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July 13, 2006

霊媒師

career2.gif 霊媒師のところへ行ってきた。

ハロッズのあるナイトブリッジに近く、大使館なども並んでいるポッシュなエリアだ。
SAGB/イギリス霊媒師協会の建物は広々として天井も高く、由緒ありげな内装。シャーロック・ホームズを書いた作家のコナン・ドイルの名をつけたレクチャールームもある。
霊媒師などという怪しげな商売とご大層な雰囲気の団体の対比がなかなか憎い。

ロンドンに住む日本人女性の間で「ブーム」になっているのか、受付のおじさんも、
「この頃、やたらと日本人が多いんだよ」と言う。私たちも日本人に推薦された。

友人に予約を入れてもらい、土曜日に一緒に出かけた。帰りにはチャイナタウンで飲茶のランチを食べようね、と準備万端のスケジュールを立てる。

何の飾り気もない小部屋 (ほとんど警察の尋問室だ。 いや、そんな所に行ったことはないけれど・・・)に案内される。タロット占いとか霊感占いのようなところは、おどろおどろしいインテリアだったりすることが多いので、ちょっと拍子抜け。
霊媒師といえば、「恐山、イタコの口寄せ」(酢タコの口寄せではない)みたいなイメージがあったのだが、出てきたのは歯科医みたいな白衣(協会のロゴ入り)を着た小太りのおじさんだ。

えらく旧式で、製造中止されて10年以上のようなテープレコーダーを出して、
「録音しておきますか?」と聞かれる。
「いえ、別に・・・」
テープを再生して聞くことがあるとは思えない。

「親しかった人で、誰か亡くなられていますか?」
・・・いたっけ?
うちの一族は長寿で健康、みんなピンピンしている。困ったな。
あ、おばあちゃんがいた。

「母方の祖母が・・・」
「・・・ここに来られています」
早い! 孫娘のために二分の一秒でイギリスまで駆けつけてくれたのか! 
ばあちゃん、マッハの技である。

仕事のこと、人間関係のことを霊媒師の口を通して、
「お前はお調子者」とか「いい加減に落ち着きなさい」だのと、いかにも祖母が孫にさとすような当たり前のことが語られる。
「仕事も必ずうまくいくから、がんばってごらん」と励まされもした。

別に悩みがあって行ったわけではないので、30分の予定が15分で終わってしまう。
「何か聞きたいこと、気になっていることはありますか?」
「いえ、特に・・・」
おい、時間がもたないぞ。

えーと。

あるプロジェクトがあって、そのパートナーとして、ふたりの候補者がいる。別に急ぐわけではないが、どちらの人と手を組むのだろうと思っていた。で、聞いてみる。
「その人は・・・」と霊媒師。
と、相手の身長、話し方、肌や髪の色、めがねの有無を具体的に次々と上げていく。
ところが、ふたりとも非常に似たタイプでどちらなのか判断できない。
「ふたりの名前は?」
名前を告げると、霊媒師は片方の名前を挙げて、はっきりと、
「この人と一緒にプロジェクトをします。もう一人は来週どこかへ行ってしまいます」と宣言。

おい、おい、いいのか? そこまで言い切って。

とりあえず、お礼を言って退室した。30分で30ポンド。

でも、祖母は生前、巫女とか千里眼だったわけではない。普通のおばあちゃんに私の未来がわかるのだろうか? 霊界に行って予知能力をつけたのか? すごいぞ、ばあちゃん!

その答えは一週間以内に出るようだ (たぶん出ないと思うが、出たらお知らせする)。

お愛想で霊的なことに興味があります、と言うと、もう少しで通訳としてリクルートされそうになった。この協会で髪の長い日本人の女が働いていたら、それは私です。(嘘だよ)

祖母が守護霊でひと安心である。楽しみにしていた飲茶を食べてから帰った。

投稿者 lib : July 13, 2006 08:56 AM

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