外出先で

レストランやパブで、椅子の背に鞄を掛けるのは危険です。足元も油断できません。脱いだ上着のポケットに貴重品を入れたままにしないこと。

通りに面したレストランの屋外テーブルでは、荷物は膝の上か、通りを歩く人からは手の届かないところに置き、テーブルには物を置かないこと。

道も注意してください。多少遠回りでも、できるだけ人通りのある道を選びましょう。自宅前で自動車を降りたところを襲われるケースもあります。

鞄やハンドバッグを持ち歩くときは、ファスナーを閉め、それだけで安心せず、しっかり脇に抱えるなどして持ち物を守りましょう。また、リュック サックを背負うと、背後から開けられる危険性があるので注意が必要です。

ロンドンでは、公園で女性が深刻な犯罪に巻き込まれる事件も発生しています。早朝や夜は特に、公園を1人で歩くことは避けましょう。

路上やレストランでソフトクリーム、ケチャップなどをわざと人につけて、それを拭いている間に財布を抜き取るという事件も報告されています。

デパートのエスカレーターやエレベーター(lift)、バスの乗降エリアで、他人の体が不自然に触れたりしたときは、すぐに貴重品を確認してください。

列車に乗って出発を待っていると、ホームにいる人が窓ガラスを叩いてきたのでそちらを見たスキに、隣に置いておいた鞄をその仲間に盗られたというケースもあります。どんなときでも鞄から目を離すことは禁物です。

ひったくり

ひったくり犯を避けるために、道を歩くときはなるべく車道側を避け、荷物は車道側の手に持たないようにしましょう。バイクや車の運転者や同乗者によるひったくりは、背後から襲ってくる場合が多いので、荷物は体の前方でしっかりと持ってください。万が一被害に遭ってしまったら、引きずられることもあるので、抵抗しないで荷物を離しましょう。

地下鉄の車内でドア付近に立っている人の荷物をドアが閉まる直前にひったくり、そのまま降車して逃げるケースもあります。乗り物のドア付近に立つのはなるべく避けましょう。混雑時でドア付近しかスペースがない場合は、荷物をしっかり持って、スキを見せないようにしてください。

偽警察官

日本人を狙ったこんな手口もあります。観光客が集まる博物館などで、日本人に見知らぬ男が話しかけます。その男に受け答えしていると、私服の警察官と名乗る男が現れ、警察バッジを見せ「麻薬(drug)の取締りをしている」と告げ、その男に職務質問。男が自称警察官にIDや財布を提示し、カードの暗証番号(PIN number)を言います。次に、偽警察官は日本人に「お前も身分証明書と財布を見せろ」と言い、カードの暗証番号を聞きます。偽警察官は、手品のように現金やカードを抜き取ってから財布を返却、捜査終了として立ち去ります。その直後に抜かれたカードが多額な不正使用をされてしまいます。

警察官と言われて無条件に信用したり、反対にやましいことはないのにオドオドしたりすることで、注意が散漫になるスキを狙われます。見せられ た警察バッジや手帳をしっかり確認することはもちろんですが、警察官が、カードの暗証番号を聞くことはあり得ません。見知らぬ人に話しかけられたら警戒し、暗証番号は絶対に教えないでください。警察官に不審な点があれば、「他の警察官にも立ち会ってもらう」、「日本大使館に連絡する」などと言って、毅然とした態度で冷静に対処することが大切です。

キャッシュ・マシン

路上に面したキャッシュ・マシンで現金を引き出していると、「5ポンド落としましたよ」と後ろから声をかけられる。地面を見ると本当に5ポンド札が 落ちている。その5ポンドに気を取られているスキに、犯人はキャッシュ・ マシンから出てきたお金とカードを盗って逃げ去る、という手口もあります。

キャッシュ・マシンの操作中に後ろから声をかけられても、応じないようにしましょう。現金を引き出す際は、できるだけ銀行内に備え付けのキャッシュ・マシンを利用しましょう。

住まいの防犯

新居に引越しをする場合、既存の鍵の複製が他人の手に渡っている可能性を考えて、直ちに玄関と裏口のロックを交換すると安全です。また、玄関近くに家や車の鍵を置いたり、鍵穴に鍵を差し込んだままにすることはやめましょう。

住まいは、セキュリティ・システムを設置する、ロックを二重に付けるなど、できる限りの防犯対策をし、鍵のかからない窓があれば、家主に取り付けてもらいましょう。

外出時には浴室などの小さな窓でも閉め忘れのないように気を付けてください。これを怠ると家財保険などの保険金支払いが困難になることも。

ハシゴなどの置き放しは厳禁です。必ず車庫などに入れること。また、ドリ ルや工具など道具類のたくさんある車庫には鍵をかけることもお忘れなく。

共同のメインエントランスがあるフラットに住む場合は、セキュリティが希薄になりがちです。非常階段などを使って一旦屋根に上がり、ベランダから部屋に入り込む可能性もあるため、上層階に住んでいても窓の施錠を忘れないように。

侵入者は光を嫌います。暗くなると自動的に点灯し、朝になると消える外灯 や人の動きで点灯するセンサーライトを家の外壁に設置するとよいでしょう。

玄関のドアを開ける前には必ずのぞき穴か窓から確認し、容易にチェーンを 外さないこと。また、予定のない来訪者は決して家の中に入れてはいけません。

来訪者

来訪者(メーターや電気系統のチェック、ガス、水道の修理など)の身分証明書(ID)は必ず見せてもらいましょう。戸別訪問によるチャリティーの募金集めを装った悪戯、空き巣の下見も全くないわけではありません。

貴重品

警察では、万一の盗難に備え、貴金属品などは製品番号を控え、大きさや特徴がわかるような写真を撮っておくように指導しています。また、所持品リストは、家の中ではなく、貸金庫などに保管しましょう。

セイフティー・デポジットの利用

まとまった現金や証券は、銀行の貸金庫に預けるか、会社などの頑丈な金庫などに保管し、自宅には置かないようにしましょう。

家財保険

家財保険(house contents insurance)にも加入を。家財の破損、電気や水道の事故、盗難などがカバーされます。

旅行中の防犯

旅行などで家を空けるときや留守がちな時間などをむやみに口外してはいけません。数日以上留守にするときは信頼できる隣人に一言伝え、長期の留守中は知人に様子を見に行ってもらうとよいでしょう。定時刻に照明やテレビが付くようにタイマーを設置するのも有効です。

窓を通して見える場所に新聞や雑誌、コーヒーカップを置くなどして、人のいる気配を演出します。

滞留した郵便物が外から見えないように工夫するか、知人に頼んで収集してもらうようにするとよいでしょう。

空港までのタクシーは信頼できる会社を選ぶことはもちろん、予約の際には家番号を告げず数ブロック先の角などでピックアップしてもらうとよいでしょう。また、旅行バッグには自宅の住所を記したタグを付けてはいけません。滞在先の住所を記しましょう。

自動車の防犯

自動車には必ずセキュリティ・システムを付け、車の中には何も残してはいけません。特に取り外し式のカーナビは、必ず取り外して車から持ち出すか、車外から見えないところに隠します。

わずかな時間でも車から離れる場合は、エンジンキーを抜き、ステアリングのロックも効かせておきましょう。窓のちょっとした隙間が開いていないか確認をしましょう。

駐車場所は、見通しの悪い路上は避け、人通りが多く、人の目が行き届いた場所を選びます。可能なら、CCTVが設置され、カメラが向いている方面に停めるのが理想的です。

可能であれば、ダッシュボードの扉を開けておくなど、車の中には何も取る ものがないと見せることで窓ガラスが破損されるなどの被害が防げます。

カード犯罪

カードに標的を絞った盗難、詐欺も手口が巧妙になっています。電話やインターネットでカード支払いをする場合は、信用ある業者のみにしましょう。

万が一、財布などを盗まれたときのためにカード類の番号、カード会社や銀行の電話番号を書いたメモを財布とは別に持ち歩きます。できればメモのコピーは家族と交換しておきましょう。また、カード番号はアラビア数字ではなく、ひらがなで記しておくとより安心です。盗難に遭ったときは、まず電話で即座にカードを全て停止し、それから警察に届けましょう。

個人情報を守る

クレジットカードの番号や銀行口座の暗証番号など、重要な個人情報が書かれた書類などは、必ずシュレッダーにかけてから捨てるようにしましょう。

クレジットカード会社や銀行から送信したように見せかけ、電子メールでカードや銀行口座の番号などを聞き出す詐欺が増えています。クレジットカード会社や銀行は、メールでこうした情報を聞くことはありません。対応に迷ったら、直接問い合わせましょう。
(*p20〜23の協力:英国セコムSECOM PLC www.secom.plc.uk