June 27, 2008
Freaky Fridays
今日は週の半ばにもかかわらず教職員の研修日でした。
つまり、生徒にとっては学校はお休みで(といっても何かの用事で来ている生徒はちらほら)、校内には基本的に教師と事務員だけ。
うちの学校の本校舎は廊下が3階まで吹き抜けになっており、まるでドラマのPrison Breakに出てくる刑務所のような作りで(ってわかるでしょうか?)普段は生徒の声ががんがん響くのですが、今日は本当に静か。
こういった校内研修日は毎年数回あります。今年は特に9月から改正された中学生とA-levelの学習指導要領が導入されるため、それに備えて新しい指導案や教材作りが進められており、先月に続いて2回目の準備日でもありました。
そして、もうひとつの目的は「Flexible Fridays」の計画。
9月から7年生に実験的に導入される企画で、毎週金曜日の半日(150分)を使って、生徒たちが普通授業から離れてプロジェクトワークをおこなうというものです。
大体240人ほどいる7年生の生徒たちは20人くらいのクラスに分けられ、それぞれのクラスがオリンピック選手、East London の歴史、Script writing(脚本を書くこと)、Healthy fun foodなど6つの違ったテーマを扱ったプロジェクトに参加します。
1つのプロジェクトの期間は6週間。1つのプロジェクトを終えると次のプロジェクトに参加するという仕組みで、一年後にはそれぞれの生徒たちが6つの全てのプロジェクトに参加したことになります。
さて、このプロジェクト、おもに二つの目的があります。一つ目は以前にも書いた「Learn to learn(学ぶために学ぶ)」、つまり子供が効果的に学習するための姿勢やスキルを学ぶ機会を与えること。そして二つ目は普通授業で個々の教科を単独に教えるだけではなくて、このプロジェクトを通して1つのテーマの中に色々な教科の要素があり、つながりがあるということを伝えようというものです。
例えば、歴史は地理や公民と切り離せないし、ディベートのしかた、研究の仕方、プレゼンテーションの仕方など学ぶべきスキルには共通点があります。そしてこれらの教科の理解を深めるには英語(こちらでは国語ですね)のスキルも必要、また、全ての教科の根底に多文化理解などの共通のテーマも存在します。
ただ、歴史を歴史として教えることは非常に大切であり、単なる子供の愛国心や市民育成の道具になってはならないというのが、歴史教育者の見解です。歴史を探求すること、探求するための理解やスキルを向上させること自体にちゃんとした意義があると信じるからです。
そのため、このプロジェクト導入がアナウンスされた当初は、それによって削られるであろう普通授業数とその影響への強い懸念がありました。現に歴史は二週間に与えられる授業数が150分から100分に削られてしまいます。うちの学科内でも「これでますます生徒の歴史や地理など人文学系の教科離れが進むのではないか」という批判がなされました。
とはいえ、学校がこういったプロジェクトを試験的にとはいえ導入することはすでに決められたことであり、私たち教員が決定を覆すことはできないのは事実。
「では、せめて歴史や地理特有の要素を強く持ったプロジェクトをせめて立てよう」
そういう思いで6つのプロジェクトの中のひとつは地元の歴史に焦点を当てたものになったのです。
私も一歴史教員として関わりたいと思いサポート員として関わることになったのですが、今日の会議では9月からはじまるというのにまだ各セッションの学習目標やトピックを決めた程度。
これから各セッションでどういう活動を生徒がするのかタスク設定をしたり、そこで使われる教材作りをするために我々教員が資料集めをしなくてはなりません。
骨のいる作業になりそうですが、関わった以上は何とか形にしなければなりません。
さて、この「Flexible Fridays」、このブログのタイトルでは「Freaky Fridays」となっていることに気づかれましたか?
実は同僚K(この間書いた、もうすぐ結婚を機に退職をする私の上司です)が文字ってこの企画をこう呼んでいるのです。
Freaky=Very strange, unusual、(日本語の辞書では)筋の通らぬ、風変わりな。
うちの学校はこういった企画が多数おこなわれるもののいまいち綿密な企画や準備が足りずに失敗に終わること多し。
「うーん、うまい!」
初めて聞いたとき、思わず感心してしまった私でした。でもこれからはこれに共感している場合ではないですね。
頑張らなければ、、、です。
投稿者 lib : June 27, 2008 01:02 AM