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November 30, 2005

天国への道 

career2.gif  先日、会社帰りのことだ。

道の向こうから、ものすごく目の細い東洋人の女の子が歩いてきた。
(ほほー、珍しい)
この頃の若い子は身体改造に熱心で、黒人の女の子はみんなストレートヘア、東洋人の女の子はみんな二重まぶたに整形をしているものと思っていた。
(親から貰った体を大切にしているのね。親孝行、親孝行)と思っていると、話しかけられた。
「ハロー、私は韓国人のキムです。あなたは日本人ですか?」
「はい、そうです」と私。
と、突然、
「あなたは神を信じますか?」と聞かれた。

神といっても、色々いる。
キリスト教の神から、お釈迦様に、アラーの神、インドなんかは腕が何本もあるのとか、象の鼻をしてるのとか。
象の鼻の神様に「安産」とか「希望校への合格」なんかお願いして、効き目があるのか、ちょっと不安だが。

韓国の人はキリスト教の信者が多いと聞いたことがあるので、たぶんキリスト教だと推測する。

「ええっと、そうですね・・・。子供の頃、友達と一緒に教会に行ったことがあります」
キム嬢は大げさに首をふる。
「教会に行くことと、神を信じることは違います。いいですか、神を信じると天国に行きます。信じないと地獄に落ちます。さあ、どうします? 神を信じますか?」

そんなこと、急に言われてもなあ。

キム嬢はもう一度、噛み砕くように繰り返した。
「簡単なことです。神を信じると天国に行きます。信じないと地獄に落ちます。さあ、神を信じますね?」

会社帰りの道ばたで、18歳の宗教少女から改心を迫られて、はい、そうですか、と3分間で転向する人が何人いるだろう?

これがイギリス人の宗教おやじだったら、間違いなく議論をふっかけるか、おちょくるかのどっちかをしていた思う。
しかし、異国に住む同じ東洋人どうし。おまけに若い真面目そうな子に、それはかわいそう。で、しかたなく、
「たいへん重要なことなので、この場でお答えできません。考えてみます」と答えた。

迷える子羊を救うことができなかったキム嬢は、がっくりと肩を落として立ち去ったのだった。

キム嬢、宣教師への道は遠い。(というか、話しかける相手を間違っていると思う)

投稿者 lib : November 30, 2005 09:09 PM

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