Vol.180
〈レシピ編〉



伝統的英国料理代表
ローストビーフ

英国料理といってまず思い浮かぶのはローストビーフではないでしょうか?
日本ではローストビーフというと高級なイメージが強いですが、ここイギリスでは家庭的なメニューです。そう、パブ飯でもおなじみのサンデーランチの代表ですよね。
日本人家庭の我が家ではいまだ高級感がぬけないのか、ローストビーフが食卓に登場するのは夫の誕生日とクリスマスの年に2回だけです(笑)
家に大きなオーブンはあるし、作り方もポイントさえ押さえればすごく簡単なのでもっと頻繁に登場してもよさそうなものなのですけど。

牛肉はトップサイド、トップランプ、サーロイン、リブロースなどを使います。霜降り肉よりも赤みのお肉のほうがおいしく仕上がります。
大きな塊肉で作るのがおいしく出来るこつ。たっぷりと作って、翌日に残った分はローストビーフのサンドウィッチやサラダにして楽しみましょう。


霜降りより赤身の肉がおいしい


表面はしっかりと焼く


焼きあがったら
フォイルで包んで寝かせる


いい感じに焼きあがりました

4〜5人分
・牛かたまり肉  1.5kg
・コンソメスープ  300ml
・赤ワイン  100ml
・塩・胡椒  適宜
・粒マスタード  適宜
・ホースラディッシュ (すりおろして使う。生がなければ瓶詰めを利用)

@ 肉は料理を始める、最低4〜5時間前に冷蔵庫から出し常温に戻しておく(*1)
A オーブンを220℃に暖めておく。
B 肉は2kgまでならタコ糸で縛る必要は特にないが、型崩れが気になるのなら軽く形を整える程度に縛る。スーパーでローストビーフ用の肉を買えば、最初からタコ糸で縛ってあるので便利。
C 肉の表面に塩・胡椒を多めにまぶし、すりこむ(*2)
D 肉の脂身が上にくるように天板に置き、オーブンに入れる。
E 天板にたまる脂分を時々肉にかけながら焼く。

ローストビーフで難しいのは焼き時間。オーブンの種類にもよるが、目安として肉450gにつき、
・レア    ・・・/15分+15分
・ミディアム ・・・/20分+20分
・ウェルダン ・・・/25分+25分
【例】肉1.8kgでミディアムの場合は、((1800g÷450g)×20分)+20分=100分

F 肉が焼きあがったらすぐに取り出し、フォイルでふんわりと包み、最低30分は寝かせる。(*3)
G グレイビーソースを作る。天板に残っている肉汁を鍋にあけ、肉かすや澱は取り除く。コンソメスープ、赤ワインを加え数分間煮立たせる。塩・胡椒、粒マスタードで味を調える。とろみをつけたいときは水で溶いたコーンスターチを少量加える。
H 肉は7〜8mmの厚さに切り分け、グレイビーソースをたっぷりとかけ、ホースラディッシュを添えて召し上がれ。
□■おいしく焼くコツ■□■
*1 肉は常温に戻しておく。
冷蔵庫から出したばかりの固まり肉の中心部は非常に冷たいので、中まで火が通りにくいのです。できれば前日に冷蔵庫から出しておき、常温に戻すようにします。

*2 塩は焼く直前にまぶす。
塩をしたまま放置すると肉が固くなってしまいます。

*3 焼きあがった肉はしばらく寝かせる。
   肉が焼きあがってすぐに切ると肉汁がどんどんと出てしまいます。フォイルに包んで、しばらく寝かせて肉汁を閉じ込めることにより、おいしいローストビーフになります。
※ ローストビーフの付けあわせといえば、マッシュポテトとヨークシャープディング。これが伝統的なメニューです。他にも野菜のロースト(ポテト、パースニップ、オニオン、スクォッシュ、ビートルートなど)がお勧め。
※ マヨネーズとホースラディッシュ(瓶詰め)を同量あわせ、それに味をみながらグレイビーソースを加えていきます。これだけでおいしいドレッシングの出来上がり。ローストビーフのサラダやサンドウィッチのソースとしてお使いください。
おちゃ子
健康のために和食に目覚めた日本人オットと魚が大好きなイギリスネコとの生活。 本人は悲しいほどの日本人であり、あきれるほどの和食好き。 たとえ海外に住んでいても、和食は食べたい!何がなんでも食べたい!の精神で、日々スーパーを探検。
ロンドン在住。
ブログ「倫敦的食卓日記」でもおいしいもの掲載中
http://ochasuke.catfood.jp/diary2/
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