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May 27, 2010
バッドカンパニー・イン・ブライトン その2
さて、ブライトンである。
フィッシュアンドチップスの他に、もうひとつミッションがあった。 それは、
「かもめの餌づけ」 というものである。
バッグに食パンを数枚忍ばせ、これをかもめにやるつもりだった。 数年前にブライトンに遊びに来たとき、誰かが餌を高く放り投げ、それをかもめが空中で次々とキャッチするシーンを見て以来、ぜひ、これをやってみたかったのだ。
晴天に恵まれ、混雑するビーチをかもめの群れを捜して彷徨。 いないな、かもめ。 どこだ? 空を飛んでいるのは見えるものの、餌を求めて地上をうろつくかもめは皆無。
「お腹すいてないんじゃないの?」 と友人。
そうだな、これだけ大量の観光客がボタボタ食べ物をこぼしながら歩いていれば、人に媚びなくても、メタボになるくらい食料は豊富だろう。
「あ、いた!」 と空を舞うかもめにパンを高く・・・投げることができない。 かもめもわざわざ低空飛行する気はないらしく、パンは空しくポタリと地上に落ちる。 パンが軽すぎるのか、私に投球(投パン)能力が欠けるのか。 何度かトライしたが、すべて失敗。 しかたなく、そのあたりをポッポと歩いている鳩にパンを提供した。
「今度は冬に来ようよ。 観光客が少なくて、お腹すかしてるから、きっと、うまくいくよ」 と友人に慰められた。
かもめに無視された私は傷心を抱え、コンサートのあるブライトンセンターに到着。 小ぢんまりしたホールで、席は前から10番目くらいのいい感じ。 気を取り直す。
しかし、やっぱり、観客はおやじばかりだ。
ローリングストーンズやZZトップのときもそうだったが、観客の年齢層が高いな。 後姿はハゲと白髪ばかり。 ぽっちゃり体型の奥さん連れで来ている感じのカップルも多い。 友人に聞くと、バドカンのメンバーは60歳前後なので、ファン層もそれなりだろう。 「懐メロ大会」のようである。
前座はジョー・ペリー・プロジェクト。 ジョーのつるりとした顔は整形か、ボトックスか、それとも舞台メイク? アイシャドーの濃さがやけに目につく。 数歳しか違わないストーンズのメンバーがシワだらけなのに比べて、不自然なまでの滑らか肌である。 エアロスミスのわがままな 「歌姫」 スティーブンに傷つけられたエゴを慰めるべく作った趣味バンドがジョープロだ。 で、選んだメンバーはミュージシャンとしては優秀なものの、なんとも 「華のない」連中だ。 スターは自分だけでOK という選択だろう。 シンガーなんて、アマチュア学生バンドのボーカルみたい。
さて、バドカンの登場だ。
と、後ろからバーっと人が流れてきて、ステージ前に殺到。 ああ、ヤバイ、と私も思わず前に走る。 別にファンじゃないけど、私の身長だと、前に大柄なイギリス人が立つと何も見えなくなるのよね。 で、気がつくと前から3番目という 「大ファンのポジション」 に立っていた。
近くにドレススーツ姿の東南アジア系の女性がいた。(50歳くらい) 無理やりダンナに連れてこられたのかな? と思っていたが、最前列に立って熱狂のダンシングだ。 まわりにはイギリス男(中年)が踊り狂い、わけのわからないことを叫びながら、ぴょんぴょん飛んでいて、怖い。 「前がよく見えないから」 ステージ前に来た私は完全に浮いている。 もう後戻りはできないし。 友人ともとっくにはぐれている。
「ヴォイス」 こと ポール・ロジャーズはその名に恥ない美声の持ち主。 (当然だが彼はボーカルだった) 「ボク達の青春時代のアイドル、ヴォイス」には後光が差している。 観客を見渡す視線は 「みんな、よく来てくれたね」 と慈愛に満ちた観音様のよう。 伝説の観音様を目の前にした最前列は、うっとりと忘我の境地である。
バドカンの曲のひとつに「キミを思うとき、ボクが思うのは 『ラブ』 ああ、ダーリン、キミと愛しあいたい」 というのがある。 その曲になると聴かずに飛ばしていたのだが、大人気曲らしく、ホール全体での大合唱だ。 セックス・ドラッグ・アンド・ロックンロールな歌詞に慣れている私にしてみれば、「小さい秋見つけた」を浪々と歌われたような、顔から火が出る恥ずかしさで、身の置き所がなかった。
とはいえ、マイクスタンドを振り上げてくるくる回す (有名なステージアクトらしい)ポール・ロジャーズを目前にして、
「最前列で見るロックコンサートは最高」 と大満足。
歌がうまいな、ポール・ロジャース (だから、「ヴォイス」なんだってば)
投稿者 lib : May 27, 2010 12:11 PM
コメント
少し前になりますが、O2にエアロスミス来てましたけど、行かれました?
花道?脇の立ち見でしたが、真近でスティーブン・タイラーやジョー・ペリーが見れて感激しました。
スティーブン・タイラーは化粧した間かんぺーみたいでしたが。。
投稿者 kaiser : August 13, 2010 05:04 PM
間寛平? 何て事を! くっくっく (笑いをこらえる音) 故 宣保愛子にも似てますね、 私の愛するスティーブン・タイラー。 もちろん行きましたよ、O2。 ギリシャの話が終わったら、あの嵐のような夜のこと、お話しましょう・・・。 (それほど、たいしたことかい?) あ、その前にKISSのコンサートも行きました。 ロンドンにいると、いろいろなイベントがあって、楽しいですね。 提供は間寛平 ファンクラブ・ロンドン支部長でした。
投稿者 十貴川 洋子 : August 17, 2010 02:28 PM
ロンドンはホントにいろんなイベントがあので楽しいです。
コンサートの話、楽しみにしています!
投稿者 kaiser : September 3, 2010 12:09 PM
最近12ヶ月に行ったコンサートの感想は、 マリリン・マンソン 「スモークで全然見えないぞー、金返せ」、バッド・カンパニー 「やっぱ、コンサートは最前列に限るわ・・・」、キッス 「これぞ、エンタテーメント!」 で、エアロスミス 「ぐったり、疲れた」 でした。 リラックス度、チケットプライス、席の快適度、ステージ鑑賞度をあわせ、総合得点は、KISSが1位です。
投稿者 十貴川 洋子 : September 9, 2010 02:36 PM