Vol.43

ゴードン・ラムジーのレストラン
「Gordon Ramsay at Claridge’s」で
6時間楽しむ豪華で高価なディナーのお話
<その3-最終回>


熱いキッチンの中


シェフズテーブルから見えるキッチン



ウォールナッツ詰めのラム


ラムのサイドの野菜。右上にあるのが、
トリフ入りマッシュポテト

  これからキッチンツアーが始まる。大きめのキッチンの中に6人が入り込んだ。ここが、暖かい物を作る場所、ここが冷たいものをつくるところ、と案内人が説明してくれる。火を使うキッチン内は、コンロが常についているので、かなり熱い。そういえば、修行中のシェフが言ってたな。キッチンで働くと痩せるって。この熱さで毎日働いていたらうなずける。そのため、冷たいものを扱うオードブル部門と火を使う部門は離れ、香りの関係だろうデザート部門は、まったく別の場所に設置されている。 手際よく料理するシェフたちは、見られるのに慣れているらしく、我々がいても気を散らさず黙々と料理をしている。そして、忙しいのに我々の質問には愛想よく答えてくれる。よく教育されているなぁ。

  席に戻ると、ウォールナッツ詰めのラムがトレーに載ってやってきた。席についてすぐに出せるこの絶妙なタイミングもすごいな。つけ合わせは、野菜の盛り合わせと、トリフ入りのマッシュポテト。皿に、ラムだけが取り分けられた。ウイリアムが「これから、コンンペティションを行いますので、ご自分で野菜を盛りつけてください。優勝者には賞品がありますよ。」という。シェフ気取りで、自分が一番うまく盛りつけられるはず、と我々は真剣に挑戦していた。食べさせるだけでなく、料理と遊ばせるこの嗜好に感心した。  
  メディアを通して感じるラムジーは、我々に料理や食べる事にもっともっと興味を持ってほしいと訴えているように見える。ここでも彼のメッセージを聞いたようで、ますますとを好きになってしまった。

さて、メインだが、ナツメッグなどのスパイスを上手にマッチングさせたラム。それにトリフ入りのクリーミで贅沢なマッシュポテト。色のコンビネーションを考えた付け合わせの品よく切られた野菜類。1つ1つが完成しているのをまとめれば、最高になるんだなあ。これぞ最後の料理として完璧だ。ワインは、赤のMorgenster, Stellenbosch 2001。
  とりわけ我々が感心したのは、トリフ入りのマッシュポテト。細かく刻んだトリフをマッシュポテトの中に入れ、表面にもたっぷりと飾ってある。その香りに、またまたうっとりしてしまう。


  美味しい、美味しいと、酔いの回った勢いで我々は騒いでいる。そこへウイリアムが「おかわりをしますか?」と尋ねた。まさか?と思いながら、一同、「もちろん!!」と答えると、なんとキッチンでは我々のリクエストに応えて作り出すではないか。さすが、シェフズデーブル。客のわがままを聞いてくれる。まったく最高の気分だ。
  しかし、これまでに5コース食べていてお腹は結構膨らんでいる。追加のマッシュポテトを出した際にウイリアムが、「残さないで下さいよ。」という冗談半分のプレッシャーと、やはり2回目もおいしかったので、我々はマッシュポテトをほとんど食べつくした。ふー、もう、お腹にスペースはないぞ。



チーズとクラッカー



デザートのチョコムース


  そこへチーズ登場。英国産チーズ2つとフランス産チーズ4つが、シルバーの容器にはいった5種類のクラッカーと一緒にだされた。食べる順番としては、山羊、牛、羊が一般的だそうだ。迷ってしまう多種類のクラッカー、チーズはどれをとってもおいしく、デザートワインの勢いですでにお腹はいっぱいなのに、口は休む暇がなかった。

  この後は、ワインセラーの見学だ。テーブルの裏にあるさほど大きくないセラーに、ソムリエが連れて行き説明をしてくれた。

  そして、デザートに突入。コーヒー味が中に入ったプリンとチョコムース。デザートも、もちろんおいしい。お腹はいっぱいの上にワイン類は、6本空けている。計算すると1人1本を消化しているではないか。実は、この日は英国内旅行から帰った足で来店しているせいか、疲れている。すでに12時をまわっており、お腹はいっぱいだし、ワインで気持ちはいいし、眠くなってきた。


  今思えば無念だが、私は食べるテャンスを失ったものがあった。コーヒーにだされる小さなおかし、プチフォアのホワイトチョコレート。パッションフルーツが中に入り、みんなは盛んに美味しい、美味しい、と言って食べていたが、我慢しきれず私は、なんと肘をついて居眠りをはじめていたのだ。それも最高の気分で。ああ、もったいないことをした。


  この食事が始まったのは、7時。終わったのは1時。キッチンでは、スタッフが明日の仕込みのためにまだ働いている。帰り際には、迷惑な顔はまったくせず我々を暖かく送り出してくれた。なんだか、すっかり常連になった気分だ。

  いいワインは、おいしいのは当たり前だが、こんなに飲んでも酔わなく、飲みやすいとは知らなかった。義弟は、ワインは1本50ポンド以内でと注文していたが、まさか各コースに1本消費するとは思っていなかったようだ。そして、勘定をみて驚いた金額になっていたのはいうまでもない。ワインは50ポンドを越えているものもあったとか。しかし、ソムリエが、「これはお勧めです。」「この料理には、まだはっきり合う物を見つけていないが、非常に気に入っているワインです。」と毎回真剣に説明する姿に胸打たれるものもあり、それに美味しく飲んでしまったら、支払うしかないだろう。これで文句を言う紳士はいないだろうな。



お土産のチョコレートと水彩画


  最後には、お土産までつけてくれた。オリジナルのチョコレートとキッチンで働くスタッフの水彩画プリントだ。ここまでやられるとちょっと商業的だが、やはりミシェラン星をもつレストラン、どこにも落ち度がない。ラムジーがいなくても効率的にスタッフが働き、いいクオリティを保つという、プロフェショナルな仕事を見た気がした。

 


  毎週クライアントを連れてくる常連客もいるとか。やはり昼よりは夜はお勧めとスタッフがいう。何か特別のことがしたい時はぜひ、ぜひ、シェフズテーブルに来てみてはどうだろうか。
  誕生日を祝ってもらった彼女は、とてもいい想い出になったと喜んでいる。そう、味は、憶えているのは難しいが、決して忘れる事が出来ない体験をしたのは記憶にいつまでも残るなぁ。
  そんな余韻に浸っていた2週間後に、我々が体験した食事のメニューとワインリストを奇麗に装丁して送ってきた。心憎いなー。
  高くて気軽にいけないシェフズテーブルなのに機会があったら、行ってみたいと思わせるラムジーのスタッフには脱帽した。See you soonと言っておこう!!
Gordon Ramsay at Claridge’s
Brook Street. London W1A 2JQ
TEL: 020-7499-0099
Web: http://www.gordonramsay.com/site/
営業時間:
Lunch

Dinner
月 - 金 12:00-14:45
土 - 日 12:00-15:00
月 - 土 18:00-23:00
日 18:00-22:30
価格の目安
(1人) :
ランチ£30~、ディナー£60~、
シェフズテーブル(6人迄)£750~
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