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July 19, 2008

Japanese Experience

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先週の火曜日はHumanities Faculty(宗教、社会学、歴史、地理などの教科が集まる人文学部)の同僚たちと一緒に夕ご飯を食べに行きました。

大体一学期に一回のペースでそういう企画があるのですが、今回は学年末、しかもうちの学部から3人も教師がいなくなるので、そのお別れ会も兼ねて。学校全体で行う正式なお別れ会もかねた食事会は来週火曜ですが。

さて、どこに行こうかと話し合い始めたのが2-3週間前。今まで行ったのはポルトガル風炭火チキンのチェーン店、中華料理屋2軒、インドなど中央アジア料理屋4軒(そのうち一軒はバングラデッシュ系の同僚たちが絶賛し、行列が出来る東ロンドンの隠れた名店)。

やっぱり地域性でインド料理系が多いです。それから、Lime Houseという駅の近くにある中華料理屋は同僚に人気で2-3回行ったでしょうか。

で、今回は、バングラデッシュ系の同僚たちの希望で「カレー以外のもの」となったため、じゃあ、また中華になりそうだったのですが、同僚の一人が「Japaneseは?」と言い出しました。

実は学校の最寄り駅のすぐ近くに日本食レストランがあるんです。ただ、そこのレストランは夜の6時じゃないとオープンしない。私の同僚は宗教だけでなく様々な理由でお酒を全く飲まない人が多いので、開店時間になるまでパブで飲んでようということも無い。さらにもともと早く帰りたい派が多いので、その日本食レストランは自然却下され続けてきました。

私もずっとその存在は知っていたのですが、どうもプライベートでわざわざそのレストランに行くのは学校にも近いし躊躇われ、行くことのないまま4年が過ぎていました。

それが今回、驚くことに「たまには遅くからでも(っていっても6時なんですけど)いいじゃない」とみんなの意見が珍しく一致し(なかなか個性派集団なので)、めでたく日本食レストラン行きが決定いたしました。

実は一人を除いて私の同僚たちはほとんど日本食を食べたことがありません。知っている食べ物はSushiくらい。たぶん日本食と中華料理の違いも知らないし考えたこともないはず。

当日、レストランに到着後、メニューを眺める同僚たち。、、、1分後(いや、30秒後?)、気がつけば「あなたが頼りよ」的な目線が私に集中。

まず、メニューの先頭にあったGunkan MakiとHosomaki、Temaki、Nigiriの違いは何か?という質問に始まり、この魚は英語で何か、材料には何が使われているのかと質問攻撃。

「軍艦巻きは形が軍艦に似ているから、、、」と説明しておいて、「そっかぁ、そうだったよね」と心の中で自分でも妙に納得。日本をほとんど知らない人に私の限りある知識を総動員して日本食指南。心の中で結構あせる自分がいました。

でも、さすがロンドンの日本食レストラン、スタッフはたぶん一人を除いて全員中国系の人。そして、豊富なメニューの中にはチャーハン、餃子、キムチなど、日本でも広く食べられてはいるけど厳密には日本食でないものが並んでいました。なかには聞いたことも無いものが並んでいたのでこれにはさすがに「日本でも食べたことが無い」と強調しておきました。

さてさて、20分後くらいにやっと、皆それぞれ食べたいものが決まり、それから前菜として頼んだ寿司(←こういう頼み方がすでに日本じゃないですよね)やら餃子やら枝豆を頬張って待つこと、数十分、みんなのメインディッシュが到着。

私が頼んだのは天麩羅弁当。なぜかイギリスでは日本でいういわゆる○○御膳みたいなセットものが「○○Bento」として一般に認識されています。味噌汁が付いて、大きなお弁当箱にご飯、サラダ、小鉢系のもの、メインのおかずが入っているようなものです。

一応、同僚にはこれを薦めておいたので、何人かはBentoを注文。ほかにはラーメン、チャーハン、焼きうどん、中華丼を頼んでいる同僚がいました。日本だと町の食堂かラーメン屋に出てきそうな内容ですよね。でも、よっぽど日本人しか行かないレストランではないと日本食レストランってこんな感じが結構多くて、みんなが頼むのもこういう系が多いのです。

で、肝心なお味はというと、、、。

うーん、天麩羅はいまいちでした。すごく正直に言ってしまえば、私でもこれくらい作れると思ってしまう感じ。そして、普段から大抵のものを心から美味しいと思える大食いの私でも、特にだめだったのが白ご飯でした。水気が多くて粒がぐちゃぐちゃにくっついているような感じなのです。

決して食べれないものではないんです。ほら、お腹のすいている私の胃袋にはしっかりとおさまりましたから。

ここはロンドンだということもわかっているのです。でも、私は心の中でかなりがっかりしてしまいました。最初に頼んだお寿司はロンドンの基準で普通に美味しかったのですけれどね。

同僚は皆「うんうん、結構おいしいよ!」と言っています。まぁ、反応が微妙な人もいたので両手を挙げて美味しいとはたぶん思わなかったのでしょう。唯一チャーハンを頼んだ同僚二人があまりの脂っこさにはっきりと不満を言っていたので、味見させてもらったら皿の底の方は本当にご飯が油がびしょびしょ。これについては私もすかさず同意。

でも、他の楽しんでいる同僚にはどうしてもわざわざ「あんまりおいしくない」「これは日本だったらねぇ」などと言えず、しかもあの場で日本食について講釈を垂れるような身分でもないと思い、ひたすら黙っていた私でした。

真の日本食伝道師にはなれそうもない私です。同僚たちとの初Japanese Experience…まぁ、おしゃべりできて楽しんだから良しとしますか!

投稿者 lib : July 19, 2008 10:05 PM

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