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May 06, 2008

男のプライド 2

mama.gif

親が知らないうちに、5歳の息子にも「男の小さなプライド」の様なものが芽生え始めているようである。

息子と友達を遊びに連れて行った帰り、車の中で2人でTVの話などをしていた。
運転しながら後ろの話を何気なく聞いていると、始めはパワーレンジャーの話で盛り上がっていたが、その内友達が
「Little Britainて観たことある?超クールだぜ」
みたいなことを言っている。

息子は
「うん、知ってるよ」
と答えている。

あれ、Little Britainなんか観たことないと思うけどな…と思いつつ、黙って聞いていると
「家で、マム(友達の前ではマミーじゃなくて、マムと呼ぶ、これもプライド?)がいない時に見たんだ。本当だよ」
と、運転席の私を意識して、アリバイ作りまでしている。

この友達は息子と同じ年だが、お兄ちゃんがいるのでちょっと早熟だ。
たかがTV番組でも
「知らない」
というのは子供ながらに男のプライドが許さないのかな、とこれまた笑えた。

そういえば、自分の周りの人を考えると、知らないことを素直に「知らない」と言えるのは、女性の方が多いような気がする。

例えば私の夫と一緒に歩くと、初めての場所に行く時もどんどん歩いていくので
「あ、道を知っているんだな」
と思ってついて行くも、しばらくたったところで
「道に迷った」
と言い出すことがある。

車を運転している時も同様で、自信ありげに運転しているのですっかり安心していると、突然
「道に迷った」
と宣告される。
気づいたときにはもう遅い、Middle of nowhereから帰り道を探すのが大変である。

道が分からないなら「どっちだと思う?」と聞くなり、ナビゲーターを頼むなりしてくれた方がかえって助かるのだが、どうも「わからない」というのが言えないらしい。
これはいったい何なんだろう、と思っていたが、やっぱり男のプライドか。
「わからない」=「相手に弱みを見せることになる」と本能的に思うのかも。
戦国時代じゃないんだから、「わからない」と素直に言った方が物事が合理的に進むのに、と思うのは女の発想なのだろうか。

ロンドンに来たばかりの頃、街で人に道を聞くと、自信満々で教えてくれるのでその通りに歩いていくと、全く違う方向だった事が良くあった。
これも男性に聞いたときによく起こったような気がするが、知らないなら「知らない」と言ってくれた方がよっぽど親切なんですけどね。

ちなみに夫に、
「道が分からないとき、どうして素直に『分からない』と言わないの?」
と聞いてみると、
「どうしてなんだろう。分からない…」
とこれは素直に悩んでいた。

投稿者 lib : May 6, 2008 09:14 AM

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