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March 04, 2011

ああ、時計。

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一昨年暮れ、ママと沖縄 、香港に行った際に、日本の免税店で購入してもらった時計F(某ファッションメーカー)のバンドが早くも壊れた。
金属のジョイント部分のビスがなくなって外れてしまったのだ。補償期間中なのでロンドンにある F(某ファッションメーカー)の店に行き、事情を話すと「うちの時計は、すべてここと取引しているので、ここに行って!」と渡された住所に出向いた。ここは、古いビルの中にある一室で、外には看板もなく(まあ、英国は看板の規制があるので出せないのだろうが)知る人のみ、知ると言う場所だった。 部屋には、時計の修理をする作業机が数台並んでおり、中は結構、綺麗に整理整頓されている。電池を替えるなどということではなく本格的な時計の修理をしている雰囲気があった。
失った部品があるので、これは注文をしないと修理が出来ないという。部品がきて、出来上がったら連絡をするということで、 時計と保証書を渡してその部屋をでた。これが 昨年の12月1日だった。
その後、1月末になっても連絡が来ない。電話をすると「まだ部品が届かない。」という。まあ、ヨーロッパだし、クリスマスと新年があったから仕方がないのだろう。と待つ事にした。
2月中旬、また電話をした。「いやー、まだ部品が届かないんだよ。この部品はスイスに頼んでいるので、ブラブラブラ、、、、、」との説明があった。仕方がないと、待つことにいた。
3月になり、また電話をした。留守電になっているので、メッセージを残した。しかし、返事がない。また、数日して電話をしたが、また留守電 。うーん。ちょっとおかしいな。メッセージを残しているのだから、連絡をくれてもいいのに。長期ホリデーかな??
と、だんだん不安になってきた。不景気になってきているって言われているし、あんな小さな修理屋が潰れても誰も解らない。実際に知っているレストランが「ただいま改装中のため、一時休業しています。」という貼り紙をして、結局夜逃げしたこともあったしなー。
あそこの場合なら、預かっている高価な時計から私のような安物まで持って逃げてしまうこともできるなー。それに、なんと保証書も預けてしまっているぞ。やばーーい。うーん。出来るなー。夜逃げ。だって、連絡はないし、留守電だし。へんだ。へんだ。と妄想はどんどん膨らんでくる。
そうだ、電話ではラチがあかない。会社を早退し、出向く事にした。
しかし、なんだかんだと仕事をしていたら、会社を出る時間が過ぎてしまった。ああ、5時を廻っている。ああいう仕事は、きっと早く閉めるだろうなーと焦って到着した。まずは、ビルの外にあるベルを見た。名前はまだ付いているぞ。よしっと、ボタンを押す。ビーーー。と鳴り、ドアが開いた。ということは、誰かが中にいるということか。この古く少し誇りくさいビルの階段を4階迄登りその修理屋のドアをノックすると、人が出て来た。ホッ!まだその修理屋は中にあった。

12月から待っていること、留守電にメッセージを残したのに、電話が無い事を伝えると、受付嬢?が3時に帰ってしまうからだな。という。そうか、私はいつも3時過ぎに電話をしていたのだろう。でも、次の日にメッセージを聞いて連絡ぐらいしてほしいなー。心配するではないか。といいたかったが、これは言わずに、気を直して、私の時計は何時出来るのかと聞くと、「僕らだって待っているだけなのさ。いつもそうさ、Fの部品はいつも来ないのさ。」とお手上げ状態だと手を挙げるジェスチャーをしている。じゃあ、他の部品で直せないの?と聞くと「それは、カッコ悪いよー」という。
げっ。待つしかないのか。と手ぶらで帰宅した。ああ、あとどのくらい待つのかな?時計、なくてもいいけど、やっぱ時々不便。必要だな。そうだ、テンポラリーでもいいような安いものでも買おうかな?と物色をしていた。しかし、気に入った時計がなかったので、やむえず帰宅。

本日、「あなたの時計が出来たから取りにきて。」と受付嬢からの電話。
やったー!私の時計が戻ってくる。うれしいなー。まるで、長い間あっていなかった家族のようだ。
でも、そこは土日も休みで、平日は5:30分に閉まる。ああ、また会社を早退して取りに行かない。たった1つの部品のために、3ヶ月間、私の奮闘、妄想したエネルギーは大変なものだった。
この国で生きるには、健康、丈夫が何より。これからは、デザインよりも壊れない!で定評のある物を買えってことかしら??

投稿者 lib : March 4, 2011 06:35 PM

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