話すと喜んでくれて、なんと!自分のコレクションと一緒に棚に並べてくれた。
これが判明してからは、この路線でお土産を購入していたが、最近はこれも購入していない。
あれ?緊張感のない結婚生活同様、嫁として思いやりが足りないかしら??
うーん。どうもお土産という観念が英国人同様に無くなって来ていると、いいように文化に馴染んだと解釈しているが、
どうーしてかな??と分析してみると、日本に帰ると自分用の買い物で頭がいっぱいで人様のことを忘れているのが
本当かもしれないなー。これってエゴかしら??

投稿者 lib : 12:04 AM | コメント (5)

August 14, 2007

クールな俺。をプロデュース

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冷夏のイギリスだが、家の中でうろうろしている息子を見ると、「夏休みの子供」だなあ、という感じで微笑ましくなる。

息子の「赤ちゃん期」は非常に短く、生後5ヶ月位で「トドラー顔」になった。
10ヶ月で歩き始めたころもあって、その後は成長に合わせて体のサイズこそ大きくなるものの、顔や全体の印象は殆ど変わらなかった。

と言うわけで「トドラー期」が長かった息子だが、ここ最近「第三次変換期」(勝手に命名)に突入しているみたいだ。
背も伸びて(計ってないので正確にはわからないが印象的に←いいかげんな親)急に少年ぽくなった。

それに伴い、性格も赤ちゃんぽさが消えてきた。
今まで着る物にもこだわりがなかったのが、自分で洋服を選びたがるようになった。

お気に入りの組み合わせは、大き目のTシャツ(単に年齢の大きいサイズを買っただけ)に、スポーツタイプのだぼっとした七分丈ズボン。
ポケットに手を入れて、すかして歩いている。

・・・ストリート系のつもりらしい。

街を歩いていたり、TVを見ている時にヒップホップ系の音楽が聞こえてくると、どこで覚えてきたのかブレイク・ダンスの真似事のような事もする。

なんとなく、息子の目指している方向がわかる気がする。

おかしいのが、家族だけでいるときは「マミィ~」「ダディ~」と甘えてくるのに、友達と話をする時は
「マイ・マムが・・・・」「ダッドが・・・」
と、言い方を変えていること。
「マミィ」「ダディ」は赤ちゃん言葉みたいで、友達の前では恥ずかしいのだろうか。

本人も、「もう赤ちゃんではない」という自覚があるようで
「When I was a baby………」
と、昔話を語り始めることもある。
「When I was a baby・・・」の後に続くのは、何処何処へ行ったとか、何を食べたとか、たわいのない事で1年前のことも「俺が赤ちゃんだった頃」として語られているのだが、たまに親も忘れているような、2~3年前の事の詳細を覚えていたりするので驚かされる。

息子の手がもっとかかる頃は「早く大きくなってくれないかな~」と思っていたが、いざ大きくなると「もっと赤ちゃんでいて~」と感じてしまう。

でも、たまに息子が赤ちゃん化して、「だっこ~」などと言って抱きついてくると、あまりの重さに投げ飛ばしたくなるのだが。


投稿者 lib : 11:06 AM | コメント (7)

August 12, 2007

茫洋

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本日、日曜午前の初級テニス会が終わったら、午後は東京から遊
びに来る友人をヒースロー空港にてピックアップし、軽い夕食を皆
で共にするつもりでいた。この友人は以前テニス会で仲良くしてい
ただいた方でもあり、食事はどこにしようか、とテニス仲間に切り
出したら、吉田さん、それって来週末のことですよねえ、と言われ
て良く考えたらそうだった。あぶね、延々とLHRでひとり待ちぼ
うけ喰らうところだった。

金曜日もそうだった。同居人が病院で定期検査があり、てっきり1
0時半だと(前回がそうだったので)思って予定を組み立てていた
が、実は午後2時からだった。午後からは出張が入っていたので、
同行できなかった、わりいわりい。

会う人が多くなったこともあるが、それにしても人様の顔が思い出
せなくなってきた。名刺を眺めても顔が浮かばないことが頻発する
ようになった。会合などで、久しげに挨拶されても、にやにやして、
いやーその後お元気ですか、などととりあえず場をとりつくる自分
は困ったものだと思う。

もともと切れの悪い頭がどうも年を重ねると共にさらに悪くなって
きた。更に、先祖のせいにするのは申し訳ないと多少思うが、O型
の良い加減な性格がより顕著に現れてきたように思う。

若い頭脳にはどうしても敵わないことが増えてくる。敵わないもの
は、任せるべきで、無理やり自分でやるのは年寄りの冷や水と呼ば
れる。おっさんは、その長い経験から築いた危険予知能力や第六感
が必要とされるところで仕事すればよいのだろう。本人はなはだ不
本意ではあるが是非もなし。分相応。

ここまで書いて僕は煙草を吸いに外にでた。と、なんと向かいのフ
ラットの入り口でお爺ちゃんがボコッと倒れているではないか。こ
らあかん、と思い小走りに寄ったら、我がフラットの隣から、真っ
赤なシャツを着た若者が脱兎のごとく駆け寄って、お爺ちゃんをい
ち早く抱きかかえた。幸い大事は無かったようで、よかった。爺ちゃ
ん腕をちょっとすりむいていた様だが、事なきを確認したら、若者
はささっと自分のフラットに帰っていった。スーパーマンのような
野郎だと思った。当社にCV送ってきてくれないだろうか。

やはり敵わないなあ、このスピード、勢い、身から自然にでる義務
感。自分は若者のときどんなんだったろう、と回顧するような年齢
になってしまった。

投稿者 lib : 10:26 PM | コメント (3)

August 09, 2007

イエローキャブ

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日本の雑誌を読んでいたら、イエローキャブの記事があった。
「海外旅行でハメをはずす日本女性は 『イエローキャブ』として、『世界中』に知られ、下げずまれている」というものである。

そこでイギリス人(8名)に 「イエローキャブとは何でしょう?」と聞いたところ、 「アメリカのタクシー」という答えであった。 「蔑称としてのイエローキャブは?」と、さらなる質問には 「知らない」という回答である。
「世界中」って、どこの国のこと?

「旅の恥は掛け捨て」はイギリス人も同様だ。

イビサ島は 「暴飲暴食」と 「不特定多数の異性向け、求愛ダンス」で有名な若者向けリゾートだ。
テレビでここが映されると、地鳴りがしそうなほどの大群集が、なぜか 「両手を挙げたポーズ」で踊り狂っている。数百人の体臭と汗がテレビ画面から匂ってきそうな恐怖に思わずチャンネルを替えてしまう。
また、 「予期しなかった妊娠率の増加」や 「身に覚えがある疾病罹患率の増加」または 「アルコールによる肝障害の増加」などが記録されているようである。

会社の同僚の女の子がふたり、イビサで週末を過ごすと聞いた。
「おや、おや、 『酒池肉林ツアー』ですか。ヒューヒュー(口笛の音)」とからかうと、
「入場料の高い大人向けのクラブに行って、ならず者のようなティーンエイジャーとは別行動をする」と言っていた。が、
「飛行機が死ぬほど遅れて、ロンドンに着いたのが日曜の午前3時」だったらしく、月曜日はヨレヨレ状態で出社。
「は、話しかけないでね。頭が割れそう・・・」

「肉林」はともかくとして、 「酒池」にどっぷりと浸かっていたのは疑問の余地なしである。

ジャマイカに出かける中高年イギリス女性の姿にも 「痛い」ものがある。
彼女たちは現地に住む若くハンサムな黒人青年 (種馬機能つき)と 「恋に落ちる」のである。ホリディの期間中は彼らの衣食住の費用を引き受ける保護者ぶりを発揮。
現地黒人青年 (種馬機能つき)に寄り添うイギリス中年女の背中には、日焼けによるシミとそばかすが浮いている。プッシュアップブラで作った胸の谷間にはそのまわりの皮膚の 「ちりめんじわ」が谷に流れ込む小川を形成している。が、心は恋する乙女。
「人生最後の恋」はホリディで終わらずに相手をイギリスに招待。
愛人に走り彼女を捨てた前夫に
「彼が新しいボーイフレンドなの」と現地黒人青年 (種馬機能つき)を紹介し、溜飲を下げる、ということもままあるらしい。

ここまでくると、 「ろうそくは消える直前に最後のきらめきを見せる」という言葉を思い出す。
(がんばれ、おばちゃん。恋が実るといいね)と無責任な声援を送りたくなる。

上記に比べればイエローキャブのイエローぶりは、せいぜい 「ひよこの黄色」だ。

ま、暴走族と一緒でいずれは 「卒業」する。その後、改心して結婚出産などを経て、半世紀もすれば、かわいいおばあちゃんとして養老院で余生を過ごすかもしれない。
「あたしは若い頃、ロサンジェルスでたっぷり遊んだものよ」
「え、なに? よし子さん」 (耳が遠い)
「みんなに 『イエローキャブ』と言われるのも平気でブイブイいわせたものですよ」
「あら、あたしもそうですよ。ニューヨークのクラブシーンでさんざん・・・」
「あら、あなたもブイブイ?」
「ええ、あたしもブイブイ」
「あの頃は楽しかったわね。ズズー (番茶をすする音)」
「栗ようかん、もう一切れどう? ところで、お孫さん、元気?」
狂乱のイエローキャブ時代も 「おばあちゃんの昔話」として、懐かしげに語られるかもしれない。

一方、海の向こうの養老院でも、ジョン爺さんが
「俺さー、日本人の一夜妻がいたんだぜ。名前はよし子」と自慢し、
怒りっぽいピーター爺さんに
「嘘をつくなよ、この野郎」と殴られて、入れ歯をふっ飛ばされるかもしれない。

旅先でのアバンチュールも結構。しかし、男なら美人局にカモられて、身ぐるみはがされる程度ですむかもしれないが、女ならバーで出会った 「素敵な人」が実は 「連続殺人者」で、後日、ホテルのバスルームでバラバラになって発見される可能性も大。
―――知らない人についていくのはお勧めしません。

投稿者 lib : 12:09 AM | コメント (0)

August 08, 2007

Solution

shacho.gif


漸くロンドンが暑くなった。とはいっても30度をヒットすることは
なく、昔のような、おとなしいロンドンの夏、である。

7月下旬には大雨が何度も降って、イギリス西部やウェールズで洪水
となり被害が出たが、僕がホリデーから帰ってきたその日の午前中に
も大雨だったそうで、ガトウィック空港からパットニーの自宅まで、
2時間強のドライブをさせられた。なにしろガソリンを喰う車なので、
渋滞中にガス欠になったらカッコわりいなあ、と心配になる。

ところで、今のバイクには燃料残量計がついているのだろうか。僕
が乗ってた昔のバイク達には、無論そのようなものは装備されてお
らず、タンクをパシッとビンタしたときの音や、注入口の蓋を開け
て、ちょっとバイクを傾げたりして残りの量を確認していた。更に、
燃料の蛇口のようなレバーがどのバイクにも装備されていて、Main,
Off, Reserve というオプションがあった。通常は Main にて走り、
ガソリンが切れるとエンジンがボコボコッと切れそうになる。その
刹那にクラッチを切り、片手でレバーをReserveにひねり予備タン
クに切り替えアクセルを吹かす。エンジンが切れてしまったら、慣性
でそのまま押しがけ始動し、予備タンクのガソリンで、なるべく早
くスタンドに駆け込む、という技を覚えるといっぱしのバイク乗り
というものだ。タンク内部に仕切りがある、という実に簡単な仕掛
けなのだが、とても賢いと思う。

ちなみに、初めてバイクとそのメカに興味を持った少年の頃、バイク
雑誌によくでてくる、この”リザーブ”という単語が何のことかわか
らず、多分ガソリンが切れたら、サントリーのリザーブをタンクに注
入し、このレバーを Reserveに倒すと、混合比か何かが変わって、や
やも暫く走れるのだろう、と本気で思っていた。あっはっは。笑い
ついでにもう一つ思い出した。

初めて手にしたバイクは、カワサキのTR250というバイクで、多分函
館には僕の所有する一台しか存在しなかったであろう、珍しいマイナー
なものであった。そもそもカワサキの小売店が函館では一件しか無か
った。パーツの入手は、いちいち取り寄せとなり、たいそう時間が
かかった。

ある日、(あ、まさか食事しながらこれをお読みの方は居ないでしょ
うね)バイク雑誌で勉強した”チェーンを煮る”という整備をやって
みたくてたまらなくなった。まずはチェーンを外さねばならない。チェー
ンというのは、蛇が自分の尻尾を咥えているような按配になっており、
口と尻尾のところは、クリップ金具を挟んで連結するシカケになって
いる。これをカチッと外して、ガソリンとワイヤーブラシでチェーン
をきれいに洗い、その後、粘度が重めのエンジンオイルを空き缶に入
れ、下から弱火で暖め、暫くチェーンを寝かしておく。これでチェー
ン全体にきれいな油が行き渡り、その後のライドがとても気持ちいい、
というのである。ほら、どうにもやってみたくなるでしょう?

そしてチェーンを煮終わった。オイルというのは、勝手に下水や土に
流し込んだりしてはいけない。ガソリンスタンドに持って行き処理し
てもらうのが正しい方法なのだが、肥溜めに流しちゃえばいいじゃな
いか、しめしめ、とこずるい発想に自己満足した。この慢心が事故
を招いた。クリップも一緒に煮ていた事をすっかり忘れ、オイルと
一緒に肥溜めに捨ててしまったのだ。さあどうしよう。

紅顔の吉田少年、熟考一番、磁石を思いついた。兄がバイク好きであ
ったので、吉田家のガレージにはガラクタがいろいろあった。物色し
ていると、フライホイールが目に付いた。これだ。少年は、磁石に針
金を取り付け、息を止めながら愛する家族全員のブツが鎮座する肥溜
めを掃海すること3度目、見事クリップを奪還したのであった。うーん。

ちなみに当時の函館市宮前町に水洗という文化は到来しておらず、ど
この家も汲み取り式であった。今からちょうど20年前の夏の盛りの
こと。

投稿者 lib : 07:17 PM | コメント (1)

ダイアナの死の真相

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元皇太子妃ダイアナが死去して10年になる。
だんだんと人々の記憶から消えつつあるが、ここ最近彼女のテレビ特集が続いた。
彼女の事故があったとき、我々は日本に住んでいた。
あれは休みの日で、テレビを見ていたダーリンが「あっ!」と言って、私を呼んだ。
その後、彼女の葬儀の模様もすべて、テレビを通して見ているので、
リアリティがないせいか、私はいまでも彼女は死んでいないのではないかと思っている。
彼女のパパラッチに追いかけられた生活は、かなり異常だっただろう。
よく耐えていたものだ。私ならキレて暴力にでるか、精神病になるだろう。
離婚後、きっと彼女は、普通の幸せが欲しかったに違いない。

犯罪者が警察に協力して新しいアイデンティティーをもらうというが、
どうも彼女もこれを実施したのではないかとワクワクするような想像をしている。
交通事故をいいことに、顔を成形して、新しい人生をもらって静かな生活を送るのも悪くない。
だって、助手席に座っていたボディーガードが助かって、なんで後部席の人が死んでしまうの??
ここに謎がいっぱいある。
暗殺説などいろいろあるが、このような新しい人生を選んだという説がまったくでないのは不思議だ。
エルビスだって、まだ生きていると信じている人がいるのに。

しかし、つくづく死んでしまたらおしまいだとも思わされた。
ライバルは、熟年離婚して、再婚して、もしかしたら次期女王になるかもしれないのに。
片や交通事故で死んでしまうのは、可愛そう過ぎる。

何か新事実が見つかるかもしれないと、彼女の記事やテレビを見るのは私はかなりダイアナファンなのかしら?

投稿者 lib : 12:00 AM | コメント (2)

August 03, 2007

寛大な精神を養える英国??

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ハット卿の電話保留詐欺?ではないけど、この国も詐欺まがい(いや詐欺でしょう)が多い。
日曜日に我が家のドアベルが鳴った。
誰も来る予定がない。日曜日だから郵便マンでないのは事実なので、どうせろくな事はないだろう。
多分、宗教の勧誘か?と思いつつ、ダーリンが出ていった。
台所にいた私にも聞こえて来たのは、
いきなり丸暗記で覚えた台詞を吐き出しているセールスマンだった。
つまり、息継ぎがなくドドッーとしゃべりだしている行為だ。途中でとまると忘れてしまうからねー。
彼の話は、 こうだった。
この地域は、ブリティッシュガスが供給を止めたので我々が引き継ぐ事になった。
だから、ガスを引き続き使いたかったら、我々と契約しないと使用できなくなりますよ。というのが彼の説明だった。
ダーリン「数年前より自由化されて、使用する我々が供給会社を選べるようになったんだよ。それおかしいよ。」
セールスマン「いや、しかし、この地域は、ブリティッシュガスが、、、、、、、、、」と壊れたレコードのように先と同じ台詞をいいだした。
ダーリン「・・・・・・・・・。興味ないよ。」

しかし、この手口を信じてサインしまう人も多いらしい。
特に老人は、ガスといえば、ブリティッシュガス。それがなくなるのなら、大変だと、彼らの話を信じてしまう。
もっとひどいのは、セールスマンもノルマがあるのだろう、勝手に変更届けをだしてしまい、
現在使用している会社から「あなたの契約が何時何時で切られます。」というレターをもらって、
初めて何が起こったか知るケースもある。
我が家も1度あった。いえ、やられた。
このあとがめんどうだった。
こんな経験?をつむと否が応でも勉強させられて、次回には同じ目に遭わないようにしよう、と力が入る。

ちょっと話がかわるが、先日頼まれて予約したバレエのチケットを取りに行った。
これがボックスシート。4枚のチケットだし、金額も張る。
郵送してもらうも心配。(届かないこともあるからねー。これもすでに勉強済み)ということでわざわざ取りにきた。
しかし、なかなかチケットが発券されない。
聞けば、チケット発券のシステムを最近新しく変えたらしい。1枚はでるのだが、4席分のチケットにならないそうだ。
しかし、あれこれと操作している。
この時点で、ああ、今日は発券されないよなー。とピーン!!きた。
そして、やはり本日は発券されない。とのこと。
申し訳けないと思ったのだろう「郵送にしますか?」と聞くので、
「それは、書留にしてくれるの?」と聞くと、「いいえ。普通郵便です」といわれた。
こんな高いチケットを普通郵便で送るなんて、もし、紛失したら、そう。こう大切な物に限って無くなる事がある。
この国の郵便事情を知っていたら、、、、いや知っているはずだが、そんな時は知らん顔だ。
まあ、紛失しても再発行してくれるらしいが、これがまた面倒なことであることは、体験しなくても予想できる。
ここで普通なら、まったくもうー。と怒るのだが、
英国生活も長くなると、「あ、そう。じゃあまた来るから発券ができるようになったら 連絡して。」
(ここは皮肉っぽく言っているつもりだが、向こうには通じていないだろう。チェッ!。)

こうして、寛大になることを英国に来ていくつ学んだなー。

投稿者 lib : 11:28 AM | コメント (0)