Vol.79
辛さを楽しむ四川中華料理の新レストラン
「バー・シュー(Bar Shu)」


チリオイル一杯の鶏の蒸し物


レタスサラダ

力強い独特な味のスープ

これぞ本場の麻婆豆腐

インゲンの炒め物

豚肉のフイッシュソースあえ
  ロンドンの中華街にあるレストランは、 カントニーズ(広東)味の料理をだすが、 シシュウ(四川)料理を出す店がオープンしたというので、行ってみた。

  この店は、中華街からShaftesbury Avenueを渡ったすぐ側にあり、店に入るとすぐ目にはいるのが、山盛りの唐辛子のディスプレイ。メニューを見てもチリマークが表示されるなど、四川料理は辛さが特徴。盆地で暑いため、その気候を反映して唐辛子や山椒などを沢山使うそうだ。麻婆豆腐の発祥はこの地。楽しみだな。

  メニューを見てもチリマークばかりが目に入りどれを頼んでいいのかさっぱり分からない。こんな時は、セットメニューをチェックすることにしている。3タイプのセットメニューが揃い、クラッシック(£22.50)、マイルド(辛さ抑えめの料理£24.50)、アドベンチアー(内蔵や激辛料理£23.50)とある(料金は2名で注文した場合の1人分)。 スターター3つ、メイン3つと分量もいい感じだし、 何といってもセットメニューの分け方が気に入った。激辛は、ちょっと弱いので、正統派のクラシックを選ぶ。

  スターターとして出て来たのは、蒸した冷たいチキン、セサミソースのレタスそれにスープだ。チキンは、たっぷりのチリオイルに浸り、結構スパイシー。しかし、意外に辛くない。鶏肉は2段もあり、これを全部食べたらメインにたどり着けないくらい、たっぷりのボリュームだ。レタスは、形よく綺麗に切られ、セサミソースがかかっている。岩塩が効いていて、結構パンチのあるサラダだ。可愛らしい陶器に入ったスープは、キノコ、鶏、白いキクラゲが入り、胡椒(もしかしたら、山椒かもしれない)がインパクトある味をだしているが、この胡椒が効きすぎていてあまり好きになれなかった。

  さて、本場の麻婆豆腐がメインとして出て来た。これもまた凄いチリオイルの量だ。肉はなく、豆腐と香辛料だけで調理されている。特にスパイシーでないが、食べ慣れているいつもの味とは違うなぁ。どうも味噌を使用していないので、甘さがなく大人の味として仕上がっている。次に来たのはインゲンの炒め物。ガーリックと供に一度揚げてから炒めているようで、コクがありスパイシーだ。酒のつまみにピッタリでちょっと止められないおいしさがある。さらに出て来たのは、豚肉のフィッシュソースあえ。豚肉にタケノコなどの野菜が入った炒めもの風。漬け物が入っているようで、その甘さとちょっぴり辛いチリ味で後引く美味さだ。メインも量がかなり多く、全部を食べきれず、最後にはドッギーバック※(持ち帰り)を頼んだほどだ。

  隣では、表面にチリが100個いや、200個ぐらいが浮いた魚料理がテーブルに出された。まずは、ウエイトレスが浮いている大量のチリをすくい揚げてから、お客が食べ始める。いったいどのくらい辛いのだろうか?辛さは、どんどん慣れていき、もっと強いものがほしくなり習慣化するそうだ。

  担々麺が£4.50と1品料理で済ませてもいいが、お薦めは3、4人で行き、2人がセットメニューを頼み、その他は、気になる料理を2、3品頼めば、量も十分だし、懐もうれしい。

  尚、辛さの後にデザートを。と考えていては当てが外れる。この地域では甘いものを食事として考えているので、小さくて愛らしい魅惑的なデザートは期待してはいけない。味の珍しさと店舗の新しさで人気の店なので、予約をお薦めする。(か)

(2006年8月取材)

※ ドッギーバック(Doggie Bag)/「残った料理を犬に食べさせるから、持ち帰り用に詰めてね。」ということが語源らしいが、最近は犬にあげず、持ち帰る本人たちの食べ物になる場合がほとんど。さすがに一流レストランでは言えないが、中華、イタリアンなど普段使いのレストランでは頼める場合が多い。

Bar Shu
28 Frith St Londo W1D 5LF

TEL: 020 7287 8822
WEB: www.barshurestaurant.co.uk
営業時間:月-日曜日 12.00-23:00
料理のタイプ: チャイニーズ
一人の目安予算:£30
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