ビザの種類

英国政府から外国人に発行されるビザは、主に2つのカテゴリーに分かれ、ポイント制(PBS = points-based system)とノン・ポイント制(non-PBS = non – points-based system)があります。

ポイント制には、4つの階層(Tier)があり、Tier 1(起業家や投資家)、Tier 2(就労ビザ)、Tier 4(学生ビザ)、Tier 5(旧ワーキングホリデー・ビザ、テンポラリーワーカー)があります。条件が異なるそれぞれの階層の基準に基づきポイントを計算し、条件を充足していることを確認した上で申請を行います。

ノン・ポイント制が適用されるのは、支社設立者、英国かEU国籍あるいは永住権を持つ人の配偶者、婚約者、市民パートナーや永住ビザなどです。

日本人が英国においてフルタイムで働くためには、ホームオフィス(内務省)が発行するビザであるTier 1、Tier 2、Tier 5、支社設立ビザのいずれかを取得するか、配偶者ビザや永住権を持っている必要があります。

近年は移民・入国管理法に大幅な変更や更新がなされることがあるので、きちんと申請規定や条件を把握することが大切です。

Tier 1(起業家、投資家)

Tier 1は、高度技能者、起業家、投資家、大学卒業生起業家の4つに分かれています。スポンサーなしでも就労できるビザですが、カテゴリーによってはさらに投資額などの条件が加わります。

Tier 2(就労ビザ)

Tier 2は、一般、企業内移動、スポーツ関係者の3つのカテゴリーに分かれています。ポジション、年収、身元引受(スポンサーライセンスを取得している英国企業)の有無、英語力、渡英初期の生活に必要な資金の有無等から算出したポイントの合計が規定数を超えている人だけが申請できます。職務は大卒レベルに制限され、英語力の最低水準は中級レベル(ビザ申請用として認定された試験の結果を示す書類で証明)となっています。企業内移動の場合は、英語力は証明の必要がなく、サブカテゴリー(長期、大卒研修生)によって申請条件が異なります。

職種によって規定の「支払い予定給与額」が異なり、労働法規定の最低勤務時間と収入規定額をしっかりと確認しなければならないなど、規定条件はかなり複雑なため、ビザ申請には専門家に相談するのがよいでしょう。

英国に滞在する駐在員は、渡英前に英国大使館発行のビザが必要ですが、その扶養家族も同様にビザを取得しなければなりません。

ビザや労働許可書などの取得条件、申請方法などについては、ホームオフィス(www.gov.uk/browse/visas-immigration)のホームページを参照してください。

Tier 4(学生ビザ)

学生ビザは、年齢やコースの期間によって申請方法が異なります。

ビザを申請する際はコース費用プラス生活費が賄える証明が必要になります。

コース期間中(年間休暇期間3ヵ月を除いた9ヵ月分)の生活費(ロンドンの場合は1ヵ月1,265ポンド、ロンドン以外の場合は1,015ポンド)の証明が必要です。※子どもの生活費は条件などによって異なります。

例えばコース期間が9ヵ月の場合は9ヵ月を証明、12ヵ月の場合も9ヵ月証明、6ヵ月の場合は6ヵ月証明。スポンサーライセンスを持つ学校かCAS(Confirmation of Acceptance for Studies)を発行してもらうことが条件。コースにより求められる英語力も違ってきます。

Tier 4ビザ所持者の労働の可不可はコースのレベルや学校により決まります。

Tier 5(旧ワーキングホリデービザ)

Tier 5(Youth Mobility Scheme)は、旧ワーキングホリデービザのことで、18~30歳を対象にした、2年まで英国に滞在可能な就労ビザです。またテンポラリーワーカーもこのカテゴリーで、慈善団体の関係者や創造的業務に関わる人が含まれます。

婚約者ビザ

英国に合法的に滞在できるビザの保持者でない人が、英国籍あるいは英国の永住権保持者と6ヵ月以内に結婚する予定がある場合、英国入国前に英国領事館で申請することができます。ただし、このビザでは就労できません。6ヵ月以内に結婚すれば、配偶者ビザの申請ができます。

配偶者ビザ

英国籍あるいは英国に合法的に滞在できるビザの保持者と婚姻関係がある場合、申請することができます。公的資金を使わずに生活できるだけの資金と住まいがあり、パートナーにも一定の年収あるいは貯金額があることを証明する必要があります。扶養する子どもがいる場合には、その人数に応じて求められる最低年収額も増えます。また、申請者の英語力も問われます。

配偶者ビザの初期有効期間は、英国で申請した場合は30ヵ月、国外で申請した場合は33ヵ月。ビザの延長は最長30ヵ月まででき、英国滞在年数が5年に近づいた時に永住権の申請ができます。

市民権

永住ビザ取得の1年後から市民権を申請することができますが、申請にあたっては、英国在住中の出国日数の規定があるほか、英語能力と英国に対する知識が問われます。市民権を取得すると、選挙権など英国人と同等の権利を有します。成人の場合は英国に帰化することになり日本国籍は喪失します。

近年よりイミグレーションルールに大幅な変更があり、申請規定は日に日に厳しくなる一方です。ビザ申請には規定された条件を全て満たしていることが必須なので、専門家に相談するとよいでしょう。

NHS医療費

非EU国籍の英国長期滞在者は、ビザ申請の際にNHS医療費を払わなければなりません。ビザのタイプにより詳細が異なりますので、取得前に要確認。一般的には、一人年間£200(学生の場合は£150)×滞在(予定)年数を、オンラインで支払います(この額は倍になる予定)。申請が却下された場合は、支払った全額が返金されます。

(協力:ASTONS www.astons.jp