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March 05, 2008

英国で『パラノイド』を通過しましたか?(coco)

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英国に来て1、2年住んだ人の多くは、「英国っていいですよね。緑が多くて、人々も親切で。人に干渉しなくて。ね。」
と褒める人が多い。
が、これが4年、5年の滞在となると英国の嫌な部分がいろいろ見えてくるのか、パラノイド(妄想)化が起こる。
友人のK子は、滞在6年。
英語は本人もしっかり認識しているほど達者だ。
(しかし、しゃべり方が早口のうえ、まくしたてるので正直少し怖い。英語で話された人に同情するほどだ)
彼女は、友人も多く、すぐに友達ができるタイプで人気者。
ある日、彼女とエキシビションに行き、 バーで飲み物をオーダーした。
するとバーテンダーは彼女に向かって「What ?」(何?)と聞き返した。
その瞬間、彼女は、まくしたてた英語で「Beer. Beer」(日本語で解説すると、ビールだよ。お兄ちゃん、ビールお願いね!!といった感じ)
そして、私に向かって、
「なんで、私の英語がわからないの?奴は、きっとアフリカから来たばかりで、英語圏の人間ではないな。」
と自分の英語が通じなかったのではなく、向こうの英語力を問題にし、自分に落ち度がなかったことを強調する。
私は、「ねえ、ここの場所がうるさくて、ただ単に聞こえなかっただけじゃないの?」といっても聞く耳持たない。
やれやれ。

彼女は、一人暮らし。掃除、料理が嫌いなので、部屋が汚れている。
まるで家事をした事がない単身赴任のお父さんのようだ。家で何かを食べると洗わないといけないので、
最近は外で食べる事にしているそうだ。
ある日曜日に、英国人がよくやるように新聞を持って近くのカフェで、ブランチと決め込んだ。
そして、コーヒーとサラダを頼んだそうだ。
するとコーヒーには、すでにミルクが入っていたそうで、彼女は文句を言って交換させた。
その上、サラダが、なかなか出て来ない。店はそんなに混んでもいないのに、「なぜ?」と疑問をもったそうだ。
もちろん、いつものようにまくしたてた英語で、まだこないサラダを催促したらしい。

この状況は、彼女が言うには、わざとされたらしい。という。
彼女の解釈は、こうだ。
まず、ミルク入りのコーヒーの理由は、自分が黄色人種だから、 白いミルクをいれて “白人“を強調したかったのだろう、と。
そして、サラダが遅れた理由は、やはり白人優先主義で色付きの自分は、どんどん後回しにされたという。
つまりは、どちらも彼女が日本人だから、差別されたという。

彼女のエリアは、日本人にも人気の北ロンドンで、 色付きの人種はあまり住んではいない。
私は、「それは、かなり考え過ぎだよ。」といっても取り合わなかった。
そして、彼女、この事をクレームの手紙として、そのレストランのヘッドオフィスに出したそうだ。

その手紙の内容は、“人種差別を受けた。”とした。
どの企業もこの言葉 “人種差別“ に敏感だから、
その会社は「 人種差別という事はないと思うが、あなたに失礼をしてしまい申しわけない。
スタッフにも充分注意するし、心ばかりだが、フリーの食事券を同封します。」と返事が返ってきたそうだ。
「ねえ。やっぱり言ってみるものね。これで一緒に食事に行こう!」とすっかり気分がよくなっている彼女だった。

「夏でも寒いし、冬はすぐに暗くなるし、いやな天気よね。まったく英国は、、、、、、」
という友達はあなた周りにもいるでしょう?
こうしたストレスがだんだんパラノイド化させているかもしれないけど、
10年以上もいるとそれも慣れてきます。
私も、一時は日本のような居酒屋がない。友達に会いたい、、、などなど言ってもしかたがないことを言っていた時代もあった。
まあ、誰もが一度は「この国は、、、、」とういうパラノイドを通り過ぎないと
しっかりと英国に落ち着かないのかもしれないなー。

投稿者 lib : March 5, 2008 10:38 AM

コメント

 いつも 楽しくブログ拝見させていただいてます。私は現在計4年イギリスに住んでますが パラノイドはまだ体験していないような???(イギリスに1年半ほどいて 他のヨーロッパ国で 2年ほど暮らして またイギリスに帰って 今2年半住んでます)もしかしたら これからパラノイドなんでしょうか?怖い!
 ただ 住んでいる環境も結構 影響するのかもしれません 私の場合幸運にも かなり外国人にもフレンドリーな場所に現在いますが 都会のもっと皆が忙しい場所だと 人間関係も希薄になって 寂しさからパラノイアも生まれやすいかもしれませんし 家族関係や その人が本来持っている性格にもよるかもしれません。
 私など 日本よりイギリスの方が(特に女性は) いちいち人から干渉されなくて 気が楽と思いますが 知り合いには何年住んでも どうしても イギリスに溶けこめない人もいるみたいです。ただ 外国に住んでいる以上 何でも物事は日本と同じように進まないのは当たり前なのに それをいつまでも日本と比べて受け入れられない人は イギリスに住むのはしんどいだろうなあって 思います。でも お友達のお話には びっくりしました。cocoさんは このパラノイド どうやって克服されたのでしょう?今後の参考までに 教えてください
 では これからもまた 色々なトピックス楽しみにしています 季節の変わり目 ご自愛くださいね 
  

投稿者 マンゴー : March 6, 2008 08:39 AM

マンゴーさん、コメントありがとうございます。
4年の英国生活。微妙な年数だなー。うーん、私が思うには、これからはパラノイド症候群が現れると思いますよー。(すみません。勝手な判断ですが、)しかし、人によっては、はしかと同様、軽く済む場合もありますので、あまり気にしないで下さい。
友人は、かなり特別なタイプです(笑)。でも、私の場合は、英国を気に入って、そして、嫌いな面が気になって、諦めて(笑)、そして、自分の居住国になったような気がします。ココ

投稿者 COCO : March 17, 2008 10:54 PM

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