March 12, 2007
ロンドン進学事情 ~我が家の場合~
日に日に暖かくなって日もずいぶん長くなり
ロンドンももうすっかり春だ。
日本のものとはやはり風情が異なるが、ここロンドンでも
あちこちで桜の花が咲いている。
日本人にとって春は入学・進級・卒業・就職・転勤(我が家も
ちょうど1年前の今頃だったなぁ・・・)など、人生の節目の
何か特別な季節だ。
しかしここではそんな趣はあまり感じられない。
日本と違って学校が9月に新学期を迎えるせいもあるが
その時にも入園式や卒園式のようなものは無く、
クラス替えも無く、淡々と新学期が始まった。
そんなナーサリーに昨年9月に入園したばかりであるが、今年の9月から
現地小学校のレセプションに移ることになった。
レセプションというのは、小学校入学前の1年間通うところで
それぞれの小学校に付属している。
ナーサリーに通っている同級生たちもそのコースが一般的らしい。
しかし我が家の場合は紆余曲折の末の決定といった感じであった。
レセプションからはもう読み書きや簡単な算数が始まるという。
日本で言えば幼稚園の子供にそんなことが必要か?
それよりも今はまだ遊びの中から色んなことを学ぶ時期ではないのか?
渡英前は「英国=教育システム天下一品」というイメージであったが
先頃のユニセフの「欧米の子供幸福度ランキング」の最悪な結果も頭をよぎり
何となく英国の教育システムにも懐疑的になっている。
いずれ日本へ帰るのだから、小学校は日本人学校がいいのではないか?
それなら入学までこのままナーサリーに居座るか?
(そんな子は居ないのだが。)
そんなことを話し合っていた矢先に息子が突然
「えーっと、ファイブ プラース フォー イクォール・・・」などとつぶやき始めた。
何だそれは?!尋ねてみればナーサリーでもうそんな事をやっているらしい。
(現地校では参観日が無いため、ナーサリーで何をやっているのか
息子の自己申告で知るところが大きい。)
なんだ、レセプションで算数が始まるどころでは無いではないか。
また、このままナーサリーに通っても中心メンバーは2~4歳であり
同級生も居ない中では寂しいだろう、ということもあって
結局レセプション行きを決めた。
日本ならば地域によっては幼稚園にはいくつかの選択肢があるものの
小学校は公立ならば学区が決められており、迷うことは無い。
また幼稚園でも、保育時間は当然全員一律だ。
そこへいくと英国のナーサリーでは、この子は月・水・金だけ一日保育で
あとは午前保育、あの子はいつも一日保育、という具合に各自バラバラである。
親が、習い事との兼ね合いや本人の体力、家庭の方針などに沿って
マネージメントしなければならない。
小学校も私立校の数は日本よりも多く、また現地校か日本人学校かの
選択もあり、幅広い。
決められる、与えられることに慣れてしまっている日本人はなかなか
頭を悩ませるところである。
我が家の場合、レセプション以降は未定だ。
きっとまたその時に家族で悩むのだろう。
そしてきっとこれは、多かれ少なかれ駐在員家族共通の悩みだろう。
親はその時々で悩んだ末に、今の時点ではこれがベストだ!と信じた道を選ぶのだが
その時の選択が正しかったのかどうか(正誤なんか無いのかもしれないが)は
子供たちが大人になってからしか、あるいは一生分からないのかもしれない。
しかし、苦労があったとしても後で振り返ってみて
「あの時は本当に大変だったなー」と子供たちが笑って話せるような
そんな人生であって欲しいと願ってやまない。
投稿者 lib : March 12, 2007 10:12 AM