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April 20, 2006

パスポートコントロール その1

career2.gif イギリスの入国審査は厳しいそうですね。 
何か入国時のコツといったものがありますか? と聞かれることがある。
そんなものはない。なんせ「十人十色」だからだ。 
つまり、10人の入国審査官の対応は10通りある。

「外国人を入国させるかどうかと、滞在の期間については、その日の気分によって決めること」(入国審査官のための入国ガイドライン、第16条より抜粋)みたいなマニュアルがあるに違いない。

前日の夫婦喧嘩でイライラしている担当者に当たったりすると、運が悪い。

姪がイギリスに遊びに来たので、一緒にベルギーのブルッセルとブルージュに行った。
ワッフルやムール貝を食べて、馬車や運河の観光ボートに乗り、とさんざん遊んだ。  
で、帰り道ブルッセル側でパスポートを見せる。 
姪は観光です、来週には日本に帰ります、で問題なし。ところが、私の方がひっかかった。

「あなたも観光ですか?」
「いいえ、イギリスに住んでいます。これがビザ」
とパスポートのビザのページを開いてみせる。
担当官が眉をひそめた。

無理もない。最初に貰った永久ビザは大きな収入印紙みたいな紙がパスポートに貼ってあって、それに仰々しいスタンプが押されていた。 
が、パスポートが切り替わったとき、ヒースロー空港の審査官は新しいパスポートにサラサラッと手書きのビザ(の裏書)を記入したのだ。

それも、かなり汚い字で。 

「あなたも日ペンの美子ちゃんで、きれいな字に・・・」 と思わせる悪筆だ。
しかし、その手書きビザで数年間、何ひとつ問題はなかった。

「これではダメです」
そう言って、
「4週間以内に国外退去の事」のスタンプを押した。
こらこら、何をするんだ。 この木っ端役人め(時代劇用の差別語)。 
永久ビザが失効するのは2年以上継続してイギリス外の国に住んだときだけ、と書類にきちんと書いてあったぞ。

「私は永久ビザを持っています」
「このパスポートのビザでは認められません」
虫めがねで文字の拡大までした後で彼はそう宣言した。


続く

投稿者 lib : April 20, 2006 09:32 AM

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