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September 25, 2007

中国の農村の子供 1

mama.gif

息子のバリカンヘアを、「中国の農村の子供ヘア」と名付けて喜んでいたら、本物の「中国の農村の子供」の事を思い出した。

あれは2002年の2月、香港に行ったついでに夫とふたりで中国本土まで足をのばした。
私のお腹の中には小さな小さな息子の心臓が動き始めていた(はず)。

広東省にある、広大な渓谷が有名な観光地を訪れた。
渓谷は美しく、その周りに作られたウオーキングコースでは、お婆さん達が地元でとれるらしい紫芋を七輪のようなもので焼き、観光客目当てに売っていた。たしか一本10円くらいの値段だったが、涙が出るような美味しさだった。
電気もガスも通ってなさそうである。

公衆トイレに入った。一応男女別には分かれているものの、女子トイレには個室はおろか何の仕切りもなかった。
床に掘られた一本の溝を人々が一列に並んでまたぎ、前の人がぺろんと出したお尻を見ながら用をたすという、生涯忘れられないトラウマ・・・いや、貴重な経験もした。

ウオーキングコースを夫とふたりで歩いていると、いつの間にか、私たちの横に12歳くらいの女の子が並んで歩いている。
地元の子らしく、日に焼けて健康そうな肌色をしていた。
「将来、観光ガイドになりたいの。一緒に歩いて案内してもいい?」
と言う。

その前の年にモロッコを旅行した私たちは、行く先々で「頼んでもいないサービス」に小銭を要求された記憶がまだ新しかった。
(一番怖かったのは、レンタカーを運転していたときに信号待ちで急に車のドアを開けられ勝手に車内に座られ、『案内してやる』と強引に車から降りなかった男。ガクブルしている夫に代わり『すぐに降りろ、降りないと警察を呼ぶ前に私の鉄拳が飛ぶわよー!アチョー!』と叫びつつカンフーの真似事をして、何とか撃退したが、それ以来発展途上国を旅するときは自分では運転しないことにしている)

そんな記憶がまだ新しかった私たちは、少女の申し出を、「お小遣い稼ぎだな」と直感した。
まあ罪のなさそうな可愛い女の子だったし、地元の子供と話すのもいいかなと思い、そのまま一緒に歩かせることにした。

つづく

投稿者 lib : September 25, 2007 10:56 AM

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