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February 11, 2008

子供と宗教 後日談

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先週、
「息子の通っている学校は英国国教会の学校なので、祝うのはキリスト教の祭ばかりで、チャイニーズ・ニューイヤーや他の宗教の祭事には触れてもくれない。寂しい~」
と書いた舌の根も乾かぬうちですが、前言、撤回させていただきます。

なんと、チャイニーズ・ニューイヤーの日に先生は
「今日はチャイニーズ・ニューイヤーです。」
と言い、息子の名前を呼んで皆の前に立つように言ったそうだ。

「家で、新年を祝った?」
と彼に聞いたという。そういえば、クラスの中でチャイニーズの血が入っているのは息子だけだ。

「…はい、新調した赤い服を着て、皆でご馳走を食べました。長いヌードルを食べるのは長寿を願う意味からです。お母さんは、花や新年の飾りつけをして、家の中は赤や金のお飾りでいっぱいです…」

みたいな答えを先生は期待したのかもしれないが、生憎「お母さん」はクリスマス、1月のお正月に酒池肉林の宴を経た後で、間髪いれず旧正月を祝うほど、そこまで私の頭もめでたく出来てはいない。

今年のチャイニーズ・ニューイヤーは平日だったこともあって、(大体日にちも間違えていた…来週だと思っていた)正月らしいことといえば、学校へ行く前に夫が慌しくレッド・パケット(日本のお年玉に相当するもの)を渡した位だった。

そういう訳で、「祝った?」と聞かれて返答に窮した息子は、何を思ったか

「中国では、天気が悪くて人々が家に帰れなくて大変です」

と質問から大幅にずれた回答をしたらしい。(確かにその少し前、中国では悪天候で交通機関が麻痺し、人々が立ち往生している様子がニュースに映し出されていた)

まあそれはそれで、先生は感心してくれたらしい。結果よければ全て良しである。よかったよかった。

偶然だがその日、目から鱗が落ちるような事がもうひとつあった。
学校から帰ると息子は
「ベイビーは皆、生まれてから教会でおでこに水をつけるの?」
と聞いてきた。

学校で洗礼の話でも聞いてきたかな、説明するの難しいな…と思いつつ、
「うーん、教会のゴッドを信じている人のベイビーはおでこに水をつけるけど、他のゴッドを信じている人もいるんだよ。そういう人のベイビーは教会でおでこに水をつけないね…」
と私が言い終わらないうちに、

「うん!エイミーやクシュは、他のゴッドを信じてるよね!」

と元気に言い放った。

はっとした。確かに、いつも遊びに行くエイミーの両親はベトナム人で家には仏陀が飾られているし、幼稚園で一緒のクラスだったクシュはインド人で、ヒンズー教のお守りをいつも身につけている。

息子はダメ押しで、
「マーマ(夫の母のこと)も、他の神様を信じてるよね」

そうだった…。うちにも義母の部屋に仏陀の置物があった…。これぞ灯台もと暗し。

自分の家の中に「他の宗教」のサンプルがあったのに、
「キリスト教の学校に行ったら、その宗教を絶対だと思ってしまわないだろうか」
と心配していた私こそ視野が狭かった。いやーすいません。

しかし子供ってすごいな。
誰に教わるわけでもなく、世の中にいろんな宗教があることを疑問も持たずに肌で理解していたのだな。

というわけで、私なんぞが心配するまでもなく、英国国教会の学校も、子供も、皆柔軟です。
(柔軟すぎて、英国国教会のエライ人は大変な事になってますが)

投稿者 lib : February 11, 2008 10:50 PM

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