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February 25, 2008

アカデミー賞

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この原稿を書いている2月25日は、第80回アカデミー賞の授賞式である。

さっきニュースで報道されていたので、ちらっと結果は知ったが、授賞式の模様そのものを私はTVで観ることはできない。
……なぜなら、衛星放送のスカイだけで放送して、BBC1などの地上波では放送されないから。

夫が不満そうに言う。
「オスカーだよ?オスカー。TVライセンス(イギリスの受信料のようなもの)に年100ポンド以上払っているのにオスカーも放送しないなんて、BBCは全く使えないよな。」

以前は我が家もスカイと契約していたが、大して見る番組もないので、数年前に止めてしまった。

「BBC、高すぎて番組の放映権を買えなかったのかな。」

「ニュースキャスターに年間、何百万ポンド(数億円)も払っているからオスカーも買えなくなるんだ。それでとばっちりを受けるのは、いつでも我ら庶民だ。年100ポンドも払っているのにオスカーも観る権利がないなんて……この国に、平等な富の配分はないのか……」

ニュースキャスターの年棒、数百万ポンドに触れた直後に受信料100ポンドをいつまでも根に持つのもせこい気がしたが、確かに夫の言い分にも一理ある。

「それか、スカイが放映独占権を買ったとか。ほら、買い占めるの好きだから」

「またマードックか……。新聞の「タイムズ」も、あいつの傘下に入ってから質が落ちた。」

などとアカデミー賞を観る事ができない憤りを、腹立ち紛れに富の配分やマードックのせいにして気を晴らしていると、息子が話に入ってきた。

「オスカーって何?」

「え、えーっと、映画館に行って映画を観たことあるでしょ、どの映画が一番良かったか決めて、一番の映画にプライズをあげるんだよ」

「ベスト・フィルム?それなら『ウォーター・ホース』だね」

そういえば、ハーフターム中に通ったホリデー・クラブで映画に連れて行ってもらって、そんな映画を観たとか言っていたな。

「ウォーター・ホースは本当にいい映画だったよ…。モンスターの話なんだ、でも怖いモンスターじゃないよ。僕は、本当に本当に、ウォーターホースが世界で一番の映画だと思うね。」

オスカー選考委員も君の意見は聞いちゃいないであろうが、まあそんなに楽しかったのなら良かったね。
なぜか片肘をつきながら、熱っぽく語る息子であった。

「マミーはどの映画がベストだと思う?」

「え……最近映画なんて観てないからわからないよ」

「僕と一緒に映画館に行ったじゃないか。『ウォーター・ホース』は観られなかったけど、他の映画を観たじゃない」

確かにここ数年、映画館なんて息子の付き合いでしか行っていない。
「踊るペンギン」とか「料理をするネズミ」とか「人間の言葉を話す蜂」の映画は観たけどな…。
予告によると、これからも、空を飛ぶ「スーパー・ドッグ」とか「カンフー・パンダ」とか子供向け映画は容赦なく封切される予定らしい。(実話) 
十二支を考えるだけでも、まだキャラクター化されていない動物が沢山いるので、身体的不利を乗り越え縄跳び選手権に挑戦する「スキッピン・スネーク」とか、エキセントリックな性格の「マッド・カウ」(主演は英国産の牛でぜひ)など、製作側はまだまだ素材には事欠かない事だろう。(予測) 恐ろしいことである。

ちなみに、「The Water Horse」はネス湖のモンスターの話で、ピク●ーやディ●ニーの作品ではないので、観てもいいかも、という気になった。息子の批評を信じる方はギャンブルのつもりでぜひ。

それにしても、先週はフットボール評論家だったと思ったら、今週は映画評論家気取りの息子である。
来週は何の評論をするのやら。
(私の料理の評論だけはしないでね。)


投稿者 lib : February 25, 2008 11:05 PM

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