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March 16, 2006
恐怖の冬 その1
それは、ある冬の夜、ひとりの男の訪問から始まった。
ヨーロッパに寒波が来た。
ロシアは他国へのガスの供給をしぶる。元衛星諸国の政府は、ガス欲しさにロシアへとすり寄る。それを見たアメリカは、ロシアがガスを餌に政治力を行使していると批判する。
そんなニュースを冷戦 (死語) 政治ショー、対岸の火事として見ていた私にも、火の粉がふりかかった。
「ガス会社はどこを使っていますか? ご不満はありませんか? 当社はたいへんお得ですよ」
インド系らしいセールスのおにいさんは白い息を吐きながら、一気に売り込みをはじめる。
いつもなら、訪問してくるセールスマンは約三秒で断ってしまう。
1. 英語ができません。
2. 留守番です。ここの家の住人ではありません。
3. 宗教上の理由により、満月の夜以外は異教徒と話ができません。
しかし、この数日前、私はガス会社 (旧) より、お馬鹿な手紙を受け取って頭にきていたところだった。
光熱費が上がることはニュースで聞いている。ま、しかたがない。ただし、値上げのしかたに納得がいかなかった。
月々、定額料金を払っている。 ガスは35ポンド (7000円) だが、実際にはそんなに使用していないので、200ポンド近くが余ってクレジット状態になっていた。
「諸事情により、値上げが避けられません。翌月から毎月50ポンドを引き落とします」って、35ポンドでも多すぎたのに、一体いくら値上げするつもりなのよ?
ダメもとで来たセールスマンに、
「よーく、来てくれた。お宅にお願いしようじゃないの」
それが、大きな間違いだった。
「電気会社もこちらになります」
ふうん、セットメニューらしい。
数日後、電話会社 (旧) から手紙が来る。
「貴殿のご愛顧を失って残念です」
あれ? 電話の会社を変えた覚えはないぞ。
電話会社 (新) からも手紙が来る。
「私どものサービスにようこそ」
だから、お宅に変えてないってば。
電話会社までセットメニューだったのか? 電話会社に電話するとオペレーターが、
「ごめんなさい。 実はコンピューターシステムがダウンしていて、アクセスできません。 日を改めてご連絡ください」
あ、そう。 コンピューターシステムがダウンする電話会社って、信頼できるよね。
しかたなく、それぞれの手紙のコピーをとり、電話会社 (旧) には、このまま継続すること、電話会社 (新) には新規契約は無効だという手紙を書いた。 当然、日付を入れ、全部のページをコピーして保管しておく。
しかし、これはまだ序の口だった。
続く 続く まだまだ続く
投稿者 lib : March 16, 2006 08:00 AM