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October 29, 2006
Heathrow
好きなロンドンの風景の一つに夜間飛行がある。大陸あたりに出張
し、帰りのフライトで快い疲労感をワインで癒し、日のとっぷり暮
れたロンドン上空に差し掛かると、あの落ち着いたアンバー色の街
灯が次第に眼下に広がりはじめる。皆仕事で疲れているのだろうか、
夜更けのフライトはいたって静謐で落ち着いている。
あの優しいアンバー色は、十数年前、初めてロンドンに到着したと
きも迎えてくれた。
その日は、はでな嵐だった。風が強すぎてなかなか着陸できず、ヒー
スロー上空で1時間半程旋回していたが、飛行機は揺れに揺れ、女
性の悲鳴さえ聞こえてきた。僕もさすがに気持ち良いわけがなく、
英語も全くできなかったので、手に汗かいてどうなるかと不安だっ
た。なにかアナウンスが入って、ようやく降下が始まった。それま
で真っ暗だった眼下に一瞬アンバー色が広がった。
このとき アンバー色 = 落着き という図が僕のなかで出来上がっ
たのかもしれない。アンバーが広がってくると、自然とリラックス
した気持ちになって、家に戻る安堵感に包まれる。
そしてブラックキャブを拾って家路に着くのもまた良い。彼らは接
客のプロも多く(酷いのも中にはいるが)、口数はこちらに絶妙に
合わせてくれるドライバーが多い。
色々不便もあるけど、なんだかんだ言って英国というのは実に良い
国だと思うし、すでに故郷である。
投稿者 lib : October 29, 2006 11:02 PM
コメント
街灯のアンバー色を美しく映えさせるのが英国の闇の深さではないかと思います。東京などに比べると夜ははるかに暗いのだけど、その暗さにアンバー色の光が溶け込んでゆく様が落ち着きを感じさせるのかもしれません。オフィスやコンビニの蛍光灯の明かりが宇宙まで突き抜けそうな東京の光の洪水とは別の世界です。そして、暗い闇の中でひそひそと交わされるのが英国流のウィットであり、心の安らぐ灯りを求めれば、そこにはパブがあるのでしょうね。
投稿者 Broad Gate : October 30, 2006 03:19 PM
なるほど、闇ととアンバーの妙なんですね。
お陰さまで駄blogが締まりました;ありがとうございます。
投稿者 Yosh : October 30, 2006 09:29 PM
もうじきアンバー色をまた見るのですね。
安らぎをを感じられる、同じアンバー色かな・・
日本滞在が素敵な日々でありますように。
投稿者 Tさんファン、 : January 18, 2007 11:18 PM