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December 19, 2005

イギリスの公衆トイレ その2

mama.gif   さて先週のお話の続き。

初めて入った男性(Boys)用トイレで、背後を振り向いた私の目に飛び込んできたのは。

一枚の巨大なステンレス板だった。

ステンレス板。それだけ。人はそれを「便器」と呼ぶらしい。仕切りなんてない。そこに男の子達は、並んで滝を打ち付けるのだろうか。

あまりにも原始的なその「便器」に私は気を失いそうになった。中国本土を旅行した時に入った公衆トイレ以来の衝撃だ。

中国のその公衆トイレは、女性用であるにもかかわらず個室がなかった。コンクリートの床に一本の長い溝があり、その溝をまたいで用を足すシステムなのだ。前後に壁はない。つまり、前にいる人がペロンと出したお尻を、嫌でも凝視する格好になる。(和式の姿勢だと人は自然に斜め下を見るのだった。)文句を言ってばかりもいられない。後ろの人はやはり同じように嫌でも私のお尻を見ざるを得ないのだから。見苦しいものをお見せして申し訳ない気持ちで一杯になった忌まわしい過去。

しかしここは中国ではない。18世紀に産業革命を起こした大英帝国だ。あまり関係ないか。ならば、個人主義の発達した国イギリス、という切り口はどうだ。そう、ここは他人と肩が触れ合っただけで「ソーリー」を連発するイギリス人の国なのだ。しかもそこは、ポッシュで有名なHヒース内のプレイグラウンドだ。

どこの国よりもプライバシーを尊重する国民が、どうしてこんな便器に耐えられるのだろう。だって、隣の人のものが見えてしまうではないか。もしかしたら隣の水しぶきが飛んでくるかもしれない。想像するだけでおぞましい。

その後入った別の公園では、Boys用便器も独立型の白い陶器製で安心した。しかし夫に確かめると、ステンレス板仕様も一般的だという。ユーザーである当の男性はどう思っているのだろう。(男性の読者の方、イギリスの公衆トイレにおける陶器対ステンレス板の比率や使用感の違い等々、情報お待ちしております。)

男性だったら常識なのかもしれないが、男の子の親にならなければBoys用トイレに入ることも一生なかったろうし、巨大ステンレス板の便器の存在も知らなかっただろう。いやいや、壁一枚隔てたところに、未知の世界がまだまだあるものだ。


追記1.シモの話のついでと言ってはなんですが、五味太郎さんという絵本作家の代表作に、絵本史上でも類を見ない衝撃的なタイトルと内容の本があります。その名も「みんなうんち」。先日、その翻訳版をピカデリーの書店で見つけ購入しました。いろいろな動物(人間も含む)のうんちする姿がこれでもかこれでもかと登場し、私も初めは「どうかなー」と思いましたが、読めば読むほど味わい深く、今では母子のお気に入りの一冊となりました。一般的にタブーとされている話題を、こんなにラブリーな世界に創り上げる五味さんの自由な発想や技量、すごいです。ちなみに英語タイトルは「Everybody poos」ですが、息子はなぜか日英交じりで「みんなプー」と呼んでいます。

追記2.イギリスの冬は寒いです。で、今年のクリスマスはポルトガルに脱出することにしました。というわけで勝手ながら来週はお休みさせていただきます。皆さん、素敵なクリスマスと新年をお迎えください!来年もよろしくお願いいたします。

投稿者 lib : December 19, 2005 12:31 AM

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