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January 09, 2006
ポルトガルで、食べてきた
ああ、イギリスを一歩出ると、どうして食べ物がこんなに美味しいんだろう。
年末をポルトガルのアルガーブで過ごした時に思った。
ポルトガルの料理はフランスの様に洗練された美味しさではないけれど、素朴な美味しさだ。
ソースなどで飾るのではなく、素材の味そのものを楽しむ料理。日本人の口にとても合う。
野菜も生きが良かった。
例えばトマト。スーパーには、今、畑から採ってきました、というような大きくて形の不揃いなトマトがごろごろと積まれていた。
なんだか畑で生きていた頃が想像できるような風体だ。
色はそれほど赤くはないのだが、食べてみると、とても甘い。
イギリスのスーパーで、お行儀よく包装されて並んでいる「完熟トマト」からはそういった「畑で生きていた過去」が想像できない。
そして真っ赤なのに味がない。なぜだろう。
オレンジやレモンもノーワックスだった。ぴかぴかしていないレモンを見るのはかえって新鮮だった。
そしてポルトガルといえば、もちろん「焼きイワシ」。
地元の家族が大声で話しながら食事していた小さなレストランで、シーズンではないと言われたが、やはり注文してしまった。
外はパリパリ、中はジューシーで絶妙の焼き加減。どんな高級魚よりも美味しい。
このイワシが5~6尾とサラダ、ポテトがついて6ユーロ程。
オリーブオイルとガーリックで炒めた小さな貝(名前忘れました)も絶品だった。
サラダは愛想のない金属製のお皿に野菜のぶつ切りを大胆に盛ってあった。
「もうちょっと何とかなるだろう」というプレゼンテーションだったが、オリーブオイルとビネガーをかけて食べるといくらでもお腹に入る。
何でもないパンひとつ食べても歯ごたえがあって小麦の香りがする。
もう、絶対的に食に対する文化レベルが違うのだ。
(しかしそれをグルメだなんだと声高に主張したりしないのがこの国の奥ゆかしいところ。)
ひとつだけ分からないのが、街なかのところどころに
「イングリッシュブレックファーストあります」
という立て看板のあるカフェを見ること。
こんな食べ物天国に来てまでも、缶詰のベークドビーンズや、油でべたべたのベーコンを食べなければ一日が始まらないイギリス人が多いということだろうか。
少し前に、フランスのシラク大統領が「あれほど不味いものを食べている国なんて信用できるか」と失言して大顰蹙をかっていた。
確かに「それを言っちゃあおしまいよ」だけれど、私も気持ちは分かります、シラクさん。
(今回は食べ物のことに夢中で、子供のことを語るのを忘れました。)
投稿者 lib : January 9, 2006 02:21 PM
コメント
学生時代をイギリスで過ごし、職業を得てイギリスで現在も滞在の息子からアルガーブで休暇を過ごしたとメール。長い海外生活を送って来た私にもイギリスは住みたくない所の一つ、それは太陽の光と毎日の食事に時々悲鳴を上げたくなるから。気持ちがわかるなと思い、コメントを出しました。2008年6月24東京は梅雨の中休みで陽射しが戻ってきました。
投稿者 kame : June 24, 2008 03:52 AM