妊娠チェック
妊娠の可能性があると思ったら、まず市販の妊娠判定テストで自分で調べ、陽性であればGPへ行くよう勧められています。
妊娠が確実であれば、妊娠期間中に検診を受ける産婦人科と、出産場所をNHSにするか、プライベートにするか選択します。
NHSで出産
NHSを利用する場合、登録しているGPに相談し、産婦人科のある病院を選びます。基本的には自宅に近い病院になります。
NHSでは費用は全て無料で、検診は通常、助産婦(midwife)とGPが行います。入院期間は正常分娩の初産で1〜2日、帝王切開の場合は2〜4日というのが平均的で、日本よりはるかに短いようです。
NHSでの出産退院後は、助産婦が自宅を訪問し、産後ケアをしてくれます。退院後10日間、毎日訪問してくれる地域もあれば、退院直後1日のみの地域もあります。
プライベートで出産
プライベートの場合は、入院は設備万全の個室、産後のケアも数週間と、いろいろな面で融通がききます。費用の目安は£3,500〜8,000。
自宅出産
助産婦の介助で自宅出産もできます。妊娠中、出産、産後を一貫して一人の助産婦に看てもらえるのが利点。
定期検診
定期検診は、妊娠初期〜32週は4週間に1回、32〜36週は2週間に1回、36週以降は週1回が基本。検査項目は診察(浮腫、腹部触診、血圧測定)、尿検査、胎児心音聴取(12週以降)、胎動チェック(20週以降)。
母親学級
出産準備クラス(antenatal class)は、GPや病院、NCT(National Child Trust)が主催。パートナーも参加できる夜間コースもあります。
英国式出産
英国の出産は妊婦主導。出産の方法、麻酔や陣痛促進剤の使用、付き添い、立ち会いなどについて、本人の決定が尊重されます。心配や不安を残さないよう、意思をしっかり伝えましょう。
なかよし会は妊娠、出産、育児を助けるボランティア・ネットワークで、出産情報書「なかよし会マタニティ・ブック」を発行しています。詳細は www.nakayoshi-kai.blogspot.co.uk で。
避妊用ピル
避妊用ピルは、薬も処方料も無料。GPやファミリープランニング・センターで各自に合ったピルの処方箋を出してくれます。
ヘルプライン
サマリタンズラインは、トレーニングを受けたボランティアが話を聞いてくれるヘルプライン。歴史あるボランティア団体による運営で、宗教には一切関係なく、名乗る必要もなく、絶対秘密厳守。T 08457-909090に電話をかけると英語を話すボランティアが答えてくれます。日本語を希望の場合は電話番号などの詳細を伝えれば、後で日本語を話すボランティアが折り返し電話してくれるサービスもあります。
(* 協力:Dr. 伊藤クリニック www.dritoclinic.co.uk)