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June 28, 2008
イギリスのバブルその3
シティはビジネスの街。だから不景気風が吹くと精彩を欠く。
まるで曇り空で小雨のぱらつくハワイとか、暖冬で地面が露出しているスキーリゾートといった冴えない風情である。
やっぱり、ハワイなら抜けるような青空に熱い南の風。スキーリゾートなら豊かな積雪の上に降り注ぐパウダースノー。ビジネス街なら札束が下品に飛びかってほしいものだ。
日本でビジネスがいまいちの時はオフィスの細々したものから消えていくそうである。
例えば、リースの植木、自由に飲めていたミネラルウォーターのボトル、新聞とか。
いつものように会社の新聞を読もうとして、それがなくなったことで会社の経営状態に気づいたサラリーマンの心情を思うと涙がこぼれそうである。(嘘)
イギリスでは経費節減なら、人件費と接待費だろうね。
肩で風を切って歩き、1000ポンドものワインを自分たち用に頼んでいた連中も地味でせこい食事風景となるのだろうか?
「あ、スターターはなしでいいや。メインコースだけにするよ。一番安いのはどれかな? 飲み物? いらないよ。近くのオフライセンス (酒屋) でワインを買って持ち込んだから。グラスだけくれる? サービス料払いたくないなあ。ね、料理ができたら呼んでくれる? キッチンまで自分たちで取りに行くよ。だから、チップ置かなくてもいいだろ?」
こんな時期にはシティを離れたらどうするか、と同僚と話すことになる。
「田舎に引っ越して、家庭菜園で野菜を作り自給自足の生活をする」
「それがいい。それがいい。太陽の下で農作業なんて健康的だね」
・・・と思ったのだが、週末に芝生を刈り、庭仕事(の手伝い)を2時間したら、筋肉痛で歩行困難になり、階段の昇り降りですら苦労した。
これでは農業への転職は無理だな。
さて、転職と言えば、最近、気になる男がいる・・・。
ファイナンシャルタイムス風のミニ無料新聞 「シティAM」にヘッジファンドのスターの記事が載っていた。
「160ミリオンポンドのボーナスを蹴って、自分のファンド設立!」というのはC氏だ。彼の所属するXXXファンドと言えば、確か去年共同経営者のボーナスが400ミリオンポンドずつ、という記事を見た。生涯給金ではなくて、去年だけのボーナスだって・・・。
400ミリオンポンドって、イメージが湧かないなあ。 1、2ミリオンくらいだと、 「イギリスで買えるちょっと大きな家」って感じがする。(チェルシーとかケンジントンといった高級住宅地は除く。スペインのマルベラの別荘地も無理ね)
と思っていたら、400ミリオンポンドの豪華客船の記事が出ていた。
ふーん、ボーナスで客船が一艘もらえるのと同じか。
「まいどー、宅急便です。会社からボーナスのお届けです。家に入らないのでここに置いておきます。受け取りのハンコお願いします」
で、家の前には豪華客船が横付けされている。
「今年は豪華客船か。去年はジャンボジェット機だったねえ。景気がいいみたいだね、隣のご主人の仕事」なんて近所の人が噂したりする・・・わけないが。
C氏も経営者が400ミリオンポンドなのに、社員の自分はたった160ミリオンじゃ、嫌だ、と思って (当然だな) 転職することにしたらしい。
さーて、こんな話ならシティにはゴロゴロしているはず。が、なぜにこのC氏は特別なのか?
それは・・・彼がグッドルッキングだからである。おまけに若い!
見出しも大きかったが、顔写真もでかかった。
「おっ・・・」と思ったのはそのせいだ。 もっとも、その後に 「既婚、二児の父」と書いてあってがっかりしたのだが (何か、期待していたか、私?)
続く
投稿者 lib : June 28, 2008 03:28 PM