Vol.130
〈レシピ編〉


ブラックベリーとピスタチオの
フランジパンタルト
Blackberry and Pistachio
Frangipane Tart






美味しい夏の果物はたくさんありますが、ベリーやカラント(スグリ)はイギリスらしいもののひとつです。ブラックベリーは夏も後半に差しかかる頃、他のベリーに比べて遅めに実をつけます。雑草並みに強く、道端で見かけることも少なくありません。野生のものは小粒ですが、穫りたてを頬ばれるのはやはり嬉しいものです。

今回はブラックベリーを使ったシンプルなタルトを作りました。アーモンドクリーム(フランジパン)と一緒に焼き上げるのが一般的ですが、今回はピスタチオとカスタードクリームも加え、さらに風味を増してあります。このレシピはいろいろなタルトに応用できますので、その時々で手に入る果物を使ってみてください。

夏場はタルトの生地がダレやすいので、型に敷込む際、柔らかすぎると感じたら無理に作業を続けず、冷蔵庫でいったん冷やします。残った生地は冷凍庫で保存できます。カスタードクリームも分量より少し多めにできあがりますが、これ以下の分量だと作るのが難しいです。ピスタチオのクリームは市販のピスタチオペーストを使っても構いませんが、ここではプロセッサで粉末状にしたものを合わせました。私は色も風味も豊かなイラン産のピスタチオを愛用しています。デリなどで見かけたらぜひ試してみてください。


  ブラックベリーとピスタチオのフランジパンタルト

タルト生地(パートシュクレ)
 
無塩バター 150g(常温で柔らかくしておきます)
 上白糖(caster sugar) 30g
 粉糖(icing sugar) 60g
 アーモンドプードル(ground almond) 30g
 塩 3g
 卵 1個(常温に戻しておきます)
 薄力粉(plain flour) 250g

カスタードクリーム
 
牛乳 200ml
 上白糖 50g
 バニラビーンズ(縦に割いて種をこそぎ取る) 1/2本
 卵黄 2個
 薄力粉 10g
 コーンスターチ 10g

アーモンドクリーム
 
無塩バター 50g
 粉糖 50g
 全卵 50g(1個弱)
 アーモンドプードル 50g

ピスタチオペースト
 
ピスタチオ 50g
 上白糖 30g

1.タルト生地を作ります。バターをクリーム状になるまでよく混ぜ、砂糖、アーモンドプードル、塩を加えてすり混ぜます。
2. 溶き卵を少しずつ加えながらすり混ぜます。薄力粉を加え、さっくりと混ぜ合わせます(混ぜ過ぎないように注意)生地をまとめ、ラップに包んで冷蔵庫で数時間(できれば一晩)休ませます。
3. ピスタチオのフランジパンを作ります。まずカスタードクリームを作ります。鍋に牛乳、砂糖の半量、バニラ(さやも一緒に)を入れ、火にかけます。ボウルに卵黄をほぐし、残りの砂糖を加え白っぽくなるまで混ぜます。
4. 合わせてふるっておいた薄力粉、コーンスターチを3の卵黄に加え、軽く混ぜます。
5. 牛乳が沸騰したら、少しずつ4に濾し入れます(常にかき混ぜながら)。
6. 5を鍋に戻し、中火にかけます。かき混ぜる手を休めずに、とろみが出て泡がフツフツと出てきたら火から下ろします(ある程度強火で手早く煮詰めるのがポイントです)
7. 鍋を氷水で冷やします。
8. アーモンドクリームを作ります。バターと卵は常温に戻しておきます。ボウルにバターを入れ、粉糖、溶きほぐした卵、アーモンドプードルの順で混ぜ入れます。滑らかになったら、冷蔵庫で数時間休ませます。
9. 休ませておいたタルト生地を型に敷き込みます。作業台に打ち粉をし、厚さ約3mm、型の大きさより一回り大きい形にのばします(打ち粉はできるだけ少なめにします)生地を型にしっかりと敷き込み、はみ出した部分はナイフでカットします。
10. フォークなどで底に空気穴を開け、生地を冷蔵庫で30分ほど休ませます。生地の上にベーキングシートを敷き、重り(乾燥豆などで代用できます)を乗せ、170℃のオーブンで10分ほど空焼きします。。
11. ピスタチオをフードプロセッサで粉末状にし、砂糖を加えて少ししっとりするまでさらに回します。
12.7のカスタードクリームを軽く混ぜ戻し、8のアーモンドクリームを混ぜ入れます。ここにピスタチオペーストを少しずつすり混ぜていきます。
13. 粗熱がとれたタルト生地に、12のピスタチオクリームを詰め(生地の3分の2程度の高さ)ブラックベリーをたっぷり散らし、170℃のオーブンで20分程度焼きます。
14. 冷めたら粉糖を振り、クレームフレッシュやバニラアイスクリームなどを添えていただきます。
及川けい子
2年ほど前より料理ブログ(英語)を始める。 料理以上に写真に興味を持つようになり、最近はフォトグラファーとしてのキャリアをスタート。
Suffolk州のBury St Edmunds在住。
筆者サイト: www.nordljus.co.uk/en/
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