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November 30, 2006
ホストファミリー
修学旅行でイギリスに来たドイツ人の中学生を一週間、ホームステイさせた。
「・・・というわけで、 『もし』受け入れしてくれるホストファミリーの数が足らなかったら、お願いする 『かも』しれないけど、いいかしら?」と友人に聞かれて、
つい、「いいわよ」と言ってしまったのだ。
ちっ、本当に回ってきたか・・・。
まず、クリーナーのおばちゃんに因果を含めて、家中を丁寧に掃除してもらう。枕、デューベ (かけ布団)、シーツ等を新しく買い求め、水を通しておく。フロントガーデンに植木バサミを持ち出して、チョキチョキとやみくもに庭木を剪定する。 (バックガーデンにまでは手が回らないので見せないことにしよう)
準備で疲れきったところにゲストが到着した。
まず、食事の趣向を聞かなくては
「何が好き?」
「ポテトとピザ」
安上がりだな、子供だし。
食物アレルギーはないと言う。
「お肉は何が好き?」
「?」
非英語圏の人の扱いなら慣れている。耳でわからなくても単語を見ればわかるはず。
ポーク、ビーフ、チキン、ラム、フィッシュと紙に書いていく。いざとなったら、豚、牛、鶏、羊、魚の絵を描くつもりだった。
チキンが好き、ビーフはまあまあで、残りは嫌いだそうだ。そうか、メニューが限られるな。
「ランチに持っていくサンドイッチは何がいい? ハム? チーズ?」
驚いたことに「ハム」が通じなかった。
冷蔵庫に連れて行き、ハムを見せる。あ、そう、嫌いなの。
「中華料理は好き?」
首をふるが驚かない。イギリスなら小学生でもチャイニーズテイクアウェイ(中華料理の持ち帰り、出前)に慣れているが、7人のオーペアから学んだところによると、ヨーロッパの田舎から来た子はチャイニーズを食べた経験がない。私の家にあるお醤油の1リットルのボトルを見て、
(この 「黒い液体」は何だろう? こんなものを食べ物にかけるのか・・・?)と不気味そうに眺めていたのを思い出す。
嫌いなものは仕方がない。が、またこれでメニューがますます限られるというものだ。
チキンソテー、「フライドポテト」、温野菜
ピザと野菜スティック、「ポテトウェッジ」
フライドチキン、「ベイクドポテト」、 サラダ
チキン・マッシュルームパイ、キドニーパイ(嫌いだったようだ)、「マッシュドポテト」
スパゲティ・ボロネーズとサラダ
チキンバーガーと「フライドポテト」
という1週間のメニュー。
(米の飯が食べたいー)と思ったのは当然だ。ランチでお寿司や日本のカレーを会社の近くで食べたものの、やはり、きちんと「マイお茶碗」と「マイお箸」で「白いご飯」と 「お醤油のかかったおかず」をオウチで食べたい。
―――― ついでに言うと、私はポテトが嫌いである。
(何でこんな思いをしてまで・・・)とお皿を洗う手に涙がこぼれる日々であった。(嘘)
平日は先生に引率されてのロンドン観光。
「スケジュールに入っていない場所で、どこかに行きたい?」と聞くと、
「マダムタッソーのろう人形館!」と答える。
ひー、またか。日本から親戚、友人が来るたびにご指名のここ、すでに10回近く行っているが・・・・はい、はい、わかりました。
ちなみに日本では外国からのゲストのために金閣寺、清水寺、日光と東京のはとバスの「吉原おいらんツアー」に何度も行っている。
のんびりと過ごすはずの土曜日。朝早くから「ろう人形館」のあるベーカーストリートに出かける。
ラッキー、10人くらいしか並んでないじゃない。と、思ったのは早計で、建物の中にグルグルと曲がりくねった行列ができていた。窓口にたどり着くまでに1時間半。
「大人が24ポンド99で、子供は22ポンド50です。16歳以下は大人の同伴を必要とします。ところで、5ポンドのプログラムはいかがですか?」
「ロンドンアイ」にも行きたかったようだが、これも5回以上乗ったことがある。さすがにこれは勘弁してもらって、カムデンロックのストリートマーケットに連れて行った。
私自身は 「ホームステイ」をした経験がないので、ホストファミリーがゲストにどのくらい気を使うのか、どれだけお金をかけるべきなのかの見当がつかなったが・・・疲れたぞ。
が、責任は果たした、と信じている。
投稿者 lib : November 30, 2006 07:28 AM
コメント
あらまあ、ドイツ人とはご苦労様でした。そりゃ、中華はダメでしょうね。食べたことないし、そんなもの食べられるかって人は吹けば飛ぶほどいますからね。東アジア料理なんて犬やら鯨やらが食卓にドカンと出てきて食べさせられると信じていて恐れているのでしょう。ついでに、私もイモあまり好きじゃありません。でもドイツ人は芋無しの日なんて考えられないでしょうねえ。ま、ともかくその中学生、英語は何とか通じてよかったですね・・・。ついでにドイツの家にもどって、「イギリスのホームステイ、ホストは中国人だったよ」って家族に話していることでしょう(日本は中国と思っているドイツ人結構いるんですよね・・・)。
投稿者 marron : December 1, 2006 02:31 AM
その昔、鯨肉の缶詰をイギリス人の友人にこっそり食べさせたことがあります。後になって、
「その肉、実はねえ・・・」と暴露し、
「これで同じ穴のむじなよね、私たち」と笑ってやりました。
今になってみれば、
「貴重な肉をつまらないことに・・・」と後悔しています。
投稿者 十貴川洋子 : December 1, 2006 03:04 PM