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September 06, 2010

ギリシャ旅行 その4

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アテネの地下鉄に乗り込んだ。 オリンピックのときに建設されたようだが、何もここまでしなくてもという豪華絢爛さである。コベントガーデン程度の駅をヒースロー空港の発着ターミナル並みの大きさにしあげたような仰々しさ。 一時に1000人は移動ができそうな規模の階段を歩いているのは20人くらい、と優雅だ。

(国家破産の元凶はここか・・・)と、外国人の私にもわかる予算超過設備である。 もちろん、観光客には便利でいいのだけど。

でも、ギリシャ人は国家破産状態をあまり気にしていない様子だ。 考えてみれば、アクロポリスの建立もそうとうお金がかかったはず、でも2500年後の今も国家の誇りだし、観光収入を得ているし。 たぶん、地下鉄建設費も10年単位での清算は頭になくて、 「ま、500年位で元が取れれば、OK」 と長期間で辻褄を合わせるつもりかもしれない。 さすがは8000年の歴史年表のギリシャ、スケールが違う。 2000年文明の私たちには太刀打ちできません、って。

さて、ある朝、地下鉄は混雑していた。ドアが開くと後ろからドッと人が流れこみ、押し込まれるように中に入った。 と、親戚の子が 「バックが・・・」 と焦っている。 てっきり、バックがドアに挟まりそうになったのかと思い、「ハンドバック! ハンドバック!」と叫んだ。 (私はかなり声が大きい。 普通に話しても大きいので、叫ぶと相当である) と、あれほど込み合っていた入り口がさっと潮が引くようにガラガラになり、ぽつりと私たちだけが残されていた。

親戚の子は 「バックを引っ張られて、取られそうになった」 と呆然としている。 ふと見ると、私のバッグも開いている。 ラッキーなことに親戚の子の財布はかなり奥にあって無事。 私のバックはファスナーがたくさんついていて、開けられていたのは 「使用済みティッシュペーパーのセクション」だった。 ふふふ、「そこは、はずれ」だ。

まわりのギリシャ人乗客に 「大丈夫?」 と心配され、イギリス人の友人も慌てて駆け寄ってきた。 私が大声を出したせいで、数人の男たちがさっと電車から降りて逃げたらしい。 ふたりの日本人観光客という 「上物のカモ」 を5-6人で狙ったくせに空手で逃げたスリ団。 腕が悪いぜ、商売替えたほうがいいんじゃないの? (と、被害に逢わなかった途端に態度が大きくなる私である)

日本人は狙われやすいというのは本当だ。 皆さん、気をつけましょう。 敵の目をごまかすためには、私のようにファスナーがいっぱいついたショルダーバックを斜めがけにし、あちこちに 「使用済みティッシュペーパー」 を入れてスリを混乱させましょう。 いざ、買い物というときに、なかなか財布が出てこないという弱点はありますが。 また、干からびた蛙の入った偽財布を入れておく、とか、ファスナーに毒を塗っておく、とか、バックの中にネズミ捕りを仕掛けておく、といったスリ対策も効果的かも。

と、スリ団の魔の手を逃れた後、アクロポリスの他に2ヶ所の丘に登った。
ひとつはリカヴィトスで、ニューヨークならパークアヴェニュー、ロンドンならメイフェアといった雰囲気のアテネの高級住宅街コロナキの近くにある。 おしゃれな家々の間を抜け、急な階段を延々と登る。 アテネはスニーカー必須の街だ。 朝、黒のスニーカーを履いて出かけると、夕方には埃にまみれた真っ白いスニーカーでホテルに戻る毎日だった。 かなり上まで坂を上るとアリスティポーからフニクラ (登山電車?) に乗り、頂上へ。 フレンドリーなギリシャに珍しく無愛想なおばちゃんから、切符を買い、まるで遊園地の乗り物のように急勾配の電車に乗り込む。

リカヴィトスの頂上では観光写真を撮って売りつけようとするおじちゃんを軽くかわし、アギオス・ジョーギオス (発音不明) 教会へ。 真っ青な空に真っ白な丸屋根のギリシャ協会。 これよ、これ。これが私のイメージするギリシャ。 サングラスのせいで、色彩にブラウンがかかっているので、時々、サングラスをはずして青と白のコントラストを楽しんだ。 そういえばギリシャの国旗も青と白だし。いいなあ、ギリシャ。

白人に比べ、瞳の色が暗い日本人にサングラスは必要ないといつも思っていたけど、この日差しはサングラスなしでは目が開けていられない強さだ。 ついでに言えば、帽子なしで歩き回ったため、頭皮が日焼けした。 イギリスに帰ってから頭皮がむけ始め、巨大なフケ状の頭皮をビラビラさせながら会社に出て、ひんしゅくを買ったのである。 皆さん、ギリシャ旅行にはサングラスと帽子をお忘れなく。マジで。       

もう一ヶ所はフィロパポスの丘だ。 あまり有名でなく、ひと気も少なかったが、アクロポリスのすぐ隣の丘で同じくらいの高さなので、ここから見るパルテノン神殿の眺めは最高。 わさわさ観光客がいないので、のんびりできるものの、ほとんど人が歩いていないので、女の子ひとりで行くのは少し不安かもしれない。 グループでどうぞ。ふもとにはソクラテスが投獄されていたという洞穴の牢獄もあったりして、お勧めだ。 この日はホームレスのおじさんが真っ裸で水浴びをしていた。 のどかである・・・。

投稿者 lib : September 6, 2010 05:51 PM

コメント

ギリシャ協会ではなくて、ギリシャ教会でした。 ま、グループという意味では間違いではないですが (・・・言い訳) 

投稿者 十貴川 洋子 : September 10, 2010 02:14 PM

 ギリシャ旅行の必携品は帽子とサングラス、使用済みティッシュペーパーですね。
肝に銘じておきます。

投稿者 KANA : October 25, 2010 04:57 AM

財布を取り出すたびに、バラバラっとティッシュが散らばりますが、このスリ防止対策が広まれば、 「あ、日本の人ですね、ようこそ」 と認識されます。 そのうち、スリ団も 「チッ、日本人はカモにならねえよ。ティッシュばかり掴ませやがって」 とあきらめるかもしれません。 がんばれ、ティッシュ、ギリシャのスリ団をやっつけろ!
(インターネットがトラブって、原稿が送れません・・・) 

投稿者 十貴川 洋子 : November 8, 2010 02:10 PM

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