Vol.44

一風変わった肉屋
「ジンジャー・ピッグ(The Ginger Pig)」

店の外観

ショーケースはこれだけ

自家製パイも種類が豊富

購入したチキン&タラゴン・パイ

  スーパーマーケットですべての買い物を済ましてしまうのが、便利なこの国。すっかり習慣化してしてしまい、スーパーは安いと思いがちだが、生鮮食品はローカルの店が安くて新鮮という場合もある。

 最近は、肉は肉屋で、魚は魚屋で購入しようという運動も盛んになってきている。販売するのはプロだ。適切な調理法を教えてくれたり、いろんな注文にも応えてくれる。例えば、魚なら3枚におろしてくれるし、イカなんて皮も剥いてくれる。肉だって、フィレをひき肉にしてほしい。なんていう注文も可能だ。
  そんな中、お洒落なマーリボンのハイストリート近くにある「The Ginger Pig」は、自らのオーガニック農場を持ち、店構えがちょっと変わった肉屋だ。
 店には、商品が入っているショーケースがほとんどない。正面には大きなブッチャー用のテーブルが並び、その上に肉の大きなかたまりが載っていたり、時には豚の頭も置いてある。見渡すと販売している商品が壁に書かれている。
  欲しい肉を注文すると後ろの冷蔵庫から出したり、大きなブロックから切り分けたりして、商品を用意してくれる。見ていると、ひき肉もその場で作るようだ。気のせいか肉の色が、自然な赤に見えるのは偏見かな?
 奥には、自家製のパテやパイ、ソーセージ、ベーコンもあり、土曜日などは朝からポッシュな人たちで賑わっている。購入したチキン&タラゴン・パイ(1つ£5)は、市販のものより、色、味とも手作り感と自家製のよさがよくでている。一般的に塩加減がきつくなりがちだが、とてもあっさりとして美味しかった。

 この店のオーナーTimothy Wilson氏は、肉屋を持つなんて夢にも思ていなかった。たまたま飼った豚の縁で、気がついたらその地域ではちょっと名のある肉屋になっていた。転機が訪れたのは、初期のバラマーケット出店に誘われてから。3日間分として用意したソーセージが1日目の2時ですべて売り切れたそうだ。すぐに追加をしたが、それも同じように売れてしまったとか。バラマーケットがレギュラーに開催されて以来、お客も増え、有名なレストランにも卸すようになり、ついにロンドンで店をオープンした。
 そんな彼の唯一の楽しみは、ヨークシャーにある農場とロンドンを最高時速218マイルを出す愛車ポルシェで往復することとか。そんな一風変わった肉屋を一度訪れて、おいしい肉を購入してみては?


臭みの少ない牛肉
「 21 Days Matured 」

  しかし、近所にいい肉屋は見つからないし、スーパーマーケットは便利という方にお勧めなのが、Sainsbury’sのTaste the differenceシリーズ「21 Days Matured (21日以上寝かしてある牛肉)」。
  日本人は、英国の牛肉は臭くて食べられない。とよく言うが、これは屠殺してから肉を出荷するまでの時間が日本に比べて短いのが原因らしい。
  この「21 Days Matured」は、よい風味と柔からかさを出すために、21日以上寝かしてあるそうだ。調理して見るとその通り,いつもの肉に比べ臭みがなく、柔らかくておいしいではないか。肉臭さが気になっていた方、ぜひ一度トライしてみて!!
The Ginger Pig
8-10 Moxon Street Marylebone W1U 4EW

TEL: 0207 9357788
営業時間:
月〜水  9:00-17:30
木、金 9:00-18:30
土     9:00-18:00
日     10:00-15:00
バラマーケットにも出店。
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