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June 28, 2009

でも羨ましい話。

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試験期間終了後、私を待っていたのは大量の採点物。

7年生2クラス(うち1つはRE=宗教を教えているクラス)、8年生3クラス、9年生5クラス、10年生1クラスを担当している私は、11クラス分の試験の採点をしなくてはなりません。

10年生の分は成績をシステムに打ち込む締め切りが7-9年生の1週間後なので後回しすることを即決定。

試験期間一週目で7年生分は早々に終えたものの、8,9年生の分を採点し始めて一気にスローダウン。

それぞれ4ページにわたる試験問題ですが、そのうちのいくつかは史料読解、そして2つの問題は小論文。

例えば、9年生の問題のひとつに「奴隷制は長い間存在し、たくさんの文明がその恩恵を受けてきた。したがって、奴隷制を否定することはできない(最後の部分はオリジナルの文章がTherefore, we cannot argue against itなのですがうまい訳が思いつかず、、、)」という論題に対して、反対か賛成か(Agree or disagree)論ぜよ、というものがあります。

生徒は自らの奴隷制(主に三角貿易の時代)に関する知識と与えられた史料をEvidence(証拠、論拠)として使って、意見を述べなければなりません。

採点基準(Mark scheme)があるので、一つ一つ読んだ後に、達成レベルと点数を個別に付けます。

1クラス30人分なのでここで非常に時間がかかります、、、。自分の意見を的確に読みやすく書ける子もいるのですが、なかには段落の使い方や、connectives(Therefore, on the other handなど文と文を繋げ、相互の関係を表す言葉やフレーズ)がしっかり使えない子が9年生でも多いのです。

そういう子の文章はIntroduction, main bodyとConclusionに一貫性がなかったりと意味を追うのが大変なので、最終的な評価に迷うこともあります。

採点で一番楽なのは最初のセクション。単に知識を問う問題が中心なので、これはかなり早くできます。いつもここを先にやってしまうので後がつらいんですよね、、、。

さて、今のところ、なんとか7クラス分は終えたのですが、来週末の成績提出までに今週末も使って9年生の残りの採点を終えなければなりません。

正直言って、日中は自分の授業とその準備もありますし、放課後は疲れきっていることもしばしばなので、採点もなかなか進まないこともあります。しかも、今回は謎の腹痛に3日間も悩まされ、予定どおりにはなかなかいかず、、、。

採点は5年経っても苦手分野な私です。それでも、締め切りがいよいよ迫って来ているので、もう言い訳なんかしていられません。

今日も同僚たちと「採点しても採点しても終わらないよね、、、」と愚痴交じりに話していたら、一人の同僚Aが「私は終わった」と発言。

彼女は一日の授業が終わるとすぐに学校を出るし、家では仕事はしないという(私の中では典型的なイギリス人の)スタンス。

頭脳明晰な彼女ですが、それにしても一体いつ山のような採点をこなしたのかと、聞いてみると、、、。なんと、彼女、6月に入って一日中、授業の全くない日があるというではないですか!

実は、11年生、13年生はPublic exams(GCSEやA-levelといわれているもの)が終わるとそのまま卒業で学校に登校しなくなるので、その学年を担当している教師はその分の授業がなくなるのです。

彼女は11年生、13年生のクラスをいくつか担当し、私ほど7-9年生を教えていないので、その分、採点するものも少なかったようです。

かくいう私も11年生の授業がなくなった分、二週間に3コマ空きが出来たのですが、その分は今学期の授業教材準備に見事消えてます(涙)

試験クラス、つまり10-13年生を教えるのは責任も重いですし、準備も大変です。そういう授業をたくさん担当している同僚はすごいと思います。私なんて去年、A-levelのクラスの週二回の授業を準備するのにもてんてこ舞いでしたから。

それでも、毎年この時期になると正直、授業が減る同僚を「うらやましい!」と思ってしまう私。

まぁ、自分でタスク管理をして時間を決めてこなすのが苦手な私は、時間があったとしてもきっと時間を有効に使えず、無駄に過ごしてしまうことも多そうですが。

こんなことを思った私は「そう、忙しくていいのだ、、、!」と、無理やり自分を納得させて、今日も(嫌々)採点、採点、採点。

あと2週間、頑張ります!

投稿者 lib : June 28, 2009 09:36 PM

コメント

○ ×だけでない解答用紙を見る先生は、お気の毒だと思うけど、
生徒にとってはすごいいい経験をつんでいるのではないかと、
常々、この国の教育に感心しておりますが、どうですか??
ココ

投稿者 ココ : June 30, 2009 02:16 PM

ココさん、コメント有難うございます。お返事が遅くなって、、、。

はい、暗記だけじゃない教育、自分で考えさせる、そして得た知識の「使い方」を教える教育はイギリスの歴史教育の強みだと思います。

ただ、中途半端な知識を自分の都合のいいように振りかざす人をたまに見かけますが。まぁ、そういう人はきっとどこの国にもいますね。

投稿者 月子 : July 7, 2009 12:34 AM

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