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September 09, 2008

社会勉強と言えばそうですが、、、。(2)(COCO)

darling.gif
レスキューに来てくれたオジさんは、ボンネットを開けて水を足した。
「よくあるのは、空気が入ってしまってうまく水が廻らない事があるからね。」といい、
エンジンをかけ、アクセルを踏んで、水温計の上がるのを眺めていた。
そして、「問題ない。このまま運転できるよ。」と言った。
我々は、なんだか納得がいかないが、プロがいうのだから、ということで
エンジンをかけ、我が家へと走り出した。
たった5分の修理のために、我々が待っていた1時間半は何だったのだろうか?

それから10分程走っていたら、水温計が上がり始めた。
どんどん上がっている。また同じ現象が起きているではないか。
ヤバい!!ああ、また赤く点滅し始めた。すばやく車を端に寄せ、車を止めた。
さっきのレスキューがまだ近くにいるだろうからと、レスキュー会社に電話をした。
すると夜の12時を過ぎているせいか、誰も電話にでてくれない。
まさか、営業時間が終わった??いやいや、そんなことはない。24時間のサービスだから、と心を沈めて、しばらく電話を鳴らしていたら、やっと出てくれた。そして、事情を話し、さっきのレスキューが近くにいるだろうから、こんまま車を自宅迄、運んでくれるとように頼んだ。
するとあのオジさんは、次なる場所へ向かってしまったので、別な車を出すと言われた。
ああ、また待つのか。
私は、急に疲れが出て来たので、シートを倒してちょっと眠ってしまった。
レスキューはまだこない。1時間も経っているのにまだこない。再び電話をすると「ちょっと時間がかかっている。代替えの車を出すから、君たちはそれに乗って家に帰らないかい?我々は、君たちの車をクロイドンのガレージに持って行き、修理をするよ」とオッファーをしてきた。クロイドン、そこは我が家とは反対の南。それも遠い。すぐに帰れる代車は魅力的だが、その代わりに遠い南へ車を取りに行くのは嫌だ。ダーリンは「いや、我々は自宅に送り届けてほしい。」ときっぱりと言った。よし、よく言った。なかなかいいぞ。
しかし、ちょっと待って。こんなことを今頃聞いてくるなんて、もしかしたら、我々のレスキュー車はまだこっちに向かっていないのでは?? あーあ、またまた待ちの試練っていうこと??

こんな時に心配な事がある。それはトイレだ。私はトイレが近い。
自慢ではないが、ロンドンのセンターでトイレに行きたくなったら、大概何処にいけばいいか、慌てなくてもいいぐらいトイレの場所に精通している。
しかし、今は夜中で知らない街にいる。日本みたいに24時間やっているファミレスやコンビニもないし、ガソリンスタンドは、危ないから人を店の中にいれずに、窓口だけで営業している。
実は、レスキューを待っていたこの1時間半の間、パブを見つけ2回ほどトイレを拝借していた。
あれからもうすでに1時間が過ぎている。 考えるとさらにトイレに行きたくなる。それに今日は友人宅でお酒を飲んで来ている。うーん。どうしよう。
この周りには、ミニキャブ屋とテイクアウトの店しか見えない。
うーん。こんなときは、どうするべきか。
男は何処でもできていいなーと真剣にうらやましいと思った。

酔っぱらった人々が立ち寄るテイクアウトの1つのカレー屋をよく見ていると、入って行った客がなかなか出て来ない。もしかしたら、そこは食べるところもあるのかもしれないなーと期待をかけて覗いてみたら、食堂のようにテーブルがあり、奥にトイレを発見した。
すぐさまトイレに直行する私をスタッフがみたので、「あとで買うから」と言いトイレに向かった。
しかし、すでに2人がトイレを待っている。その上酔っぱらっているのでアクションが遅い。
食堂内では、酔っぱらった若者達が、カレーを食べている。そう、飲んだあとにはラーメンを食べるが日本流なら、この国では飲んだあとは、カレーかケバブを食べるのが一般的。その理由は、どちらも遅くまで店が開いているからだろう。
ここで働いている人は、英国に働きに来た若い労働者。一方、酔ってだらしなくなっているのは英国の若者。

私は、用を済ませウキウキしながら、約束したようにコーラ2本を買った。何時迄営業するのか聞いたら、4時までだという。そうか、4時迄なら、またトイレが借りられる。と一安心した。
店を出て車を見ると、やったー。レスキュー車が来ている!!
車に戻り作業をしているレスキューの人を見たら、なんとさっきのオジさんではないか。そうか、きっと彼1人でこの辺を廻っているから、我々のレスキューが遅かったんじゃないの?それと、さっきの代車の件も、彼が遠くなる北へ我々を運ぶのを嫌がっていたのかなーとのいろいろ思い巡ったが、家に帰れると思うと、どうでもよくなっていた。
そして、 車をトラックの荷台に載せ、我々もトラックに乗り込んで出発した。

途中、南の繁華街、クラッパムを通ると、若者が道に溢れ、ファーストフード店やバーが沢山オープンしいて、街がとても明るい。
そうか。ここまで来て、レスキューを待っていればトイレの心配はまったくなかったなーと思いながらも、この実態もこんなことがなければ見なかった光景なんだなー。

家についたのは、午前3時20分。ああ。あのカレー屋もそろそろ店じまいだなー。
このオジさんの勤務は、夜の7時から朝の7時迄と言う。我が家に着く間での1時間、オジさんと我々の間では、あまり会話はなかった。オジさんの年齢ではこの仕事、辛いだろうなーとなんだか同情してしまった。
別れる際に、購入して飲まなかったコーラをあげると、一瞬ちょっと笑顔が見えた。
カレー屋で働く人、カレー屋に来る人、レスキューで働くオジさん、飲み疲れて道で正体不明になっている若者、まだまだ元気と騒いでいる若者。いろんな人々の生活を見た一晩だった。
さんざん待たされたことをもう忘れて、「 今日はいい社会勉強をしたということにしよう。」と言い出したのは、疲れて果てていたダーリンだった。

数日後、レスキュー会社から今回の受けたサービスの調査用紙が送られて来た。その中で、約束した時間にこなかった場合は、10ポンドのバウチャーをくれると書かれていた。我々は一晩で2回、約束以上に待たされたのだから20ポンドのバウチャーがもらえるってこと?
でも、こんなものより、やはりもっと早く来てほしかったな。

投稿者 lib : September 9, 2008 07:19 PM

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