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February 07, 2008

1月の風物詩 その3

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電話線が切れたせいで、1月の風物詩が2月にずれこんでしまった。
ま、旧暦と思っていただきたい。

さて、その他、1月にやってくる Dがつく日というのは、
Debt (借金)のD と Depression (憂鬱)のD。

イギリスのバブルは日本より何年か遅れてやってきた。

不動産の価格が日々上昇し、株価も右肩上がり。
テレビでは 「今を楽しまなくてどうする!」 と堅実な暮らしをする人をバカにするようなクレジットカード会社のコマーシャルがガンガン流れた。

私やイギリスに住む日本人の友人たちが、
「この道は、いつか来たみちー。ああー、そうだよー。お母様の国で見たよねー」 
と、思わず北原白秋先生の歌を口ずさんだほど、そっくりさん。

質実剛健、古きを尊び、伝統を愛し、成金を侮蔑・・・していたはずのイギリス人は一体いずこへー? 

そう言えば、シティで若い女の子がデザイナーブランドのバッグを持っているのをポツポツ見かけるようになった頃が、イギリスバブルの始まりかも。

その昔、イギリス人の女の子はずいぶん地味だと感じたが、この頃は金のかかった、けっこう派手な格好をしている。 (ファッションセンスは、また別問題)
さて、これら流行アイテムはどうやって揃えているんでしょう?

―――そう、悪名高き、ストアカードである。

服を一枚買うたびに、
「ストアカード、いかがですかあ?」と聞かれる、アレだ。
「いいえ、けっこうです」と断っても、
「今日のお買い物が10%引きになりますよ」と、しつこい。

一度、相手があんまり熱心なので、面倒になって申し込んだら、ブティックの店員は目の前でクレジット会社に電話を入れ、他の客にも聞こえるような声で、私の個人情報 (住所とか電話番号とかね)を話し始めたので、思わずカウンターを乗り越えて、店員の首を絞めに行った。

買い物をするたびに、
「ストアカード、いかがですかあ?」で現金を払うこともなく、商品がどんどん手に入る。が、このストアカード、翌月に一括払いをしないと、利息がサラ金のようにつく恐ろしさ。

よく日本のドキュメンタリーでコンピューター処理されたモザイク顔と変換された音声で、「買い物依存症で借金が嵩み、今は風俗で働いてます」とインタビューに答えていたのを思い出す。

―――イギリスでは 「風俗に身を落とす」というのはあまり聞かないが、借金で首が回らなくなった女の子はどうしているのか? 

さて、シティはボーナスシーズンである。
男に人気なのはポルシェを始めとして、ハイパフォーマンスカー。
女は 「豊胸術」が最近の人気らしく、 「ボーナス貰って、 『ジョーダン』になろう!」が合言葉。 (*ジョーダンは人工バカデカバストのCリストタレントです)

が、そう言って、羽振りよくブイブイいわせていた連中も戦々恐々の状態だと聞いた。
アメリカのサブプライムローン問題でシティも揺れているからだ。

嵐の吹きすさぶ今年、シティグループは400人首切りした。そうでなくても、ボーナスに 「ドーナッツ」 を貰ったトレーダーも少なくないとか。
――ドーナッツとは真ん中が丸、つまりゼロ。

ドーナッツを食らったトレーダーなんて、 「旱魃の年の農夫」 「シケで海に出られない漁師」 「外反母趾でハイヒールがはけないダンサー」みたいなもの。
札束が飛び交わないシティに金融街としての意味があるんだろうか? 
(ま、私はもともと安い給料なので、関係ありませんが。)

さーて、今日はどこへも寄らず、家で安いワインでも飲むか・・・って、暗いぜ。

投稿者 lib : February 7, 2008 09:55 PM

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