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January 26, 2013

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モノには全くこだわらないほうだと思う。ワインは値段のわりに美味しければ全
てよし、銘柄を覚えたことはほとんど無い。車は社員に売って貰った中古、ワイ
フは新品だったが・・・その無関心さに腹が立つそうだ、まあそれは別。

寝具を選ぶときは贅沢せいという。一生のうち多くの時間お世話になるのだか
ら至極もっともである。一方、少なくとも30余年、寝具よりも長い時間、ビジ
ネスの季節によってはその2倍をしばしば超えるが、たいへんお世話になってい
るものがある。キーボード。

新しく仕入れたPCに付属してくるようなタッチの軽いキーボードでは、頭の回
路が文脈を指に伝えた後、次の思考に影響してしまう。快適ではないキーを叩く
ことにどうしても意識を少々奪われてしまう。測ってみたことは無いが、なにしろ、
毎日数千から万の頻度でキーを叩いているはずだ。これを気持ちよく叩けないと
いうふうはないだろう。

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製造日1993年5月のラベル持つIBM製の達にお世話になってき
た。20年前に作られた、戦車のような重厚なキーボードにしがみついている僕
を、周りの人は不思議に思っているようであるが、ここだけはどうしてもこだわ
ざるを得ない。

このロットのIBMキーボードを3個保有してきたが、2つ目のは、a を打つと
aa とか aaa となった。3つ目は、最近数字の 4, 5, 6 が全く入力できなくなっ
た。これは実にまずい、どころの話ではない。IBMは、キーボード製造なんぞ
は、とうの昔に戦略的廃棄しているのだ。

ところが、拾う神あり。昔のIBM製と殆ど同一仕様のキーボードを販売・製造
している会社が見つかった。何て素敵なやつらだ。サンプルとして一個仕入れて
みたところ、これは力作であり80点はあげられる。残り20点は、キーを押す
プレッシャーがオリジナルより愚鈍というか、かろやかさに欠けること、クリッ
ク音の周波数がIBM版より相当低音であること。とはいえ、これは救世主と呼
ぼう。

永年、どうしたもんかと気にしていた人生の心配事が一つ消え、明日がぱっと明
るくなった。僕はどうにも運が良い。

投稿者 lib : 01:35 AM | コメント (0)