イングランドとウェールズの教育制度の概要

英国の義務教育は5~16歳。イングランドとウェールズの公立校では5歳になる年から入るレセプション(Reception)とYear 1~6の7年間がプライマリースクール(Primary School)、Year 7~11の5年間がセカンダリースクール(Secondary School)です。その後、大学進学を考えている生徒は、2年間のシックスフォームに進みます。

スコットランドの教育制度の概要

スコットランドでは、1年生はプライマリー1と呼ばれ、プライマリー7までの7年間が小学校、その後セカンダリー1~4の4年間が中学校です。試験もイングランドとは違い、National 4 & 5を義務教育修了試験として受験し、進学希望の生徒は17歳のS5でHigher、18歳のS6でAdvanced Higherと呼ばれる試験を受けます。

学期のシステム

新学年は、9月からの秋学期(autumn term)から始まり、1月からの春学期(spring term)、4月からの夏学期(summer term)の3学期で構成されます。各学期の半ばにハーフ・ターム休暇(half term holiday)と呼ばれる1週間ほどの休みがあります。

初等教育

イングランドやウェールズでは、小学校をプライマリースクールあるいはインファントスクール(Primary School / Infant School)と呼び、Year 1の前にレセプション(Reception)という準備学年があります。レセプションは、その年度に5歳の誕生日を迎える4歳児が対象です。公立小学校の申込は前年の9月から1月中旬にかけてオンラインで行います。どの公立校に入学するかは特別な理由がない限り住所で決まり、学校から自宅までの直線距離で判断されます。

中等教育

公立の場合、プライマリースクールを卒業すると次に入学するセカンダリースクールが自動的に決まるわけではなく、Year 6の10月末までに居住地域の自治体に進学希望校の申し込みをしなくてはなりません。定員を超える応募があった場合には、学校の近くに住む生徒が優先されるため、希望校に入れない場合もあります。また英国国教会系やカトリック系の公立校では、それぞれの教会に所属していることを入学の条件としているところも多いので、入学を希望する場合は事前に入学条件を確認しておきましょう。グラマースクールの場合はYear 5の6月からYear 6の9月にかけて行われる入学試験を受ける必要があります。グラマースクールには、GCSEやAレベル(General Certificate of Education Advanced Level)等の試験の成績が良い学校が多く、また学費も原則無料であるため人気が高く、入学試験の倍率が10倍ほどになる学校もあります。

私立校

公立校の1クラスの生徒数が約30人であるのに対し、私立校(パブリックスクールやプライベートスクールとも呼ばれる)は13~14名程度のところが多く、教師の目も届きやすいといえます。費用は年間£12,000~25,000程度で、寮制学校/ボーディングスクール(Boarding School)はさらに高額です。またインターナショナルスクールやアメリカンスクールは、英語のサポート体制が充実している等、日本人には魅力的ですが、学費が年間約£30,000になるところもあります。

寮制学校

寮制学校には、完全寮制(full boarding)や週末の帰宅が許される週5日制(weekly boarding)の他、導入している学校は多くはありませんが、寮生活の頻度や期間が自由に選択できるフレックス制(flexi boarding)があります。

統一テスト

公立の義務教育期間中Year 2とYear 6にSATs(Standard Assess)という全国統一テストが実施されます。Year 6の結果は、各学校別の平均点が公表されます。

イングランドとウェールズの私立・公立校では、Year 11終了前の学期末(5~6月)にGCSEが実施されます。この試験の評価は、試験結果と過去2年間の成績も考慮されたものとなります。一定の基準に達していれば、大学進学のための勉強をするシックスフォームに進むことができます。結果は、8月半ば過ぎに本人に通知されます。

【GCSEとLevel】

公立・私立校とも中等教育終了前に受けるのが、全国統一中等教育終了試験/ GCSE(General Certificate of Secondary Education)。この試験結果が一定の基準に達していれば、大学進学のためのシックスフォームに進学できる。GCSEの評価は9~1の9段階。なお、U(unclassied)は評価不能(不合格)の意味。大学進学のためには Aレベル(General
Certicate of Education Advanced Level)が必要。進みたい大学や専攻に関連した科目を2年間かけて履修し、統一試験を受験する。それぞれの科目に与えられる評価が大学入学選考時の選考基準となる。

(協力:JOBA International London