生活に必要なのはまず「お金」。英国の銀行口座開設が必要です。

口座の種類

一般的には、当座預金口座(current account)を開きます。ゼロ/低利子ですが、小切手、キャッシュカードを利用できるのはこの口座。貯蓄口座(savings account)は、利子が高めの預金口座です。

非課税貯金

貯蓄口座には様々なものがありますが、特に個人貯蓄口座(NISAニーサ:New Individual Savings Account)は人気のある金融サービス。利子所得、運用益が非課税になる貯蓄・運用口座で、毎税年度、上限金額まで積み立てることができ、非課税で運用資産が複利で増えていきます。

口座を開く

口座は住居や勤務先の最寄りの支店で開きます。開設時には、申込書のほかにパスポートなどの身分証明書、住所の証明、場合によっては他口座の残高証明が必要です。口座開設を申し込んだ時点では、預金の必要はありません。また、母親の旧姓(mother’s maiden name)を聞かれることもあ り、後日、本人である証明が必要なときの確認項目になります。

申し込み当日に口座は開設されません。申し込み後、土日祝日を除くおよそ5日間ほどで口座が開設され、その後、カードと小切手帳などが送られてきます。小切手帳が必要な場合は、口座開設時に確認して依頼するといいでしょう。キャッシュカードと暗証番号は、バラバラに送られてきますが、その日数差はあまりありませんので、どちらかが届かない場合は念のために銀行に問い合わせてみましょう。また、カードは郵送せず、本人が銀行に取りに行くシステムの銀行もあります。その場合は、身分証明証を忘れずに。

駐在員の配偶者であり、住所の証明がない場合は、水道や電気などの公共料金の請求書を夫婦ふたりの名義宛にしてもらうこともできます。また、カウンシル・タックス(council tax)の請求書も同様。

ステートメント

ほとんどの銀行では通帳を発行しません。口座履歴/残高報告書(state­ment)が定期的(1ヵ月に1回)に送られてきますので、保管しておきま しょう。現在の残高を知りたいときは、カードを使ってキャッシュマシン(ATM)で調べるか、インターネットバンキングの登録をすればサイト上で確認できます。

入金

自分宛の小切手、現金を入金するときは、入金伝票であるpaying-in slip (送られてくる入金伝票帳や小切手帳の後ろにも付いているほか、銀行にも常備されている)に必要事項を記入し、窓口へ。行内の現金自動預け払い機(ATM)を利用 する場合は、備え付けの封筒を使って入金します。口座のない支店でもよく、小切手だけなら、スリップを同封し口座のある銀行へ郵送してもOK。銀行によっては機械化が進み、小切手まで自動入金可能になりました。

ATM

現金自動支払機(Cash machine)は24時間使え、提携銀行間であれば、引き出し手数料はかかりません。ただし、銀行以外の場所に設置されたキャッシュマシンを利用すると手数料がかかる場合があります。

暗証番号

カードの暗証番号は、あらかじめ銀行が決めてきますが、その後は随時キャッシュマシンで番号の変更ができます。

暗証番号を打ち込んだ後、もう一度打ち込むようメッセージが出ることがありますが、これは確認のためです。メッセージに従って操作します。

銀行内設置のキャッシュマシンには、入金専用機や、過去1ヵ月分ほどのステートメントの印刷ができるマシンもあります。また、カードで入口のロックを解除して銀行の営業時間外に建物内のキャッシュマシンを利用できる銀行もあります。

デビット・カード

カードに、Visa、Maestro、Deltaなどのマークがあるものは、クレジットカード同様に暗証番号やサインで支払いができるデビット・カード(Debit card)。通信販売などの支払いなどにも使えます。決済は取引同日。控えのレシートは保管しておきましょう。

自動引き落とし

公共料金や通信販売などの口座自動引き落としは、ダイレクト・デビット(Direct Debit、DD)。ダイレクト・デビット申し込みの手続きは、支払先から発行される用紙に記入後、支払先または銀行に提出します。

自動振替

家賃など、定額の自動引き落としや自動振替は、スタンディング・オーダー(standing order)といいます。

DDのキャンセル

ダイレクト・デビット、スタンディング・オーダーを中止したいときは、チェックブックの最後についているスリップで中止の通知をするか、銀行に文書・電話などで直接連絡をします。オンライン上での中止も可。

書類の発行

残高証明などの書類、ステートメントの臨時発行/再発行などはその日のうちにはできず、有料です。必要があるときは早めに用意を。

インターネットバンキング

インターネット上で保有口座やクレジットカードの取引状況、残高などをいつでも見ることができます。さらに同銀行内の口座間送金や他銀行への送金もインターネット上で実行することができます。

利用には、まずご自分の銀行のインターネットバンキングに登録することが必要です。銀行のウェブサイトから、Internet Banking、Online Banking、Register Online、Sign Up Now、Personal Registrationといったページを探し、個人情報、口座番号、パスワード(本人が決定)などの詳細を入力します。通常24時間以内に電子メールにてインターネットバンキング登録確認メールが送られてきます。

口座解約

取引支店の変更は比較的簡単にできますが、口座の解約には手数料がかかることがあります。

ペイオフ

英国にも預金者保護システム(ペイオフ)があります。銀行が破綻した 場合、預金額の£85,000までは100%が英国金融監督庁の保証スキームによって補填されます。(しかし、提携している複数の銀行にそれぞれ口座があり、二つかそれ以上の銀行が破綻した場合は、ひとつの銀行の口座のみが保証の対象となります。)

ネットバンク・その他の金融機関・クレジットカード

ネットバンク

店舗を持たないネットバンクに口座を持つ人も多くなってきました。貯蓄口座、クレジットカード、保険など一般の銀行と同様のサービスも行っています。振り込み・入金は、ウェブサイト、提携銀行の窓口を利用できま す。普通のキャッシュマシンからカードを使っての引き出しも可能。携帯電話に残高が表示されるなど、便利なサービスも。

ビルディングソサエティ

もともと住宅金融公庫と同様の機関であったビルディング・ソサエティ(building society)も、その役割は銀行とほとんど同じ。銀行との合併・提携も進んでいるので、提携銀行のキャッシュマシンであれば手数料無料で利用できます。

クレジットカード

クレジットカードは世界共通で、各銀行をはじめさまざまな機関から発行されます。

請求書には、支払期日、最低支払額が記入されています。一括払いやリボルビングなどの設定はなく、最低料金以上なら自由に返済できます。支払いが遅れると利子が付きます。

支払いは、請求書が来た時点で、小切手をクレジット会社に郵送する、銀行の窓口で小切手、現金で支払う、インターネット・バンキングで支払うなどの方法があります。

口座自動引き落としにしたい場合は申し込みが必要です。
(協力:和枝ドゥルーリーIFA www.kazuedrury-ifa.co.uk