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August 29, 2010

Sustainability

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シンガポールを除いては、アジアに足を運ぶチャンスがこれまで無かっ
たが、今年、上海へ2度ほど滞在することができた。どちらも1,2
泊の短期であり、万博を見学するほどの余裕は無かったが、初めて行
く外国での体験は、それがどこであれ文句なしに面白い。ここでは、
まずはタクシーに度肝を抜かれた。これまでは、イタリアあたりが僕
のタクシー運転手の、やんちゃ度トップに位置していたが、もはやレ
ベルが違う。船でも車でも乗り物に酔うということは無いが、二日酔
いで乗ったタクシーでは、さすがに顔色が青くなってくるのが自分で
も分かった。

一昔前の東京の渋滞はひどく、あちらこちらでクラクションが鳴って
いたように思う。団地では必ず布団や洗濯物が外に干されていた。上
海の現在は、非常に似たような状況になっているが、このタクシー運
転手のように、少しでも前へ前へという、ある種の力強さは、当時の
日本人以上に大きいのではないか。高成長率を維持し、今年中には日
本を抜いてGDP2位となる中国の街は、さすがに活力があるし、成長
指向というか、なりふり構わず度というか、その辺りはより昔の西洋
人的であり、かつ個の抑制力としての宗教が無いというあたりは、外
から見れば不気味であり、その不気味さは日本人が当時持っていたも
のより大きいだろう。拒否権を持つ安保理常任理事国であるこの国の
発展を祈るとともに、不気味さへの健康的な継続した投資を祈る。

成長が止まったときに、もしくは下降が始まる前に、何をすべきかと
うことをぼんやりと考えることが多くなった。この広大な上海という
街も、数十年後には少なくとも安定期を迎えるという歴史の摂理を避
けることはできないであろう。そしてその頃、日本はどういう国家に
変わっているのだろうか。英国はサッチャーさんという解でもって、
一つの老大国の型を示した。

会社、寿命30年説というのがあるらしいが、中小企業ではもっと短
いだろう。これは現在東京で書いている。当社は来年で10周年とな
る。少し距離をおいて当社の現在のスタンディングとその10年後を
あれこれと考えている。成長が遅鈍であった分、まだまだいけるはず
だ。

投稿者 lib : 09:27 PM | コメント (0)

August 24, 2010

ギリシャ旅行 その3

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さて、ギリシャ旅行のキモ、パルテノン神殿である。この一帯をアクロポリスというらしい。 少女像の柱に支えられたエレクティオンや円形の劇場がふたつ。 ギリシャ悲劇を上演したり、グラディエーターの戦いを鑑賞したのだろうか? 

埃っぽい坂道をゼイゼイ言いながら登ると、大理石の建物がいくつもドーンとりっぱな・・・柱だけ残って半分壊れた状態で建っている。 (ギリシャ未経験の皆様、パルテノンが崩れる前に行った方がいいですよ。 ちょっとヤバイかも) 屋根もほとんど崩れて建物の中は空間だけ。 しかし、真っ青な空に伸びる大理石の柱は堂々たるもので、うすピンクがかった大理石、真っ白な大理石、やや灰色がかった大理石、と多種である。 同じく大理石でも色合いが違うのは産地が違うらしい。 

ギリシャではうらびれたアパートでも玄関の階段は大理石だったりする。 大理石といえば日本では豪華な素材だが、このあたりでは安い石なのかもしれない。 いやー、その予算じゃ、大理石しか使えませんよ、みたいな。 しかし、ストーンヘンジを見に行ったときにも思ったのだが、どうやって石を運んだのだろう? パルテノン、力いっぱい山の上である。 

奴隷 (当時の運送手段) ご苦労さんである。 建造は紀元前5世紀頃。 なんせ、暑いギリシャだ。 1年の内、半年は暑過ぎて仕事にならなかったと思われる。 夏でなくても1日の内、朝の数時間と夜の数時間の涼しい時間だけ働いていたかもしれない。 みんなおっとりしてるから、時間に追われず、のんびりと建てた気もする。 奴隷といえど、オリーブをつまみに、ギリシャワインを飲んで、午後の労働の前に、木陰で少しお昼寝。 だから、200年かかったとしても、実働は正味50年だったかもしれない。

かどうかはともかく、数100年かかって建てても、その後、2500年経ってもで観光客が訪れているので、公共施設への投資としては優秀。 崩れなければ、まだ観光収入があるだろうし。

歴史と言えば、アテネの国立考古学博物館で見た年表は紀元前8000年前から始まっていてびっくり。 普通、歴史の0地点、キリストの誕生から始まるもの。 キリストが生まれる8000年も前からなんて、一味違う。 こんなものを見ると、西洋史2000年間なんて鼻先で笑われそうである。 200年しかないアメリカの歴史をイギリス人は馬鹿にするが、自分たちもギリシャに比べれば 「チッ、たかだか2000年の歴史しかないくせに」と言われそうだ。 ギリシャに行って以来、イギリスのテレビ番組で 「この城には300年の歴史が・・・」などと聞いても、「歴史? 新しいじゃん・・・」と苦笑いがもれるようになってしまった。 

・・・でも何で一万年もの文明を誇るギリシャが国家破産状態なんだろう? ってことは、現在世界2位の豊かさを誇る日本だって、滅びる可能性が・・・やめよう、縁起でもない。

新アクロポリス博物館に入った。
ガラスをふんだんに使ったモダンな建物は坂の上のパルテノン神殿同様に中身は空っぽ。遺跡の上に建てられていて、下の遺跡を見ながらガラスのフロアを歩くのだけど、(ギリシャの建築安全基準を信じてもいいのだろうか・・・) と不安をあおるようなガラスの床である。そして、広々とした空間は・・・スカスカである。 

館内ではパルテノンの歴史を放映していたが、「イギリス人の考古学者に重要な歴史の遺物をさんざん盗まれたため、ここにはほとんど展示物が残っていない。イギリスに抗議する返還運動に皆さんも協力してください」と言っている。 イギリス人の友人は 「そういえば、入館時に国籍を聞かれたが、イギリス人と言ったから入場料が高かったのかも・・・」と余計な勘繰りをしていた。

と、展示物の乏しい博物館であるが、ここのカフェ・レストランは一面のガラスウォールからアクロポリスを見上げるような構造で眺めは最高だ。 夜はライティングされてきれいだし。 ミュージアムカフェなのに料理もおいしい。安くはないがお勧めである。

さて、アテネの衛兵交代を見物するためにシンタグマ広場に向かう。
・・・しかし、衛兵というのは世界各国、奇妙な格好をしているものなのか? ギリシャの衛兵の靴はポンポンつきのフラットシューズである。 ハイソックスには房飾り。 で、きわめつけはスカート。 なぜ、兵隊がスカートを履くのか? あまり強そうに見えないのだけど、いいのかしらん? スカート姿でポンポンつきの靴にハイソックスで攻めてこられたら、腰砕けして戦意を失ってしまいそうである。あ、それが狙いか?

この衛兵隊は異常に背が高い。 南ヨーロッパ人の体型は比較的小柄で、ギリシャ人も大きくないが、衛兵はこの国の平均身長とはかけ離れている。 聞けば、背が高くて、ルックスのいい男だけを徴用しているらしい。 見栄えのいい衛兵隊にするためだろうけど、スカートにポンポンシューズじゃ男らしさには欠けるなあ。(ポンポンシューズはおみやげで売っています。 ルームシューズにいいかも)

投稿者 lib : 09:54 AM | コメント (0)

August 04, 2010

英国の医療

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なんていったって、日本人からは評判が悪いNHS。まあ、その気持ちはわかる。GPで予約をするのに時間がかかる、好きな病院にすぐに行けないとか、日本と違う点で不便さを感じ文句を言う人が多い。 しかし、緊急でかかった友人達は、口を揃えていうのは「この国の医療は、緊急になるとすごい威力をはっきするよ。」と評価は高い。それに、英国にいるとGPシステムの不便?さで、医者にいかなくなる。私は日本にいる時は、毎冬、喉を痛めて、耳鼻科に通院していたが、これに相当する機関に直接いけないせいか、最近は医者いらずだ。これで、いいことだよね?

最近のGPは、予防医学を大切にしているらしく、病気になる前に悪い芽を摘むように対処している感じがする。病気になったら医療費が更にかさむからだろう。太り過ぎの人には、ダイエットをすすめ、喫煙者のは煙草はやめるように話す。ちょっと具合が悪いと、検査もすぐにしてくれる。先日、たいしたことはないが,昔から調子がよくない箇所がちょっと悪化してきた気がしたので、専門医に会いたいとGPのドクターに頼んだ。快く対応してくれた。しかし、、、専門医からの手紙が3週間たってもこないので、GPに行き、受付で説明すると「手紙が3週間もこないのは普通よ。」なんて取り合ってくれない。よーし、私の気前のいいドクターに会うアポを取ろうと思ったら、今週はもういっぱいで、 翌週のアポは来週に月曜日以降にしか予約できないという。「わかったわよ、来週来るわ。」と帰宅した。翌日、専門病院より手紙が来た。「あなたは、まだ予約をしていないので、手紙をだしました。予約は、電話がWEBで行ってください。」そうか、すでに手紙は送られていたのだ。おそらくこれは、問題のある郵便関係のせいで届かないのだろう。(この話は、別の機会に!)
レターには、予約するためには、GPからの入力コードがいるという。コード??ってなに?あくる日、またGPに行き、コードNOをもらいにいくと、すでに私に手紙で送っているはずだけど、、、といいコードNOを教えてくれた。まだまだ郵便事情か、それともまだ未投函か、、、不明。
早速、もらったコードを入力し、ウェブで予約をしてみると、なんと2ヶ月先迄予約は取れない。ああ、これがなかなか予約がとれないっていうことだ。と思い、ともかく予約を入れた。さて、予約の数日前になると、なんと携帯にテキストが入った。「あなたの予約は、◯月◯日何時からです。もし、来れないのでしたら、連絡をくれるように。」と。すごい現代のテクノロジー?を駆使しているぞー。予約もウェブだし、こうして、リマインダーも送るんだ!と感心して診察にいった。9時30分という比較的早い時間に予約したのに、診察をしてもらったのは1時間後。診察の結果、ちょっと検査が必要だか、緊急性を要しないので時間がかかるわ。と言ってかえされた。2日後、手紙が届いた。診察してくれたドクターの名前と次回の検査は、17 Mayと書かれていた。えーっと今はAugustでしょう。Mayって5月。あれ、もう過ぎているじゃないの。え、、2011年。え、えええええ、来年の17MAYーーーーーー。
そして、追って来た手紙には、 「あたなの検査は、8月5日です。以下の病院に来てください」と書かれていた。検査は比較的早くできることになったが、おそらくこの結果とともに、専門医にあうのは、来年の5月になる。9ケ月前のデーターで診察してもらっても意味あるのかな? 明日がその検査の日だ。この疑問を投げかけてみるがどう対応してくれるかな? 英国の医療システム、やっぱこれでいいの?

投稿者 lib : 03:07 PM | コメント (0)

August 03, 2010

Hi again

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なんらのお知らせもなしの長期の中断をお詫びいたします。

頻度はあてにならぬが、本Blogを再開させてもらうことになった。こ
の一年、山に篭ってというか、現実には地下室に潜って、人様にもま
ったく会わず、不義理を続けながら、新しい事業と格闘してきた。新
事業というと攻めのイメージだが、その仕込みの最中は、完全に精神
的守りの毎日となり、めげる。ようやく最初の第一歩、二歩ぐらいを
進めることができたと思う。これから攻めに転じられるかと思うと、
ありがたく、嬉しい。ここ2,3年が楽しみである。

この間にも世間は動く。我が家には昨年夏、2番目のミニが出現し、
先月1歳の誕生日を迎えた。上のミニは典型的トドラーでしばらく大
変なことになっていたが、現在2歳半、食事を一人でできるようにな
り、また言葉を解すようになり、なにかと楽になった。ちなみにミセ
スは同一人物なのでご安心を。

日本にはこの間もしばしば出現している。たまたま参院選の前後に函
館に帰省し、ゆっくりと新聞なんぞを読むことがかなった。選挙日の
前日には、民主党、自民党、一面を使った広告が各紙に掲載されいて
いたが、まあどちらも腰が抜けるようなしろものだった。

管さんは、消費税に触れたことの謝罪と訂正だ。選挙の前日にである。
長年、国のリーダーを目指してきた人たちが、どうしてこうも、”大
事の時”にブレられるのであろうか。リーダーたるものの素養、基本
中の超基本であろう。当社であれば、主任レベルでさえこうしたブレ
はこっぴどく叱られ、減給対象間違いなし。

自民党はまだましだったが、なぜ小泉さんのご子息の写真をいきなり
載せるのであろうか。個人的には小泉さん(お父さん)を大変高く評
価しているが、そのご子息のことは全く知らぬ。国民がそれを知るこ
とができるような若返りを、自民党は現時点では全くしておらん。若
手が亀井さんと郵政問題で一騎打ちできるようなお膳を作ってからに
すべしである。

そして、谷さん(柔道家)が当選した。いかなる理由で日本国国民は、
この人に日本国参議院議員への一票を投ずるのであろうか。世も終わ
り。

色々な新しい党ができあがった。ある新党のWebサイトの貧弱な外交
政策記述をどうかと思い、より施策指針を明記して欲しい旨メールし
てみたところ、”貴重なご意見云々・・・今後ともご指導ご鞭撻云々
・・・”と返ってきた。頭にきて、私のような平民をご指導するのは
あなた方であろうと返信したところなにも返ってこなかった。
日本のどこの党も外務は2の次らしい。円高、高齢化、外に向かわず
してどう施策していくつもりなのであろうか。

僕が、日本という国と多少の精神的距離感を置かざるを得ないのは二
つある。ひとつはこれらのことであり、もうひとつは東京の夏の暑さ
である。後者はなんとか我慢できる。

歳を重ねてさらに愚痴っぽくなってきた。が、またよろしくお願いし
ます。

投稿者 lib : 01:04 PM | コメント (3)