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September 07, 2009

それぞれの夏。

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新学年が始まってばたばたしており、すっかり更新が遅れておりました。

実は先週の木曜日は我々教師、そして卒業した11年生にとってとても重要な日でした。

そう、GCSEの試験の結果が出る日だったのです。

この日は結果を見るために出勤してくる同僚も多くいます。

私も学科主任として結果が非常に気になるので生徒への結果配布が開始される10時前に学校へ行きました。

すると既に門の外にはたくさんの生徒たちがいました。

実は校長、教頭、副教頭たち、そしてExam office(試験部?)はすでに前日に結果を見ており、その日は生徒に配布する準備のためにかなり忙しかったようです。

私も副教頭の一人であり、歴史教員でもある同僚Vから大体の良し悪しは聞いており、とりあえず「素晴らしい出来でもないけれど、安心していい結果」ということだけは知っていました。

去年は前年より6パーセントも結果が落ちた歴史教科の試験結果。Humanities(人文学部)としても結果が下がった科がいくつかあったため、試験直前までかなりのプレッシャーに晒されていた私たちでした。

同僚Vのオフィスへ行くと、そこにはなんと校長も。早速、歴史の結果を見せてもらいました。結果は去年より7パーセントUP。61パーセントの生徒たちが良いとされるグレードA*(エイスター。トップのグレード)からCまでを取れました。

気になるのは一人一人の生徒の結果。復習クラスに毎週通ってくれた生徒たち、最後まで私の頭痛の種だった生徒たち、、、色々な生徒の顔が私の頭の中によぎります。

ざっとリストを眺めてみたところ、ほとんどは私が期待していたどおりの結果。何人かの生徒は私の期待以上の出来でした。やる気は素晴らしいのにどうしても読み書きが苦手な生徒S、最後まで心配でしたが何とBを取りました。

そして、模擬試験でA*を取り、最後まで復習を一生懸命頑張っていた生徒SAは本番でも頑張り、見事A*!

春学期の後半と夏学期の試験期間直前まで、毎回復習クラスに参加していた生徒たちのうち、本当に頑張った二人はAをそれぞれ達成。

そして待ちに待った結果配布開始。配布場所である体育館にはそれぞれのクラスのために机が並べられ、その上に出席番号順に生徒の結果が書かれた紙が置いてあります。

そこへ不安な表情を浮かべた生徒たちが次々に入場。一人ひとり結果を受け取るのです。

一分も経たないうちにあちらこちらでわぁっと喜びの声が上がりました。抱き合って喜ぶ生徒。先生に走り寄って報告、お礼をする生徒、、、。

喜び、感動も多くありましたが、もちろん、自分で願っていたグレードが取れず、泣き崩れている子もいました。そして、私のクラスももちろん、頑張って良い成績を取ってくれた子ばかりではありませんでした。

その中の一人は生徒L。能力は非常に高いのに集中せず、驕ったところのあった彼女の結果はなんとCでした。私自身、正直言ってこの結果に驚くことはありませんでした。彼女は前述の頑張り屋さんのBとは対極にいるような生徒だったので、こういうこともあるのではないかと思っていたのです。

生徒Lは7年生の頃から周りから頭がいいと期待され続けていましたが、5年後、彼女の試験結果はBやCばかりでした。彼女ほど基礎学力の高い生徒ならばオールAも取れていたはずです。

実は、後で少し彼女と話しましたが、なぜこういう結果になったのか自分で痛いほどわかっている様子でした。これを教訓に彼女がこれから真摯な態度で勉学に取り込んでくれることを願います、、、。

Aが取れるだろうと思っていた非常に頭の良い生徒二人がBやCを取るという結果に終わりました。一人は私のクラスではありませんでしたが、どうやら生徒Lと似たようなケース。

もう一人は、読み書き能力はA-levelクラスなのに試験になるとどうしても点数が伸びない生徒でした。彼女は難しいことをたくさん書こうとしてしまい、どうしても全問解答せずに終わってしまうのです。試験前に授業で過去問を解いたときに何回か個人的にアドバイスをしたのですが、やはり本番でも難しく感じたようです。

教師としての私の感想は、、、一言で言うのは難しいです。生徒一人一人の結果を見ると、それぞれのストーリーがあるわけで、200%頑張ったね、偉いねといえる生徒もいれば、最後まで努力せずに「あぁ予想通り、、、」という生徒もいました。

それでも、コースが終了した今は、全ての生徒にお疲れと言いたいです。決して読み書きの強い生徒が集まっているとはいえない私の勤務校。歴史に興味があっても、勉強すること自体がチャレンジである生徒も多い中、多くの生徒が最後まで頑張ってくれました。

教師として決して完璧ではなかった私。でも、やれることをやった気持ちは強くあります。ただ、今年のように最後のほうで諦めて可能性を満たせなかった生徒を来年見たくはないと強く思います。

さて、今年の新11年生の初授業は来週の月曜日。6月の模擬試験で結果が思わしくなかった子達をどうやってサポートしていこうかと、色々と思考をめぐらせている私です。

また一年、夏までの忙しい毎日が始まったわけですが、教師、生徒、双方が満足できる結果を出せたらと思います。

投稿者 lib : September 7, 2009 11:38 AM

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