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April 30, 2009

これって、差別??

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有名な老舗の紅茶屋”F”に行った。店内のケーキ売り場にいくと珍しく試食販売をしていた。長く置いておけるフルーツケーキだ。こういうのには目がない私は、試食を配っている人に近づいて順番を待っていた。配るオバさんは1人1人に丁寧に商品を説明しながら配っている。左から配り始めていて、私は右端で待っている。次は私だ。と手を出していると、左側の後ろに家族連れが来た。おばさんは、その子供と両親に配った。仕方がない子供には譲らないと、、、。と次となる私の番を静かに待っていた。しかし、どうもそのオバさんは、左ばかりに配っている。
ピーンと来た。私に食べさせても買わないと踏んでいるのか、この味を理解できない国民と判断したのか、ともかく試食を渡したくないようだ。
ふーん。あんたがそういうつもりなら、こっちだってと、反撃モードに入る私。
声に出して、「私にも頂けるかしら?」とまずはお願いした。彼女もこう言われては無視もできず、私にケーキの断片をくれた。「あら、すごーく、おいしいわね。私も買うわ。」と言って彼女を見ると驚いている。さらに「10個いただけるかしら?」とそのケーキを買い物かごに入れてもらった。ちなみに1個13ポンド。10個で130ポンドのお買い上げとなる。「いろんな人がいるのよ。貴方が買わないと思っていてもね。」と捨て台詞を言ってその場をカッコ良く立ち去った私。
この店は、お買い物をレジに持って行く仕組み。10個のケーキはその後、レジへは向かわずに、他の棚へ置かれた。そう、私は買わずにそっとその店をでて、私を差別した売り子のオバさんにリベンジしてやった!!

と最後迄かっこ良く締めくくりたかったけど、こうすればよかったなーと後で思った次第で、事実は声に出して、「私にも頂けるかしら?」と頼んで、そして、差別された事をイラつきながらもさっさと店を出て来てしまっただけだ。
ああ、根性のない私。あそこで、「差別された!!。マネージャーをだせ。」なんて暴れてもおもしろかったのに。と後から後からああすればよかったなー。と思う私でした。しかし、久しぶりに差別を実感した出来事でした。

投稿者 lib : 09:43 AM | コメント (0)

April 24, 2009

夢か現か、、、

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2週間の一時帰国を終え、ロンドンに戻ってきました。

最初の週には春真っ盛りの京都へ小旅行。数週間前までは知人に「来る頃にはお花が終わってるね」と言われていたのに、着いてみれば満開。

実は前の週に急に冷え込み、開花が始まったものの満開までだいぶ間があったようなのです。まるでロンドンから来る私を待っていてくれたかのようで嬉しくなりました。

お天気もほぼ毎日晴れ。気温も20度まで上がる日があるほど暖かく、ロンドンの涼しい気候に慣れている私には暑くて、半袖で歩き回っていました。

一年ぶりの日本は変わったようで変わっていない。でも、ロンドンに住み始めてからは帰るたびに東京の大きさと人の多さに圧倒されます。

私の実家は千葉ですが、中学から大学まで東京に通学していたために朝のラッシュもターミナル駅の大きさにも慣れていたはずなのに。

West EndからEast Endまで頑張れば(頑張らなくても?)徒歩で行けてしまうロンドンに住んでいると、東京はロンドン10個分、もしくはそれ以上の規模に思えます。まぁ、人口の比を考えれば驚くことではないのかもしれませんが。

ところで、最近、日本に帰る度に不思議な感覚に囚われます。

日本に帰ると、ロンドンでの生活がまるで夢の中の出来事のように思えてくるのです。

日本は20数年、自分が住んでいた国。成田に降り立つと最初は実感がわきませんが、しばらくするとすぐに住んでいたころの感覚が戻ってきます。そして数日経つと、すっかり落ち着いてしまいます。

ここ数年、東京近辺で外国人を前よりも見かけるようになったものの、周りの人はほとんど日本人ですし(耳に入ってくる言語も、電車のなかの広告も日本語。

ホリデー中なので仕事のこともあまり考えませんし(といっても今回は泣く泣く採点物を持っていきましたが、、、)、心は常にリラックス。

あまりにも自然な落ち着きぶりに脳も現実逃避するのか、何だか自分が教師であることも、ロンドンにフラットがあって、そこに生活用品や愛車、全てがあることも忘れていくような感覚なのです。

まさに夢と現の狭間にいるような、、、。

「あれれ、どっちが現実だったかしら」なんて。

今回も友達と会っている時に「ロンドンではどう?」と聞かれ、「そうだ、、、私、ロンドンに住んでいるんだ」と急に現実に引き戻される感じなのです。

一人のときにふと、担任を持つクラスの子達の顔と名前をひとりひとり思い浮かべながら、「よ、良かった、覚えてる」と妙にほっとする自分。

しまいには、「帰ったら英語忘れているんじゃないか」と変な心配も、、、。

働いていれば2週間など、忙しさの中であっという間なのですが、ホリデー中は時間の流れの感覚も変わるようです。実はロンドンに住んでいる自分は存在していなくて、日本にずっといたんじゃないのか、なんて錯覚し始めるほど。

でも二週間はあっという間です。気づいたらもうロンドンに戻る日。一気に現実に舞い戻ります。

ヒースローに降り立つと、そこはロンドン。様々な言語が飛び交い、様々な人種、宗教の人々が行き交っています。

その中にいる自分。

7年住んでいても、イギリスの学校で5年教師をしていても、この国に100パーセント感化されることもないし、自分自身が完全に溶け込めることはないなと常日頃思う私。

でも、帰りの電車で何だかほっとしている自分がいました。

そして月曜日、学校に着くと一気に教師モードのスイッチが入りました。何気に心配していた英語も忘れていないし、ちゃんと授業できました(笑)

新学期の忙しさの中、今週一週間はあっという間に過ぎました。すると今度は日本に2週間いたことが夢だったんじゃないかという感覚に。そんな私は夢じゃないことを確かめるように日本でたくさん撮ってきた写真を度々大事に眺めています。

また日本に帰るのはもしかしたら来年の春。それまでには友人二人に子供が生まれるし、他にも色んなことが変わっているかもしれません。

よく聞かれます。「いつか日本に帰りたい?」と。正直、今の自分にはわかりません。

日本の自分。イギリスの自分。どちらも本物。どちらも夢じゃなくて現実。でも、イギリスに長くいればいるほど、自分がこれからどこで人生の時間を過ごしていくのか、過ごしたいのか、どんどんわからなくなります。

まぁ、家族や友人と離れている寂しさはあっても、生活基盤のあるこのロンドンが今の自分の居場所なのだと思います。

いざ何らかの理由で日本に帰ることになった時のことを考えると正直、やっていけるのか不安ですけれど。自分の居場所作りをまたするわけですから。

そんな私にとって、日本はいつまでも「帰りたいときに帰れる場所」であって欲しいなぁと思います。

さぁて、そんなことを考えつつ、夏までまた仕事、仕事、です!

投稿者 lib : 09:52 AM | コメント (2)

April 21, 2009

シティの熱い戦い

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サミットG20がロンドンにやってきた。 来なきゃいいのに・・・。

「デモ隊の皆さん、いらっしゃーい!」と招かんばかりのロケーションではないか。 
ポリネシアあたりの小島 (民間便は飛んでいない) に20人が集まり、ひっそりと会議を開いてくれれば、どんなに安上がりだっただろう。

おかげさまで、警備に7ミリオンポンドの経費をかけ、警察総動員だったらしい。 誰の税金だと思っているんだ。

おまけに4月1日はシティにデモ隊が大集合。「経済恐慌の元凶、シティのビジネスマンを街灯につるせ!」などと船頭、ではなくて、扇動する奴らも出てきた。

「なるべくシティに来ない」
「ミーティングは延期する」
「カジュアルな服装にドレスダウンする」

等々の勧告が各社のメールに流れたのだった。

「どうしよう。休もうかな・・・。怖いし」という心配性。
「とりあえず、ドレスダウンして、早めに出勤。デモがある間は外出をやめよう」という、常識派。
「チッ、いつものサンドイッチショップは休みだろうな。お弁当を持ってこよっと」とランチのことしか考えていない現実派 (私はここに属する)

しかし、一部には
「ピンストライプ・スーツに、赤いソックス、赤いサスペンダー、赤いハンカチーフを胸ポケットにつっこんで、シティに来てやる。学生時代はラグビーで鍛えている身体だ。かかってこい!」 という勇ましいのもいた。

そう、シティのビジネスマンは伝統的に競争心が強くて闘争的なのよね。これは年が多いほど、その傾向が強いようだ。若者は軟弱でいかん。

前日まで、ボスや同僚とデモの日の対応を相談。この不安と期待感。何かに似てるな・・・そうだ、台風の接近だ!

知り合いの人は心配した奥さんからシティに行くのをやめてくれと言われたのを断ったら、
「じゃ、もしものために、銀行のキャッシュカードを置いていって」と頼まれたそうだ。

・・・もしもっていうのは、どんな状況を想定していたのでしょうかね? 暴徒に襲われてボコボコにされるとか?

さて、4月1日の朝、シティはやや人が少ないという感じ。休んだのか、早めに出勤したのか? そして、7割がドレスダウンをしていて、ビジネス街には見えない雰囲気だ。 

私の住む郊外からの電車でも、いつも見かけるビジネスマンが数人カジュアルウエアになっていた。 「敵 (攻撃的なデモ参加者)の目をくらます」 ためのドレスダウンでも、いかにも、 
「私は日ごろはスーツ着用のビジネスマンですが、会社の規定に従い、今日はドレスダウンです。どうです、とてもビジネスマンには見えないでしょう?」というのが、あまりにミエミエの姿。 朝の8時半のシティで、 ラルフローレン、ハケット、バーバリーのシャツにアイロンのピシッときいたチノパンで歩く男を見て、

1. カジュアルな服装で働く労働者
2. 変装したシティのビジネスマン
3. 覆面プロレスラー

のどれだと思うだろうか?

私? 私はいつもの時間に、いつもの服装で出勤した。だって、面倒なんだもん。 暴動の可能性くらいでは、このなまぐさな性格は矯正はできないね、って威張ってどうする? 電車が止まることを考えて、靴だけはヒールのないものにしたけど。

11時頃からシティの各駅にデモ隊は集合するとか、ん、もう、みんな仕事になりやしない。
「来た? 見える?」
「いや、まだみたい。来ないなー。何をやってんだろう。早く来ればいいのに」
「遅いなー。どこだろう? お巡りさんしか見えないよ」
「エイプリル・フールで嘘なんてことはないよね?」

まだか、まだかと窓から外を見ることしきり。

12時にバンク・オブ・イングランドの前で抗議行動とか、いやでも、期待は高まる。

続く

投稿者 lib : 09:45 AM | コメント (0)

April 08, 2009

ダーリンの留守の間

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ダーリンはここ数年、年に1回、2週間の長い出張がある。始めのときは、ダーリンの家族が心配して、電話をくれたけど、最近はもう大丈夫ね。とばかり誰も気にもしてくれない。
昨年は、ダーリンが家を出るその瞬間に(本当に!!)台所の蛇口のゴムが切れてしまい、水が止まらない事件が起こった。元栓を締めれば使えるが、水の量も調節できず不便。ダーリンは、空港へ行かねばならないのに、プラマーの電話をしなければならないなーと、以前使ったプラマーの連絡先を見つけて「ここのプラマーに電話して頼んで。」とイライラしている。
この国でこうした作業を頼むということがどんなに面倒を知っているが、この場合は「大丈夫よ」と言って空港に行かせた私は、頼もしい妻かしら?
さて、私はさっそく電話したのは、近所の日本人のお宅。ひょんなことから近くに住んでいたと知り、今ではお互いの家の鍵を持っている。だから、旅行で家をあける時は、電話1本でOK。 こちらは、ご主人が日本人で、奥さんが英国人。でも、奥さんは日本語がしゃべるというパーフェクトなご近所さん。
電話にでた旦那さんが「我が家も同じ事があった。うーん。もしかしたら、直せるかもしれない。行くよ。」と工具持参で来てくださった。そして、器用に工具を使い、幸いな事にゴムのパッキンが残っていたとかで、交換して終了!!「わー、すごい!!」これで80ポンド程度はセーブしたぞー。と喜びながらビール1本でごまかしてしまった。そう、大きな借りが残っている。

日本では、何処でも車で行っていた私だが、ロンドンの運転は予期しないイーブルなドライバーが多いので、一人で運転するのが好きではない。
しかし、2週間もいないとなると買い物が不便。今回は思いきって一人で運転!とばかりに出かけて行った。
買い物が終わり、外に出ようとしたら、ヒョウが降ってきた。
わー、こんなときに運転してなくてよかった。ホッ。として止む迄待っていた。
そして、買い物の荷物を車に入れ,いざ出発!!。しかし、あれ?鍵が回らない!!困ったな。そうだ!これはハンドルにロックがかかっているからだ。と思い出した。しかし、どうしたら解除できるのか知らない。「確かハンドルを回すんだったかな?」と試すが、ロックは解除されていない。うーん。困った。そして、また例のご近所さんに電話をすると、私と同じ事をおっしゃる。そして、最悪は、レスキューを呼んでね。と今回はつれない。
レスキューねー。これにはいい思い出がないので、思い余って、海外に出張しているダーリンに携帯でSOS。幸いにも電話にでてくれたので、ロックの解除法を聞き、無事帰宅できた。もし、ダーリンがいなかったら、車はダーリンが帰国するまで、スーパーの駐車上にいただろう。
こうしてみると、いつもダーリンに甘えているなー、とありがたみを感じたダーリンの出張でした。

投稿者 lib : 11:37 AM | コメント (0)

April 05, 2009

学期末

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今日は今学期最後の日でした。これから二週間の休みです。

でも正直に言って、学年末、つまり夏学期の終わりまではまだまだ先が長く、11年生の試験も6月に控えている、試験センターに送る課題の採点もたまっているわけで、休みといってもなんとなく落ち着きませんが。

つい先日、日本で教職を持っている人のブログを読んでいたら、「明日入学式です」という一文がありました。

そう、日本は「春=別れ、そして新たな始まりの季節」なんですよね。

気づいたらイギリスに7年いて、3月の卒業式、4月の入学式シーズンの日本の独特な雰囲気を忘れていました。日本で教員をされている方たちは準備などで忙しい時期ですね。

対照的に私の勤務校は「式」といえるようなフォーマルで厳かなイベントというものがありません。学期最終日だった今日も至って普通。放課後に生徒や同僚と「Have a good holiday!」とすれ違うたびに声を掛け合って終わりです。

思えば、日本みたいな入学式もありません。私が担任を持つクラスがはじめて学校に登校したときも学年集会はありましたが、別に上の学年が歌やスピーチで迎えるといった演出もありませんでした。

なにせ、わが校は7年生から11年生までの生徒数が1200人以上。この人数を簡単に収容できる唯一の場所がスポーツホール。それも日本の体育館のようにステージがあるわけではないので式典や集会にはもともと向いていません。

全校集会と呼べるものは年に一回あればいいほうです。そう、あの教職員や生徒がパフォーマンスを披露する「クリスマスショー」くらいでしょうか。

Secondary schoolの最高学年である11年生も5,6月の試験が終わると学校から姿を消し、一応、最後に皆で着飾って集まって祝うイベントはありますが、教職員全員と下の学年が送り出すような場面がありません。担任はその集会に出席するのが常のようですが。

こう考えると日本の学校は、今覚えば行事・式典を大切にしている国だなぁと思います。学期ごとに終了式や始業式がありますしね。

自分自身の記憶をたどっても、小学校から大学までの入学式や卒業式の思い出は割と残っています。内容は鮮明に覚えていなくても、式典のあの独特の空気と、緊張しながらも期待に胸を膨らませていた感覚がいつまでも体のなかに残っている感じです。

これと比べると、私のイギリスでの経験はほんとうにあっさりとしたものです。イギリスでも格式と伝統のある学校ではこういう式を度々おこなうところもきっとあるのでしょうけれど。

実は明後日から二週間、日本へ一時帰国します。きっと新入社員や新入生たちが溢れる街で、懐かしい光景を目にすることになると思います。そんな特別なシーズンの日本を楽しんでこようと思います。

ただ、今は泣きたいくらいポンド安。お財布の紐を引き締めつつの滞在になりそうですが、、、。

投稿者 lib : 12:01 PM | コメント (0)

April 01, 2009

ニナガワ歌舞伎

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ニナガワ(と呼び捨て)演出の歌舞伎を見に行った。作品はシェイクスピアの十二夜が原作だ。

場所はバービカンセンターである。この複合施設は迷宮のようで、ちゃんと会場へ行き着けるのか、終電に間に合うように家に帰れるのかといつも余計な心配をさせられる。おまけに今回いっしょに行く友人は 「シティはあまり慣れてなくて」という人。 バービカンをシティと見るかどうかはともかく、 「バービカンもよく知らない」とのこと。 私がこの邪悪な迷宮の案内役?  やだなあ。

そのため、 「じゃ、バービカンで待ち合わせね」というわけにもいかず。 近くの駅のマクドナルドに集合。 ちぇっ、プリ・シアター・ミールはマクドナルドか・・・。
と思ったが、気の効く友人は幕間につまめるスナックを準備してきていた。 
えらいっ! このこまめさ!

ニナガワ(と呼び捨て)といえば、イギリスでの評価も高く、観客も演劇人が多く知名度が高い。今回は歌舞伎ということで外人率もすごく高い。が、席も、ぐっと高い・・・位置にあった。

これを予約したのは2週間ばかり前で、その時点ですでに数席しか残っていなかった。席を選べるような状態ではなかったのだ。
最後尾の端っこの席では英語の字幕も見えない。わたしはともかくイギリス人の友人は3時間の間、一言のセリフも理解できずに観劇した。ごめんね。

そう、210分あったのだ。ワーグナーほどではないが、オペラなみの長さと言える。
のんびりとお弁当でも食べながら一日がかりの歌舞伎鑑賞なら優雅でも、仕事帰りの勤め人には途中で居眠りしたらどうしようという長丁場である。実際、字幕が読めなかった友人はときどきウトウトしていたようである。
いびきをかくか、見せ場になったら起こすね、と約束したが、字幕なしの3時間はきつかったかも。

いやー、豪華絢爛な舞台だった。

出だしから大きな船がどーんとせり出してくる。荒れ狂う波は巨大な布で表現。さすがは 「匠の国の伝統芸能」だわ。シェイクスピアをグローブ座で見たことがあるけど、こんなスペシャルエフェクトはなかったもんね。 グローブ座破れたり、松竹歌舞伎の勝ちですわ! おほほほ、かかってらっしゃい! (私は部外者だが)

目も覚めるようにあでやかな衣装だし、お姫様のキラキラとしたゴージャスな髪飾りはライトを反射して、外人の憧れる歌舞伎町のネオンサインのよう。歌舞伎町ってネーミングはこの髪飾りから来たらしい。 って嘘だけど。

ひさびさに聞いた歌舞伎チックなセリフの数々。

「主善之助殿、かたじけのうござる」とか
「わらわの気持ちをわかってたもれ」だの

いいなあ、 「たもれ」だって。今度使ってみようかしらん。
「そこのホッチキスを取ってたもれ」なんてね。
電車で席を譲られたら、
「かたじけのうござる」とか。あ、これは男言葉か。

私は一緒にいる人の言葉使いがうつってしまうことがある。 大阪弁の人と話していると、ついイントネーションが同じようになって、
「あれ? 大阪出身でしたっけ?」なんて言われることもしばしばだ。 (いいえ、違います)

英語のほうはラッキーだ。ボスは良家出のボンボン(と言っても60歳を過ぎているが)なので、きれいな英語を話す。おかげで私にもいい影響があるようだ。
「ポッシュな発音の・・・・英語を話すね」と言われる。
(・・・の部分はたぶん英文法についてのネガティブな意見だと思う)

女形独特の頭のてっぺんから出るような声にもしびれるなあ。

家に帰って、こっそりと女形風に発声してみた。 
「わらわはワインを飲みとうござりまするー」
・・・ウケル。
なんかの機会に使ってみたいが、日本人には苦笑され、イギリス人には気味悪がられるだろうな。人前でやるのはやめておこう。

また、ロンドンに来てね、ニナガワ (と呼び捨て)

投稿者 lib : 07:56 PM | コメント (2)