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January 05, 2006
宴の後
クリスマスが終わった。
11月の半ば頃より、クリスマス向けの広告がガンガン流れていたのが、やっと終わりになった。クリスマスプレゼント用の商品である。ゲームやCDのコマーシャルは年中だが、香水や高級チョコレートは「季節もの」といえる。
日頃、チョコレートのコマーシャルは50ペンス程度の「日常チョコ」だが、この時期のは3-5ポンドくらいの気軽なプレゼント用。ただし、一箱が10-20ポンドもするアッパー・マーケット用のは限定された客がターゲットのせいか、テレビコマーシャルはない。
雑誌で見かけるような美男美女モデルがカップルでいちゃつく香水の広告も鼻につく。
が、何といっても問題を提起したいのが下着の広告だ。あちこちの駅で、どでかいポスターにブラとパンツ姿の女がニコニコ笑っているのが、この時期の風物詩。ガールフレンドや奥さんに下着を贈る男性も少なくないからだ。
何年か前にスーパーモデルのクラウディア・シェイファーがこの姿で登場したのが最初だった記憶がある。当時、フェミニストの団体から、
「バービー人形のイメージ」
「女性を商品化している」
そんな批判が出たようだ。
元祖プッシュアップ・ブラの広告が女性に支持されたのに比べて、クラウディアのポスターが女性の反感を買ったのは確かだと思う。ただし、フェミニスト団体とは別の理由だ。
それは広告が出された時期にある。
1年中、ダイエットが頭から離れないのはイギリス女性の宿命だろう。しかし、クリスマス時期には友人や家族、親戚と旧交を温めて、パーティだの食事会、飲み会が続く。休暇中は家でゆっくりとテレビを見ながら、プレゼントでもらったお菓子を食べることが許されるフェスティバル・シーズンである。
ここへ、クラウディアの登場だ。
すんなりと伸びた、1グラムの贅肉もない肢体をさらして微笑む、この憎たらしさ。
毎年、クリスマス後に自分の腹の脂肪にギョッとしてスポーツジムに駆け込むのはわかっている。でも、せっかくのクリスマスだしね・・・という免罪符がピリピリと破れていく。
私も正直、ムッとした。お祭り気分に水をさして、いったい何様のつもりなのか?
クラウディア、仕事をよく選んで、女性を敵にしないようにね。
しかし、私の願いも空しく、今年も完璧なプロポーションのモデルたちによる下着姿のポスターは駅や街角を飾り、クリスマスの楽しみか、ダイエットかの選択を女性に迫ったのだった。
1月のスポーツジムは異常に混むのよね、まったく。
投稿者 lib : January 5, 2006 08:43 AM