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July 29, 2010

カラテ・キッド

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息子が行きたいというので、カラテ・キッドを観て来た。

ウィル・スミス(実は好きだったりする)の息子、ジェイデン・スミス君も可愛かった。

老練したジャッキー・チェンもいい味を出していた。(おやじ愛好家の私としては、若い頃よりも油の抜けた今のジャッキーの方が好ましい)

演出もスピーディで、2時間以上の長い映画だったが親子共に飽きずに最後まで楽しめた。

主題歌は、あのジャスティン・ビーバーだ。(弱冠16歳の彼の事は息子に教えてもらった。初めに名前を聞いたとき、『え?シンガーのジャスティン・ビーバー? それを言うならジャスティン・ティンバーランドでしょ』と二重の間違いを私に犯させた憎いヤツだ。 ← ジャスティン・ティンバーレークと言いたかった)
このジャスティンも、映画には出ないが可愛くて大変よろしい。最近、若い男は可愛ければなんでも良い。(知らない人はYoutubeで見てみましょう。本当に可愛いから)

というわけで、まあ良かったんだが。ひとつだけ言ってもいいですか?

「カラテ・キッド」じゃなくて、「カンフー・キッド」やん・・・

投稿者 lib : 12:36 AM | コメント (0)

July 28, 2010

いまごろ、韓ドラ。

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日本の友人が 「韓ドラ」を大量に送ってくれた。いまさらだが、これにはまってしまい、10〜15話あるストーリーを2日かけて観てしまう。聞くと誰もが一気に観ないと気が済まないらしい。この影響で、ブログを休んでいたわけではないのですが、、、。すみません。
観た事のある人は納得するだろうけど韓国のドラマは、ともかく女も男もよく泣くのだ。イケメンが鼻水を流して泣いていてもおかまいなく撮影されている。それによく飲む。食べる。ストーリーは、男女4名程度が中心で、男女の取り合い。さらに彼等は金持ちか貧乏人ということが、物語の大切なポイントになっている。そして、 「オッパ」 「オモニ」 なんて言葉が耳についてきて、最近は韓国レストランで聞こえて来る韓国語が妙に心地よい。
ロンドンにいると観る番組は、古いのだろうけど ぺ・ヨンジュンが主役の「太王四神記」はなかなかいい内容なのでお勧め。1話、1話見る事に、DVDを送ってくれた友人にこの俳優がよかった。などとコメントすると、彼女のめり込み度は凄くその俳優たちの話を詳しく話してくれて、「よっし、今度帰国する迄には、その人の違うドラマをコピーしておくからね。」と私がはまって行くのを喜んでいる。なんか宗教のようだなぁー。
ダーリンが忙しいので夕飯も簡単に済ませ、私が韓ドラずーーーーと観ていると、「そんなに何が面白いの?」と聞かれたで、簡単に説明したら、「そうだ、誰かが言ってたなー、韓国はアイルランドの国民性と似ているらしいよ。よく飲み、よく喧嘩する。って。」そうそう、ドラマでも必ず殴り合いの喧嘩がある。
ドラマは、その国民生活がみえるのだろうけど、現代版の貧しい家の食卓では、ともかく食卓にインスタントラーメンがよくでてくるし、そのラーメンを鍋から直接食べている。鍋の中の麺をつかんで、その汁がこぼれないように、なべの蓋を逆さにしてその汁を受けている。そして、やはりキムチは、よく登場している。また、寒いのだろう、喋っている息が白い。寒い割合には、みんな薄着だし、家もそんな防寒対策がされているようでもない。
気になるのは、家の外には、大きくて低いテーブルがあり、これに人が腰掛けている。暖かい日に外で歓談を楽しみためかな?また、冬のソナタでもマフラーの捲き方が話題になったが、「韓ドラ」主役級の男のファッションがいつもすごい。こんな田舎なのに?こんな寒いのになんで、あなた達、そんなカッコしているの?と思うほど、男のファッションが気になる。日本は、男よりの女の衣装に力を入れているように思うけど?
なんせ「韓ドラ」初心者なのだから、もしかしたらこんなの当たり前のことなのだろうけど。
私もかなりはまって来ているようだ。
最近、定番の焼き肉以外の韓国料理にもはまり、ダーリンの同僚、韓国人の影響もあって、今年の冬は日本に帰る際に韓国にも立ち寄りたいなー。とDVDを送ってくれた友人に話したら、絶対に私も行く! 行く!と返事がきた。そこまでさせる韓国って今から興味津々!

そうだ、最後に一言。
日本から英国にCDやDVDを送るとこれらに関しては税関がかかるのでうかつに頼めないのが難点だ!!私は毎回、課税されています!みなさんもその点をお忘れなく。

投稿者 lib : 10:55 AM | コメント (0)

July 26, 2010

イギリスのキャラバン・ホリデー

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息子が3泊4日のキャラバン・ホリデーから戻ってきた。

学校の友達のご家族がカントリー・サイドにキャラバンを持っていて、そこに一緒に連れて行ってもらったのだ。

キャラバンというのはプレハブの様な四角い箱の中にキッチン、シャワー、ベッドルーム、リビングルームなどがついていて、そこで寝泊りできるものだ。

もともとはキャラバンそのものに車がついていたり、車で引いたりして移動し、森の中や空き地で寝泊りするものだったのだろうが、最近は「キャラバン・サイト」にキャラバンを常置しておいて、普通の車でサイトまで移動するやり方が主流のようだ。

「キャラバン・サイト」はキャラバン利用者の共同スペースで、サイト内にはプール、ミニゴルフ、カフェなどが設置されている。

森でキャンプをする根性も、別荘地に別荘を買う余裕もないが、「安全で便利な場所でちょっとだけアウトドア気分を味わいたい」軟弱な、いや合理的なイギリス人たちに愛されているホリデー形態である。
キャラバン・サイトの近くには大抵、大型スーパーマーケットもあるので夕食用のソーセージや朝食用のベークドビーンズ、ビールやワインの調達もばっちりだ。

そんなキャラバン・ホリデーに連れて行ってもらった息子。友達の家に1泊のお泊りくらいは経験があるが、3泊4日も両親と離れるのは生まれて始めての経験である。

家に戻るなり、4日間の楽しかった思い出を次々と話してくれた。キャラバン・サイトは家族連れが多いので、現地でたくさんの友達もできたようである。

「マミーのこと思い出した?」

「(きっぱり)No。」

・・・マミーの事を微塵も思い出さなかったってことは、それだけ楽しかったってことだもんな。いいよ、許す。

「マミーはとっても寂しかったよ~」

と一応言っておいたが、実は私も子ナシ生活を満喫した。

いやー、子供がいないってことがこんなに楽だとは思わなかった。
お迎えの時間に間に合わなくなりそうになり走って出先から戻る必要もないし、子供の食事の心配もいらないし、夜はいつまでだって起きていられるし・・・まあ満喫したってその程度だけど。でも貴重なリラックス・タイムだった~。


しかし大きくなったなあ。


投稿者 lib : 11:07 PM | コメント (0)

July 25, 2010

イギリスのサービス業 Hの巻 2

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*最後に素敵なイベントのお知らせがあります。

一脚買うのに随分苦労したが、やはりもうひとつ欲しくなった椅子。

しかし、またゲイ1やゲイ2に会うのが嫌だったので、(彼らは可愛いし、それなりに一生懸命対応してくれたが、なにぶん非効率である)駐車場のあるFロード店に車で買いに行った。

目的の椅子を見つけ、お喋りしている店員に助けを求め、この椅子が欲しい、今日持って帰りたい、と告げる。
「オーダーになります。7~10日かかります」

「そんな事言っても、もしかして在庫があるんじゃない~?」

と無理やりコンピュータをチェックさせると、やはり無いとの事。

1週間後にはホリデーに行く予定だったので7日~10日も待ちたくない。ホリデー後に受け取りに行ったら無かったことにされていそうだし。やはり在庫のあるトッテナム・コート・ロード店に戻った。

前回と同じ場所に同じ椅子がディスプレイされていたが、ゲイ1は見当たらなかった。

近くにいた女性店員に同じ事を聞き、同じ返事をされ、同じ様にコンピュータをチェックしてもらうと、

「あ、4つ在庫があります。今ウエアハウスに確認します」
と言われた。

彼女はゲイ1と違い、電話でウエアハウスに確認した。

「カスタマーが椅子を今日持って帰りたいと言っているんだけど・・・椅子の名前は・・はい?椅子はひとつもない?全部オーダーになる?」

ウエアハウスのいかつい兄ちゃんから、椅子の名前や商品番号も告げる前に「こんなところに椅子など一つも無い」と宣言されたようだった。椅子がひとつもない家具屋のウエアハウスってなんなんだよ。

「でも、コンピュータによると4つある筈だよね?」

「そうなんですけれど・・・あ、もしかしたら4つディスプレイされているのかも。上の階にいるマネージャーがいいと言ったら売ってもらえるかもしれません。でもその場合、ディスカウントはしませんけど」

でたー。客が「売ってください」と懇願して売っていただく、イギリス小売業の真骨頂。

パン一切れを買うために吹雪の中、長蛇の列に並ばなければならなかった旧ロシア政権下の人々に思いを馳せながら、上の階のマネージャーに 
「不特定多数の誰のお尻が座ったかもわからない傷だらけのディスプレイ商品を、値下げなしで売ってください」
と頼みに行く。

メガネをかけた誠実そうなゲイ定員3(以下ゲイ3)に事情を話し、マネージャーに聞いてもらっている間に初老のカップルが同じ椅子を気に入った様子で見ていたのが気になったが、案の定ゲイ3は申し訳なさそうな顔で戻ってくると、
「やはり同じ椅子を欲しいお客さんがいて、たった今二脚売ってしまったんだ」

「そうなんだ。でもまだ二脚残っているはずだよね?現にそこにあるし。」

「この商品は製造中止になっていて、後からもっと欲しいと思ってももう買えないけどそれでもいい?」

「いいよ。」

「マネージャーに聞いてくる」

-10分経過ー

「ごめんね、マネージャーがこの椅子は売れないっていうんだ。」

「なんで?」

「このテーブルとコーディネートしてディスプレイしてあるから、ディスプレイのコーディネート上、コーディネートが不完全になるディスプレイはなんのかんの・・・・」

「でももう製造中止って言ったよね?もう売らない椅子をディスプレイする意味があるの?」

「意味が通らないって思うかもしれないけど、マネージャーが、ディスプレイがコーディネートでコーディネートがディスプレイだからディスプレイのバランスが崩れるとコーディネートがディスプレイで・・・・」

誠実そうなメガネゲイ3が申し訳なさそうに必死で言い訳するのを聞いているうちに、彼が可愛そうになってきたので

「いいよ、世の中には不思議な事がたくさんあるものね」

とその場を去った。

長々と書いたが、私はHの店員に文句を言いたいわけではない。彼らはそれなりに誠実に、一生懸命(注: British standardによる)対応してくれた。私が驚愕したのは、21世紀の今、こんなInefficientなビジネスのやり方をして、それでも尚人々の支持を受けるHの存在である。
スエーデン家具のIや、カタログショッピングのAの効率的なサービスに加え、アパレルメーカーや最近はM&Sまで家具市場に参入して競争は激化しているようだがそれでも淘汰されるどころか、支店数を増やしているようだもの。

大体、たかが椅子一脚買うのに7日~10日も待たなければならないって何なんだ。
偶然同じ頃、日本で買ったビデオカメラが壊れたので次の帰国時に修理してもらおうとメーカーのサービスを調べたが、家に引き取りに来てくれて、修理して、また家に届けてくれて通常5日間だそうだ。

精密機器を修理してデリバリーを2回が5日間でできるのに、なぜセンターに在庫があると分かっている椅子一脚を受け取るのに7~10日かかる。そしてもう一度足を運んで取りに来いだと。しかもデリバリーを頼んだら50ポンド。(ビデオカメラメーカーの引き取り&お届けサービスは1000円台)

つくづく、イギリスのアッパーミドルクラス文化っていうのはお気楽というか呑気というか、前時代的というか、いまだにこんな殿様商売が成り立っているというのが、久々にブログを更新するほど(エヘ)びっくりした出来事でした。
コンラン、いつまでもこんなやり方で済むと思うなよ。覚えてろよ。

皆さん、Hで買い物するのは「なんちゃって日本茶碗」位にしておいて、家具は買わない方がいいですよ。まあ大きな家具ならどうせデリバリーだからいいかもしれないけどね。

*一気にHの悪口を書いたので、埋め合わせにHの集客に協力するイベントを企画しました。
 トッテナム・コート・ロード店にて、夏休みスタンプラリーを開催します。
 店内で、本文のヒントをもとにゲイ1・ゲイ2・ゲイ3店員を見つけましょう。
 全員見つけて3つスタンプを集めたら、「H特製・なんちゃってどんぶり」を貰えるかもしれません。
 もし貰えなかったら、店員に連絡が行き届いていないためでしょう。
 
 

投稿者 lib : 01:52 AM | コメント (7)

July 24, 2010

イギリスのサービス業 Hの巻 1

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私は椅子が欲しかった。

シンプルで、場所をとらず、とびきり座り心地のいい椅子だ。

ひとつでいいのだ。いくつかの家具店やオンラインで探した結果、ミニマリストのミドル・クラスの御用達、Hのオンラインで理想的と思える椅子を見つけた。

椅子は座り心地が命。トッテナム・コート・ロードのショップで実際に座り心地を確かめ、購入を決めたが、買い物帰りで荷物が多かったので、オンラインで注文しようとその日は家に帰った。

オンラインで目当ての椅子をバスケットに入れ、支払いをしようとしたが、椅子の値段は100ポンド位なのに、なぜかTotalが150ポンドになっている。
内訳を見ると、デリバリーに50ポンド請求されていた。

100ポンドの椅子一つに50ポンドのデリバリー代? 
言っておくが私はロココ調装飾な椅子とか、取り扱い要注意のガラスの椅子を注文したわけではない。いたってシンプルな軽い椅子、たった一脚だ。

トッテナム・コート・ロードは自宅からバスで一本で行けるし、現に以前、折り畳みの椅子を買ってバスに乗って帰ったことがある。
今回の椅子は折りたたみ椅子ほど軽量ではないにしろ、空いている時間帯なら椅子ひとつ位楽勝だ。

店に行き、目当ての椅子のそばに立って店員の助けを待ったが、客もそれほどいないにもかかわらず誰も来ない。しかたなく遠くの方でお喋りしているゲイっぽい店員2人に近づいて、「ちょっといいかしら」とヘルプを求める。

外国人アクセントのゲイ店員1(以下ゲイ1)に、
「この椅子が欲しいんだけど、今日持って帰れるかしら?」(もちろんYesだろ。椅子ひとつだもの)
と聞くと、
「No, オーダーして、7日~10日後に受け取ることができます」
と言われた。

「えええっこんな椅子ひとつ、在庫がないのお?」
と派手に驚くと、
「ちょっとチェックしてきます」
と彼は消えた。

うん、イギリスの店にしてはチェックに行くだけ感心、と思って待ったが、待てども待てども戻って来ない。
15分ほどして、やっと戻ってきたゲイ1は
「何も在庫がないんだ。」
と申し訳なさそうに言った。

「他の店にないか、チェックしてみるよ」
一生懸命コンピューターをたたくゲイ1。
うん、他の支店の在庫を確認するとは、イギリスのサービス業にしては気がきいている。感心感心。

「うーん・・・Rストリート店にもFロード店にもひとつもないな・・・。でも大丈夫。オンラインで注文できるよ。」

「そうしようと思ったんだけど、たかが100ポンドの椅子ひとつに50ポンドもデリバリー代とられるのよ。だからここに来たのよ。」

「ええ?オンラインでも50ポンドもとられるの?うちの店からデリバリーすると50ポンドかかるけど、オンラインでもそんなにかかるとは知らなかった。」

「・・・・・」

「あっ、この椅子、もう製造中止って書いてある」

「ええ?そうなの?じゃあ、本当は茶色が良かったけど、黒は?」
 
「(カタカタカタ)・・・・うん、黒ならうちに在庫がある。」

「じゃあそれでいいよ。座り心地がいいから色は妥協する。」

「ちょっと待って。今倉庫に在庫確認してくる」

-再び15分経過-

小躍りしながら戻ってくるゲイ1。
「あったよ、あった。茶色があった。」

「さっき無かったのがなんで突然現れたのかわからないけど・・・まあラッキーだね。じゃあそれをもらうよ。で、どこに?」

「デリバリーする?持って帰る?」

「(話聞いてなかったのかよ) 持って帰る・・・・」

「一度店を出て、ウエアハウスに行って。」

「は?ここでくれないの?」

「申し訳ないけど、ウエアハウスで受け取ることになっているんだ。はい、これが地図。」

やれやれ、時間がかかったけどやっと買えた、と額縁売り場を横目に見ながら出口に向かっていると、チャイニーズ系のゲイ定員2が、’May I help you? My friend?' とお尻をくねくねさせながら近づいて来たので’I'm fine' と早足で店を出る。

店から数分歩いたところのウエアハウスは、重たそうなシャッターが閉まっていた。先ほどの店内とは打って変わった雰囲気だ。
ゲイ1の指南通りに、シャッターの隣のブザーを押して、「椅子を受け取りに来たんだけど」とインターホン越しに告げる。

そのまま真夏の太陽が照りつける路上で待たされた。

-10分経過ー

ガラガラとシャッターの開く音がすると、先ほどのゲイ店員とは打って変わった雰囲気のいかつい男性スタッフが椅子をぽん、と渡してくれた。なんだか不機嫌そうだ。レシートをちらりと確認すると、またガラガラとシャッターを閉めた。
店のシステムに従ってオーダーしていれば彼の手を掛ける必要もなかったのだ。「うちはア○ゴ○とは違うんだよ」とでも言いたかったのだろうか。それとも彼の昼寝の邪魔をしてしまったのだろうか。

-椅子ひとつ買うのに随分な苦労だったな・・・・

それでも家に持ち帰った椅子はやはり座り心地が良く、もうひとつ欲しくなった。

つづく

投稿者 lib : 11:39 PM | コメント (0)

July 15, 2010

ケンブリッジ大学卒業式

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ギリシャの話の途中だが、ケンブリッジ大学の卒業式を見に行った。友人の息子M君の卒業式である。わざわざ誘ってくれたのだ。

さて、まずはドレスコードだ。昼間用フォーマルとのことで、膝丈ワンピースに帽子をかぶった。ロイヤルアスコットで学んだことだが、帽子は本当に便利。少しくらいドレスがしょぼくても、30ポンドの帽子でフォーマル率が30%アップというギャランティつきである。ちょっと、蒸し暑いのが難であるが・・・。

卒業式のスケジュールはこうだった。

11:30 - 13.15 
構内のカフェテリアとその前のガーデンで、ワインとサンドイッチ、フィンガービュフェの軽食。お、シャンペンがある。お祝いだし、いただきましょうかね。片手に皿、もう一方の手に飲み物。やたらと人に紹介されるのだが、両手ともふさがっていると、すぐには握手ができない。そのうち、片手で皿と飲み物を持つというアクロバティックな技を身につけた。指がストレッチして痛いが我慢。

13:15 - 14:00
構内のチャペルで卒業の・・・講話? 教授数名から卒業のお祝いのスピーチがあった。パイプオルガンに合わせて聖歌隊がコーラスを披露し、参加者全員 (卒業生とそのゲスト)も起立して賛美歌を斉唱。賛美歌なんてひさしぶり。賛美歌は単純な歌詞と単調なメロディなので、一緒にふにゃふにゃと口パクしているうちに、3番くらいになると一緒に歌っている気分になるから不思議。宗教色を排除したイベントが多いこの頃、この伝統的な式典はなかなかイギリスっぽい。
チャペルを出るときに、「寄付金の皿」を学生が持っている。ふと見ると、5ポンド、10ポンド札しか載っていない。ううむ、卒業式につけこんだ悪徳商法(商法じゃないか・・・)である。新しく免許を取った途端に献血の呼びかけをされ、免許所得の喜びに、ついふらふらと献血をしてしまうのと同じだ。仕方なく、5ポンドを寄付する。さっき、シャンペンも飲んだことであるし。

14:00 - 14:35
卒業生全員の写真撮影。このカレッジは150名くらいのようだ。M君も真ん中でにっこりしている。よかったね。
この後、彼らはガウン姿のまま、卒業証書を授与される Senate Houseまで街を歩く。このガウンはロンドンの「アイスバー」の防寒マントにそっくり。って、アイスバーのほうが真似たのか。でも、角帽はなし。角帽は教授だけのようだ。

15:20 - 15:50
Senate Houeseに移動して、授与式になった。ここで限られたゲストだけが招待券を見せて入場。ケンブリッジは30くらいカレッジがあるそうで、キャンパスはそれぞれ違うが、卒業式は全校この建物で行われるらしい。6月の数週間、カレッジ別に午前中に数校、午後に数校の卒業式がここで開かれる。プログラムには当日が卒業式のカレッジの名前と卒業生の名前と学部が載っていた。 

学長はサンタクロースみたいに白いふち取りのある赤いマントを着ている。この日は暑かったので、サウナのサンタだ。M君の額からも汗が吹きだしている。卒業生は4人ずつ呼ばれ、学長の前でひざまずき、証書を受け取るのが伝統・・・でも、ひざまずくのに抵抗がある場合は立ったままでOKだそうで、10人に1人くらいはお辞儀だけして立ったままでいた。

30分くらいで式は終わり、前庭で記念撮影と額縁の販売だ。A4くらいの卒業証書をカレッジ名の入った額に入れてもらうと・・・額縁が50ポンドだとー?学長の前でひざまずいたときの写真が20ポンド、庭で記念撮影をして、その写真と額縁そして送料・・・友人は200ポンドくらい払っていた。卒業につけこんだ悪徳商・・・。いや、一生に一度の記念ですからねえ。ここでケチってもしかたがないというか・・・。 

もてもてのM君は卒業生、在校生、女の「友人」に囲まれ、カフェテリアのディナーレディ(給仕係)のおばちゃん達の全員からも名残惜しそうな挨拶を受けていた。おまけに携帯には留学中にできた「友人」(もちろん女)からも国際電話が入っていたし・・・。がんばったのは勉強だけじゃなかったようである。

が、就職は決まっていない。ケンブリッジ卒業生でもこれである。「就職氷河期」なんだねえ。イギリス経済、まだまだ厳しいです・・・。

PS.M君のカレッジは設立されたのが最近のニューカレッジで、「一般の会社員」レベルの親を持つ公立学校出身者が多いらしい。伝統あるカレッジはプライベートスクール(年間学費1万ポンド)か、もっと古いカレッジはパブリックスクール(年間学費3万ポンド)の出身が多く、「ちょっと、飲みに行くか?」はニューカレッジではパブ(一夜20ポンド)オールドカレッジではシャンパンバー(一夜200ポンド)だそうである。カレッジ間の格差は学問ではないらしい。

投稿者 lib : 02:26 PM | コメント (0)

July 01, 2010

ギリシャ旅行 その2

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ホテルへの道すがら、公園にたむろする得体の知れない男たち・・・。日本から来ている親戚の子の顔には (治安は大丈夫なのか・・・?)という表情が浮かんでいる。 ロンドンでいえば、ハックニーかブリクストンの一部といった雰囲気で、夜ひとり歩きはしたくない感じである。

この公園の雰囲気に慣れるまでに少し時間がかかったが、どうやらギリシャの出稼ぎの人たちが 「公園に集まり、何をするでもなく、友達とウロウロする」のは社交のお約束のようである。 イギリスでもパブの中にはテーブルや椅子があるにもかかわらず、なぜ、わざわざ外で、しかも立って飲むのか? という疑問があるが、ギリシャも同じく 「社交の場とその集い方」 が公園ウロウロだと思われる。危険はないようだ。

公園といい、路上といい、露天商 (というほどのものか?)が多い。 アフリカ系は偽ブランドバックを地面に敷いたシーツの上に広げるか、サングラス(レーバンが中心、っていうか、レーバンのシールが張ってある)を折りたたみ式のテーブル(台になるダンボール箱は中国語のメーカー名入り)。 商品もシーツの大きさも同じため、 「のれん分けフランチャイズ方式」と思われる。 一度、夕方にいっせいに店じまいするのを見たため、思わず時計を見て、 (8時40分が閉店時間か?) と思ったが、警察のパトロールが来たらしい。 いちおう、非合法なわけね。 シーツなら並べてある商品をくるりと包めるし、折りたたみ式のテーブル上のサングラスはゴムで止めつけてあるため、あっという間に撤去が可能で、店開きも1分である。

アジア系はソックス、下着、台所用品と小物の商いだ。 このほかに子供の握りこぶしくらいの大きさでトマトや豚の形をしたゴムボールを売っている。 これを30センチ四方の合板の上に叩きつける。 と、ボールは生卵を割ったようにびょーんと広がる。 で、しばらくすると元の形にもどるというものだ。 私はこれが欲しくてたまらず、いつも横目で見ていたのだが、こんなものを・・・と思われるのがイヤで我慢していた。 ・・・最終日まではね。 結局、数個買って、イギリスで試したが、アテネと違って気温が低くボールが硬くなっているのか、叩きつけ技術が未熟なのか、イマイチうまく広がらない。 現在、練習中である。

みんな、偉いなあ。 こうやって、外国で働きながら(たぶん正式な労働許可証はなし)自国にいる家族に仕送りをしているんだろう。 家族には 「外国で自分の店舗を持ったビジネスマン」 と思われているはずだ。 同じく外国で働いてはいるが、いまだに親からのお小遣いを当てにしている誰か(注: 私)とは大違いである。

さて、一夜明け、観光の初日である。

やはり、ギリシャの目玉はパルテノン神殿でしょう、ということでアクロポリスに向かう。 予習活動のおかげで、アテネの名所旧跡の位置関係、地下鉄の路線と主要駅、遺跡や博物館の入場料等は頭に入っている。 現在、12ユーロ、4日間有効で、アクロポリス、ケラメイコ、アゴラ、ローマフォーラムと風の塔、ゼウス神殿に入場できる。

ほほほ、私は仕事ではボーッとしているけど、遊びになるとしっかりしてるのよー!

アクロポリス駅から、まずは逆方向のゼウスの神殿へ。 イギリス人の友人は 「ズース」と発音するが、いまひとつ、ギリシャ神話らしくないなあ。 日本人の親戚の子と 「ズースじゃなくて、ゼウスのほうが強そうだよね」とひそひそ相談する。 

「全能の神、ズース」 ほらね、いまいちでしょ?

そういえば、英語で 「まるでギリシャ語だ」という表現がある。 「わけがわからない」 「意味不明」 という意味らしい。 たしかに表示がギリシャ文字だとシグマだのベータだの、数学の時間を思い出す。 ホテルはビクトリア駅の近くだったのだが、英語表記の上のギリシャ文字は B (たぶんベータ)で始まっている。 日本人の苦手な V だが、「ヴィクトリア」 なら、V 始まりだろうと思うと大間違い。 英語圏の頭には大混乱であろう。あてね市、びくとりあ駅。

さて、ゼウス神殿。 デカイ! 柱しか残っていないのだが、天に届こうかという大きさだ。 ああ、アテネに来たんだな、と、しみじみと感じる光景である。1本の柱は横倒しになっていて、おでんの大根のように輪切り状態になっている。 そうか、倒れることもあるのか・・・。ここで地震が起こって、柱の下敷きになったりしたら、ヤバイ。ギリシャ神話は他の神話に比べて、天罰の下り率が高いし、危険である。 早く次に。

次はパルテノン神殿のあるアクロポリスの丘だ。 この日は第一日曜日で入場料は無料。 ユーロに対してポンドが弱い今、倹約できるものはしなくては。 さて、坂道を上がって、上がって、上がって・・・どこにあるんだ、パルテノン? できれば、矢印が欲しい。 名所は観光客の行く方向についていけば、いつの間にか到着しているものだが、観光客は不規則な動きを取り、一定の方向に進んでいない。 もしかして、道に迷ったかもと思い始めた頃、山の上に向かうような道が見えた。 ギリシャ政府にもう一度、言いたい。 わかりやすい矢印を立ててくれ。

続く

投稿者 lib : 04:34 PM | コメント (2)