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August 24, 2010

ギリシャ旅行 その3

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さて、ギリシャ旅行のキモ、パルテノン神殿である。この一帯をアクロポリスというらしい。 少女像の柱に支えられたエレクティオンや円形の劇場がふたつ。 ギリシャ悲劇を上演したり、グラディエーターの戦いを鑑賞したのだろうか? 

埃っぽい坂道をゼイゼイ言いながら登ると、大理石の建物がいくつもドーンとりっぱな・・・柱だけ残って半分壊れた状態で建っている。 (ギリシャ未経験の皆様、パルテノンが崩れる前に行った方がいいですよ。 ちょっとヤバイかも) 屋根もほとんど崩れて建物の中は空間だけ。 しかし、真っ青な空に伸びる大理石の柱は堂々たるもので、うすピンクがかった大理石、真っ白な大理石、やや灰色がかった大理石、と多種である。 同じく大理石でも色合いが違うのは産地が違うらしい。 

ギリシャではうらびれたアパートでも玄関の階段は大理石だったりする。 大理石といえば日本では豪華な素材だが、このあたりでは安い石なのかもしれない。 いやー、その予算じゃ、大理石しか使えませんよ、みたいな。 しかし、ストーンヘンジを見に行ったときにも思ったのだが、どうやって石を運んだのだろう? パルテノン、力いっぱい山の上である。 

奴隷 (当時の運送手段) ご苦労さんである。 建造は紀元前5世紀頃。 なんせ、暑いギリシャだ。 1年の内、半年は暑過ぎて仕事にならなかったと思われる。 夏でなくても1日の内、朝の数時間と夜の数時間の涼しい時間だけ働いていたかもしれない。 みんなおっとりしてるから、時間に追われず、のんびりと建てた気もする。 奴隷といえど、オリーブをつまみに、ギリシャワインを飲んで、午後の労働の前に、木陰で少しお昼寝。 だから、200年かかったとしても、実働は正味50年だったかもしれない。

かどうかはともかく、数100年かかって建てても、その後、2500年経ってもで観光客が訪れているので、公共施設への投資としては優秀。 崩れなければ、まだ観光収入があるだろうし。

歴史と言えば、アテネの国立考古学博物館で見た年表は紀元前8000年前から始まっていてびっくり。 普通、歴史の0地点、キリストの誕生から始まるもの。 キリストが生まれる8000年も前からなんて、一味違う。 こんなものを見ると、西洋史2000年間なんて鼻先で笑われそうである。 200年しかないアメリカの歴史をイギリス人は馬鹿にするが、自分たちもギリシャに比べれば 「チッ、たかだか2000年の歴史しかないくせに」と言われそうだ。 ギリシャに行って以来、イギリスのテレビ番組で 「この城には300年の歴史が・・・」などと聞いても、「歴史? 新しいじゃん・・・」と苦笑いがもれるようになってしまった。 

・・・でも何で一万年もの文明を誇るギリシャが国家破産状態なんだろう? ってことは、現在世界2位の豊かさを誇る日本だって、滅びる可能性が・・・やめよう、縁起でもない。

新アクロポリス博物館に入った。
ガラスをふんだんに使ったモダンな建物は坂の上のパルテノン神殿同様に中身は空っぽ。遺跡の上に建てられていて、下の遺跡を見ながらガラスのフロアを歩くのだけど、(ギリシャの建築安全基準を信じてもいいのだろうか・・・) と不安をあおるようなガラスの床である。そして、広々とした空間は・・・スカスカである。 

館内ではパルテノンの歴史を放映していたが、「イギリス人の考古学者に重要な歴史の遺物をさんざん盗まれたため、ここにはほとんど展示物が残っていない。イギリスに抗議する返還運動に皆さんも協力してください」と言っている。 イギリス人の友人は 「そういえば、入館時に国籍を聞かれたが、イギリス人と言ったから入場料が高かったのかも・・・」と余計な勘繰りをしていた。

と、展示物の乏しい博物館であるが、ここのカフェ・レストランは一面のガラスウォールからアクロポリスを見上げるような構造で眺めは最高だ。 夜はライティングされてきれいだし。 ミュージアムカフェなのに料理もおいしい。安くはないがお勧めである。

さて、アテネの衛兵交代を見物するためにシンタグマ広場に向かう。
・・・しかし、衛兵というのは世界各国、奇妙な格好をしているものなのか? ギリシャの衛兵の靴はポンポンつきのフラットシューズである。 ハイソックスには房飾り。 で、きわめつけはスカート。 なぜ、兵隊がスカートを履くのか? あまり強そうに見えないのだけど、いいのかしらん? スカート姿でポンポンつきの靴にハイソックスで攻めてこられたら、腰砕けして戦意を失ってしまいそうである。あ、それが狙いか?

この衛兵隊は異常に背が高い。 南ヨーロッパ人の体型は比較的小柄で、ギリシャ人も大きくないが、衛兵はこの国の平均身長とはかけ離れている。 聞けば、背が高くて、ルックスのいい男だけを徴用しているらしい。 見栄えのいい衛兵隊にするためだろうけど、スカートにポンポンシューズじゃ男らしさには欠けるなあ。(ポンポンシューズはおみやげで売っています。 ルームシューズにいいかも)

投稿者 lib : August 24, 2010 09:54 AM

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