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November 18, 2006
V
昼飯のテイクアウェイを買うのにキューに並んだ。偶然前のカップ
ルが日本人だった。旅の人っぽくオーダーするのに苦戦しつつもな
んとか通じていた、がんばれ。最後にコーヒーを二つ注文していた
が、片方がブラックで片方がホワイトで計2個というのがなかなか
通じなかった。そろそろやばいかなあと思い始めた、出しちゃいか
ん、いかんぞ。そして店員が、計2つですねと聞いたその刹那、彼
氏からスッとVサインが自然に、そしてやはり甲が店員に向かって
登場してしまった。写真にうつるときはピースで手のひらが自然に
向こうに向くのに、数を表すときは、半数以上の方は甲が向こうに
向いてしまうように思う。僕もそうだったので、それは人様を侮辱
するときに使うものだと教えてもらった時には驚いた。
友人とCityのパブで飲んだ後、Waterlooまで一緒の電車で帰って駅
の階段を上がっていたら、おいYosh、バタバタ音たてちゃ駄目じゃ
ないか、階段はつま先で上るんもんだと親に教えてもらってないの
か、ときた。
(普通の)男同士が体を触れ合うのは握手しかない。親愛をこめて
肩を叩いたり揉んだりすると、あとであいつはホ*か真顔で聞かれ
る。レストランで全員のプレートが揃うまで待てとか、給仕の目を
見てサンキューと言えとか、こうしたルールというか慣習というか、
もっと一括りに言うと文化というのは、異国人とっては教えてもら
わないと気付けないことが多い。俺は異国人なんだと無視するオプ
ションもあるかもしれないが、少なくとも他人に不快感を与えるこ
とは避けるべきであり、最低線は郷に従うべきであろう。
逆に、君ら親に教えてもらっていないのかと言いたくなることも多
々ある。電車で自然に席を譲る優雅さを持つ割には、乗り込む時に
は全く正反対。多くの乗客が降りようとしているドア付近に陣取っ
た不動明王。君は墓場まで新聞持って行く気か、こんなに混んでる
んだから我慢しろよ。僕の場合、朝の通勤電車に乗るという行為は
週に10回(含む乗換え)発生する。東京はストレスフルな通勤で
国際的に有名だが、僕はロンドンの方が実は酷いと思う。
こうした事例を英国人の友人に示すと、ほとんどが同意して理解を
示してくれる。そして僕も、階段はつま先で上ったほうがベターだ
と自然に理解する。互いに気付けなかっただけの事であり、教えて
もらえばすとんと腑に落ちることが多々存在する。
教育なんだと思う。文化的ハーフ人は天に与えられたなにかの縁が
あってそうなった。難しいことはできないが、文化の枠を超えて世
界的に不快感を減少せしめ、より住みやすくするという草の根程度
の行動に出る義務を負っているのかもしれない。これだけ広まった
インターネットという文明は、超文化教育のひとつのキーになるだ
ろう。
投稿者 lib : November 18, 2006 09:17 PM
コメント
5年間ロンドンにいたのに、Vサインのことは知りませんでした。数えきれないくらい失礼なことをやっていたのだと愕然。。。 一方、最近の日本は携帯電話とにらめっこしている人が平気でぶつかってきます(相手が道を譲るのを待っている)。これはマナー以前の問題です。
投稿者 Broad Gate : November 23, 2006 07:37 AM
海外赴任文化マニュアルというのを、赴任地毎に作るというは如何でしょう。大企業だとやってんのかなあ。ちょっと検索してみましたが、Internet上では無いですね。
投稿者 Yosh : November 25, 2006 12:30 PM