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December 07, 2006

ペストコントロール

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ねずみで思い出した。先日、家にペストコントロールがやってきた。ねずみ取りの専門家である。

数週間前に隣のおばあちゃんが青い顔をして訪ねてきて、
「ねずみが出たのよ。お宅にはねずみはいない? 私はもう、怖くて、怖くて」とパニックを起こしていた。
「いや、いないみたいだけど・・・」
「ペストコントロールを頼んだら、隣近所にも被害がないか聞け、って言われたから」ということである。

「ペスト」コントロールってすごい名称だよな。たかが、ねずみでしょ?
「うちにねずみがいます」なんて言おうものなら、ドアに赤いペンキで X印をつけられて、白装束の人が来て家中に消毒剤を噴霧され、近所から村八分にされそうなインパクトである。

この数年で何度かねずみが出たことがある。
最初は日本から 「ねずみホイホイ」みたいなものを送ってもらった。
強力な粘着剤が付いている組み立て式の紙の箱で、真ん中に餌を置き、そこにやってくると、あーら不思議、足が箱について離れない、というシロモノだ。
ねずみがかかるとそのままポイという仕組みで、簡単ではあったが、
(私って悪い人。人間って・・・)という罪悪感を伴うものだ。

あっという間にこの仕掛けはねずみに知れ渡り、数年後、再びの出現には効力を失っていた。
で、今度は友人から貰った 「猫いらず」 (クラシックな響きがするな)
毒が効くのに数日かかるので、「この餌は危険」というメッセージがいきわたる前に一族が食べてしまうということらしい。
目も覚めるような青い色で、カクテルの 「ブルーハワイ」を思わせる。

この 「猫いらず」は効いた。が、数日後、こともあろうにクリーナーのおばちゃんの前に、ヨロヨロした瀕死のねずみが現れて、
「#&%*!!!!!」とラトビア語の叫び声を上げさせたのだった。
(この人は私の家に2年くらい通ってくれている。ずっと 「リトアニア」の出身だと思い込んでいたのに、実は 「ラトビア」の人だった。ここにおわびして、訂正する。 おばちゃん、ごめん)
たいせつなクリーナーにもしものことがあっては大変、と私は箒を持ってねずみに立ち向かった。

「窮鼠、猫を噛む」との例え通り、ねずみは箒にガブリと噛みつく。

(へー、ことわざ、本当じゃん)と思ったが、同情せずに、そのまま庭に掃きだしておいた。

尊敬のまなざしでクリーナーのおばちゃんに見つめられた。
「私は危機に強い日本人ですから、ねずみくらい難なく処理できます」と言ったが、どのくらい英語を理解していたかは知らない。

と、今回、隣の家から逃げてきたのか、ねずみが出た。
姿は見ていないが、床下からカリカリと音がする。ちょうど、隣にペストコントロールの人が来ていたので、ついでに見てもらう。ねずみに齧られて、漏電で火事はいやだ。
「いますね」とペストコントロール。
「いると思います。だって、匂いますもん」と思わず、動物的な臭覚を自慢した私だった。

ガス台や戸棚の後ろ、床下、下水溝のギャップ等の数箇所に針金の付いた石鹸のようなものを仕掛けていく。そして、この色がまた、
「ブルーハワイ」なのだった。
これって、ねずみの食欲を増進する色なのだろうか? 
「2週間後にまた来ます」ということである。
無料だったので驚く。たぶん、地方自治体の「衛生課」が払うのだろうね。(どっちにしろ私の税金だ)

そういえば、中学のとき、教室にねずみが出て、すごい騒ぎになったことがあった。
女子はキャーキャー叫んで、逃げ惑う。
(ちっ、小娘どもがねずみごときに・・・)と悠然と席に座っていると、
「お姉さま、助けて!」と言わんばかりにねずみが私の足を駆け上がった。
さすがの私も泡を食ってねずみを払い落とす。

結局、ねずみは捕らえられ、校庭の端で解放されたのだった。

しかし、教室に出たということはそこに巣があったのだろう。校庭のむこうなんて、ねずみにしてみれば10000マイルも先の知らない場所に捨てられたのと同じ。

(親兄弟、友人、フィアンセ、と別れ別れになったのではないだろうか?)と心を痛めたものである。

・・・と言いながらも、2週間後の結果を待っている私だ。
動物愛護で有名なイギリス人ながら、
「隣では5匹もバッチリ処理したぜ」と威張っていたペストコントロールのおじさんがチェックに来るからである。 合掌

投稿者 lib : December 7, 2006 09:26 AM

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