Vol.43

ゴードン・ラムジーのレストラン
「Gordon Ramsay at Claridge’s」で
6時間楽しむ豪華で高価なディナーのお話
<その2>


シェフによる料理の説明

  いよいよシェフズテーブルのディナーの始まりだ。まず、フランス訛りの英語を話すソムリエが登場。ワインの嗜好を聞かれた。さっそくワイン1本あたりの希望価格を伝え、料理に合わせソムリエに選んでもらうことにした。ウエイターのウイリアムもソムリエもフランス人だ。料理の世界では、一流になればなるほどこのような職につくのはフランス人が定番らしい。食に関する意識と歴史の違いなのだろうか。



ジャケットポテトのコンソメスープ。
トリフの香りにうっとり


 シェフがキッチンから来て挨拶をし、料理の説明を始めた。スターターは、ジャケットポテトのコンソメスープ。このスープは、遊び心がいっぱいなんだそうだ。みんなが知っているジャケットポテト(オーブンで焼いたジャガイモにバターやクリームがトッピングされている)を形を変えて表現している。スープは、ジャケットポテトに使うポテトで味をとり、トッピングのチャイブとクリームをスープでは、ラビオリに閉じ込めて表現したそうだ。 サーブされた瞬間、黒トリフの香りでうっとりとしてしまった。ただただ、トリフの香りに酔ってしまい、あっという間に平らげてしまった。猫にまたたびのように、トリフはなんだか私のまたたびのようだ。


 ワインは、イタリア、サルディニアの白(Vermentino de Sardegna “Tuvaoes” Giovanni Cherchi 2003)。一同、だされた瞬間、サルディニア?とピーンとこなかったが、さっぱりとやさしい酸味で美味く料理に合っていた。後で調べたら、ゴルバチョフがイタリア公式訪問の晩餐会でだされたワインと同じようだ。


目に鮮やかな蟹サラダ

 ワインを飲み終えると次に登場したのは、蟹のサラダ。薄く切られた人参で蟹を巻いている。美しく見えるオレンジ色の食材が人参だなんて、誰も想像できない。人参のシャッキとした感触と、蟹とオレンジの香りがとてもよくあう。ワインは、オーストラリアのソーヴィニヨンの白(Sauvignon Blanc ‘L'eclaireur”, The Colonials Estate, Adelaide Hills 2004)。ワインは、6つのグラスにわけると丁度1本が空になる。このままだとワインは各コースごとに1本空いていくのだろうか?

 うーん、甘い香りが漂ってくる。テーブルの隣は、デザート制作のキッチン。何かを焼き上げたようだ。このシェフズテーブル、友人の台所で食べるというような感覚と同じで緊張感がまったくなく、妙に落ち着く場所だ。多分、他の客がいないからかな?


ウサギのテリーヌ。
ウサギが好きになる逸品

 次の料理は、うさぎのテリーヌ。うさぎをチキンストックでクッキングし、固めるのに凝固剤は使わず、自然にゼリー化した際に冷やして固めるそうだ。塩加減が抜群にいいなぁ。うさぎがこんなにおいしいとは知らなかった。このウサギは、フランスから仕入れているそうだ。そのせいでうまさが違うんだろうか?つけ合わせは、ビートルートに濃く甘いバルサミコソースがかかり、その上にまたトリフ。うさぎとの色合い、味のコントラストもとく気が利いている一品だ。さすがに完成度が高い。ワインは、後味がコショウの香りがするオーストリアの白(Gruner Veltliner, Achleiten, Smaragd, Weingut Parager 2004) 。なかなかよいワインだ。料理と程よくあい、ソムリエの存在に感心するばかり。

カリカリのシーバス。
四角刻まれたのがスイカのフライ

 そこへメインの魚、シーバス(鱸)がやってきた。表面をカリカリに焼き、絶妙な塩加減で仕上がった素晴らしいシーバス料理だ。海の味がするこんなうまいシーバスは、何処で手に入るのだろうかとウイリアムに聞くと、直接漁港や船から買い付けるそうだ。普通の魚屋では手に入らないのか。ああ、残念。 つけ合わせは、スイカのフライとかわっている。この斬新なアイディアは、おもしろいなー。ワインは、ドイツの白(Ihringer Winklerberg Weissburgunder, Spatlese, Dr Joachim Heger 2001)。


キッチンツアーの始まりだ

 食べ終わり歓談していると、女性シェフがやってきて「これからキッチンツアーに出かけるので、私についてきて!」と。どうやら彼女がツアーガイドをしてくれるようだ。いよいよ大詰めになってきたシェフズテーブル。これからがお楽しみ。

(来週に続く)
Gordon Ramsay at Claridge’s
Brook Street. London W1A 2JQ
TEL: 020-7499-0099
Web: http://www.gordonramsay.com/site/
営業時間:
Lunch

Dinner
月 - 金 12:00-14:45
土 - 日 12:00-15:00
月 - 土 18:00-23:00
日 18:00-22:30
価格の目安
(1人) :
ランチ£30~、ディナー£60~、
シェフズテーブル(6人迄)£750~
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